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【冒険者ギルド】
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魔力の操作の仕方や調整のトレーニングを行っていると、すごい勢いでセリカがやってくる。
「はぁはぁ、師匠!タカミ君いますか!」
セリカの身に付けてる装備が血だらけになっている。しかも、体中傷だらけで、腕が垂れ下がってる。脱臼しているのだろう。そんな状態の彼女が必死に俺に詰め寄る。
「タカミ君!お願い!お願いだから私と一緒に来て!!」
「どうしたんですか!?全身すごい怪我してるじゃないですか!?とりあえず、その肩を入れます。」
そう言うと俺は、セリカの方を引っ張り入れた。
「ぐぁぁー!はぁはぁ、あれ、肩が治ってる。」
《ヒール》
セリカの全身を青白い光が包む。光が消えるとセリカの傷も奇麗に治っている。
「何があったんですか?」
満身創痍のセリカに尋ねると
「お願い!すぐ一緒に来て!!仲間が死んじゃう!兎に角、来てーー!」
「え!!」
「師匠!すみません!タカミ君を少し借ります!」
っと同時に、セリカに腕を引っ張られる。
うげー、俺の方が抜ける!とりあえず、走ってセリカについて行く。
お屋敷を抜け、とにかくひたすら走る。走る事数分、俺達は冒険者ギルドに着いた。そのまま中に入ると、3人の怪我人がいる。2人は軽傷だが、1人は重傷。傷を見ると腕が引きちぎられているが、腕は布でしっかりと縛られている。
俺は、急いで倒れている重傷者を診る。
「何があったのですか!?」
俺は、セリカに尋ねる。
「うぅ…冒険者ギルドで依頼されていた魔獣を討伐中に、ワイルドウルフの群れに襲われたんだ。何とか、ワイルドウルフは撃退したものの、前線にいたムラーノが腕を噛み千切られてしまって…」
兎に角、止血と怪我を塞がないと。
その前に魔獣により噛み千切られたらしいので、患部を滅菌することを試みる。
俺は、神経の伝達を遮断するイメージで術式を唱える
《アネスシージャ》
赤い光が全身を包む。
” アネスシージャの効果は?”俺は、頭の中で問いかける。
”全身の痛みを遮断します。”
つまり、麻酔だ。とりあえず、麻酔はかかったようだ。
《ウォーター》
ばしゃ、ばしゃと水が現れ、患部を洗浄していく。洗浄を終え、
《ファイヤー》
そのまま続けて、俺は掌にファイヤーを出し、患部を焼く。肉の焼ける匂いがあたりに拡散する。
「!!!!」
「たかみくん!?何してるの!!!」
セリカが俺に掴みかかり、引き離そうとする。
「一刻を争ってるんだ!だまって見てろ!」
俺は、きつい口調でセリカを引き離す。そして、
《ヒール》
《キュア》
青白い光に包まれ、重傷者の傷が塞がり、怪我がみるみる治っていく。しかし、腕は元に戻らない。意識は戻らないが顔色は良くなってきた。
ふぅ、取り合えず、一命はとりとめたか。
俺は、残りの二人のところに行き二人にもヒールをかける
《ヒール》
青白い光と共に傷が治る。それを見ていたギルドにいる人達が歓声を上げる。
「おぉぉぉぉぉ!!!すげーぞー!!こんなに凄い怪我を治しやがった!!」
”わーわー”と周りが歓声を上げる
俺は、セリカの所に行き先ほどの”処置”について説明する。
「ムラーノさんは、魔獣に噛み千切られたのですよね?そして、この状態になってそれなりに時間が経ってしまっている」
「そ、そうだけど。」
「自然界には物を腐らせる”菌”が存在するんです。野生の魔獣の口の中は特に”菌”が多いと考えられます。だから、治療する前に患部の”菌”を死滅させる必要がありました。もし、これをしないで治しても、数日後に患部がその”菌”によって腐ってしまう可能性があった。そして、”菌”が増え血液に乗って全身を行き渡ってしまう可能性があります。そうなると命に係わるんです。また、焼くことで止血も出来るんです。あれ以上の出血は命に関わります。」
患部が腐り、敗血症を引き起こす可能性があることをセリカに伝える。
「そ、そうだったんだね。ぼ、僕、そういう事何も知らないから…ごめんなさい!!」
「いいえ、いいんですよ。知らないのが普通だと思います。」
俺は微笑んで答える。そんな中、周りは大騒ぎだ。
「お前凄いな!!あんなヒール見たことないぞ!!」
「お前凄いから、俺がおごってやる!!こっちにこい!」
「いや、俺がおごってやるからこっちにこい!」
なんか、すごい騒ぎになってるな。
「あの、僕まだ子供なのでお酒はちょっと…」
「じゃあ、なんでもいいから飲めー!!」
なんか、無茶苦茶なことになってるけど…
そして、セリカが俺に抱き付いてきた。
「タカミ君!本当に、本当にありがとう!ありがとう!」
顔をぐちゃぐちゃに泣きじゃくりながら俺にお礼を言う。
そんな中、重症だった彼を含めた3人がやってきた。
「本当にありがとうございました。君は、我々の命の恩人だ!」
そう言うと、深々と頭を下げてきた。
「え、いや、あの、頭を上げてください。」
「僕は、ビートル。ムラーノと同じで戦士をしてる。君の回復魔法すごいね。一瞬で全身の傷と体力が元に戻ったよ。こんなの初めてだ。」
そう言って手を差し出す。ロン毛の金髪イケメン。シルバー色のセイ〇トみたいな鎧を着てる。腰にはロングソードが2本携えてる。年は、20代中頃くらいかな?
「僕は、ウォーレン大魔導士の弟子のタカミです。よろしくお願いします。」
そう言って、握手をする。
「そうか。あのウォーレン大魔導士の。では、セリカの弟弟子って事になるのかな?」
なるほどって感じで頷いている。
「何とか、彼をここまで連れて来たまでは良かったのですが、我々じゃ手に負えず途方に暮れてたところ、セリカが”治せるかもしれない人に心当たりがある”って走っ行ってしまったんだよ。」
それで焦ってたのか。まぁ、あの状態を見ればパニックになるわな。
「ぐすん…この3人は私のパーティーなの。紹介するね」
セリカはそう言うと3人を紹介してくれた。
「彼はビートル。このパーティーのリーダ。」
そう紹介されると俺に頭を軽く下げる。
「さっき重症だった戦士はムラーノ。パーティーの前衛の盾役をしてもらってるの。」
ムラーノを紹介される。
「ムラーノだ。さっきは、ありがとう。もうダメかと思った。本当に君は命の恩人だ。まぁ、この腕なんで、もう冒険者も出来ないけどな。わっはっはっは!」
なんか、豪快な人だ。結構大柄の筋肉質。シルバーの短髪で四角い感じの顔立ちが特徴なのかな?年は、20代後半から30代前半って感じ。フルプレートの鎧に身を包んでいる。
彼らのステータスは下記の通り
ムラーノ
剣士 LV29
HP 696/696
MP 262/262
筋力 319
魔力 232
防御力 139
魔防 232
俊敏 261
器用 261
知力 232
幸運 232
【ユニークスキル】
剣術
盾術
【スキル】
剣(低)
盾(低)
攻撃力上昇(低)
防御力上昇(低)
素早さ上昇(低)
ビートル
剣士 LV27
HP 648/648
MP 216/216
筋力 297
魔力 216
防御力 297
魔防 216
俊敏 243
器用 243
知力 216
幸運 216
【ユニークスキル】
剣術
瞬歩
【スキル】
剣(低)
俊足(低)
攻撃力上昇(低)
防御力上昇(低)
素早さ上昇(低)
「そして」
セリカが紹介しようとすると、
「私は、シャラン。このパーティーの治癒師をしてるわ。でも、君の回復魔法をみてると自信なくちゃうよ。」
そう言いながら手を差し出してきた。
シャラン。茶髪のロング。奇麗なお姉さま風。オデコに小さいい透明な石がついたアクセサリーを付けている。白っぽいローブに背丈背丈ほどの杖を持っている。
「ウォーレン大魔導士の弟子のタカミです。よろしくお願いします。」
シャラン
回復術士 LV28
HP 224/224
MP 672/672
筋力 224
魔力 308
防御力 225
魔防 252
俊敏 224
器用 224
知力 252
幸運 224
【ユニークスキル】
魔術
【スキル】
光属性(低) 炎属性(低)
【魔法】
《防御魔法》(2階層)
《補助強化魔法》(2階層)
《回復魔法》(3階層)
《炎魔法》(2階層)
俺たち5人は、冒険者ギルドの酒場に入り、席に着いて、話を始めた。
セリカを含めた4人は、ヤマトの街の冒険者ギルドに所属する冒険者をやっているそうだ。そう言えば、セリカが前に冒険者をやっているって言ってたな。
冒険者ギルドのランクには、アイアン、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナ、ミスリル、アダマンタイトがある。プラチナランクの冒険者は騎士団と同程度の実力があり、ミスリルになると一国の騎士団長レベルだと言われている。アダマンタイトクラスになると伝説級で現在冒険者ギルドに所属している冒険者にはいない。彼らの冒険者ランクは、ゴールドランク。冒険者のランクではかなり高い方だ。そして、今回の冒険者ギルドからの依頼は、ツイルヴィレッジに出現したロックトータスの討伐である。
この町の近隣には、ツイルヴィレッジがある。農業が中心の村で規模としては30前後の農家が暮らしているのどかな村だ。そこに、魔物が現れた。ロックトータスである。農作物だけではなく住人達にも被害が出ていたそうだ。
ロックトータスは、体長7m近くもある大型の魔物で、固い装甲でおおわれている。動きはそんなに早くはないが、噛みつき攻撃は固い岩盤さえも砕くという。また、鋭い爪を持っており、強力な引き裂き攻撃もしてくる。経験の浅い冒険者ならひとたまりもないだろう。しかし、彼らは見事にロックトータスを討伐。ロックトータスを解体している時に事は起こった。ロックトータスの血の匂いを嗅ぎつけ約25体前後のワイルドウルフの群れが襲ってきたのだ。
通常、ワイルドウルフ単体であれば、シルバーランクの冒険者でも討伐が可能だが、群れたワイルドウルフに襲われたらランクの低い冒険者だと一溜りも無いらしい。しかし、彼らは、逆にワイルドウルフを撃退した。撃退したはいいが、かなりのダメージを受け今に至ったそうだ。
「いや、まじで助かったよ。改めてパーティーを代表して礼をいうよ。本当にありがとう。」
疲れた顔でビートルが話し出した。
「でも、ビートルの提案した、ロックトータスの肉を使ってウルフどもを分散させたのが功を奏したな。」
ムラーノがうんうんとしながら言う。どうやら、ロックトータスの肉を餌にワイルドウルフを分散させ、そこにセリカの魔法で攻撃したらしい。
「でも、私をかばって…」
シャランがムラーノの腕をちらっと見て、そして下を向いてしまう。
「まぁ、でも、シャランが助かってよかったぜ。冒険者をしてればこうなる事もあらーな。気にするな。」
そう言って、ムラーノは”ニッ”っと笑った。でも、その表情は少し強張っていた。それはそうだろう。
「なんにせよ。みんな無事だったんだ。良しとしようじゃないか!」
ムラーノは明るくふるまう。
「しかし、タカミはまだ子供なのにすごい治癒魔法が使えるんだな。しかも、治療に詳しいと来た。本当に大したもんだよ。」
ビートルが俺に話しかける。
「そうだぜ。自分は、もうダメかと思ってたんだからな。しかも、体力も回復して、傷口も塞がってる。そして、痛みも無い。こりゃ、本当に助かったぜ。この借りは必ず返すからな。」
「いえ、そんな借りだなんて。僕は、皆さんは、セリカ先輩の仲間だし、当然の事をしたまでですよ。」
「タカミ君は、治癒に詳しいね。私には、とても真似できないよ。」
ちょっと寂しそうにシャランが言う。
「ははは…そんな事ないですよ。」
俺は、笑ってごまかす。
「でも、タカミ君が師匠のところに居てくれて本当に助かったよ。」
またしても俺に抱き付く。
「それに、タカミ君、ムラーノの治癒をしている時、すごくたくましく見えたよ。まるで歴戦の治癒師みたいだった。」
セリカは、赤くなって照れているようだった。
そう言えば、師匠のレクチャーの最中に抜けて来たんだっけ。
「あ!僕、まだ、師匠のレクチャーの最中だったんだ!師匠のところに戻らないと!お先に失礼します!」
俺は、挨拶をすると
「あ!僕も一緒に行くよ。師匠に事情を説明しないとね。」
俺はセリカと共に師匠の屋敷に戻った。
そして、師匠に事の顛末を報告した。
「なるほど。それは、大変だったね。しかし、良く治療方法を知ってたね。どこで覚えたんだい。」
師匠が質問してくる。まぁ、気になるだろうね。
「”覚えた”ってゆうより”知った”の方が正しいかもしれません。以前、玉ネギーを使ってキュアの練習をしていたのですが、その時、周りについていたカビは奇麗にならなかったので、”自分自身で”浄化できない物、若しくは、”何を浄化するか分からない物”に関しては効果が”薄い”若しくは無いと考えたんですよ。その仮説から、”ばい菌”内部に残して表面だけ治ってるって思ったんです。」
「確かに、そういう事例はあるね。キュアは良く知られている様な毒素の浄化には効果があるけど、内容によっては効果を持たないものあるからね。しかし、それに気づくなんて大したもんだよ。」師匠は、”うんうん”と頷いている。
「まぁ、腕が残っていれば付けるとこも可能だったかもしれないけど、無いんじゃタカミの処置がかなり適切だったと思う。トカゲの尻尾じゃあるまいし、腕は生えてこないからね。」
師匠は冗談っぽく言うが、俺は、”自己的に再生することが無いなら魔法で再生をさせることは出来るんじゃないか”と思った。後で試してみよう。
「さて、今日は、もういいから帰ってゆっくり休みなさい。それとタカミ、5日ほど予定があるので次は6日後になります。それまでしっかり今までやっていたことの復習と鍛錬をするように。」
俺たちは、師匠に挨拶をし、帰路についた。
家に帰り、家族との団欒の後、ベットに入る。
確かに、この世界の医療水準はびっくりするくらい低い。治癒に関しては、薬草の調合や魔法、呪術に関する物はあるが、”医学書”というものが無い。
しかし、この世界でも俺が元居た世界の医学が通用すると思う。
俺の知識がこの世界の医学の発展に役立てるかもしれない。そんなことを考えながら眠りについた。
「はぁはぁ、師匠!タカミ君いますか!」
セリカの身に付けてる装備が血だらけになっている。しかも、体中傷だらけで、腕が垂れ下がってる。脱臼しているのだろう。そんな状態の彼女が必死に俺に詰め寄る。
「タカミ君!お願い!お願いだから私と一緒に来て!!」
「どうしたんですか!?全身すごい怪我してるじゃないですか!?とりあえず、その肩を入れます。」
そう言うと俺は、セリカの方を引っ張り入れた。
「ぐぁぁー!はぁはぁ、あれ、肩が治ってる。」
《ヒール》
セリカの全身を青白い光が包む。光が消えるとセリカの傷も奇麗に治っている。
「何があったんですか?」
満身創痍のセリカに尋ねると
「お願い!すぐ一緒に来て!!仲間が死んじゃう!兎に角、来てーー!」
「え!!」
「師匠!すみません!タカミ君を少し借ります!」
っと同時に、セリカに腕を引っ張られる。
うげー、俺の方が抜ける!とりあえず、走ってセリカについて行く。
お屋敷を抜け、とにかくひたすら走る。走る事数分、俺達は冒険者ギルドに着いた。そのまま中に入ると、3人の怪我人がいる。2人は軽傷だが、1人は重傷。傷を見ると腕が引きちぎられているが、腕は布でしっかりと縛られている。
俺は、急いで倒れている重傷者を診る。
「何があったのですか!?」
俺は、セリカに尋ねる。
「うぅ…冒険者ギルドで依頼されていた魔獣を討伐中に、ワイルドウルフの群れに襲われたんだ。何とか、ワイルドウルフは撃退したものの、前線にいたムラーノが腕を噛み千切られてしまって…」
兎に角、止血と怪我を塞がないと。
その前に魔獣により噛み千切られたらしいので、患部を滅菌することを試みる。
俺は、神経の伝達を遮断するイメージで術式を唱える
《アネスシージャ》
赤い光が全身を包む。
” アネスシージャの効果は?”俺は、頭の中で問いかける。
”全身の痛みを遮断します。”
つまり、麻酔だ。とりあえず、麻酔はかかったようだ。
《ウォーター》
ばしゃ、ばしゃと水が現れ、患部を洗浄していく。洗浄を終え、
《ファイヤー》
そのまま続けて、俺は掌にファイヤーを出し、患部を焼く。肉の焼ける匂いがあたりに拡散する。
「!!!!」
「たかみくん!?何してるの!!!」
セリカが俺に掴みかかり、引き離そうとする。
「一刻を争ってるんだ!だまって見てろ!」
俺は、きつい口調でセリカを引き離す。そして、
《ヒール》
《キュア》
青白い光に包まれ、重傷者の傷が塞がり、怪我がみるみる治っていく。しかし、腕は元に戻らない。意識は戻らないが顔色は良くなってきた。
ふぅ、取り合えず、一命はとりとめたか。
俺は、残りの二人のところに行き二人にもヒールをかける
《ヒール》
青白い光と共に傷が治る。それを見ていたギルドにいる人達が歓声を上げる。
「おぉぉぉぉぉ!!!すげーぞー!!こんなに凄い怪我を治しやがった!!」
”わーわー”と周りが歓声を上げる
俺は、セリカの所に行き先ほどの”処置”について説明する。
「ムラーノさんは、魔獣に噛み千切られたのですよね?そして、この状態になってそれなりに時間が経ってしまっている」
「そ、そうだけど。」
「自然界には物を腐らせる”菌”が存在するんです。野生の魔獣の口の中は特に”菌”が多いと考えられます。だから、治療する前に患部の”菌”を死滅させる必要がありました。もし、これをしないで治しても、数日後に患部がその”菌”によって腐ってしまう可能性があった。そして、”菌”が増え血液に乗って全身を行き渡ってしまう可能性があります。そうなると命に係わるんです。また、焼くことで止血も出来るんです。あれ以上の出血は命に関わります。」
患部が腐り、敗血症を引き起こす可能性があることをセリカに伝える。
「そ、そうだったんだね。ぼ、僕、そういう事何も知らないから…ごめんなさい!!」
「いいえ、いいんですよ。知らないのが普通だと思います。」
俺は微笑んで答える。そんな中、周りは大騒ぎだ。
「お前凄いな!!あんなヒール見たことないぞ!!」
「お前凄いから、俺がおごってやる!!こっちにこい!」
「いや、俺がおごってやるからこっちにこい!」
なんか、すごい騒ぎになってるな。
「あの、僕まだ子供なのでお酒はちょっと…」
「じゃあ、なんでもいいから飲めー!!」
なんか、無茶苦茶なことになってるけど…
そして、セリカが俺に抱き付いてきた。
「タカミ君!本当に、本当にありがとう!ありがとう!」
顔をぐちゃぐちゃに泣きじゃくりながら俺にお礼を言う。
そんな中、重症だった彼を含めた3人がやってきた。
「本当にありがとうございました。君は、我々の命の恩人だ!」
そう言うと、深々と頭を下げてきた。
「え、いや、あの、頭を上げてください。」
「僕は、ビートル。ムラーノと同じで戦士をしてる。君の回復魔法すごいね。一瞬で全身の傷と体力が元に戻ったよ。こんなの初めてだ。」
そう言って手を差し出す。ロン毛の金髪イケメン。シルバー色のセイ〇トみたいな鎧を着てる。腰にはロングソードが2本携えてる。年は、20代中頃くらいかな?
「僕は、ウォーレン大魔導士の弟子のタカミです。よろしくお願いします。」
そう言って、握手をする。
「そうか。あのウォーレン大魔導士の。では、セリカの弟弟子って事になるのかな?」
なるほどって感じで頷いている。
「何とか、彼をここまで連れて来たまでは良かったのですが、我々じゃ手に負えず途方に暮れてたところ、セリカが”治せるかもしれない人に心当たりがある”って走っ行ってしまったんだよ。」
それで焦ってたのか。まぁ、あの状態を見ればパニックになるわな。
「ぐすん…この3人は私のパーティーなの。紹介するね」
セリカはそう言うと3人を紹介してくれた。
「彼はビートル。このパーティーのリーダ。」
そう紹介されると俺に頭を軽く下げる。
「さっき重症だった戦士はムラーノ。パーティーの前衛の盾役をしてもらってるの。」
ムラーノを紹介される。
「ムラーノだ。さっきは、ありがとう。もうダメかと思った。本当に君は命の恩人だ。まぁ、この腕なんで、もう冒険者も出来ないけどな。わっはっはっは!」
なんか、豪快な人だ。結構大柄の筋肉質。シルバーの短髪で四角い感じの顔立ちが特徴なのかな?年は、20代後半から30代前半って感じ。フルプレートの鎧に身を包んでいる。
彼らのステータスは下記の通り
ムラーノ
剣士 LV29
HP 696/696
MP 262/262
筋力 319
魔力 232
防御力 139
魔防 232
俊敏 261
器用 261
知力 232
幸運 232
【ユニークスキル】
剣術
盾術
【スキル】
剣(低)
盾(低)
攻撃力上昇(低)
防御力上昇(低)
素早さ上昇(低)
ビートル
剣士 LV27
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MP 216/216
筋力 297
魔力 216
防御力 297
魔防 216
俊敏 243
器用 243
知力 216
幸運 216
【ユニークスキル】
剣術
瞬歩
【スキル】
剣(低)
俊足(低)
攻撃力上昇(低)
防御力上昇(低)
素早さ上昇(低)
「そして」
セリカが紹介しようとすると、
「私は、シャラン。このパーティーの治癒師をしてるわ。でも、君の回復魔法をみてると自信なくちゃうよ。」
そう言いながら手を差し出してきた。
シャラン。茶髪のロング。奇麗なお姉さま風。オデコに小さいい透明な石がついたアクセサリーを付けている。白っぽいローブに背丈背丈ほどの杖を持っている。
「ウォーレン大魔導士の弟子のタカミです。よろしくお願いします。」
シャラン
回復術士 LV28
HP 224/224
MP 672/672
筋力 224
魔力 308
防御力 225
魔防 252
俊敏 224
器用 224
知力 252
幸運 224
【ユニークスキル】
魔術
【スキル】
光属性(低) 炎属性(低)
【魔法】
《防御魔法》(2階層)
《補助強化魔法》(2階層)
《回復魔法》(3階層)
《炎魔法》(2階層)
俺たち5人は、冒険者ギルドの酒場に入り、席に着いて、話を始めた。
セリカを含めた4人は、ヤマトの街の冒険者ギルドに所属する冒険者をやっているそうだ。そう言えば、セリカが前に冒険者をやっているって言ってたな。
冒険者ギルドのランクには、アイアン、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナ、ミスリル、アダマンタイトがある。プラチナランクの冒険者は騎士団と同程度の実力があり、ミスリルになると一国の騎士団長レベルだと言われている。アダマンタイトクラスになると伝説級で現在冒険者ギルドに所属している冒険者にはいない。彼らの冒険者ランクは、ゴールドランク。冒険者のランクではかなり高い方だ。そして、今回の冒険者ギルドからの依頼は、ツイルヴィレッジに出現したロックトータスの討伐である。
この町の近隣には、ツイルヴィレッジがある。農業が中心の村で規模としては30前後の農家が暮らしているのどかな村だ。そこに、魔物が現れた。ロックトータスである。農作物だけではなく住人達にも被害が出ていたそうだ。
ロックトータスは、体長7m近くもある大型の魔物で、固い装甲でおおわれている。動きはそんなに早くはないが、噛みつき攻撃は固い岩盤さえも砕くという。また、鋭い爪を持っており、強力な引き裂き攻撃もしてくる。経験の浅い冒険者ならひとたまりもないだろう。しかし、彼らは見事にロックトータスを討伐。ロックトータスを解体している時に事は起こった。ロックトータスの血の匂いを嗅ぎつけ約25体前後のワイルドウルフの群れが襲ってきたのだ。
通常、ワイルドウルフ単体であれば、シルバーランクの冒険者でも討伐が可能だが、群れたワイルドウルフに襲われたらランクの低い冒険者だと一溜りも無いらしい。しかし、彼らは、逆にワイルドウルフを撃退した。撃退したはいいが、かなりのダメージを受け今に至ったそうだ。
「いや、まじで助かったよ。改めてパーティーを代表して礼をいうよ。本当にありがとう。」
疲れた顔でビートルが話し出した。
「でも、ビートルの提案した、ロックトータスの肉を使ってウルフどもを分散させたのが功を奏したな。」
ムラーノがうんうんとしながら言う。どうやら、ロックトータスの肉を餌にワイルドウルフを分散させ、そこにセリカの魔法で攻撃したらしい。
