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第二章 闇に囚われし緑よ、いずれ
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ドアの向こうは街中では無かった。
豊かな緑と色とりどりの花が咲き乱れた自然の中だった。
ルースに続いて太陽と空も表に出る。空気が美味しい、と思った。
空が東の森で瘴気を払った後の様に清々しい空気を感じた。
「ルース様!お帰りなさい!」
緑の奥から何人かの子供達が走って来た。全員緑の髪と目、そして尖った耳をしていた。
「みんなただいま!」
チビッコ達がルースに飛びつく。それを嬉しそうにルースは受け止めて笑っている。
ルースさん。子供が好きなんだな。
その子達を大切にしてるのが伝わってきた。
ルースの周りに集まった子供達が、太陽に気づくと悲鳴を上げた。
「黒がいる!大人を呼ばないと!」
「怖いよぉ。ルース様!」
パニックになる子供達に、ルースがみんな落ち着いて!と声をかけた。
「確かに彼は黒を纏ってるけど悪い奴じゃない。僕が保証する」
ルースの言葉にやっと子供達が落ち着いた。
「どうして里の者以外がいるの?」
「怖くない?」
ルースに引っ付いたまま、恐る恐る見上げてくるエルフのチビッコ達はとても愛らしかった。
太陽の後ろに立っていた空に気づくと、キャーと嬉しそうに歓声を上げた。
「尻尾~」
「お前東の森のやつか?」
「モフモフ~」
チビッコ達が一斉に空にまとわりつき始めた。
空は不機嫌そうに尻尾で払うが、それがチビッコ達には面白かった様でますますはしゃいでいる。
空と子供達の機嫌が真逆なのが面白くて思わず笑ってしまった。
いつの間かルースが隣に立っていた。
「セーヤは僕の姿を見ても驚かないんだね」
「はい。村でルースさんの売ってた肥料が緑と黄色の光を放ってました。空があれは緑の者の聖気だと言っていたので。もしかしたら人間じゃないかもとは思ってました」
「そう。ソラみたいな耳や尻尾は無くて残念だった?」
ルースが楽しそうに聞いてきた。太陽が空の耳や尻尾をしょっちゅう見てるのがバレていた様だ。
「別に。それより俺は本当のルースさんの姿が見れた事の方が嬉しいです」
「…参ったな」
人外なら諦めると思ったのに、と肩を竦めて、ルースは歩き出した。
太陽と空も後に続く。子供達もキャッ、キャッと楽しそうに後をついてきた。
少し歩くと緑色の建物らしき物が見えてきた。
近づいて見ると、洞窟らしき場所に何種類もの蔦を絡ませているのが分かった。しかもただ絡ませているのでは無く、所々に美しい模様を作っていて優美なデザイン性を感じさせた。
入り口はポッカリと開いており、2人の門番が立っていた。
「ルース様。お帰りなさいませ」
「ただいま。長はいる?」
「中でお待ちです」
門番は太陽を見ると、一瞬険しい表情を浮かべたが、ルースが一緒のせいか何も言われなかった。
さっきの子供や門番の態度から、やはり自分は異端なんだと思い知らされる。
建物の中は岩や鉱石で形成されていて、その上を蔦と沢山の花々で覆われていた。花自体が光っていてランプの様に建物内を照らし出している。
東の洞穴で見た光る鉱石を思い出す。どうやらこの世界は、石や花が照明代わりの様だ。
ルースに続き、奥に続く廊下を歩く。その間にも、目には見えない神聖な力が、建物内に張り巡らされているのを感じた。
やがて廊下を抜けると。天井も高い大きな広間に出た。所々に花や宝石が埋め込まれていて、とても豪華で優美な部屋だった。
奥の玉座の様な椅子に1人のエルフの男が座っていた。
見た目はちょっとルースに似ている。だけど彼よりも年上で、凛々しい雰囲気を纏う男性だった。
豊かな緑と色とりどりの花が咲き乱れた自然の中だった。
ルースに続いて太陽と空も表に出る。空気が美味しい、と思った。
空が東の森で瘴気を払った後の様に清々しい空気を感じた。
「ルース様!お帰りなさい!」
緑の奥から何人かの子供達が走って来た。全員緑の髪と目、そして尖った耳をしていた。
「みんなただいま!」
チビッコ達がルースに飛びつく。それを嬉しそうにルースは受け止めて笑っている。
ルースさん。子供が好きなんだな。
その子達を大切にしてるのが伝わってきた。
ルースの周りに集まった子供達が、太陽に気づくと悲鳴を上げた。
「黒がいる!大人を呼ばないと!」
「怖いよぉ。ルース様!」
パニックになる子供達に、ルースがみんな落ち着いて!と声をかけた。
「確かに彼は黒を纏ってるけど悪い奴じゃない。僕が保証する」
ルースの言葉にやっと子供達が落ち着いた。
「どうして里の者以外がいるの?」
「怖くない?」
ルースに引っ付いたまま、恐る恐る見上げてくるエルフのチビッコ達はとても愛らしかった。
太陽の後ろに立っていた空に気づくと、キャーと嬉しそうに歓声を上げた。
「尻尾~」
「お前東の森のやつか?」
「モフモフ~」
チビッコ達が一斉に空にまとわりつき始めた。
空は不機嫌そうに尻尾で払うが、それがチビッコ達には面白かった様でますますはしゃいでいる。
空と子供達の機嫌が真逆なのが面白くて思わず笑ってしまった。
いつの間かルースが隣に立っていた。
「セーヤは僕の姿を見ても驚かないんだね」
「はい。村でルースさんの売ってた肥料が緑と黄色の光を放ってました。空があれは緑の者の聖気だと言っていたので。もしかしたら人間じゃないかもとは思ってました」
「そう。ソラみたいな耳や尻尾は無くて残念だった?」
ルースが楽しそうに聞いてきた。太陽が空の耳や尻尾をしょっちゅう見てるのがバレていた様だ。
「別に。それより俺は本当のルースさんの姿が見れた事の方が嬉しいです」
「…参ったな」
人外なら諦めると思ったのに、と肩を竦めて、ルースは歩き出した。
太陽と空も後に続く。子供達もキャッ、キャッと楽しそうに後をついてきた。
少し歩くと緑色の建物らしき物が見えてきた。
近づいて見ると、洞窟らしき場所に何種類もの蔦を絡ませているのが分かった。しかもただ絡ませているのでは無く、所々に美しい模様を作っていて優美なデザイン性を感じさせた。
入り口はポッカリと開いており、2人の門番が立っていた。
「ルース様。お帰りなさいませ」
「ただいま。長はいる?」
「中でお待ちです」
門番は太陽を見ると、一瞬険しい表情を浮かべたが、ルースが一緒のせいか何も言われなかった。
さっきの子供や門番の態度から、やはり自分は異端なんだと思い知らされる。
建物の中は岩や鉱石で形成されていて、その上を蔦と沢山の花々で覆われていた。花自体が光っていてランプの様に建物内を照らし出している。
東の洞穴で見た光る鉱石を思い出す。どうやらこの世界は、石や花が照明代わりの様だ。
ルースに続き、奥に続く廊下を歩く。その間にも、目には見えない神聖な力が、建物内に張り巡らされているのを感じた。
やがて廊下を抜けると。天井も高い大きな広間に出た。所々に花や宝石が埋め込まれていて、とても豪華で優美な部屋だった。
奥の玉座の様な椅子に1人のエルフの男が座っていた。
見た目はちょっとルースに似ている。だけど彼よりも年上で、凛々しい雰囲気を纏う男性だった。
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