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第1章 片思い編
第6話 戸惑いと誘惑/亮二
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「この際、4歳年上のお姉さんと付き合ってみない?」
千夏ねぇからのまさかの告白に戸惑う俺……
今まで千夏ねぇの事を美人だとは思っていたけど恋愛対象として見た事は無かったのでとても複雑な思いになってしまう。
「じょ、冗談じゃ無いんだよね?」
「当たり前じゃない。こんな事、冗談で言わないわよ。私は本当に亮君の事がずっと好きだったの。だから今まで他の人を心から好きになれなかったんだから……」
ずっと俺の事が好きだったなんて……
全然、そんなそぶりを見せなかった千夏ねぇが凄い人なのか、それとも普通なら気付けるのに気付けなかった俺が鈍感過ぎたのか……
ただ一つ言えるのは俺は広美の事が今も大好きで卒業するまでには彼女に告白しようと思っているので、その結果が出るまでは誰とも付き合う気は無い。
だから千夏ねぇと俺が付き合うなんてあり得ないよなと思っていると、千夏ねぇから思いがけない言葉を発せられる。
「亮君ってさぁ、今まで誰とも付き合った事が無いんでしょ? って事は童貞なんでだよね? ってうかキスもまだじゃないの?」
「うぐっ!!」
何て事を言うんだ、千夏ねぇは!?
いくら昔から知っている間柄とはいえ、こんな事を聞くなんて……
俺が黙って俯いていると千夏ねぇは「クスッ」と軽く笑いだす。
「そんな恥ずかしがらなくてもいいじゃない? あっ、それとも気を悪くしたのかな? それだったらゴメンなさいね? でも童貞を気にする必要は全然無いのよ」
「じゃぁ、何でそんな事を言うんだよ? 俺も18歳だし、気にしていないと言えば嘘になってしまうし……」
たまに思う事はあったんだ。俺に告白してくれた女子と一人でも付き合っていたら、とっくの昔に童貞は卒業できていたかもしれないと……
でもやはり俺の心から広美が消える事は無かったし、『初めての人』は広美がいいと思っていたから……なので俺は千夏ねぇに断る為のセリフを考えていると、
「誰でも最初は不安だし、ちゃんと出来ない人だっているのよ。だから私が……亮君の初めての人になってあげるから……だから安心して私と……」
「えっ!? な、何を言って……」
「ゴメン、少し上目線だったよね? 言い直すわ。私を亮君の初めての人にしてください」
「ち、千夏ねぇ……付き合ってもいないのにそんな事を言うなんて……本気で言ってるのかい?」
「本気だよ。私だって一度くらい好きな人とやりたいし……あ、でもそうだね。付き合う前からそんな話をするのはめちゃくちゃ変だよね? 私、少し焦っちゃったかもしれないわ……でもそれだけ亮君が好きなんだっていう事だけは分かって欲しいなぁ……」
千夏ねぇはそう言いながらもやっぱり恥ずかしかったのか顔を真っ赤にしている。
俺はそんな千夏ねぇの表情がとても可愛く見えてしまった。
勿論、俺もとっくに告白された時点で顔は真っ赤だった。
身体中がめちゃくちゃ熱くなっているし、変な汗が大量に出ている。
はぁ……
しかし俺はつくづく優柔不断な男というか、信念が足りないというか、本当に広美の事が好きならキッパリと千夏ねぇの告白を断ればいいのに断れない俺がいる。
それどころか心のどこかに千夏ねぇとの行為を想像している俺がいる。
俺の耳元で10代のうちに童貞を卒業できるのなら千夏ねぇと付き合うのも悪く無い話じゃないかという悪魔のささやきさえ聞こえてくる。
ガチャ
俺がこの誘惑に悩んでいると休憩室のドアが開いた。
「あら、千夏ちゃん来てたのね? まかないはどうする?」
休憩室に入って来たのはマスターの奥さん、山田久子さんだった。
奥さんはとても綺麗な品のある女性でマスターが言うには学生時代は学年のアイドルと言われていたそうだ。ちなみにマスター夫妻は中学の同級生同士だそうで、結婚して直ぐに東京に転勤になり夫婦でこの町を離れたらしい。
でもその会社が倒産してしまい7年くらい前にこの町に戻って来たマスターはお父さんがやっていたこの焼き鳥屋を手伝うことになり、そして4年前からマスターとしてこの店の経営をする事に。その時から久子さんも店を手伝う様になったそうだ。
「あ、こんばんは、奥さん!! 私は軽く食べてきたから大丈夫です。それにもうすぐ仕事の時間ですから亮君が食べ終わったら直ぐに着替えてお店に入りますので」
え? もうこんな時間?
俺は最後まで置いていたつくねを急いで頬張ると休憩室から出ようとした。そんな俺に千夏ねぇが笑顔で呼び止め「さっきの返事はいつでもいいから」と言ったので俺は苦笑いをしながら「うん」とだけ答え、休憩室から出て行った。
「亮二君、どうかしたの? お店に来た時は元気そうだったけど、急に元気が無くなったような気がするのだけど……」
お店が少し落ち着きだし俺が皿洗いをしていると、奥さんが俺の様子を心配して声をかけてくれた。
「だ、大丈夫ですよ。別に何でもないですから……」
「それならいんだけど……もしかして休憩室で千夏ちゃんと何かあったのかなぁと思ってねぇ」
ドキッ!!
ほんと、女性って男性と違ってそういうところ鋭いよなとつくづく思ってしまう。
「いや、マジで何も無いですから。ハハハ……」
「もし悩み事があるならいつでもおばさんに相談してよ?」
「は、はい、ありがとうございます」
俺は奥さんにそう言うと再び皿洗いを始めるのだった。
すると俺の肩をポンと誰かが叩いたので振り向くとそこにはマスターの山田さんがいた。
「え、マスター、どうかされましたか?」
「いや普通はさ、亮二君が誰かに相談するなら女の久子じゃなくて俺に相談するよなって言いたかっただけさ。ハハハハハ。まぁいつでも遠慮なく俺を頼ってくれよな?」
「は、はい……もし何かあった時はお願いします」
何だよ、マスターは耳をダンボにして俺達の会話を聞いていたのかよ?
でも夫婦揃って俺の事を心配してくれるのは有難いよなぁ。
卒業したらここで正社員として雇ってもらいたいぐらいの気持ちになった。
バイトが終わり俺は自転車で、千夏ねぇはミニバイクで帰宅する。
今日ほど帰宅手段が違うのを喜んだことはなかった。
と思ったのだが……
「亮君、今からファミレス行かない? 本当は私、何も食べてないんだよねぇ。もう、お腹ペコペコでさぁ……それに亮君ともう少し話もしたいしさぁ……」
「えっ、そうだったの? でも、もう10時だし、一応俺、高校生だから、あまり帰りが遅くなると親も心配するし、もし補導でもされるとマズいんだよ……うちの学校、本当はバイト禁止だからさ」
「ふーん、そっかぁ……じゃぁ仕方ないよねぇ……それじゃぁさ、今からうちに来ない? 昨日からうちの両親、旅行に行っていてさ、誰もいないのよ。どうかな……?」
小さい頃はよく千夏ねぇの家に遊びに行っていたけど、さっき告白されたばかりの状態で家に行ってしまったら……今の俺達はおそらく『今までの関係じゃ無くなってしまう』気がする。
「いや、だから千夏ねぇの家に行っても帰りが遅くなってしまうから同じ事だろ? それに今日は疲れたし、明日も学校あるし今日は帰るよ」
俺がそう言うと千夏ねぇはとても残念そうな表情を浮かべていたけど直ぐにいつもの笑顔に戻るとスッと俺に近づき、耳元で「意気地なし」とだけささやき、ミニバイクの座席に座りエンジンをかけ始めた。
「い、意気地なしって何だよ!?」
「フフフ……そのままのことだよぉ。せっかく今夜、亮君の記念日になったかもしれないのにさぁ……」
「だから俺達はまだ付き合ってもいないのに……」
「じゃぁ、なるべく早く返事を聞かせてちょうだい?」
「う、うん……分かった。出来るだけ早く返事をするよ……」
「良い返事を期待してるわね? それじゃぁ亮君、気を付けて帰るんだよぉ?」
「ああ、千夏ねぇもな?」
ブォオオオオン……
千夏ねぇはミニバイクを走らせ帰って行った。
俺は千夏ねぇの姿が見えなくなるまで見送るのだった。
帰宅した俺は着替えもせずにベッドに飛び込み、いつものようにタンスの上に飾ってあるぬいぐるみに話しかける。
「カナちゃん……今日も色々あって疲れたよ……まさか千夏ねぇに告白されるなんて夢にも思わなかった……俺はどうすれば良いと思う? 教えてくれないか、カナちゃん……」
――――――――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
千夏ねぇからのまさかの告白に戸惑う俺……
今まで千夏ねぇの事を美人だとは思っていたけど恋愛対象として見た事は無かったのでとても複雑な思いになってしまう。
「じょ、冗談じゃ無いんだよね?」
「当たり前じゃない。こんな事、冗談で言わないわよ。私は本当に亮君の事がずっと好きだったの。だから今まで他の人を心から好きになれなかったんだから……」
ずっと俺の事が好きだったなんて……
全然、そんなそぶりを見せなかった千夏ねぇが凄い人なのか、それとも普通なら気付けるのに気付けなかった俺が鈍感過ぎたのか……
ただ一つ言えるのは俺は広美の事が今も大好きで卒業するまでには彼女に告白しようと思っているので、その結果が出るまでは誰とも付き合う気は無い。
だから千夏ねぇと俺が付き合うなんてあり得ないよなと思っていると、千夏ねぇから思いがけない言葉を発せられる。
「亮君ってさぁ、今まで誰とも付き合った事が無いんでしょ? って事は童貞なんでだよね? ってうかキスもまだじゃないの?」
「うぐっ!!」
何て事を言うんだ、千夏ねぇは!?
いくら昔から知っている間柄とはいえ、こんな事を聞くなんて……
俺が黙って俯いていると千夏ねぇは「クスッ」と軽く笑いだす。
「そんな恥ずかしがらなくてもいいじゃない? あっ、それとも気を悪くしたのかな? それだったらゴメンなさいね? でも童貞を気にする必要は全然無いのよ」
「じゃぁ、何でそんな事を言うんだよ? 俺も18歳だし、気にしていないと言えば嘘になってしまうし……」
たまに思う事はあったんだ。俺に告白してくれた女子と一人でも付き合っていたら、とっくの昔に童貞は卒業できていたかもしれないと……
でもやはり俺の心から広美が消える事は無かったし、『初めての人』は広美がいいと思っていたから……なので俺は千夏ねぇに断る為のセリフを考えていると、
「誰でも最初は不安だし、ちゃんと出来ない人だっているのよ。だから私が……亮君の初めての人になってあげるから……だから安心して私と……」
「えっ!? な、何を言って……」
「ゴメン、少し上目線だったよね? 言い直すわ。私を亮君の初めての人にしてください」
「ち、千夏ねぇ……付き合ってもいないのにそんな事を言うなんて……本気で言ってるのかい?」
「本気だよ。私だって一度くらい好きな人とやりたいし……あ、でもそうだね。付き合う前からそんな話をするのはめちゃくちゃ変だよね? 私、少し焦っちゃったかもしれないわ……でもそれだけ亮君が好きなんだっていう事だけは分かって欲しいなぁ……」
千夏ねぇはそう言いながらもやっぱり恥ずかしかったのか顔を真っ赤にしている。
俺はそんな千夏ねぇの表情がとても可愛く見えてしまった。
勿論、俺もとっくに告白された時点で顔は真っ赤だった。
身体中がめちゃくちゃ熱くなっているし、変な汗が大量に出ている。
はぁ……
しかし俺はつくづく優柔不断な男というか、信念が足りないというか、本当に広美の事が好きならキッパリと千夏ねぇの告白を断ればいいのに断れない俺がいる。
それどころか心のどこかに千夏ねぇとの行為を想像している俺がいる。
俺の耳元で10代のうちに童貞を卒業できるのなら千夏ねぇと付き合うのも悪く無い話じゃないかという悪魔のささやきさえ聞こえてくる。
ガチャ
俺がこの誘惑に悩んでいると休憩室のドアが開いた。
「あら、千夏ちゃん来てたのね? まかないはどうする?」
休憩室に入って来たのはマスターの奥さん、山田久子さんだった。
奥さんはとても綺麗な品のある女性でマスターが言うには学生時代は学年のアイドルと言われていたそうだ。ちなみにマスター夫妻は中学の同級生同士だそうで、結婚して直ぐに東京に転勤になり夫婦でこの町を離れたらしい。
でもその会社が倒産してしまい7年くらい前にこの町に戻って来たマスターはお父さんがやっていたこの焼き鳥屋を手伝うことになり、そして4年前からマスターとしてこの店の経営をする事に。その時から久子さんも店を手伝う様になったそうだ。
「あ、こんばんは、奥さん!! 私は軽く食べてきたから大丈夫です。それにもうすぐ仕事の時間ですから亮君が食べ終わったら直ぐに着替えてお店に入りますので」
え? もうこんな時間?
俺は最後まで置いていたつくねを急いで頬張ると休憩室から出ようとした。そんな俺に千夏ねぇが笑顔で呼び止め「さっきの返事はいつでもいいから」と言ったので俺は苦笑いをしながら「うん」とだけ答え、休憩室から出て行った。
「亮二君、どうかしたの? お店に来た時は元気そうだったけど、急に元気が無くなったような気がするのだけど……」
お店が少し落ち着きだし俺が皿洗いをしていると、奥さんが俺の様子を心配して声をかけてくれた。
「だ、大丈夫ですよ。別に何でもないですから……」
「それならいんだけど……もしかして休憩室で千夏ちゃんと何かあったのかなぁと思ってねぇ」
ドキッ!!
ほんと、女性って男性と違ってそういうところ鋭いよなとつくづく思ってしまう。
「いや、マジで何も無いですから。ハハハ……」
「もし悩み事があるならいつでもおばさんに相談してよ?」
「は、はい、ありがとうございます」
俺は奥さんにそう言うと再び皿洗いを始めるのだった。
すると俺の肩をポンと誰かが叩いたので振り向くとそこにはマスターの山田さんがいた。
「え、マスター、どうかされましたか?」
「いや普通はさ、亮二君が誰かに相談するなら女の久子じゃなくて俺に相談するよなって言いたかっただけさ。ハハハハハ。まぁいつでも遠慮なく俺を頼ってくれよな?」
「は、はい……もし何かあった時はお願いします」
何だよ、マスターは耳をダンボにして俺達の会話を聞いていたのかよ?
でも夫婦揃って俺の事を心配してくれるのは有難いよなぁ。
卒業したらここで正社員として雇ってもらいたいぐらいの気持ちになった。
バイトが終わり俺は自転車で、千夏ねぇはミニバイクで帰宅する。
今日ほど帰宅手段が違うのを喜んだことはなかった。
と思ったのだが……
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「いや、だから千夏ねぇの家に行っても帰りが遅くなってしまうから同じ事だろ? それに今日は疲れたし、明日も学校あるし今日は帰るよ」
俺がそう言うと千夏ねぇはとても残念そうな表情を浮かべていたけど直ぐにいつもの笑顔に戻るとスッと俺に近づき、耳元で「意気地なし」とだけささやき、ミニバイクの座席に座りエンジンをかけ始めた。
「い、意気地なしって何だよ!?」
「フフフ……そのままのことだよぉ。せっかく今夜、亮君の記念日になったかもしれないのにさぁ……」
「だから俺達はまだ付き合ってもいないのに……」
「じゃぁ、なるべく早く返事を聞かせてちょうだい?」
「う、うん……分かった。出来るだけ早く返事をするよ……」
「良い返事を期待してるわね? それじゃぁ亮君、気を付けて帰るんだよぉ?」
「ああ、千夏ねぇもな?」
ブォオオオオン……
千夏ねぇはミニバイクを走らせ帰って行った。
俺は千夏ねぇの姿が見えなくなるまで見送るのだった。
帰宅した俺は着替えもせずにベッドに飛び込み、いつものようにタンスの上に飾ってあるぬいぐるみに話しかける。
「カナちゃん……今日も色々あって疲れたよ……まさか千夏ねぇに告白されるなんて夢にも思わなかった……俺はどうすれば良いと思う? 教えてくれないか、カナちゃん……」
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お読みいただきありがとうございました。
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