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第2部 呪いの館 救出編
32話
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山道を降りて村長宅に戻って来た。
木々に隠れながら表に出ると…数人の年寄りが道に倒れていた。
ま、まさか死んでる?
近寄って確認すると微かに息をしていた。
元々死んではいるけれど、呪いの解除直前でまた死なれては困る。
「寝てるだけだね」
ホッとして、青年を見ると。倒れてる老人を踏みつけていた。
「な、何してるの!?」
「コイツらが長老だろう。この位せねば気がすまん」
言いながら次々と、長老達を踏み踏みしていく。
老人に無体な真似はしたくないが、正直、こいつらが諸悪の根源だ。
華も覚悟を決めた。
「私と彼女の分!」
華も、気持ち優しく長老達を踏み踏みした。
「じゃあボクも」
いつの間に起きたのか、青年と少年が入れ替わり、同じく長老を踏んづけた。
「じゃあ、行こうか」
少年が華に声をかけて歩き出した。
「このまま行ったら見つからない?」
「大丈夫。ボクら以外は、みんな眠りについた」
「え?それって」
「さっき、村長の謝罪で呪いが解ける条件が整った。それに、姉がもう終わりにするって決めただろ?だから、村人の役割が終わったんだ」
少年の言った通り。館の庭園前には、複数の男達が倒れていた。通り過ぎながら、少年がゲシゲシと蹴っていく。意外に足癖が悪いんだな、と華は思った。
庭園を通り抜け館の中に入ると、扉が祭壇に変わった。
やっと館に戻って来た。ホッと華は安堵の息を吐いた。まさかこの建物に入ってホッとする日が来るとは思いもしなかった。
華と少年が顔を見合わせ、お互い頷き合う。腕輪をした手を祭壇の台の上へ置いた。
脳に声が響いた。
『よくぞ真実を見つけてくれた。感謝する』
前回とは違うセリフだった。
『本来ならこのまま帰してやりたいが…。そなた達の魂はだいぶ疲労している。今日はゆっくり休んで、明日帰った方が良かろう』
「どういう事ですか?」
『男の方は疲労が大きい。魂が弱っている』
「え⁉︎」
驚いて少年を見る。言われてみれば顔に疲労が濃く出ていた。
「…3人分の魂を駆使したからね。キミよりは疲労が大きいよ」
「あの!休んだら良くなりますか?帰れなくなってしまう事ってありますか?」
『帰れなくなる事はない。安心しなさい。弱った魂を身体に戻すより、一日休めて回復させてからがいいだろう。ここでの疲労は現実にも影響する』
「わかりました。では明日帰ります」
『その間に望みを考えるが良い』
「望み?」
『救いには救いを。受けた恩の分、出来る範囲で、そなたらの救いになる願いを叶えよう』
「救い?1人ずつですか?」
『そうだ。前回いた友人らも含めて4人分』
「え?4人も!?」
華が驚きの声を上げる。何て太っ腹。
『ふははは。そんなに変か?長年の恨みを解消してくれたのだ。安いものだ。それにー』
華の背後から、うっすら光が射した。突然の光に驚き、振り返る。現世へ帰る扉の隙間から光が入ってきていた。
『前回いた1人が迎えに来たようだぞ』
扉がゆっくりと開けられ、光が差し込んできた。外は夜の筈なのに、眩しい光だった。1人の男性が中に飛び込んで来た。
「ー華!無事か⁉︎」
それは、懐かしいもう1人の幼馴染。勇輝だった。
木々に隠れながら表に出ると…数人の年寄りが道に倒れていた。
ま、まさか死んでる?
近寄って確認すると微かに息をしていた。
元々死んではいるけれど、呪いの解除直前でまた死なれては困る。
「寝てるだけだね」
ホッとして、青年を見ると。倒れてる老人を踏みつけていた。
「な、何してるの!?」
「コイツらが長老だろう。この位せねば気がすまん」
言いながら次々と、長老達を踏み踏みしていく。
老人に無体な真似はしたくないが、正直、こいつらが諸悪の根源だ。
華も覚悟を決めた。
「私と彼女の分!」
華も、気持ち優しく長老達を踏み踏みした。
「じゃあボクも」
いつの間に起きたのか、青年と少年が入れ替わり、同じく長老を踏んづけた。
「じゃあ、行こうか」
少年が華に声をかけて歩き出した。
「このまま行ったら見つからない?」
「大丈夫。ボクら以外は、みんな眠りについた」
「え?それって」
「さっき、村長の謝罪で呪いが解ける条件が整った。それに、姉がもう終わりにするって決めただろ?だから、村人の役割が終わったんだ」
少年の言った通り。館の庭園前には、複数の男達が倒れていた。通り過ぎながら、少年がゲシゲシと蹴っていく。意外に足癖が悪いんだな、と華は思った。
庭園を通り抜け館の中に入ると、扉が祭壇に変わった。
やっと館に戻って来た。ホッと華は安堵の息を吐いた。まさかこの建物に入ってホッとする日が来るとは思いもしなかった。
華と少年が顔を見合わせ、お互い頷き合う。腕輪をした手を祭壇の台の上へ置いた。
脳に声が響いた。
『よくぞ真実を見つけてくれた。感謝する』
前回とは違うセリフだった。
『本来ならこのまま帰してやりたいが…。そなた達の魂はだいぶ疲労している。今日はゆっくり休んで、明日帰った方が良かろう』
「どういう事ですか?」
『男の方は疲労が大きい。魂が弱っている』
「え⁉︎」
驚いて少年を見る。言われてみれば顔に疲労が濃く出ていた。
「…3人分の魂を駆使したからね。キミよりは疲労が大きいよ」
「あの!休んだら良くなりますか?帰れなくなってしまう事ってありますか?」
『帰れなくなる事はない。安心しなさい。弱った魂を身体に戻すより、一日休めて回復させてからがいいだろう。ここでの疲労は現実にも影響する』
「わかりました。では明日帰ります」
『その間に望みを考えるが良い』
「望み?」
『救いには救いを。受けた恩の分、出来る範囲で、そなたらの救いになる願いを叶えよう』
「救い?1人ずつですか?」
『そうだ。前回いた友人らも含めて4人分』
「え?4人も!?」
華が驚きの声を上げる。何て太っ腹。
『ふははは。そんなに変か?長年の恨みを解消してくれたのだ。安いものだ。それにー』
華の背後から、うっすら光が射した。突然の光に驚き、振り返る。現世へ帰る扉の隙間から光が入ってきていた。
『前回いた1人が迎えに来たようだぞ』
扉がゆっくりと開けられ、光が差し込んできた。外は夜の筈なのに、眩しい光だった。1人の男性が中に飛び込んで来た。
「ー華!無事か⁉︎」
それは、懐かしいもう1人の幼馴染。勇輝だった。
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