9 / 181
第一章 銀狼は青に還りて
7
しおりを挟む
ソレは昨日襲って来た、濁った眼をした灰色の獣だった。
も、もしかして俺を追って来たのか?
嫌な予感に身体が震える。
昨日ルースが言っていた。太陽が気を失った場所から小屋までは距離があったから運ぶのに苦労したと。
という事はその距離をこの獣は追ってきたのだ。太陽を狙って。
獣が顔を下ろして来た。太陽の喉仏辺りに鼻を寄せている。
どうせ死ぬならせめて一思いに殺してくれ。
キュッと覚悟を決めて太陽は目を閉じた。
なかなかその瞬間は訪れなかった。代わりに聞こえてきたのは。
クンクン クンクン
あちこち匂いを嗅ぎ回る音だった。目を閉じてるから見えないが、首から耳元。そして頭と匂いを嗅がれている様だ。
そして、いきなりペロリと耳元を舐められた。
「ひゃあ!」
思わず目を開けると獣と目が合った。黒と灰に濁った目が太陽を見ていた。思わず、ヒッと身をよじる。
獣は太陽の反応に構わず、今度は肩から胸、脇、と匂いを嗅いでいく。脇の辺りで、獣が鼻を鳴らした。
思えば一昨日の夜に風呂に入って以来だ。昨日の日中は汗だくで。獣に襲われて土まみれになったのに服もそのままだ。
俺、絶対臭いだろ!てか何でコイツ臭いかいでんだ!
恐怖より羞恥が上回って太陽は真っ赤になった。
続いて獣は太陽の脇から脇腹、腹に向けて匂いを嗅ぐ。そこで太陽のTシャツを噛みグイッとたくし上げた。
狩りをした野生の動物が、獲物の内臓を食べているシーンをTVで観た事がある。俺もあんな風に腹から食われるのか?
いてもたってもいられず、太陽は手にしていた弓を手放して、急いで上方向に後ずさって逃げようとした。
獣が弓を押さえているのと反対側の前足を、ドンッと太陽の顔横に持ってきた。
それによって獣の足に太陽の肩がかかって逃げられなくなった。
ガルルルルッ
太陽の行動が獣を怒らせた様だ。唸りながら、そのまま太陽の身体に向かって鋭い牙が生えた大きな口を開けた!
ビリビリッ
Tシャツが牙で引き裂かれ、そのまま…。
あれ…痛くない?と思った瞬間、ベロリと腹を舐められた。何がと思って獣を見ると器用に太陽のTシャツだけを破いていた。現れた太陽の素肌を獣がベロベロと大きな舌で舐めている。
「な、何をー」
少しずつ舐めながら上に上がってくる。
舌が胸の敏感な場所を擦った。思わず、変な声が出そうになるのを何とか抑えた。下手に声を出して獣を刺激したくなかった。
獣の舌は更に上がり、太陽の首、耳の下、顔をくまなく舐めた。獣の涎が気持ち悪い。でも抵抗せず、されるがまま堪えた。
一通り顔中を舐めた後は、クンクンと太陽の脇の匂いを一心に嗅いでいる。まるでそこが気に入っているかの様だ。
そして今度はペロリと脇を舐めてきた。
「うぁ、やめろ!」
変な感覚に襲われて身をよじると、ドカッと獣が身体を太陽の上に被せて来た。身体全体で抑えられて完全に身動きできない。
そのまま思いのまま脇を舐めた後、今度は徐々に太陽の胸を舐め出した。外側から中心に向け少しずつ。舌が胸の突起に当たる度にビクッと身体が反応する。
そして、今度は明確に突起を重点的に舐めて来た。
「あ、やめて、頼む」
男なのに。そんなとこ舐められて反応するとかありえない。というか、これではまるでー。
も、もしかして俺を追って来たのか?
嫌な予感に身体が震える。
昨日ルースが言っていた。太陽が気を失った場所から小屋までは距離があったから運ぶのに苦労したと。
という事はその距離をこの獣は追ってきたのだ。太陽を狙って。
獣が顔を下ろして来た。太陽の喉仏辺りに鼻を寄せている。
どうせ死ぬならせめて一思いに殺してくれ。
キュッと覚悟を決めて太陽は目を閉じた。
なかなかその瞬間は訪れなかった。代わりに聞こえてきたのは。
クンクン クンクン
あちこち匂いを嗅ぎ回る音だった。目を閉じてるから見えないが、首から耳元。そして頭と匂いを嗅がれている様だ。
そして、いきなりペロリと耳元を舐められた。
「ひゃあ!」
思わず目を開けると獣と目が合った。黒と灰に濁った目が太陽を見ていた。思わず、ヒッと身をよじる。
獣は太陽の反応に構わず、今度は肩から胸、脇、と匂いを嗅いでいく。脇の辺りで、獣が鼻を鳴らした。
思えば一昨日の夜に風呂に入って以来だ。昨日の日中は汗だくで。獣に襲われて土まみれになったのに服もそのままだ。
俺、絶対臭いだろ!てか何でコイツ臭いかいでんだ!
恐怖より羞恥が上回って太陽は真っ赤になった。
続いて獣は太陽の脇から脇腹、腹に向けて匂いを嗅ぐ。そこで太陽のTシャツを噛みグイッとたくし上げた。
狩りをした野生の動物が、獲物の内臓を食べているシーンをTVで観た事がある。俺もあんな風に腹から食われるのか?
いてもたってもいられず、太陽は手にしていた弓を手放して、急いで上方向に後ずさって逃げようとした。
獣が弓を押さえているのと反対側の前足を、ドンッと太陽の顔横に持ってきた。
それによって獣の足に太陽の肩がかかって逃げられなくなった。
ガルルルルッ
太陽の行動が獣を怒らせた様だ。唸りながら、そのまま太陽の身体に向かって鋭い牙が生えた大きな口を開けた!
ビリビリッ
Tシャツが牙で引き裂かれ、そのまま…。
あれ…痛くない?と思った瞬間、ベロリと腹を舐められた。何がと思って獣を見ると器用に太陽のTシャツだけを破いていた。現れた太陽の素肌を獣がベロベロと大きな舌で舐めている。
「な、何をー」
少しずつ舐めながら上に上がってくる。
舌が胸の敏感な場所を擦った。思わず、変な声が出そうになるのを何とか抑えた。下手に声を出して獣を刺激したくなかった。
獣の舌は更に上がり、太陽の首、耳の下、顔をくまなく舐めた。獣の涎が気持ち悪い。でも抵抗せず、されるがまま堪えた。
一通り顔中を舐めた後は、クンクンと太陽の脇の匂いを一心に嗅いでいる。まるでそこが気に入っているかの様だ。
そして今度はペロリと脇を舐めてきた。
「うぁ、やめろ!」
変な感覚に襲われて身をよじると、ドカッと獣が身体を太陽の上に被せて来た。身体全体で抑えられて完全に身動きできない。
そのまま思いのまま脇を舐めた後、今度は徐々に太陽の胸を舐め出した。外側から中心に向け少しずつ。舌が胸の突起に当たる度にビクッと身体が反応する。
そして、今度は明確に突起を重点的に舐めて来た。
「あ、やめて、頼む」
男なのに。そんなとこ舐められて反応するとかありえない。というか、これではまるでー。
35
あなたにおすすめの小説
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。
★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★
《本編 完結 続編 完結》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。
かざみはら まなか
BL
24歳の英雄公爵✕29歳の日本に帰りたい異世界転移した青年
【完結】冷酷騎士団長を助けたら口移しでしか薬を飲まなくなりました
ざっしゅ
BL
異世界に転移してから一年、透(トオル)は、ゲームの知識を活かし、薬師としてのんびり暮らしていた。ある日、突然現れた洞窟を覗いてみると、そこにいたのは冷酷と噂される騎士団長・グレイド。毒に侵された彼を透は助けたが、その毒は、キスをしたり体を重ねないと完全に解毒できないらしい。
タイトルに※印がついている話はR描写が含まれています。
異世界に転生したら竜騎士たちに愛されました
あいえだ
BL
俺は病気で逝ってから生まれ変わったらしい。ど田舎に生まれ、みんな俺のことを伝説の竜騎士って呼ぶんだけど…なんだそれ?俺は生まれたときから何故か一緒にいるドラゴンと、この大自然でゆるゆる暮らしたいのにみんな王宮に行けって言う…。王宮では竜騎士イケメン二人に愛されて…。
完結済みです。
7回BL大賞エントリーします。
表紙、本文中のイラストは自作。キャライラストなどはTwitterに順次上げてます(@aieda_kei)
今世はメシウマ召喚獣
片里 狛
BL
オーバーワークが原因でうっかり命を落としたはずの最上春伊25歳。召喚獣として呼び出された世界で、娼館の料理人として働くことになって!?的なBL小説です。
最終的に溺愛系娼館主人様×全般的にふつーの日本人青年。
※女の子もゴリゴリ出てきます。
※設定ふんわりとしか考えてないので穴があってもスルーしてください。お約束等には疎いので優しい気持ちで読んでくださると幸い。
※誤字脱字の報告は不要です。いつか直したい。
※なるべくさくさく更新したい。
【完結】極貧イケメン学生は体を売らない。【番外編あります】
紫紺
BL
貧乏学生をスパダリが救済!?代償は『恋人のフリ』だった。
相模原涼(さがみはらりょう)は法学部の大学2年生。
超がつく貧乏学生なのに、突然居酒屋のバイトをクビになってしまった。
失意に沈む涼の前に現れたのは、ブランドスーツに身を包んだイケメン、大手法律事務所の副所長 城南晄矢(じょうなんみつや)。
彼は涼にバイトしないかと誘うのだが……。
※番外編を公開しました(2024.10.21)
生活に追われて恋とは無縁の極貧イケメンの涼と、何もかもに恵まれた晄矢のラブコメBL。二人の気持ちはどっちに向いていくのか。
※本作品中の公判、判例、事件等は全て架空のものです。完全なフィクションであり、参考にした事件等もございません。拙い表現や現実との乖離はどうぞご容赦ください。
塔の魔術師と騎士の献身
倉くらの
BL
かつて勇者の一行として魔王討伐を果たした魔術師のエーティアは、その時の後遺症で魔力欠乏症に陥っていた。
そこへ世話人兼護衛役として派遣されてきたのは、国の第三王子であり騎士でもあるフレンという男だった。
男の説明では性交による魔力供給が必要なのだという。
それを聞いたエーティアは怒り、最後の魔力を使って攻撃するがすでに魔力のほとんどを消失していたためフレンにダメージを与えることはできなかった。
悔しさと息苦しさから涙して「こんなみじめな姿で生きていたくない」と思うエーティアだったが、「あなたを助けたい」とフレンによってやさしく抱き寄せられる。
献身的に尽くす元騎士と、能力の高さ故にチヤホヤされて生きてきたため無自覚でやや高慢気味の魔術師の話。
愛するあまりいつも抱っこしていたい攻め&体がしんどくて楽だから抱っこされて運ばれたい受け。
一人称。
完結しました!
竜の生贄になった僕だけど、甘やかされて幸せすぎっ!【完結】
ぬこまる
BL
竜の獣人はスパダリの超絶イケメン!主人公は女の子と間違うほどの美少年。この物語は勘違いから始まるBLです。2人の視点が交互に読めてハラハラドキドキ!面白いと思います。ぜひご覧くださいませ。感想お待ちしております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる