54 / 93
第5章 嫉妬編
第53話 結婚します/亮二
しおりを挟む
打ち上げ開始から数時間が経ち、現在は6時半……そろそろカナちゃんは時間だな。家まで送らないといけないな……
「カナちゃん? 7時までには家に帰らないといけないからそろそろ帰る準備をした方がいいんじゃないかな? あ、それと俺が家まで送るからね」
「え? ここから家まで直ぐだし別に送らなくても私は大丈夫だよ」
「ダメダメ、外はだいぶ暗くなってきているし、夜道に女の子を一人で帰らせる訳にはいかないから。ちゃんと家に送り届けないと俺も心配だしね」
「う、うん……ありがとう。それじゃぁお言葉に甘えてお願いします」
そして俺達は部員やマスター達に挨拶をして店の外に出ようとした矢先、入り口のドアが開き、見覚えのある人達が入って来たので俺とカナちゃんは立ち止まった。
「あれ? お客さん凄く多いわね? もしかして今日は貸し切りなのかしら?」
「そうみたいだね。ん? ああ、外のドアに張り紙がしているよ。何々……ああ、そうだったのか。今日は7時まで貸し切りなんだだねぇ」
「ふーん、そうなんだ。それじゃぁ、どこかで時間を潰してからまた来る?」
「そうだね。出直そうか……」
店に入って来たのは男女のカップル……そのうちの男性は俺がよく知っている人……
そして女性はカナちゃんがよく知っている人……
俺達は同時に大きな声を出す。
「根津さん!?」「桜ちゃんのお母さん!?」
「おーっ!?」「あらぁああ!?」
「根津さん、お久しぶりです!! お元気そうで良かったです!!」
「ほんと、久しぶりだね、鎌田君!! まさか、ここで君に会えるとは思わなかったよ。エキサイトランドのバイトを辞めた後にこのお店のアルバイトも辞めたと聞いていたから……」
「そうですね。一度は辞めましたが大学生になってからマスターにお願いして復活させていただいたんですよ。あ、でも今日は部活の打ち上げでお店を貸し切らせていただいているんでお客なんですけどね」
まぁ、ほとんど店の手伝いをしていたけどな。
「ハハハ、そうだったのかぁ……」
根津さんに久しぶりに会えて嬉しいけど、まさか一緒にいる人が大塚さんだなんて意外だよなぁ……いや、そうでもないかも……
「根津さんと大塚さんはよく一緒に飲みに行かれているんですか?」
俺は根津さんに聞いたつもりだったが、大塚さんが大きな声で返事をする。
「そうなのよぉ。前にあなたとエキサイトランドで出会った日に私も根津さんと久しぶりに再会したでしょう? その時にお互いの連絡先を交換したんだけどね、それから月1くらいで一緒に飲みに行くようになったのよ」
「そうだったんですね。前に会った時もお二人は気が合いそうな感じでしたし……」
「おっ、わかる~? さすがは加奈子ちゃんの『彼氏』ね? 良い観察力ね!!」
「かっ、彼氏では無いですよ!! それに大学生の俺が彼氏っていうのはマズいでしょ?」本当は彼氏になりたい気持ちだけども……
「えっ!? か、彼氏……」
ほら、カナちゃんも顔を真っ赤にしながら驚いてるじゃないか!!
「別に私は愛があって健全な付き合いさえすればマズいとは思わないけどさ。ただいつまでも健全でいられるかどうかは難しいけどね……最近の桜と翔太君を見ていたら特にそう思うわ。まぁこれは山田さん夫婦の前では言えないけどね。っていうか、そんな話はどうでもいいのよ……」
ど、どうでもいいってなんだよ? あんたが言ってきた事じゃないか!!
それに俺にとってはめちゃくちゃ大事な話なんですけど。
しかし大塚さんは前に会った時もそう思ったけど何でもハッキリ言う人だよな?
「大塚さん? そこに立ってないでカウンター席に座ってよ? 貸し切りも間もなく終わる時間だし……それに今、翔太の話をしていなかった?」
「え? していないわよ。気のせいじゃないかしら。い、いずれにしても山田さん、ありがとう。カウンター席に座らせていただくわ。あなた達ご夫婦にも大事なお話があるしね」
大事な話? 何だろう? もしかして桜ちゃんと翔太君の話なのかな?
めちゃくちゃ気になるけど、俺は今からカナちゃんを家まで送らないといけないし……仕方無い、諦めよう……
「よし、それじゃぁカナちゃん帰ろうか? 早く帰らないと7時になってしまうよ」
「う、うん……そうだね……」
カナちゃんも大塚さんが言っていた大事な話が気になるって感じだな? 気持ちは分るけど後でマスター達に聞けばいいことだしな。カナちゃんに言える様な話しだったらいいんだけども……
「それでは皆さん、お先に失礼します。それと根津さん、大塚さんもさようなら」
「そっかぁ、鎌田君達はもう帰るのか……残念だなぁ……」
え? なんだか根津さん、俺達が帰るのが寂しいみたいだな?
それとも俺に何か言いたい事でもあったのかな?
するとまたしても大塚さんが大きな声で俺達を呼び止めてきた。
「ちょっと待って、鎌田君!!」
「え? な、何でしょうか大塚さん?」
「せっかくだからあなた達にも伝えておくわ。あなた達、急いでいるみたいだから単刀直入に言うわね?」
「 「は、はい……」 」
「実は私達、結婚することになったの!!」
「 「えーっ、結婚!?」 」
「 「 「 「 「えーーーっ!!??」 」 」 」 」
何故か俺達だけではなく他のボランティア部の人達も驚きの声をあげている。
「おめでとうございます!!」「素敵です!!」「幸せになってください!!」「熟年結婚万歳!!」
そして酔っているせいか、全然知らないであろう二人にお祝いの言葉を言っている人達もいる。
「うわぁ、あなた達、ありがとねぇ!! 若い子達に祝福されておばさん、とっても嬉しいわぁ!!」
大塚さんはそう言いながらボランティア部の人達と握手をしている。
二人が結婚するって……
お互いにバツイチ同士で気が合いそうだなとは思っていたけど、マジで結婚するなんて……めちゃくちゃ驚いたぞ。
そう思いながら俺はカナちゃんの方をチラッと見てみると俺以上に驚いた表情をしていたが徐々に不安な表情へと変化していった。
そして……
「あ、あのぉ……桜ちゃんはお二人が結婚するというのは……」
「勿論、知っているわよ。それに根津さんとの結婚は桜も大賛成してくれているわよ!!」
「そ、そうですか。それなら良かったです……ふぅ……」
カナちゃんは桜ちゃんが賛成していると聞いてとても安心した表情になっている。まぁ、そうだよな。桜ちゃんが反対しているのに結婚なんてされたら桜ちゃんの親友であるカナちゃんも辛いだろうしな。
「根津さん、大塚さん、本当におめでとうございます!! 根津さん、今日は俺帰りますがまた機会を作って結婚までの経緯を教えてくださいね? 第二の人生、お幸せに!!」
「ハハハ……鎌田君、ありがとね。また会おうねぇ」
こうして俺達はお祝いムード一色になった『焼き鳥やまだ』を後にした。
「カナちゃん、今日は本当にお疲れ様。内容の濃い一日だったけど疲れてない? 大丈夫?」
本当に今日一日だけで色々とあり過ぎなぐらいあったよな?
「うん、少しは疲れていたけど、桜ちゃんのお母さん達の結婚話があまりにも衝撃過ぎて一気に疲れが消えちゃったみたい。フフフ……」
「そうだね。俺も同じだよ。マジで驚いたなぁ……そう言えば……」
「え? どうしたの?」
「いや、何でもないよ……」
そう言えば根津さんって大塚さんよりも一回りくらい年上じゃなかったっけ?
