元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~

冒険者ギルド酒場 チューイ

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【宿命と魂の繋がり】

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 俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。

「先生!救急です!落石事故で現場作業員2名がこちらに運ばれてきます!」

 医局に看護師が慌てて入ってくる。

 ピーポーピーポー。遠くにサイレンが聞こえる。そして、そのサイレンは次第にこちらに近づいてくる。そして、看護師から患者の状態が告げられる。

「一人は、頭部に損傷が見られますが意識は比較的良好。もう一人は重傷とのことです。」

「受け入れの準備をしてくれ。」

「はい!」

 俺は、救急のメンバーに指示をすると、自分も準備を始める。

 救急の搬送口からストレッチャーがガラガラ音を立てて患者を運んでくる。

 騒然となっている現場。瞬間の判断ミスが命の光を消してしまうかもしれない緊張感にあふれている。

「到着しました。一人は奥にお願いします。もう一人は、中央にお願いします。」

 自分の前に重症患者が配置される。

「1.2.3」

 ストレッチャーから患者をベットに移す。

「服を切りますねー」

 ナースは患者にそう告げ、服を切りモニターをつける。

「ん?これは。緊急オペの準備をお願いします。」

「わかりました。」

 そう言い、ナースはオペの準備に取り掛かる。と同時に

 ぴぴぴぴぴー、ぴぴぴぴー。

「先生!心停止です。」

「心マ開始します。これは、クラッシュシンドロームだな。エピネフリンとカテコラミンを用意して」

「挿管したら1レグ、スタンバイで!」

 俺は、心マを続ける。

「帰ってこい!!」

 俺は、そう言いながら心マを続ける。

 ・・・

 俺は、なんとか患者を生還させた後、緊急オペに入り助けることができた。そんな自分が帰宅できたのは翌日の夕方だった。

 帰り道、なぜか俺は、昨日崖崩れが起こり、何人かの犠牲のあった現場に来ていた。そこには、花をもって佇む一人の女の子がいた。

 “あぁ、ここで誰か大切な人を亡くしたんだな。力になれなくてごめん。”

 そんな思いにふけっていると、カラカラっと小石が転がってきた。

「あ!危ない!」

 俺が駆け寄ると同時に土砂が降ってきた。俺は、彼女を抱きかかえその場に倒れた。





「あれ?ここはどこだ?ん!?あの娘はどうなった!?」

 目を覚ました。俺はそうつぶやき辺りを見回した。

 あれ、下のほうで何か大騒ぎしてるけど…。

 よく見ると、“俺が抱きかかえて庇った”彼女が俺の体の横で泣きじゃくっている。

 ”お。彼女は無事みたいだな。よかった。…ん??んんん?”

 って、なんで俺!!

 手足が動かない。そして、呼吸や心臓が鼓動している感覚がない。しかし、物事を考えたり、視点を左右上下に動かすことも移動する事もできる。

 しいて言うならゲームの視点切り替えをしながら移動をしている感覚に似ている。

 よく見ると細い糸が俺の体に繋がっているのが見える。

「え!?浮いてる?」

「お。意識が戻ったみたいだねー?」

 どこからともなく声が聞こえた。

 聴覚も問題なさそうだ。

 いったい何が起こっているんだろう。

「誰だ?」

 俺は声のするほうへ向けて声を上げた。

 と、その瞬間、目の前に白いローブを纏って、手には背丈を超えるPRGで出てくるような杖を持った一人の若者が立っていた。年は、20代中頃だろうか?

「いやー、なんか、予定外の事が起こっててね…」

 若者は俺にそう告げると話を続けた。

「あ、そうだね。まずは自己紹介しないとね。僕は、創造神。君たちの世界で言う“神様”の一人だね。」

 この人は、一体に何を言っているんだ?

「すみません。何言ってるか分からないんですけど。」

「ちょっと困ったことになってるんだよ。」

 この人、人の話聞いてないな。

「あのー、自分も何が何だかわからなくて困ってるんですか…」

「そうだよね。今の状況を説明するね。そう言って俺の周りをくるっと一周回った。

 今の君の状態は生体魂魄乖離という現象を引き起こしてしまってるんだ。簡単言うと、身体から魂が抜けちゃってる状態なんだよ。まあ、君たちの世界で言う“幽体離脱”的な感じ。そして、普通はある程度時間が経つと自然に魂が体に戻って、魂が抜けてた時の記憶が消え、普段の通りに戻るんだけど…でも、少し違うのは…君の身体、死んじゃってるんだよねー。あははは」

 そう僕に告げながら頭の後ろをぽりぽりと掻いた。

「本来は、身体が死んじゃうと魂と身体を繋ぐ生命糸も切れて、君たちの世界で言う“あの世”に行くんだけど、君の場合、生命糸がしっかりと身体に繋がっててね。つまり、身体は死んでるけど、“魂は生きている”という状態なんだよ。こういうことは、普通起こらないんだけどね。きっと、本来君の果たすべき“宿命”が大きかったんだろうね。」

 創造神は、無い顎髭を撫でながら話した。

  “宿命”、そんな事考えた事無かったな。

「このままだと、君はずっとこのままの状態でこの世に縛られてしまうんだ。“あの世”にも“冥界”にも行けずにね。

 しかし、君は自分の事を顧みず、こんな状態になってまで彼女を助けた。それに多くの魂を救い続けてきた事も知ってるよ。そこで、君に選択肢を与える事にしたんだ。」

 そう言うと、創造神は俺の目も前に2本の指を突き出した。

「1つ目は、何もせずにこのままこの世界が無くなるまでこの世をさ迷う。しかし、その間、すべての事象に関われなくなる。

 2つ目は、この世ではない違う世界に転生をして“宿命”を全うする。同じ世界に転生は出来ないからね。それに“宿命”は、魂に刻まれてるからどんな“所”だろうと“運命”がその方向に導いてくれる。どちらを選んでもいいけど、僕的には、宿命を全うしてほしいかな。」

 創造神は、そう言ってほほ笑んだ。

 俺は正直、この世にそんなに未練はない。だから、俺の答えは既に決まっている。

「2つ目でお願いします。」

 そう言って創造神に頭を“下げた”

「了解!では、魂と身体を繋ぎ直すね。あ、そうそう。これから、君が転生する世界の身体は、今の魂とのシンクロに若干ずれがあるっぽい。まぁ、そんなに不便はないと思うけど。じゃあ、頑張ってねー。」

 え?どういうこと?と思うと同時にすごい勢いでどこかに吸い込まれる感覚があった。
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