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最終章 永遠の愛編
第88話 幼馴染として/亮二
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平成25年4月30日……
遂にこの日がやって来た。
俺の24歳の誕生日に行われる『ジャンプスター開業記念セレモニー』……
この事業に携わった人達や地元の人達もたくさん参加してのセレモニー、まして青葉市が生んだ2大女優が来るという事も有り、テレビ局をはじめ、マスコミも大勢押し寄せている。
そんな中、加奈子ちゃん達、ボランティア部は緊張した面持ちでセレモニースタッフとして会場の準備、お客さんの誘導等を頑張っている。
俺は五十鈴工業の新米従業員の一人として神谷さんと一緒に運営側の手伝いをしていた。すると見知らぬ30代後半くらいの女性に声をかけられる。
「あのぉ、すみません。失礼ですが鎌田亮二さんでしょうか?」
「え? あ、はい……そうですけど……」
「お忙しいところ申し訳ありません。私は五十鈴広美のマネージャーをしております高山と申します。実はうちの広美がセレモニーが始まる前に鎌田さんにどうしてもお会いしたいと言っているのですが、無理を承知で今から控室に来て頂けないでしょうか?」
「ひ、広美が?」
俺は少し困った表情をしながら近くにいた神谷さんの方を見ると彼女は笑顔でうんうんと頷いていたので「後は私に任せて行って来て」ということだと思い「神谷さん、直ぐに戻るから」と言い残しマネージャーさんに付いて行く事にした。
コンコン
「はーい、どうぞ」
ドアの向こうから久しぶりに聞く広美の声がする。
「広美ちゃん、鎌田さんをお連れしたわよ」
「ありがとうございます、高山さん。それに亮君も忙しいところ来てくれてありがとね? そしてお久しぶり。元気そうで良かったわ」
「お、おお……ひ、久しぶり……」
俺は久しぶりに見た広美を前に悔しくも緊張してしまった。いくら幼馴染だとはいえ、最近メディアでしょっちゅう見る有名人の顔を前にして一般素人と同じ感覚になってしまったのだ。
「それじゃぁ私は外にいるから」
マネージャーさんはそう言うと控室から出て行った。
控室に残った俺達は一瞬、沈黙になったけど広美が話かけてくれる。
「ほんと、あの亮君がここまで元気になっていてホッとしたわ。それに、お父さんの会社に就職するとは今まで考えた事も無かったから凄く驚いたなぁ……」
「ハハハ……そうだよな。俺自身も驚いてるよ。まぁ、一番驚いたのは俺が意識を失っている間に広美が大スターになっていたことだけど……」
「だ、大スターは言い過ぎだよ。私なんかまだまだだよ」
「イヤイヤイヤッ、広美は凄いよ。子供の頃からの夢を叶えたんだもんなぁ……幼馴染として凄く鼻が高いよ」
「あ、ありがとう。亮君にそう言ってもらえてとっても嬉しい、今まで頑張ってきた甲斐があったわ」
照れくさそうにしている広美の表情をジッと見ながら俺はやっぱ、広美は美人だなぁと改めて思う。
「ところでさ、俺をここに呼んだのは久しぶりに話をする為だったのかい?」
「うん、そうだよ。私から亮君のところへ行っても良かったけど、そうなるとマスコミも一緒に付いて来そうだから……幼馴染の男性と会話をしているところなんてマスコミにとって格好のネタだしねぇ……」
「ハハ、そうだよな。変に誤解されると広美の仕事に影響するかもしれないし……あっ?」
「ん? どうしたの?」
俺は前に隆おじさんから広美には付き合っている人がいるって聞いた事を思い出してしまった。これって広美に聞いてもいいのだろうか?
「実はさ、前に隆おじさんから聞いたんだけど……」
「フッ、私が今お付き合いしている人がいるって話しかな?」
「えっ!? あ、ああ……そうなんだけど……それって本当なのか?」
「うん、本当だよ。亮君はそれを聞いてどう思った?」
「え、俺? うーん、俺はそのぉ……そうだなぁ……聞いた時はめちゃくちゃ驚いたけど、広美がそのお付き合いしている人と上手くいけばいいなぁって思ったというか……」
「へぇ、そうなんだぁ……それだけ?」
「えっ? ああ、それだけだよ。他に何を思うっていうんだい? 幼馴染の幸せを願うのは当たり前だと思うし……」
もしかして広美は小さい頃から俺が片思いをしていたことに気付いていてかまをかけているのか? 俺が嫉妬しているんじゃないかとか……い、いや、広美はそんな事をする様な子じゃないと思うけど。
「それを聞いて安心したわ。あっ、別に深い意味は無いから気にしないでね?」
「ほ、ほんとかよ?」
「本当よ。本当に安心しているんだよ。これで私も……」
これで私も?
「いえ、これからも幼馴染としてよろしくお願いね?」
「え? ああ、こちらこそよろしく……」
コンコン
ガチャツ
「入るわよぉ?」
「あっ、岸本さん?」
えっ!? 大女優の岸本順子が控室に入って来たぞ!!
二人は師弟関係で一緒に来たんだから入って来るのは当然なんだけど……
でも、こんな小部屋に一般人の俺と有名女優二人が一緒にいるなんて普通はあり得ないよな?
「あら、あなたは確か広美ちゃんの幼馴染で名前は……かま……鎌山君だったかな?」
「いえ、鎌田です」
何で俺の名前を知っているんだ? いや、正確には間違っていたけど……
「そうそう、鎌田君だったわね? 私の事、覚えてるかな?」
「へ? 覚えているというか有名な方なので普通に知っているといいますか……」
「そっか。そうだったわね? 昔、私と青葉東高校の文化祭で会った事は覚えていないんだねぇ?」
「えっ!? 俺は岸本さんに会った事があるんですか!?」
「まぁね。でも大した話はしていないから気にしないで。それよりも久しぶりに会った幼馴染との会話は終わったかしら?」
「す、すみません岸本さん。話は終わりました。そろそろ時間でしたよね? わざわざ呼びに来て頂いてありがとうございます」
「それで広美ちゃん、前に言っていた通りの流れでいくのよね? 一応、進行係の人には私から伝えているけど、運営の人達は誰も知らないから驚くわよ」
「ハハ、まぁ大丈夫だと思いますが……それに『ワガママ女優』の延長みたいなものですし、皆さん諦めてくれると思います」
「フフフ……諦めるというよりも呆れてしまわれるかもね? でもまぁ、面白そうだから私は別に構わないけどね」
ん? さっきから二人は何の話をしているんだろう?
俺にはさっぱり分からないぞ。
「そ、それじゃぁ俺もそろそろ持ち場に戻るよ。お二人共、今日のセレモニー宜しくお願い致します」
「オッケー、私達に任せておいて。ねっ、広美ちゃん?」
「はい、そうですね」
二人は今日のセレモニーで何か企んでいる様な気がしたけど、それは俺の考え過ぎだろうか? まぁ、俺が考えたって仕方の無い事だよな?
とりあえず早く戻らないと、きっと神谷さん、忙しくしているだろうな?
「あ、亮君、ちょっと待って!!」
「え?」
控室から出かけた俺を広美が慌てて呼び止めた。
「一つ、亮君に大事な事を言い忘れていたわ」
「大事な事?」
「うん……亮君、お誕生日おめでとう!! 後でプレゼントを渡すわ」
「あ、ありがとう……俺の誕生日、覚えてくれていたんだな?」
それにプレゼントも用意してくれているのか?
「フフフ……当たり前じゃない。幼馴染なんだから」
――――――――――――――――
午前10時
「それでは只今より、ジャンプスター開業記念セレモニーを開催いたします!!」
さぁ、いよいよ始まったぞ。
進行係の人がセレモニーの開催を伝えると直ぐに青葉東高校吹奏楽部の演奏が始まり運営責任者やスポンサー企業のお偉いさん方が続々と特別に造られた舞台会場へと歩き出す。勿論、その中には広美や岸本さんもいて二人共、他の誰よりも輝いている。
そして俺は堂々とした姿の広美を見て感動すると共に幼馴染のあんな姿を見れるだけで俺にとっては素晴らしい誕生日プレゼントだなと思えるのだった。
――――――――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
いよいよジャンプスター開業記念セレモニー開催!!
広美達は何か企んでいるのか?
それは亮二に関係ある事なのか? それに加奈子は?
完結まで残り(エピローグを入れて)3~4話予定です。
どうぞ完結まで宜しくお願い致します。
遂にこの日がやって来た。
俺の24歳の誕生日に行われる『ジャンプスター開業記念セレモニー』……
この事業に携わった人達や地元の人達もたくさん参加してのセレモニー、まして青葉市が生んだ2大女優が来るという事も有り、テレビ局をはじめ、マスコミも大勢押し寄せている。
そんな中、加奈子ちゃん達、ボランティア部は緊張した面持ちでセレモニースタッフとして会場の準備、お客さんの誘導等を頑張っている。
俺は五十鈴工業の新米従業員の一人として神谷さんと一緒に運営側の手伝いをしていた。すると見知らぬ30代後半くらいの女性に声をかけられる。
「あのぉ、すみません。失礼ですが鎌田亮二さんでしょうか?」
「え? あ、はい……そうですけど……」
「お忙しいところ申し訳ありません。私は五十鈴広美のマネージャーをしております高山と申します。実はうちの広美がセレモニーが始まる前に鎌田さんにどうしてもお会いしたいと言っているのですが、無理を承知で今から控室に来て頂けないでしょうか?」
「ひ、広美が?」
俺は少し困った表情をしながら近くにいた神谷さんの方を見ると彼女は笑顔でうんうんと頷いていたので「後は私に任せて行って来て」ということだと思い「神谷さん、直ぐに戻るから」と言い残しマネージャーさんに付いて行く事にした。
コンコン
「はーい、どうぞ」
ドアの向こうから久しぶりに聞く広美の声がする。
「広美ちゃん、鎌田さんをお連れしたわよ」
「ありがとうございます、高山さん。それに亮君も忙しいところ来てくれてありがとね? そしてお久しぶり。元気そうで良かったわ」
「お、おお……ひ、久しぶり……」
俺は久しぶりに見た広美を前に悔しくも緊張してしまった。いくら幼馴染だとはいえ、最近メディアでしょっちゅう見る有名人の顔を前にして一般素人と同じ感覚になってしまったのだ。
「それじゃぁ私は外にいるから」
マネージャーさんはそう言うと控室から出て行った。
控室に残った俺達は一瞬、沈黙になったけど広美が話かけてくれる。
「ほんと、あの亮君がここまで元気になっていてホッとしたわ。それに、お父さんの会社に就職するとは今まで考えた事も無かったから凄く驚いたなぁ……」
「ハハハ……そうだよな。俺自身も驚いてるよ。まぁ、一番驚いたのは俺が意識を失っている間に広美が大スターになっていたことだけど……」
「だ、大スターは言い過ぎだよ。私なんかまだまだだよ」
「イヤイヤイヤッ、広美は凄いよ。子供の頃からの夢を叶えたんだもんなぁ……幼馴染として凄く鼻が高いよ」
「あ、ありがとう。亮君にそう言ってもらえてとっても嬉しい、今まで頑張ってきた甲斐があったわ」
照れくさそうにしている広美の表情をジッと見ながら俺はやっぱ、広美は美人だなぁと改めて思う。
「ところでさ、俺をここに呼んだのは久しぶりに話をする為だったのかい?」
「うん、そうだよ。私から亮君のところへ行っても良かったけど、そうなるとマスコミも一緒に付いて来そうだから……幼馴染の男性と会話をしているところなんてマスコミにとって格好のネタだしねぇ……」
「ハハ、そうだよな。変に誤解されると広美の仕事に影響するかもしれないし……あっ?」
「ん? どうしたの?」
俺は前に隆おじさんから広美には付き合っている人がいるって聞いた事を思い出してしまった。これって広美に聞いてもいいのだろうか?
「実はさ、前に隆おじさんから聞いたんだけど……」
「フッ、私が今お付き合いしている人がいるって話しかな?」
「えっ!? あ、ああ……そうなんだけど……それって本当なのか?」
「うん、本当だよ。亮君はそれを聞いてどう思った?」
「え、俺? うーん、俺はそのぉ……そうだなぁ……聞いた時はめちゃくちゃ驚いたけど、広美がそのお付き合いしている人と上手くいけばいいなぁって思ったというか……」
「へぇ、そうなんだぁ……それだけ?」
「えっ? ああ、それだけだよ。他に何を思うっていうんだい? 幼馴染の幸せを願うのは当たり前だと思うし……」
もしかして広美は小さい頃から俺が片思いをしていたことに気付いていてかまをかけているのか? 俺が嫉妬しているんじゃないかとか……い、いや、広美はそんな事をする様な子じゃないと思うけど。
「それを聞いて安心したわ。あっ、別に深い意味は無いから気にしないでね?」
「ほ、ほんとかよ?」
「本当よ。本当に安心しているんだよ。これで私も……」
これで私も?
「いえ、これからも幼馴染としてよろしくお願いね?」
「え? ああ、こちらこそよろしく……」
コンコン
ガチャツ
「入るわよぉ?」
「あっ、岸本さん?」
えっ!? 大女優の岸本順子が控室に入って来たぞ!!
二人は師弟関係で一緒に来たんだから入って来るのは当然なんだけど……
でも、こんな小部屋に一般人の俺と有名女優二人が一緒にいるなんて普通はあり得ないよな?
「あら、あなたは確か広美ちゃんの幼馴染で名前は……かま……鎌山君だったかな?」
「いえ、鎌田です」
何で俺の名前を知っているんだ? いや、正確には間違っていたけど……
「そうそう、鎌田君だったわね? 私の事、覚えてるかな?」
「へ? 覚えているというか有名な方なので普通に知っているといいますか……」
「そっか。そうだったわね? 昔、私と青葉東高校の文化祭で会った事は覚えていないんだねぇ?」
「えっ!? 俺は岸本さんに会った事があるんですか!?」
「まぁね。でも大した話はしていないから気にしないで。それよりも久しぶりに会った幼馴染との会話は終わったかしら?」
「す、すみません岸本さん。話は終わりました。そろそろ時間でしたよね? わざわざ呼びに来て頂いてありがとうございます」
「それで広美ちゃん、前に言っていた通りの流れでいくのよね? 一応、進行係の人には私から伝えているけど、運営の人達は誰も知らないから驚くわよ」
「ハハ、まぁ大丈夫だと思いますが……それに『ワガママ女優』の延長みたいなものですし、皆さん諦めてくれると思います」
「フフフ……諦めるというよりも呆れてしまわれるかもね? でもまぁ、面白そうだから私は別に構わないけどね」
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俺にはさっぱり分からないぞ。
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「はい、そうですね」
二人は今日のセレモニーで何か企んでいる様な気がしたけど、それは俺の考え過ぎだろうか? まぁ、俺が考えたって仕方の無い事だよな?
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「あ、亮君、ちょっと待って!!」
「え?」
控室から出かけた俺を広美が慌てて呼び止めた。
「一つ、亮君に大事な事を言い忘れていたわ」
「大事な事?」
「うん……亮君、お誕生日おめでとう!! 後でプレゼントを渡すわ」
「あ、ありがとう……俺の誕生日、覚えてくれていたんだな?」
それにプレゼントも用意してくれているのか?
「フフフ……当たり前じゃない。幼馴染なんだから」
――――――――――――――――
午前10時
「それでは只今より、ジャンプスター開業記念セレモニーを開催いたします!!」
さぁ、いよいよ始まったぞ。
進行係の人がセレモニーの開催を伝えると直ぐに青葉東高校吹奏楽部の演奏が始まり運営責任者やスポンサー企業のお偉いさん方が続々と特別に造られた舞台会場へと歩き出す。勿論、その中には広美や岸本さんもいて二人共、他の誰よりも輝いている。
そして俺は堂々とした姿の広美を見て感動すると共に幼馴染のあんな姿を見れるだけで俺にとっては素晴らしい誕生日プレゼントだなと思えるのだった。
――――――――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
いよいよジャンプスター開業記念セレモニー開催!!
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