これはまた『大型歳の差夫婦』の誕生だな。
俺にとってもこれは凄く良いニュースだよなぁ……
健全な付き合いかぁ……そうだな。あと数年、頑張れば俺達だって……
俺達は山田さんの家の前を通り過ぎようとしたが、薄暗くて分かりにくいが家の前に人が二人いるみたいだ。
「桜ちゃん……?」
小声でカナちゃんがそう言っているので、おそらくもう一人は翔太君だろう。
二人はお互いに向き合っている感じで俺達の事には気付いていない。
そして翔太君らしき人影が桜ちゃんの両肩に手を置きお互いの顔がくっついたように見える。
そう、恐らく、いや、間違いなく二人はキスをしているのだろう。
そんな二人を横目に俺達は何とも言えない感覚になりながら黙って通り過ぎる。
俺にとって今日一日最後の衝撃的な出来事となったのは言うまでもない。
「カナちゃん? 7時までには家に帰らないといけないからそろそろ帰る準備をした方がいいんじゃないかな? あ、それと俺が家まで送るからね」
「え? ここから家まで直ぐだし別に送らなくても私は大丈夫だよ」
「ダメダメ、外はだいぶ暗くなってきているし、夜道に女の子を一人で帰らせる訳にはいかないから。ちゃんと家に送り届けないと俺も心配だしね」
「う、うん……ありがとう。それじゃぁお言葉に甘えてお願いします」
そして俺達は部員やマスター達に挨拶をして店の外に出ようとした矢先、入り口のドアが開き、見覚えのある人達が入って来たので俺とカナちゃんは立ち止まった。
「あれ? お客さん凄く多いわね? もしかして今日は貸し切りなのかしら?」
「そうみたいだね。ん? ああ、外のドアに張り紙がしているよ。何々……ああ、そうだったのか。今日は7時まで貸し切りなんだだねぇ」
「ふーん、そうなんだ。それじゃぁ、どこかで時間を潰してからまた来る?」
「そうだね。出直そうか……」
店に入って来たのは男女のカップル……そのうちの男性は俺がよく知っている人……
そして女性はカナちゃんがよく知っている人……
俺達は同時に大きな声を出す。
「根津さん!?」「桜ちゃんのお母さん!?」
「おーっ!?」「あらぁああ!?」
「根津さん、お久しぶりです!! お元気そうで良かったです!!」
「ほんと、久しぶりだね、鎌田君!! まさか、ここで君に会えるとは思わなかったよ。エキサイトランドのバイトを辞めた後にこのお店のアルバイトも辞めたと聞いていたから……」
「そうですね。一度は辞めましたが大学生になってからマスターにお願いして復活させていただいたんですよ。あ、でも今日は部活の打ち上げでお店を貸し切らせていただいているんでお客なんですけどね」
まぁ、ほとんど店の手伝いをしていたけどな。
「ハハハ、そうだったのかぁ……」
根津さんに久しぶりに会えて嬉しいけど、まさか一緒にいる人が大塚さんだなんて意外だよなぁ……いや、そうでもないかも……
「根津さんと大塚さんはよく一緒に飲みに行かれているんですか?」
俺は根津さんに聞いたつもりだったが、大塚さんが大きな声で返事をする。
「そうなのよぉ。前にあなたとエキサイトランドで出会った日に私も根津さんと久しぶりに再会したでしょう? その時にお互いの連絡先を交換したんだけどね、それから月1くらいで一緒に飲みに行くようになったのよ」
「そうだったんですね。前に会った時もお二人は気が合いそうな感じでしたし……」
「おっ、わかる~? さすがは加奈子ちゃんの『彼氏』ね? 良い観察力ね!!」
「かっ、彼氏では無いですよ!! それに大学生の俺が彼氏っていうのはマズいでしょ?」本当は彼氏になりたい気持ちだけども……
「えっ!? か、彼氏……」
ほら、カナちゃんも顔を真っ赤にしながら驚いてるじゃないか!!
「別に私は愛があって健全な付き合いさえすればマズいとは思わないけどさ。ただいつまでも健全でいられるかどうかは難しいけどね……最近の桜と翔太君を見ていたら特にそう思うわ。まぁこれは山田さん夫婦の前では言えないけどね。っていうか、そんな話はどうでもいいのよ……」
ど、どうでもいいってなんだよ? あんたが言ってきた事じゃないか!!
それに俺にとってはめちゃくちゃ大事な話なんですけど。
しかし大塚さんは前に会った時もそう思ったけど何でもハッキリ言う人だよな?
「大塚さん? そこに立ってないでカウンター席に座ってよ? 貸し切りも間もなく終わる時間だし……それに今、翔太の話をしていなかった?」
「え? していないわよ。気のせいじゃないかしら。い、いずれにしても山田さん、ありがとう。カウンター席に座らせていただくわ。あなた達ご夫婦にも大事なお話があるしね」
大事な話? 何だろう? もしかして桜ちゃんと翔太君の話なのかな?
めちゃくちゃ気になるけど、俺は今からカナちゃんを家まで送らないといけないし……仕方無い、諦めよう……
「よし、それじゃぁカナちゃん帰ろうか? 早く帰らないと7時になってしまうよ」
「う、うん……そうだね……」
カナちゃんも大塚さんが言っていた大事な話が気になるって感じだな? 気持ちは分るけど後でマスター達に聞けばいいことだしな。カナちゃんに言える様な話しだったらいいんだけども……
「それでは皆さん、お先に失礼します。それと根津さん、大塚さんもさようなら」
「そっかぁ、鎌田君達はもう帰るのか……残念だなぁ……」
え? なんだか根津さん、俺達が帰るのが寂しいみたいだな?
それとも俺に何か言いたい事でもあったのかな?
するとまたしても大塚さんが大きな声で俺達を呼び止めてきた。
「ちょっと待って、鎌田君!!」
「え? な、何でしょうか大塚さん?」
「せっかくだからあなた達にも伝えておくわ。あなた達、急いでいるみたいだから単刀直入に言うわね?」
「 「は、はい……」 」
「実は私達、結婚することになったの!!」
「 「えーっ、結婚!?」 」
「 「 「 「 「えーーーっ!!??」 」 」 」 」
何故か俺達だけではなく他のボランティア部の人達も驚きの声をあげている。
「おめでとうございます!!」「素敵です!!」「幸せになってください!!」「熟年結婚万歳!!」
そして酔っているせいか、全然知らないであろう二人にお祝いの言葉を言っている人達もいる。
「うわぁ、あなた達、ありがとねぇ!! 若い子達に祝福されておばさん、とっても嬉しいわぁ!!」
大塚さんはそう言いながらボランティア部の人達と握手をしている。
二人が結婚するって……
お互いにバツイチ同士で気が合いそうだなとは思っていたけど、マジで結婚するなんて……めちゃくちゃ驚いたぞ。
そう思いながら俺はカナちゃんの方をチラッと見てみると俺以上に驚いた表情をしていたが徐々に不安な表情へと変化していった。
そして……
「あ、あのぉ……桜ちゃんはお二人が結婚するというのは……」
「勿論、知っているわよ。それに根津さんとの結婚は桜も大賛成してくれているわよ!!」
「そ、そうですか。それなら良かったです……ふぅ……」
カナちゃんは桜ちゃんが賛成していると聞いてとても安心した表情になっている。まぁ、そうだよな。桜ちゃんが反対しているのに結婚なんてされたら桜ちゃんの親友であるカナちゃんも辛いだろうしな。
「根津さん、大塚さん、本当におめでとうございます!! 根津さん、今日は俺帰りますがまた機会を作って結婚までの経緯を教えてくださいね? 第二の人生、お幸せに!!」
「ハハハ……鎌田君、ありがとね。また会おうねぇ」
こうして俺達はお祝いムード一色になった『焼き鳥やまだ』を後にした。
「カナちゃん、今日は本当にお疲れ様。内容の濃い一日だったけど疲れてない? 大丈夫?」
本当に今日一日だけで色々とあり過ぎなぐらいあったよな?
「うん、少しは疲れていたけど、桜ちゃんのお母さん達の結婚話があまりにも衝撃過ぎて一気に疲れが消えちゃったみたい。フフフ……」
「そうだね。俺も同じだよ。マジで驚いたなぁ……そう言えば……」
「え? どうしたの?」
「いや、何でもないよ……」
そう言えば根津さんって大塚さんよりも一回りくらい年上じゃなかったっけ?
これはまた『大型歳の差夫婦』の誕生だな。
俺にとってもこれは凄く良いニュースだよなぁ……
健全な付き合いかぁ……そうだな。あと数年、頑張れば俺達だって……
俺達は山田さんの家の前を通り過ぎようとしたが、薄暗くて分かりにくいが家の前に人が二人いるみたいだ。
「桜ちゃん……?」
小声でカナちゃんがそう言っているので、おそらくもう一人は翔太君だろう。
二人はお互いに向き合っている感じで俺達の事には気付いていない。
そして翔太君らしき人影が桜ちゃんの両肩に手を置きお互いの顔がくっついたように見える。
そう、恐らく、いや、間違いなく二人はキスをしているのだろう。
そんな二人を横目に俺達は何とも言えない感覚になりながら黙って通り過ぎる。
俺にとって今日一日最後の衝撃的な出来事となったのは言うまでもない。
1
あなたにおすすめの小説
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
元おっさんの幼馴染育成計画
みずがめ
恋愛
独身貴族のおっさんが逆行転生してしまった。結婚願望がなかったわけじゃない、むしろ強く思っていた。今度こそ人並みのささやかな夢を叶えるために彼女を作るのだ。
だけど結婚どころか彼女すらできたことのないような日陰ものの自分にそんなことができるのだろうか? 軟派なことをできる自信がない。ならば幼馴染の女の子を作ってそのままゴールインすればいい。という考えのもと始まる元おっさんの幼馴染育成計画。
※この作品は小説家になろうにも掲載しています。
※【挿絵あり】の話にはいただいたイラストを載せています。表紙はチャーコさんが依頼して、まるぶち銀河さんに描いていただきました。
∞
桜庭かなめ
恋愛
高校1年生の逢坂玲人は入学時から髪を金色に染め、無愛想なため一匹狼として高校生活を送っている。
入学して間もないある日の放課後、玲人は2年生の生徒会長・如月沙奈にロープで拘束されてしまう。それを解く鍵は彼女を抱きしめると約束することだった。ただ、玲人は上手く言いくるめて彼女から逃げることに成功する。そんな中、銀髪の美少女のアリス・ユメミールと出会い、お互いに好きな猫のことなどを通じて彼女と交流を深めていく。
しかし、沙奈も一度の失敗で諦めるような女の子ではない。玲人は沙奈に追いかけられる日々が始まる。
抱きしめて。生徒会に入って。口づけして。ヤンデレな沙奈からの様々な我が儘を通して見えてくるものは何なのか。見えた先には何があるのか。沙奈の好意が非常に強くも温かい青春ラブストーリー。
※タイトルは「むげん」と読みます。
※完結しました!(2020.7.29)
恋人、はじめました。
桜庭かなめ
恋愛
紙透明斗のクラスには、青山氷織という女子生徒がいる。才色兼備な氷織は男子中心にたくさん告白されているが、全て断っている。クールで笑顔を全然見せないことや銀髪であること。「氷織」という名前から『絶対零嬢』と呼ぶ人も。
明斗は半年ほど前に一目惚れしてから、氷織に恋心を抱き続けている。しかし、フラれるかもしれないと恐れ、告白できずにいた。
ある春の日の放課後。ゴミを散らしてしまう氷織を見つけ、明斗は彼女のことを助ける。その際、明斗は勇気を出して氷織に告白する。
「これまでの告白とは違い、胸がほんのり温かくなりました。好意からかは分かりませんが。断る気にはなれません」
「……それなら、俺とお試しで付き合ってみるのはどうだろう?」
明斗からのそんな提案を氷織が受け入れ、2人のお試しの恋人関係が始まった。
一緒にお昼ご飯を食べたり、放課後デートしたり、氷織が明斗のバイト先に来たり、お互いの家に行ったり。そんな日々を重ねるうちに、距離が縮み、氷織の表情も少しずつ豊かになっていく。告白、そして、お試しの恋人関係から始まる甘くて爽やかな学園青春ラブコメディ!
※夏休み小話編2が完結しました!(2025.10.16)
※小説家になろう(N6867GW)、カクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想などお待ちしています。
幸せのありか
神室さち
恋愛
兄の解雇に伴って、本社に呼び戻された氷川哉(ひかわさい)は兄の仕事の後始末とも言える関係企業の整理合理化を進めていた。
決定を下した日、彼のもとに行野樹理(ゆきのじゅり)と名乗る高校生の少女がやってくる。父親の会社との取引を継続してくれるようにと。
哉は、人生というゲームの余興に、一年以内に哉の提示する再建計画をやり遂げれば、以降も取引を続行することを決める。
担保として、樹理を差し出すのならと。止める両親を振りきり、樹理は彼のもとへ行くことを決意した。
とかなんとか書きつつ、幸せのありかを探すお話。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
自サイトに掲載していた作品を、閉鎖により移行。
視点がちょいちょい変わるので、タイトルに記載。
キリのいいところで切るので各話の文字数は一定ではありません。
ものすごく短いページもあります。サクサク更新する予定。
本日何話目、とかの注意は特に入りません。しおりで対応していただけるとありがたいです。
別小説「やさしいキスの見つけ方」のスピンオフとして生まれた作品ですが、メインは単独でも読めます。
直接的な表現はないので全年齢で公開します。
【完結】好きって言ってないのに、なぜか学園中にバレてる件。
東野あさひ
恋愛
「好きって言ってないのに、なんでバレてるんだよ!?」
──平凡な男子高校生・真嶋蒼汰の一言から、すべての誤解が始まった。
購買で「好きなパンは?」と聞かれ、「好きです!」と答えただけ。
それなのにStarChat(学園SNS)では“告白事件”として炎上、
いつの間にか“七瀬ひよりと両想い”扱いに!?
否定しても、弁解しても、誤解はどんどん拡散。
気づけば――“誤解”が、少しずつ“恋”に変わっていく。
ツンデレ男子×天然ヒロインが織りなす、SNS時代の爆笑すれ違いラブコメ!
最後は笑って、ちょっと泣ける。
#誤解が本当の恋になる瞬間、あなたもきっとトレンド入り。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
俺の心を掴んだ姫は笑わない~見ていいのは俺だけだから!~
あとさん♪
恋愛
侯爵令息のオリヴァーは代わり映えのしない毎日に飽きていた。
飽和した毎日の中、鮮烈な印象を残したのはブリュンヒルデ・フォン・クルーガー伯爵令嬢。
妹の親友だと紹介された伯爵令嬢の生態を観察するうちに、自分の心がどこを向いているのかに気が付く。
彼女はいつの間にか、自分の心を掴んでいた。
彼女が欲しい! けれど今の自分では彼女に釣り合わない。
どうしよう、どうしたらいい? 今自分が為すべきことはなんだ? オリヴァーは生まれて初めて全力を尽くす決心をした。
これは、ひとりの少女に愛を乞うために、本気を出して自分の人生に向き合い始めた少年がちょっとだけマシな人間になるまでのお話。
※シャティエル王国シリーズ、5作目。
※シリーズ4『お姉さまは酷いずるいと言い続け、王子様に引き取られた自称・妹なんて知らない』でちょい役だったオリヴァー視点のお話です。
※このお話は小説家になろうにも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる