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第6章 衝撃の事実編
第63話 知っててほしい/隆
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俺は逆戻りしてしまった『前の世界』というか『元々いた世界』で精一杯生きる事を決意した。
なんとか精一杯生きて天国から見てくれているだろう旧姓常谷香織こと『つねちゃん』に認めてもらう為に第二、いや第三の人生を歩むことにしたのだ。
だから俺は部屋に閉じこもるのは止め、毎日ハローワークへ通い始めた。
一ヶ月が過ぎてもなかなかこれといった職が見つからず少し凹み気味になりかけていた俺はふと今日は5月4日だと気付く。その日は『タイムリープした世界』の俺が小6の時に『つねちゃん』と初めてデートをした日だった。
俺はその初デートをした思い出の場所に足を運んでみることに。
俺が足を運んだ場所……それは『エキサイトランド跡地』に新しくできた商業施設に隣接して造られた大型観覧車『ジャンプ・スター』の前だった。
俺が『つねちゃん』と初めてデートをした時に初めてキスをしたのがエキサイトランドに古くからあった小さな観覧車の『ホップ・スター』のゴンドラの中で『つねちゃん』にプロポーズしたのが数年後にできた当時は世界最大の観覧車と言われていた『ステップ・スター』……
それらが全て取り壊され数年後に造られたのが『ジャンプ・スター』である。
ジャンプ・スターの前にはたくさんの列ができていたが大半がカップルということで一人で並んでいるおっさんの俺はかなり浮いていた。なので俺の前後にならんでいたカップルやスタッフは不思議そうな顔をしながら俺を見ていたが別に気にはしなかった。
俺の順番が来た時、若干の頭痛が起こるが我慢できるレベルだった為、そのままゴンドラに乗り込む。
そして座席に座った俺は景色を眺めながら今までの人生を振り返っていた。
そしてゴンドラが間もなくてっぺんに差し掛かろうとした時、
ズキンッ
ウッ!!
頭痛が酷くなってきたので俺は目を閉じながら顔を上に向けていた。
俺は痛みに耐えていたが、その時は色々なことが頭の中を駆け巡る。
俺は『元々いた世界』に戻ってから今まで知らなかった事を知る事が出来た。
『つねちゃん』の弟さんや志保さんの思い……
そして『つねちゃん』の真実、『つねちゃん』が俺に対する思いも知る事が出来た。
しかし、それを知った俺はどうすれば良いんだ?
『この世界』で一からやり直そうとは思っている。
でもこの先俺は一体何を目標に頑張れば良いんだ?
一生、俺は独身のまま生きて行くのか?
まぁ独身のままでもそれはそれで良いんだが……でも……
出来る事なら『あの世界』に帰りたい……
本当は『つねちゃん』にもう一度会いたい……
俺は『つねちゃん』と結婚したいんだ……
そんな気持ちになった瞬間、異変が起こる。
ビリッ ビリビリッ ビリーッ
ゴンドラがてっぺんに来た瞬間、突然俺の身体に電流の様なものが走る。
ズキンズキンッ
頭の痛みも更に増す。
なっ、何なんだ!?
こ、この痛みはもしかして……?
と思ったと同時に今までで一番の激痛に襲われた俺は我慢できずに「うわぁぁぁああああ!!!!」叫びながら立ち上がった。
そして目を開けるとそこはゴンドラの中ではなく、さっきまで見ていた景色ではない。それどころか……
目の前には大きな黒板が見え、黒板の前には驚いた表情をした『教師』と思われる人が俺の方を見ながら立っていたのだ。
そう、俺は『この世界』に再び戻って来れたのだ。
それも一気に約1年間の空白ができた形で中学1年5月の授業中という中途半端な状態で再タイムリープしたのだった。
そこからの俺は小学生の頃以上に何事に対しても必死に頑張った。
勉強や部活は勿論のこと、石田が飛行機事故で死なない為にはどうすれば良いのか等を真剣に考えたりもいていた。そして小6の夏休み以降、会えていなかった香織とも再会を果たし、お互いに夏休みの出来事を謝ると共に涙を流しながら抱き合ったことを今でも覚えている。
その後、中3の夏に石田が飛行機事故で死ぬのを回避した日、石田から自分もタイムリープ者だと告げられた。それを聞いた俺は驚き以上に同じ経験をしている人がいたという事がとても嬉しくて石田が病気で亡くなるまでの一ヶ月の間、お互いに色々な話をした。
そして俺は高校生になり加奈子ちゃんのお母さんである旧姓、佐々木真由子と出会う。彼女は『前の世界』で俺が一番長い期間、片思いをしていた女性だった。
そんな佐々木とは周りから付き合っていると勘違いされる程、親しかったが俺の心の中はいつも『つねちゃん』のことで一杯だったので佐々木から告白された時は本当に驚いた。
でも佐々木は俺が一番好きな人は『つねちゃん』だということは分っていたので告白と同時に福岡へ引っ越すことも告げられ、そのまま俺の前から姿を消すことになる。
こうしてここからの俺はどのタイミングで『つねちゃん』にプロポーズをするかの一点で動き出す。
しかし、そんな中、俺にとっては最後の試練ともいう『つねちゃん』にお見合いの話が出て来たのだ。そしてそのお見合い相手というのが山本次郎だったのだ。
俺は『逆戻り』のお陰で山本次郎の本性を知っていたので何とかお見合いを阻止したかったが、『つねちゃん』は父親が勤める会社の得意先の息子ということと、山本は『つねちゃん』の写真を見て一目惚れしたそうで余計にお見合いをする事は断れる雰囲気ではなかった。
しかし『つねちゃん』はその席で本人にお付き合いする気持ちは無いと断るつもりにはしていたので俺としては少しはホッとしたが山本がそう簡単に諦める奴だとは思えず『つねちゃん』の許可を貰って俺もお見合い予定のレストランに行き、客のフリをして二人の近くで様子を見る事にした。
二人の会話が始まり山本は調子の良い口調でベラベラと一方的に話をしていたが、『つねちゃん』が断りの話を始めた瞬間、山本の言動が変化していく。遂に本性を現したのだ。そして声が大きくなり罵声とも思える言動に俺は耐えれなくなり山本の前に立ち塞がった。
そして中身は山本よりも遥かに年上の俺は山本が言い返せない程の言葉を浴びせると山本は余計に逆上してしまい俺は殴られてしまう。そして倒れた際に頭を強く打ち気を失ってしまったのだ。そこからの事は覚えていない。病院のベッドで目を覚ましたのは気を失ってから一週間後だったらしい。
俺を殴った山本は店員達に取り押さえられ、直ぐに警察が来て現行犯逮捕された。偶然、レストランに来ていた俺の友人の大石哲也と川田恵子がお店の責任者に「あの席の人間が騒ぎ出しているから警察を呼んだほうがいい」と早めに言ってくれていたお陰で『つねちゃん』には被害が及ばず俺だけで済んだのだ。
余談だがその大石と川田はこの日を期に付き合い始めたそうで、俺と香織が結婚した年に二人も10代で結婚している。だから前に亮二君が話していた一緒にアルバイトをしている大石さんという女性のご両親は10代で結婚していると聞いたのでもしかしたらその女性は大石達の娘さんではないかと思っているのだ。近々、大石に電話をしてみないとな……
