71 / 93
第7章 試練編
第70話 幼馴染の為にできること/広美
しおりを挟む
記者会見の次の日の夕方、突然お母さんから電話がかかってきた。私はおそらく昨日の記者会見の件で何で事前に教えてくれなかったのよぉ? といった電話をかけてきたんだろうと思っていた。
しかし電話の内容は私が予想していた内容とはあまりにも違い過ぎてショックで頭の中が真っ白になった。
「亮二君が指名手配中の犯人が運転する車に轢《ひ》かれて意識不明の重体なの!!」
私はお母さんから詳細を聞き終え電話を切ると茫然としながら携帯電話を握りしめていた。そして目から大粒の涙が流れだす。
傍に居た順子が私の様子を見てただ事ではないと察知し、直ぐに地元に帰りなさいと言ってくれた。
新幹線の中での私は祈る気持ちでいっぱいだった。
神様、お願い!! どうか亮君を助けて下さい!!
それに私は加奈子ちゃんも心配だった。亮君が事故にあい意識不明の重体になってしまったのは自分のせいだと思い詰めているんじゃないだろうか……加奈子ちゃんにも会って少しでも元気づけてあげることが出来れば……
そして私は病院に着いた。高校を卒業して初めて地元に帰ってきたのが、まさかこんな理由になるなんて……
『国立青葉病院』……奇しくも私が石田浩美時代に白血病で死んでしまった病院……五十鈴隆君と私、お互いのタイムリープでの話をした病院……
「まさか、亮君までもがこの病院に……」
病室の扉を開けると部屋には亮君の家族、私の家族、そして主治医と思われる若い先生と数名の看護師さんがいた。
「広美ちゃん!!」
お母さんが私に気付いた。目からは涙が流れている。
「広美ちゃん、よく来てくれたね……今夜が山だそうだから来てくれて嬉しよ……」
亮君のお父さん、三郎おじさんが涙をこらえながら話しかけてくれる。
「りょ、りょう君の容体はどうなんですか?」
私がそう聞くと亮君のお母さん、志保おばさんが少し肩を震わせながら小さな声でこう言った。
「あれだけの事故なのに命に別条はないそうなの……これは本当に奇跡だと思うわ。ただ……」
「ただ?」
「ただ、いつ目を覚ますかは分からない。それに目を覚ましたとしても身体中、骨折をしているし、内臓にも損傷があるから直ぐには社会復帰はできないと思う……でも私は亮二が生きてくれているだけで十分……ウウッ」
「志保おばさん……」
私は何も言えなかった。というより志保おばさん達にかける言葉が浮かばなかった。
何も言えない私はそのまま意識不明の状態の亮君に近づき、そしてソッと手を握り心の中で謝罪した。
ゴメンね、亮君……いつもあなたばかり辛い思いをさせてしまって……私ばかり好きなように生きてしまって……
ポンポン……
私の心の中を分かってのことか、いえ、分かるはずは無いけど、五十鈴君、いえ、お父さんが私の肩を優しく叩いたかと思うと亮二君の耳元に顔を近づけ私だけにしか聞こえないくらいの小さな声で「俺はなんてことを……亮二君、すまない……ウウッ……」と呟き、そして泣いていた。
どうしてお父さんが亮君に対して謝っていたのかは分からなかったけど、後でお母さんから聞いた話しで少しだけ謎が解けた。
あの時、亮君を車で轢いた指名手配犯の山本次郎は昔、レストランで行われたお母さんとのお見合いの席でお母さんに交際を断られた。すると突然、山本次郎は怒り出し、お母さんに詰め寄ったそうだ。
その時、お母さんの事が心配で二人の席の近くで待機していたお父さんが山本を止めようとした時に殴られ気を失い病院に入院し、山本はその場で現行犯逮捕されたそうだ。
その後の山本は落ちぶれてしまい、いくつかの窃盗や傷害事件を起こし、何度も刑務所に入っていたらしい。そして先日の事件で山本が指名手配をされていることをニュースで知り、昔のことを思い出した両親は不安がよぎったらしい。そんな中での今回の事故だった。
お父さんとすれば山本が恨んでいるのは自分なのに関係の無い亮君が被害にあってしまったから複雑な思いになっているのだろう。でもあの時の五十鈴君、いえ、お父さんの表情はなんか別の事でも謝っていた様な気がしたのは私の考え過ぎだろうか……?