「でも、私をかばって…」
シャランがムラーノの腕をちらっと見て、そして下を向いてしまう。
「まぁ、でも、シャランが助かってよかったぜ。冒険者をしてればこうなる事もあらーな。気にするな。」
そう言って、ムラーノは”ニッ”っと笑った。でも、その表情は少し強張っていた。それはそうだろう。
「なんにせよ。みんな無事だったんだ。良しとしようじゃないか!」
ムラーノは明るくふるまう。
「しかし、タカミはまだ子供なのにすごい治癒魔法が使えるんだな。しかも、治療に詳しいと来た。本当に大したもんだよ。」
ビートルが俺に話しかける。
「そうだぜ。自分は、もうダメかと思ってたんだからな。しかも、体力も回復して、傷口も塞がってる。そして、痛みも無い。こりゃ、本当に助かったぜ。この借りは必ず返すからな。」
「いえ、そんな借りだなんて。僕は、皆さんは、セリカ先輩の仲間だし、当然の事をしたまでですよ。」
「タカミ君は、治癒に詳しいね。私には、とても真似できないよ。」
ちょっと寂しそうにシャランが言う。
「ははは…そんな事ないですよ。」
俺は、笑ってごまかす。
「でも、タカミ君が師匠のところに居てくれて本当に助かったよ。」
またしても俺に抱き付く。
「それに、タカミ君、ムラーノの治癒をしている時、すごくたくましく見えたよ。まるで歴戦の治癒師みたいだった。」
セリカは、赤くなって照れているようだった。
そう言えば、師匠のレクチャーの最中に抜けて来たんだっけ。
「あ!僕、まだ、師匠のレクチャーの最中だったんだ!師匠のところに戻らないと!お先に失礼します!」
俺は、挨拶をすると
「あ!僕も一緒に行くよ。師匠に事情を説明しないとね。」
俺はセリカと共に師匠の屋敷に戻った。
そして、師匠に事の顛末を報告した。
「なるほど。それは、大変だったね。しかし、良く治療方法を知ってたね。どこで覚えたんだい。」
師匠が質問してくる。まぁ、気になるだろうね。
「”覚えた”ってゆうより”知った”の方が正しいかもしれません。以前、玉ネギーを使ってキュアの練習をしていたのですが、その時、周りについていたカビは奇麗にならなかったので、”自分自身で”浄化できない物、若しくは、”何を浄化するか分からない物”に関しては効果が”薄い”若しくは無いと考えたんですよ。その仮説から、”ばい菌”内部に残して表面だけ治ってるって思ったんです。」
「確かに、そういう事例はあるね。キュアは良く知られている様な毒素の浄化には効果があるけど、内容によっては効果を持たないものあるからね。しかし、それに気づくなんて大したもんだよ。」師匠は、”うんうん”と頷いている。
「まぁ、腕が残っていれば付けるとこも可能だったかもしれないけど、無いんじゃタカミの処置がかなり適切だったと思う。トカゲの尻尾じゃあるまいし、腕は生えてこないからね。」
師匠は冗談っぽく言うが、俺は、”自己的に再生することが無いなら魔法で再生をさせることは出来るんじゃないか”と思った。後で試してみよう。
「さて、今日は、もういいから帰ってゆっくり休みなさい。それとタカミ、5日ほど予定があるので次は6日後になります。それまでしっかり今までやっていたことの復習と鍛錬をするように。」
俺たちは、師匠に挨拶をし、帰路についた。
家に帰り、家族との団欒の後、ベットに入る。
確かに、この世界の医療水準はびっくりするくらい低い。治癒に関しては、薬草の調合や魔法、呪術に関する物はあるが、”医学書”というものが無い。
しかし、この世界でも俺が元居た世界の医学が通用すると思う。
俺の知識がこの世界の医学の発展に役立てるかもしれない。そんなことを考えながら眠りについた。
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そして今日も残業の帰り道、脳内で転生したら、あーしよ、こーしよと現実逃避よろしくで想像しながら歩いていた。
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横断歩道を歩き目的他のアパートまで、もうすぐ、、、だったのに居眠り運転のトラックに轢かれ、意識を失った。
そして再び意識を取り戻した時、目の前に女神がいた。
◇
5年前の作品の改稿板になります。
少し(?)年数があって文章がおかしい所があるかもですが、素人の作品。
生暖かい目で見て下されば幸いです。
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俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ?
それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ!
よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・
え?俺様チート持ちだって?チートって何だ?
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話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。
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