いずれにしても俺は『つねちゃん』を守る事ができ、その後、俺達二人は結婚し、幸せな家庭生活を築くのだが、それとは逆にお坊ちゃんだった山本は転落人生が始まった。
親には勘当され会社もクビになり路頭に迷う。そして借金生活となりいつのまにか青葉市で姿を見ることは無くなったらしい。
そんな山本が現在、全国に指名手配されている。事件は東京で起きたが、今も東京にいるとは限らない。もしかすれば地元の青葉市に逃げてくる可能性だってある。
きっと山本は人生を狂わすキッカケを与えた俺の事を恨んでいるだろう……
もしこの町で俺を見かけたら今の山本なら何をするか分からない。
いや、俺はどうなっても構わない。もし香織や俺の周りの人達に何かあれば……
そう考えると居ても立っても居られない俺は思わず亮二君に電話をした。
「あっ、隆おじさん。こないだは色んな話を聞かせてくれてありがとうございました」
「いやいや、こちらこそ、話を聞いてくれて嬉しかったよ」
「それで今日はどうされたのですか? もしかして前に話せていなかった内容があったとかですか?」
「ハハハ、さすが亮二君。話が早いなぁ。そうなんだ。そのもしかなんだよ。まぁ、今から話す内容は直接、亮二君達に関係はないんだけど、問題が解決するまでは少しだけ気を付けていてほしいというか知っててほしいという話なんだが……」
「そ、そうなんですね? 分かりました。それでは是非話してください」
俺は亮二君に山本次郎の事を話し始めた。
なんとか精一杯生きて天国から見てくれているだろう旧姓常谷香織こと『つねちゃん』に認めてもらう為に第二、いや第三の人生を歩むことにしたのだ。
だから俺は部屋に閉じこもるのは止め、毎日ハローワークへ通い始めた。
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俺はその初デートをした思い出の場所に足を運んでみることに。
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俺が『つねちゃん』と初めてデートをした時に初めてキスをしたのがエキサイトランドに古くからあった小さな観覧車の『ホップ・スター』のゴンドラの中で『つねちゃん』にプロポーズしたのが数年後にできた当時は世界最大の観覧車と言われていた『ステップ・スター』……
それらが全て取り壊され数年後に造られたのが『ジャンプ・スター』である。
ジャンプ・スターの前にはたくさんの列ができていたが大半がカップルということで一人で並んでいるおっさんの俺はかなり浮いていた。なので俺の前後にならんでいたカップルやスタッフは不思議そうな顔をしながら俺を見ていたが別に気にはしなかった。
俺の順番が来た時、若干の頭痛が起こるが我慢できるレベルだった為、そのままゴンドラに乗り込む。
そして座席に座った俺は景色を眺めながら今までの人生を振り返っていた。
そしてゴンドラが間もなくてっぺんに差し掛かろうとした時、
ズキンッ
ウッ!!
頭痛が酷くなってきたので俺は目を閉じながら顔を上に向けていた。
俺は痛みに耐えていたが、その時は色々なことが頭の中を駆け巡る。
俺は『元々いた世界』に戻ってから今まで知らなかった事を知る事が出来た。
『つねちゃん』の弟さんや志保さんの思い……
そして『つねちゃん』の真実、『つねちゃん』が俺に対する思いも知る事が出来た。
しかし、それを知った俺はどうすれば良いんだ?
『この世界』で一からやり直そうとは思っている。
でもこの先俺は一体何を目標に頑張れば良いんだ?
一生、俺は独身のまま生きて行くのか?
まぁ独身のままでもそれはそれで良いんだが……でも……
出来る事なら『あの世界』に帰りたい……
本当は『つねちゃん』にもう一度会いたい……
俺は『つねちゃん』と結婚したいんだ……
そんな気持ちになった瞬間、異変が起こる。
ビリッ ビリビリッ ビリーッ
ゴンドラがてっぺんに来た瞬間、突然俺の身体に電流の様なものが走る。
ズキンズキンッ
頭の痛みも更に増す。
なっ、何なんだ!?
こ、この痛みはもしかして……?
と思ったと同時に今までで一番の激痛に襲われた俺は我慢できずに「うわぁぁぁああああ!!!!」叫びながら立ち上がった。
そして目を開けるとそこはゴンドラの中ではなく、さっきまで見ていた景色ではない。それどころか……
目の前には大きな黒板が見え、黒板の前には驚いた表情をした『教師』と思われる人が俺の方を見ながら立っていたのだ。
そう、俺は『この世界』に再び戻って来れたのだ。
それも一気に約1年間の空白ができた形で中学1年5月の授業中という中途半端な状態で再タイムリープしたのだった。
そこからの俺は小学生の頃以上に何事に対しても必死に頑張った。
勉強や部活は勿論のこと、石田が飛行機事故で死なない為にはどうすれば良いのか等を真剣に考えたりもいていた。そして小6の夏休み以降、会えていなかった香織とも再会を果たし、お互いに夏休みの出来事を謝ると共に涙を流しながら抱き合ったことを今でも覚えている。
その後、中3の夏に石田が飛行機事故で死ぬのを回避した日、石田から自分もタイムリープ者だと告げられた。それを聞いた俺は驚き以上に同じ経験をしている人がいたという事がとても嬉しくて石田が病気で亡くなるまでの一ヶ月の間、お互いに色々な話をした。
そして俺は高校生になり加奈子ちゃんのお母さんである旧姓、佐々木真由子と出会う。彼女は『前の世界』で俺が一番長い期間、片思いをしていた女性だった。
そんな佐々木とは周りから付き合っていると勘違いされる程、親しかったが俺の心の中はいつも『つねちゃん』のことで一杯だったので佐々木から告白された時は本当に驚いた。
でも佐々木は俺が一番好きな人は『つねちゃん』だということは分っていたので告白と同時に福岡へ引っ越すことも告げられ、そのまま俺の前から姿を消すことになる。
こうしてここからの俺はどのタイミングで『つねちゃん』にプロポーズをするかの一点で動き出す。
しかし、そんな中、俺にとっては最後の試練ともいう『つねちゃん』にお見合いの話が出て来たのだ。そしてそのお見合い相手というのが山本次郎だったのだ。
俺は『逆戻り』のお陰で山本次郎の本性を知っていたので何とかお見合いを阻止したかったが、『つねちゃん』は父親が勤める会社の得意先の息子ということと、山本は『つねちゃん』の写真を見て一目惚れしたそうで余計にお見合いをする事は断れる雰囲気ではなかった。
しかし『つねちゃん』はその席で本人にお付き合いする気持ちは無いと断るつもりにはしていたので俺としては少しはホッとしたが山本がそう簡単に諦める奴だとは思えず『つねちゃん』の許可を貰って俺もお見合い予定のレストランに行き、客のフリをして二人の近くで様子を見る事にした。
二人の会話が始まり山本は調子の良い口調でベラベラと一方的に話をしていたが、『つねちゃん』が断りの話を始めた瞬間、山本の言動が変化していく。遂に本性を現したのだ。そして声が大きくなり罵声とも思える言動に俺は耐えれなくなり山本の前に立ち塞がった。
そして中身は山本よりも遥かに年上の俺は山本が言い返せない程の言葉を浴びせると山本は余計に逆上してしまい俺は殴られてしまう。そして倒れた際に頭を強く打ち気を失ってしまったのだ。そこからの事は覚えていない。病院のベッドで目を覚ましたのは気を失ってから一週間後だったらしい。
俺を殴った山本は店員達に取り押さえられ、直ぐに警察が来て現行犯逮捕された。偶然、レストランに来ていた俺の友人の大石哲也と川田恵子がお店の責任者に「あの席の人間が騒ぎ出しているから警察を呼んだほうがいい」と早めに言ってくれていたお陰で『つねちゃん』には被害が及ばず俺だけで済んだのだ。
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いずれにしても俺は『つねちゃん』を守る事ができ、その後、俺達二人は結婚し、幸せな家庭生活を築くのだが、それとは逆にお坊ちゃんだった山本は転落人生が始まった。
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いや、俺はどうなっても構わない。もし香織や俺の周りの人達に何かあれば……
そう考えると居ても立っても居られない俺は思わず亮二君に電話をした。
「あっ、隆おじさん。こないだは色んな話を聞かせてくれてありがとうございました」
「いやいや、こちらこそ、話を聞いてくれて嬉しかったよ」
「それで今日はどうされたのですか? もしかして前に話せていなかった内容があったとかですか?」
「ハハハ、さすが亮二君。話が早いなぁ。そうなんだ。そのもしかなんだよ。まぁ、今から話す内容は直接、亮二君達に関係はないんだけど、問題が解決するまでは少しだけ気を付けていてほしいというか知っててほしいという話なんだが……」
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