ちなみにその山本次郎は亮君を轢いた後、ハンドル操作を誤り、そのまま近くの電信柱に衝突、車は大破し、山本次郎は死亡した。それだけが関係者にとって救いになったのかもしれない。
私はしばらくしてから病室を出ようとした時、主治医と思われる先生に声をかけられた。
「もしかしてあなたは昨夜の記者会見に岸本さんと一緒に出ていた新人女優さんじゃないですか?」
「え? は、はい……そうですが……」
「やはりそうですか……まさか彼とあなたがお知り合いだったとは驚きました。今度の映画撮影、頑張ってくださいね?」
私はこんな時に映画の話をするなんて、不謹慎な先生だと思ってしまい、顔が強張ってしまう。すると先生は続いて話し出す。
「どうか彼が目を覚ました時に映画館であなたの素晴らしい演技を見せてあげてください。それが彼を早く元の身体に戻せる一番の薬になると思いますから」
こ、この先生……
「わ、分かりました……亮君に喜んでもらえるように……亮君が一日も早く、元気な体に戻れるように頑張ります。だから先生、亮君をどうか宜しくお願いします!!」
「ええ、任せてください。全力で彼を治療して必ず元の身体に戻してみせます!!」
後で知ったことだがこの先生の名前は青木啓介といい、内科専門の先生だそうでこの場にはいなかったが他に脳外科と整形外科の先生と一緒に亮君の担当をしているらしい。
青木という名前に何となく聞き覚えがあった私は後で両親にお願いして調べてもらった。そしてその結果を聞いて驚いた。
青木先生のお父さんもお医者さんで名前は青木康介といい、今はこの国立青葉病院の院長をしているそうだ。そして、その青木康介医院長こそ、私が石田浩美時代に白血病で入院していた時にとてもお世話になった主治医であった。
これも何かの縁っていうものなのかなぁ……
まさか、その不思議な縁がきっかけで青木啓介先生が私の将来の旦那様になるなんてことは今はまだ私自身も含めて誰も知らない。
私は帰りの新幹線の中で病院での様子を思い出していた。
特に青木先生に言われた言葉が頭から離れない。
亮君の為に私ができる事……
亮君が目を覚ました時に素晴らしい演技を見てもらって元気になってもらえるようにこれから必死で演技を頑張らなければ……
それと心残りが一つある。
それは加奈子ちゃんに会えなかったこと……加奈子ちゃんは亮君のお陰で軽傷で済んだみたいだけど、しばらくの間は大事を取って別の病院に入院しているらしく、あまり時間の無かった私は会う事ができなかった。
時間が無い私が何故、行き帰り新幹線なの? 飛行機の方が早いじゃないって思われそうだけど、五十鈴広美に生まれ変わってもやっぱり『前の世界』でのことがあり、飛行機に対してのトラウマは消えない……
でも今は飛行機でしか行けないところは我慢して乗れるようにはなったから少しはマシになったとは思う。それにこれから本格的に女優として頑張らなければいけない私としてはロケでどこに行くかもしれないから新幹線限定でなんてことは言えないだろうし……
いずれにしても私は眠っている亮君の顔を見て改めて決意した。
私は亮君が一日も早く元気になれるよう手助けをしたい。だからその為にも誰もが感動して元気になれるような演技を絶対にしてみせるわ!!
――――――――――――――――――――――――
そして月日は流れ……
「五十鈴広美さん!! 明日、遂にデビュー映画『姉妹』が上映されますが、誰に一番観てもらいたいですか? やはりご両親ですかねぇ?」
「そうですね。両親に観てもらいたいですね。それともう一人、絶対に観てもらいたい人がいます……」
「ほぉ、その観てもらいたいという方はどなたなんでしょうか? 差支えがなければ教えていただきたいのですが……」
「はい、私が観てもらいたい人……それは事故にあい今も尚、意識が戻らない幼馴染です……」
しかし電話の内容は私が予想していた内容とはあまりにも違い過ぎてショックで頭の中が真っ白になった。
「亮二君が指名手配中の犯人が運転する車に轢《ひ》かれて意識不明の重体なの!!」
私はお母さんから詳細を聞き終え電話を切ると茫然としながら携帯電話を握りしめていた。そして目から大粒の涙が流れだす。
傍に居た順子が私の様子を見てただ事ではないと察知し、直ぐに地元に帰りなさいと言ってくれた。
新幹線の中での私は祈る気持ちでいっぱいだった。
神様、お願い!! どうか亮君を助けて下さい!!
それに私は加奈子ちゃんも心配だった。亮君が事故にあい意識不明の重体になってしまったのは自分のせいだと思い詰めているんじゃないだろうか……加奈子ちゃんにも会って少しでも元気づけてあげることが出来れば……
そして私は病院に着いた。高校を卒業して初めて地元に帰ってきたのが、まさかこんな理由になるなんて……
『国立青葉病院』……奇しくも私が石田浩美時代に白血病で死んでしまった病院……五十鈴隆君と私、お互いのタイムリープでの話をした病院……
「まさか、亮君までもがこの病院に……」
病室の扉を開けると部屋には亮君の家族、私の家族、そして主治医と思われる若い先生と数名の看護師さんがいた。
「広美ちゃん!!」
お母さんが私に気付いた。目からは涙が流れている。
「広美ちゃん、よく来てくれたね……今夜が山だそうだから来てくれて嬉しよ……」
亮君のお父さん、三郎おじさんが涙をこらえながら話しかけてくれる。
「りょ、りょう君の容体はどうなんですか?」
私がそう聞くと亮君のお母さん、志保おばさんが少し肩を震わせながら小さな声でこう言った。
「あれだけの事故なのに命に別条はないそうなの……これは本当に奇跡だと思うわ。ただ……」
「ただ?」
「ただ、いつ目を覚ますかは分からない。それに目を覚ましたとしても身体中、骨折をしているし、内臓にも損傷があるから直ぐには社会復帰はできないと思う……でも私は亮二が生きてくれているだけで十分……ウウッ」
「志保おばさん……」
私は何も言えなかった。というより志保おばさん達にかける言葉が浮かばなかった。
何も言えない私はそのまま意識不明の状態の亮君に近づき、そしてソッと手を握り心の中で謝罪した。
ゴメンね、亮君……いつもあなたばかり辛い思いをさせてしまって……私ばかり好きなように生きてしまって……
ポンポン……
私の心の中を分かってのことか、いえ、分かるはずは無いけど、五十鈴君、いえ、お父さんが私の肩を優しく叩いたかと思うと亮二君の耳元に顔を近づけ私だけにしか聞こえないくらいの小さな声で「俺はなんてことを……亮二君、すまない……ウウッ……」と呟き、そして泣いていた。
どうしてお父さんが亮君に対して謝っていたのかは分からなかったけど、後でお母さんから聞いた話しで少しだけ謎が解けた。
あの時、亮君を車で轢いた指名手配犯の山本次郎は昔、レストランで行われたお母さんとのお見合いの席でお母さんに交際を断られた。すると突然、山本次郎は怒り出し、お母さんに詰め寄ったそうだ。
その時、お母さんの事が心配で二人の席の近くで待機していたお父さんが山本を止めようとした時に殴られ気を失い病院に入院し、山本はその場で現行犯逮捕されたそうだ。
その後の山本は落ちぶれてしまい、いくつかの窃盗や傷害事件を起こし、何度も刑務所に入っていたらしい。そして先日の事件で山本が指名手配をされていることをニュースで知り、昔のことを思い出した両親は不安がよぎったらしい。そんな中での今回の事故だった。
お父さんとすれば山本が恨んでいるのは自分なのに関係の無い亮君が被害にあってしまったから複雑な思いになっているのだろう。でもあの時の五十鈴君、いえ、お父さんの表情はなんか別の事でも謝っていた様な気がしたのは私の考え過ぎだろうか……?
ちなみにその山本次郎は亮君を轢いた後、ハンドル操作を誤り、そのまま近くの電信柱に衝突、車は大破し、山本次郎は死亡した。それだけが関係者にとって救いになったのかもしれない。
私はしばらくしてから病室を出ようとした時、主治医と思われる先生に声をかけられた。
「もしかしてあなたは昨夜の記者会見に岸本さんと一緒に出ていた新人女優さんじゃないですか?」
「え? は、はい……そうですが……」
「やはりそうですか……まさか彼とあなたがお知り合いだったとは驚きました。今度の映画撮影、頑張ってくださいね?」
私はこんな時に映画の話をするなんて、不謹慎な先生だと思ってしまい、顔が強張ってしまう。すると先生は続いて話し出す。
「どうか彼が目を覚ました時に映画館であなたの素晴らしい演技を見せてあげてください。それが彼を早く元の身体に戻せる一番の薬になると思いますから」
こ、この先生……
「わ、分かりました……亮君に喜んでもらえるように……亮君が一日も早く、元気な体に戻れるように頑張ります。だから先生、亮君をどうか宜しくお願いします!!」
「ええ、任せてください。全力で彼を治療して必ず元の身体に戻してみせます!!」
後で知ったことだがこの先生の名前は青木啓介といい、内科専門の先生だそうでこの場にはいなかったが他に脳外科と整形外科の先生と一緒に亮君の担当をしているらしい。
青木という名前に何となく聞き覚えがあった私は後で両親にお願いして調べてもらった。そしてその結果を聞いて驚いた。
青木先生のお父さんもお医者さんで名前は青木康介といい、今はこの国立青葉病院の院長をしているそうだ。そして、その青木康介医院長こそ、私が石田浩美時代に白血病で入院していた時にとてもお世話になった主治医であった。
これも何かの縁っていうものなのかなぁ……
まさか、その不思議な縁がきっかけで青木啓介先生が私の将来の旦那様になるなんてことは今はまだ私自身も含めて誰も知らない。
私は帰りの新幹線の中で病院での様子を思い出していた。
特に青木先生に言われた言葉が頭から離れない。
亮君の為に私ができる事……
亮君が目を覚ました時に素晴らしい演技を見てもらって元気になってもらえるようにこれから必死で演技を頑張らなければ……
それと心残りが一つある。
それは加奈子ちゃんに会えなかったこと……加奈子ちゃんは亮君のお陰で軽傷で済んだみたいだけど、しばらくの間は大事を取って別の病院に入院しているらしく、あまり時間の無かった私は会う事ができなかった。
時間が無い私が何故、行き帰り新幹線なの? 飛行機の方が早いじゃないって思われそうだけど、五十鈴広美に生まれ変わってもやっぱり『前の世界』でのことがあり、飛行機に対してのトラウマは消えない……
でも今は飛行機でしか行けないところは我慢して乗れるようにはなったから少しはマシになったとは思う。それにこれから本格的に女優として頑張らなければいけない私としてはロケでどこに行くかもしれないから新幹線限定でなんてことは言えないだろうし……
いずれにしても私は眠っている亮君の顔を見て改めて決意した。
私は亮君が一日も早く元気になれるよう手助けをしたい。だからその為にも誰もが感動して元気になれるような演技を絶対にしてみせるわ!!
――――――――――――――――――――――――
そして月日は流れ……
「五十鈴広美さん!! 明日、遂にデビュー映画『姉妹』が上映されますが、誰に一番観てもらいたいですか? やはりご両親ですかねぇ?」
「そうですね。両親に観てもらいたいですね。それともう一人、絶対に観てもらいたい人がいます……」
「ほぉ、その観てもらいたいという方はどなたなんでしょうか? 差支えがなければ教えていただきたいのですが……」
「はい、私が観てもらいたい人……それは事故にあい今も尚、意識が戻らない幼馴染です……」
1
あなたにおすすめの小説
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
恋人、はじめました。
桜庭かなめ
恋愛
紙透明斗のクラスには、青山氷織という女子生徒がいる。才色兼備な氷織は男子中心にたくさん告白されているが、全て断っている。クールで笑顔を全然見せないことや銀髪であること。「氷織」という名前から『絶対零嬢』と呼ぶ人も。
明斗は半年ほど前に一目惚れしてから、氷織に恋心を抱き続けている。しかし、フラれるかもしれないと恐れ、告白できずにいた。
ある春の日の放課後。ゴミを散らしてしまう氷織を見つけ、明斗は彼女のことを助ける。その際、明斗は勇気を出して氷織に告白する。
「これまでの告白とは違い、胸がほんのり温かくなりました。好意からかは分かりませんが。断る気にはなれません」
「……それなら、俺とお試しで付き合ってみるのはどうだろう?」
明斗からのそんな提案を氷織が受け入れ、2人のお試しの恋人関係が始まった。
一緒にお昼ご飯を食べたり、放課後デートしたり、氷織が明斗のバイト先に来たり、お互いの家に行ったり。そんな日々を重ねるうちに、距離が縮み、氷織の表情も少しずつ豊かになっていく。告白、そして、お試しの恋人関係から始まる甘くて爽やかな学園青春ラブコメディ!
※夏休み小話編2が完結しました!(2025.10.16)
※小説家になろう(N6867GW)、カクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想などお待ちしています。
元おっさんの幼馴染育成計画
みずがめ
恋愛
独身貴族のおっさんが逆行転生してしまった。結婚願望がなかったわけじゃない、むしろ強く思っていた。今度こそ人並みのささやかな夢を叶えるために彼女を作るのだ。
だけど結婚どころか彼女すらできたことのないような日陰ものの自分にそんなことができるのだろうか? 軟派なことをできる自信がない。ならば幼馴染の女の子を作ってそのままゴールインすればいい。という考えのもと始まる元おっさんの幼馴染育成計画。
※この作品は小説家になろうにも掲載しています。
※【挿絵あり】の話にはいただいたイラストを載せています。表紙はチャーコさんが依頼して、まるぶち銀河さんに描いていただきました。
∞
桜庭かなめ
恋愛
高校1年生の逢坂玲人は入学時から髪を金色に染め、無愛想なため一匹狼として高校生活を送っている。
入学して間もないある日の放課後、玲人は2年生の生徒会長・如月沙奈にロープで拘束されてしまう。それを解く鍵は彼女を抱きしめると約束することだった。ただ、玲人は上手く言いくるめて彼女から逃げることに成功する。そんな中、銀髪の美少女のアリス・ユメミールと出会い、お互いに好きな猫のことなどを通じて彼女と交流を深めていく。
しかし、沙奈も一度の失敗で諦めるような女の子ではない。玲人は沙奈に追いかけられる日々が始まる。
抱きしめて。生徒会に入って。口づけして。ヤンデレな沙奈からの様々な我が儘を通して見えてくるものは何なのか。見えた先には何があるのか。沙奈の好意が非常に強くも温かい青春ラブストーリー。
※タイトルは「むげん」と読みます。
※完結しました!(2020.7.29)
先輩に退部を命じられた僕を励ましてくれたアイドル級美少女の後輩マネージャーを成り行きで家に上げたら、なぜかその後も入り浸るようになった件
桜 偉村
恋愛
みんなと同じようにプレーできなくてもいいんじゃないですか? 先輩には、先輩だけの武器があるんですから——。
後輩マネージャーのその言葉が、彼の人生を変えた。
全国常連の高校サッカー部の三軍に所属していた如月 巧(きさらぎ たくみ)は、自分の能力に限界を感じていた。
練習試合でも敗因となってしまった巧は、三軍キャプテンの武岡(たけおか)に退部を命じられて絶望する。
武岡にとって、巧はチームのお荷物であると同時に、アイドル級美少女マネージャーの白雪 香奈(しらゆき かな)と親しくしている目障りな存在だった。
そのため、自信をなくしている巧を追い込んで退部させ、香奈と距離を置かせようとしたのだ。
そうすれば、香奈は自分のモノになると錯覚していたから。
武岡の思惑通り、巧はサッカー部を辞めようとしていた。そこに現れたのが、香奈だった。
香奈に励まされてサッカーを続ける決意をした巧は、彼女のアドバイスのおかげもあり、だんだんとその才能を開花させていく。
一方、巧が成り行きで香奈を家に招いたのをきっかけに、二人の距離も縮み始める。
しかし、退部するどころか活躍し出した巧にフラストレーションを溜めていた武岡が、それを静観するはずもなく——。
「これは警告だよ」
「勘違いしないんでしょ?」
「僕がサッカーを続けられたのは、君のおかげだから」
「仲が良いだけの先輩に、あんなことまですると思ってたんですか?」
先輩×後輩のじれったくも甘い関係が好きな方、スカッとする展開が好きな方は、ぜひこの物語をお楽しみください!
※基本は一途ですが、メインヒロイン以外との絡みも多少あります。
※本作品は小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。
まずはお嫁さんからお願いします。
桜庭かなめ
恋愛
高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。
4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。
総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。
いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。
デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!
※特別編6が完結しました!(2025.11.25)
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想をお待ちしております。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について
のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。
だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。
「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」
ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。
だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。
その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!?
仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、
「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」
「中の人、彼氏か?」
視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!?
しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して――
同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!?
「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」
代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる