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最終章 永遠の愛編
第80話 知っていたよ/加奈子
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お手洗いに行っているりょう君をベンチに座って待っていた私に誰かが声をかけてきた。
「か、加奈子ちゃん……?」
「え?」
声の主は桜ちゃんだった。
久しぶりに見た彼女は中学生の頃とは違い、服装も表情もとても大人っぽくなっている。
「さ、桜ちゃん!!」
「久しぶりだねぇ、加奈子ちゃん? まさかサワレルで会えるとは思わなかったから驚いちゃった。加奈子ちゃんはお友達と来ているの? それとも……」
「うん、今日はりょう君と来ているんだ。あ、今はりょう君お手洗いに行っているんだけどね。それで桜ちゃんは勿論、翔太と来ているんだよね?」
「ええ、そうだよ。フフフ……勿論って言い方おもしろいなぁ……というよりも、鎌田さんと一緒ってことはもしかして記憶が……」
「ううん、戻ってないよ……でも前に私が青葉高校に無事入学ができて、りょう君が退院する事ができたら一緒にサワレルに行こうって約束をしていたから……」
「そうなんだ……鎌田さん、退院したんだねぇ? ただ今も記憶は戻っていないんだぁ……」
「うん……」
「でも加奈子ちゃんは凄いなぁ」
「え?」
「だって、記憶が戻っていない鎌田さんとこうしてデートに来ているんだから」
「デ、デート!?」
「え、違うの?」
「うん、まぁ、デートと言えばデートみたいなものだけど……」
記憶を失う前の私なら普通にデートだと思っていただろう。しかし今はりょう君が私の事をどう思っているのかはっきりと分かっていない状況なのでデートをしているという感覚にはなっていなかったのが事実だ。
でも桜ちゃんにそう言われて私は久しぶりに顔が熱くなる。
「そう言えば翔太はどうしたの? もしかして翔太もお手洗い?」
「ううん、おそらく私がショップでお買い物をしている間にどこかに行ってしまって迷子になっているんだと思うわ。一応、お互いにはぐれたらこのベンチに集合ねって言っていたんだけど……」
「はぁ……翔太って昔からそういうところがあるわねぇ。極度の方向音痴だし、プライドが高いクセに照れ屋だから人にも聞けないでいるんだろうし……」
「フフフ……さすが加奈子ちゃん。翔太君のことよく知っているわねぇ……」
「えっ? い、いえ、それほどでも……」
私は桜ちゃんの前では昔の翔太の話をしないように心掛けていたけど、話しの流れで思わず話してしまった事を後悔した。でも……
「でも私はそんな翔太君も大好きなんだぁ……」
えっ?
「そ、そうなのね? ハハハ……それなら良かった。二人を引き合わせた私としては桜ちゃんがずっと翔太一途でいてくれて本当にホッとしたわ」
引き合わせたなんて……本当は翔太を脅してっていうのが正解だけど……あの頃の自分を思い出すととても恥ずかしくなる。
「フフフ……でも私もホッとしているんだよ……そして改めて加奈子ちゃんを尊敬したわ」
「え? 桜ちゃんは何にホッとしているの? っていうか、私を尊敬って……」
「今日、加奈子ちゃんと鎌田さんが二人でサワレルに来ているのが分かった事……鎌田さんの記憶は戻っていないけど、鎌田さんの事を諦めずに加奈子ちゃんは今も鎌田さんを大事に想っているんだと分かった事……」
「桜ちゃん……」
「私ね……本当は前から知っていたんだ……」
「え、何を知っていたの?」
「翔太君は小さい頃から加奈子ちゃんの事が好きだったって事を……」
「えっ!? そ、そんな事は……」
突然の桜ちゃんの言葉に私はとても焦る。
「フフフ……驚かなくてもいいよ。翔太君の加奈子ちゃんを見る表情を見れば誰だって分かるよ。鈍感な私だってそれは気付いていたし……でも私も翔太君の事が好きだったから気付かないフリをしていたの……そして加奈子ちゃんの優しさに甘えていたというか……」
「桜ちゃん……」
「昔ね、みんなでエキサイトランドへ遊びに行ったことがあったでしょ? それで帰りの車の中で私は眠っていたんだけど、ふと目が覚めてしまったの。そうしたら加奈子ちゃんと翔太君の会話を聞いてしまって……許すとか許さないとか……当時二人の間に何かあったんでしょ? そしてその後、私と翔太君が付き合うようになった……」
「えっ!?」
あの時の会話を桜ちゃんは聞いていたの!?
どこまで聞いていたんだろう!?
でも翔太が私にやった事は車の中では話していなかったと思うし……
「私ね、鎌田さんが加奈子ちゃんの記憶までも失ったと聞いた時、とても不安だったの……このまま二人が離れてしまうんじゃないかって……そうなると翔太君が再び加奈子ちゃんの方に気持ちがいってしまうんじゃないかって……」
「そんな事は……」
「ううん、そんな事はあるよ。現に鎌田さんが事故にあってからの数年間、翔太君はとても苦しそうだったから……きっと加奈子ちゃんに対する感情を抑えようと努力していたんだと思う。そんな彼の姿を見て私も苦しかったわ。でも翔太君は私に会えば今まで以上に優しくしてくれていたの。そんな翔太君が加奈子ちゃんに対する感情を消す為に頑張っている姿に嫉妬したり、時には可哀想にも思えたり……最近は翔太君が健気にも見えたり……そして今は愛おしく感じていて更に翔太君の事が大好きで大好きでたまらない気持ちなの……」
「そうだったんだ。ゴ、ゴメンね、桜ちゃん……」
「謝るのは私の方だよ。私は自分のことばかり考えていたんだから……それに私なんかより加奈子ちゃんの方が……大好きな人から忘れられてしまった加奈子ちゃんの方がずっと辛い思いをしているのに……それなのにこうして、記憶が戻っていない鎌田さんとこうしてデートが出来るところまで来たのは加奈子ちゃんが凄い努力をしてきた証だから……そんな加奈子ちゃんを私は凄く尊敬するわ……そして自分のことばかり考えていた私が恥ずかしい……」
「桜ちゃんにそう言ってもらえて私、とても嬉しいわ。でも桜ちゃんは何も恥じなくてもいいよ。そう思うのが当然だし。私が桜ちゃんの立場ならきっと同じ思いになっていたと思うし……私ね、今のりょう君との関係は先で二人が本当の幸せを掴むための試練だと思っているんだぁ。だから今は辛い時もあるけど、先では大きな幸せが待っていると信じているの。だから今まで、いえ、今も頑張れているというか……」
「うーん、やっぱり加奈子ちゃんは強い人だなぁ……私は加奈子ちゃんみたいに強くはなれない……本当、尊敬しちゃうよ」
「桜ちゃんも強い人だよ。特に翔太に対する想いは凄く強いじゃない? 私なら、あんな性格の翔太は絶対無理だし……あっ、ゴメン。人の彼氏を悪く言っちゃったわね……」
「フフフ……構わないよ。幼馴染だからこそ言える特権だよ。しかし、そっかぁ……試練かぁ……そうだねぇ、私も加奈子ちゃんの親友としてその試練に付き合わせてもらおうかな?」
「え?」
「だから私も翔太君とこの先もっと幸せになる為にも辛いこと嫌な事も試練だと思えるように努力しようかなって……そうすれば我慢もしやすくなれるだろうし……」
「えっ!? さ、桜ちゃんまで無理に我慢しなくてもいんだよ。ほんと翔太の事が嫌になったら別れちゃえばいいし。桜ちゃんだったら他にも素敵な人がいくらでも現れると思うから」
「ヤダ。私は翔太君じゃないと絶対にヤダ」
「ハ、ハハハ……なんかご馳走様です。まぁ、逆に翔太を理解できる人は桜ちゃんしかいないかもね」
「でしょう? フフフ……」
「桜ちゃん、翔太の事をよろしく頼むわね?」
「うん、任せておいて。加奈子ちゃんも頑張ってね? 試練を乗り越えて鎌田さんと幸せになってね? 私、ずっと応援してるから」
「うん、ありがとね。私、絶対に幸せになる。お互いに幸せを掴もう」
桜ちゃんは笑顔で私の前から去って行く。私はなんだかとてもスッキリした気持ちになっていた。すると桜ちゃんと入れ替わる形でりょう君もお手洗いからスッキリした表情をしながら戻って来た。
「加奈子ちゃん、待たせてゴメンね? トイレが凄く混んでいてさぁ……」
「ううん、大丈夫だよ。それよりも、もうお昼でお腹ペコペコだし、ここのレストランでワニカレーを食べてみない?」
「ワ、ワニカレーだって!?」
「フフフ……ワニカレーと言ってもワニの肉じゃなくてご飯がワニの形をしているだけだよ」
「ハ、ハハハ……そ、そうなんだ。それを聞いて安心したよ」
私はりょう君の服の袖を引っ張り笑顔でレストランへと向かうのだった。
――――――――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
「か、加奈子ちゃん……?」
「え?」
声の主は桜ちゃんだった。
久しぶりに見た彼女は中学生の頃とは違い、服装も表情もとても大人っぽくなっている。
「さ、桜ちゃん!!」
「久しぶりだねぇ、加奈子ちゃん? まさかサワレルで会えるとは思わなかったから驚いちゃった。加奈子ちゃんはお友達と来ているの? それとも……」
「うん、今日はりょう君と来ているんだ。あ、今はりょう君お手洗いに行っているんだけどね。それで桜ちゃんは勿論、翔太と来ているんだよね?」
「ええ、そうだよ。フフフ……勿論って言い方おもしろいなぁ……というよりも、鎌田さんと一緒ってことはもしかして記憶が……」
「ううん、戻ってないよ……でも前に私が青葉高校に無事入学ができて、りょう君が退院する事ができたら一緒にサワレルに行こうって約束をしていたから……」
「そうなんだ……鎌田さん、退院したんだねぇ? ただ今も記憶は戻っていないんだぁ……」
「うん……」
「でも加奈子ちゃんは凄いなぁ」
「え?」
「だって、記憶が戻っていない鎌田さんとこうしてデートに来ているんだから」
「デ、デート!?」
「え、違うの?」
「うん、まぁ、デートと言えばデートみたいなものだけど……」
記憶を失う前の私なら普通にデートだと思っていただろう。しかし今はりょう君が私の事をどう思っているのかはっきりと分かっていない状況なのでデートをしているという感覚にはなっていなかったのが事実だ。
でも桜ちゃんにそう言われて私は久しぶりに顔が熱くなる。
「そう言えば翔太はどうしたの? もしかして翔太もお手洗い?」
「ううん、おそらく私がショップでお買い物をしている間にどこかに行ってしまって迷子になっているんだと思うわ。一応、お互いにはぐれたらこのベンチに集合ねって言っていたんだけど……」
「はぁ……翔太って昔からそういうところがあるわねぇ。極度の方向音痴だし、プライドが高いクセに照れ屋だから人にも聞けないでいるんだろうし……」
「フフフ……さすが加奈子ちゃん。翔太君のことよく知っているわねぇ……」
「えっ? い、いえ、それほどでも……」
私は桜ちゃんの前では昔の翔太の話をしないように心掛けていたけど、話しの流れで思わず話してしまった事を後悔した。でも……
「でも私はそんな翔太君も大好きなんだぁ……」
えっ?
「そ、そうなのね? ハハハ……それなら良かった。二人を引き合わせた私としては桜ちゃんがずっと翔太一途でいてくれて本当にホッとしたわ」
引き合わせたなんて……本当は翔太を脅してっていうのが正解だけど……あの頃の自分を思い出すととても恥ずかしくなる。
「フフフ……でも私もホッとしているんだよ……そして改めて加奈子ちゃんを尊敬したわ」
「え? 桜ちゃんは何にホッとしているの? っていうか、私を尊敬って……」
「今日、加奈子ちゃんと鎌田さんが二人でサワレルに来ているのが分かった事……鎌田さんの記憶は戻っていないけど、鎌田さんの事を諦めずに加奈子ちゃんは今も鎌田さんを大事に想っているんだと分かった事……」
「桜ちゃん……」
「私ね……本当は前から知っていたんだ……」
「え、何を知っていたの?」
「翔太君は小さい頃から加奈子ちゃんの事が好きだったって事を……」
「えっ!? そ、そんな事は……」
突然の桜ちゃんの言葉に私はとても焦る。
「フフフ……驚かなくてもいいよ。翔太君の加奈子ちゃんを見る表情を見れば誰だって分かるよ。鈍感な私だってそれは気付いていたし……でも私も翔太君の事が好きだったから気付かないフリをしていたの……そして加奈子ちゃんの優しさに甘えていたというか……」
「桜ちゃん……」
「昔ね、みんなでエキサイトランドへ遊びに行ったことがあったでしょ? それで帰りの車の中で私は眠っていたんだけど、ふと目が覚めてしまったの。そうしたら加奈子ちゃんと翔太君の会話を聞いてしまって……許すとか許さないとか……当時二人の間に何かあったんでしょ? そしてその後、私と翔太君が付き合うようになった……」
「えっ!?」
あの時の会話を桜ちゃんは聞いていたの!?
どこまで聞いていたんだろう!?
でも翔太が私にやった事は車の中では話していなかったと思うし……
「私ね、鎌田さんが加奈子ちゃんの記憶までも失ったと聞いた時、とても不安だったの……このまま二人が離れてしまうんじゃないかって……そうなると翔太君が再び加奈子ちゃんの方に気持ちがいってしまうんじゃないかって……」
「そんな事は……」
「ううん、そんな事はあるよ。現に鎌田さんが事故にあってからの数年間、翔太君はとても苦しそうだったから……きっと加奈子ちゃんに対する感情を抑えようと努力していたんだと思う。そんな彼の姿を見て私も苦しかったわ。でも翔太君は私に会えば今まで以上に優しくしてくれていたの。そんな翔太君が加奈子ちゃんに対する感情を消す為に頑張っている姿に嫉妬したり、時には可哀想にも思えたり……最近は翔太君が健気にも見えたり……そして今は愛おしく感じていて更に翔太君の事が大好きで大好きでたまらない気持ちなの……」
「そうだったんだ。ゴ、ゴメンね、桜ちゃん……」
「謝るのは私の方だよ。私は自分のことばかり考えていたんだから……それに私なんかより加奈子ちゃんの方が……大好きな人から忘れられてしまった加奈子ちゃんの方がずっと辛い思いをしているのに……それなのにこうして、記憶が戻っていない鎌田さんとこうしてデートが出来るところまで来たのは加奈子ちゃんが凄い努力をしてきた証だから……そんな加奈子ちゃんを私は凄く尊敬するわ……そして自分のことばかり考えていた私が恥ずかしい……」
「桜ちゃんにそう言ってもらえて私、とても嬉しいわ。でも桜ちゃんは何も恥じなくてもいいよ。そう思うのが当然だし。私が桜ちゃんの立場ならきっと同じ思いになっていたと思うし……私ね、今のりょう君との関係は先で二人が本当の幸せを掴むための試練だと思っているんだぁ。だから今は辛い時もあるけど、先では大きな幸せが待っていると信じているの。だから今まで、いえ、今も頑張れているというか……」
「うーん、やっぱり加奈子ちゃんは強い人だなぁ……私は加奈子ちゃんみたいに強くはなれない……本当、尊敬しちゃうよ」
「桜ちゃんも強い人だよ。特に翔太に対する想いは凄く強いじゃない? 私なら、あんな性格の翔太は絶対無理だし……あっ、ゴメン。人の彼氏を悪く言っちゃったわね……」
「フフフ……構わないよ。幼馴染だからこそ言える特権だよ。しかし、そっかぁ……試練かぁ……そうだねぇ、私も加奈子ちゃんの親友としてその試練に付き合わせてもらおうかな?」
「え?」
「だから私も翔太君とこの先もっと幸せになる為にも辛いこと嫌な事も試練だと思えるように努力しようかなって……そうすれば我慢もしやすくなれるだろうし……」
「えっ!? さ、桜ちゃんまで無理に我慢しなくてもいんだよ。ほんと翔太の事が嫌になったら別れちゃえばいいし。桜ちゃんだったら他にも素敵な人がいくらでも現れると思うから」
「ヤダ。私は翔太君じゃないと絶対にヤダ」
「ハ、ハハハ……なんかご馳走様です。まぁ、逆に翔太を理解できる人は桜ちゃんしかいないかもね」
「でしょう? フフフ……」
「桜ちゃん、翔太の事をよろしく頼むわね?」
「うん、任せておいて。加奈子ちゃんも頑張ってね? 試練を乗り越えて鎌田さんと幸せになってね? 私、ずっと応援してるから」
「うん、ありがとね。私、絶対に幸せになる。お互いに幸せを掴もう」
桜ちゃんは笑顔で私の前から去って行く。私はなんだかとてもスッキリした気持ちになっていた。すると桜ちゃんと入れ替わる形でりょう君もお手洗いからスッキリした表情をしながら戻って来た。
「加奈子ちゃん、待たせてゴメンね? トイレが凄く混んでいてさぁ……」
「ううん、大丈夫だよ。それよりも、もうお昼でお腹ペコペコだし、ここのレストランでワニカレーを食べてみない?」
「ワ、ワニカレーだって!?」
「フフフ……ワニカレーと言ってもワニの肉じゃなくてご飯がワニの形をしているだけだよ」
「ハ、ハハハ……そ、そうなんだ。それを聞いて安心したよ」
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