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第二章 闇に囚われし緑よ、いずれ
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お茶は別室に用意された。
こじんまりとした部屋で、やはり緑と鉱石、宝石で構成されている優美な部屋だった。
そこで蔦や木を組み合わせて作られたテーブルと椅子に座った。
メンバーはエルフの長、女性、ルース、空、太陽の5名のみだった。ルースが人払いを頼んだからだ。
何人かのエルフが「ですが長!あの者は黒を纏ってます!」と反対したが「元森神の主が魔物である筈なかろう!」と長が一喝して黙らせた。
女性が自ら入れてくれたお茶を頂く。優しい味がして心がほぐれていくようだった。
「じゃあ身内だけになったから改めて紹介するね」
エルフの長は伯父のベイティ。
女性はその妻のユナだと紹介してくれた。
今この場には居ないが他にルースの従兄弟、つまりベイティとユナの子供が1人いるそうだ。
「俺、この世界で女性に初めて出会いました」
「それは仕方ないわね。今はどこでも女性を人目につかない様に匿うから。碌にお散歩もさせて貰えないのよ?」
「拐われたらどうする!」
長の言葉にユナがふふっと笑う。
「私もう300歳よ。こんなおばあちゃん狙う人なんて居ないわ」
「300歳!」
驚きの声が出て、再び太陽はすみません、と口を閉じた。見た目20代にしか見えないから衝撃だった。
「いいのよ。エルフは人前に出ないから生態なんてわからないわよね。私も元は人間よ。ベイティと出会って寿命を分け与えられたの」
「寿命?」
「エルフは平均寿命が1000年以上あるの。お互いがエルフ同士なら問題はないけど、私の様に人間だと900年以上差があるでしょ?そういう場合にはエルフは寿命を分け与えて伴侶と添い遂げるのよ」
「すごい」
空達、銀狼は獣人だったし。エルフはやたら長命でしかも寿命を分け与えられる。衝撃的な事ばかりだ。
「で?ルースは背中の傷を治す方法は見つけたのか?」
「…まだです」
「ならもう外には出るな。少なくともここにいれば悪化する事はない」
「……」
「ベイティそれ位にして」
「まあいい。この話はまた後でだ」
一旦ルースと長の話はそこで終わった。
「じゃあ次はそちらの話を聞こうか」
長に言われルースが簡単に太陽と出会ってからの出来事を2人に話した。
「待て待て。東の森で魔獣に襲われていた人間をルースが助けて、その魔獣が闇堕ちした森神で、更にそこの人間が闇堕ちから救って、更に名をつけて聖獣と主従契約を結んだ、で合ってるか?」
「はい」
「情報量が多すぎだ!」
長がツッコむ。これから自分が言う事が更に混乱させてしまうかも、と心配になった。
「長。まだまだですよ。僕もまだ聞いてない話がこれからあります」
「これ以上だと?」
「セーヤ。前に会わせたい人と言ったのはこの伯父なんだ。伯父はソラ同様に500年前に存在した光の聖女と勇者に会っている」
ハッとした。前に太陽が話した金色の眼をした眼帯の男。
その色が本当に金なら今は存在しないと言っていた。
もしかして長に聞けば眼帯の男の正体がわかるかもしれない。
「わかりました。今まで言えなかった事も全部話します」
そうして太陽は、自分がこの世界の人間ではない事。金の眼と髪の男に姫と呼ばれ連れてこられた事。先日南の大陸に入る野営で、夢に男が現れ謎の言葉を残した事を話した。
話し終わった後、口を開く者はいなかった。静寂が部屋を包んだ。
こじんまりとした部屋で、やはり緑と鉱石、宝石で構成されている優美な部屋だった。
そこで蔦や木を組み合わせて作られたテーブルと椅子に座った。
メンバーはエルフの長、女性、ルース、空、太陽の5名のみだった。ルースが人払いを頼んだからだ。
何人かのエルフが「ですが長!あの者は黒を纏ってます!」と反対したが「元森神の主が魔物である筈なかろう!」と長が一喝して黙らせた。
女性が自ら入れてくれたお茶を頂く。優しい味がして心がほぐれていくようだった。
「じゃあ身内だけになったから改めて紹介するね」
エルフの長は伯父のベイティ。
女性はその妻のユナだと紹介してくれた。
今この場には居ないが他にルースの従兄弟、つまりベイティとユナの子供が1人いるそうだ。
「俺、この世界で女性に初めて出会いました」
「それは仕方ないわね。今はどこでも女性を人目につかない様に匿うから。碌にお散歩もさせて貰えないのよ?」
「拐われたらどうする!」
長の言葉にユナがふふっと笑う。
「私もう300歳よ。こんなおばあちゃん狙う人なんて居ないわ」
「300歳!」
驚きの声が出て、再び太陽はすみません、と口を閉じた。見た目20代にしか見えないから衝撃だった。
「いいのよ。エルフは人前に出ないから生態なんてわからないわよね。私も元は人間よ。ベイティと出会って寿命を分け与えられたの」
「寿命?」
「エルフは平均寿命が1000年以上あるの。お互いがエルフ同士なら問題はないけど、私の様に人間だと900年以上差があるでしょ?そういう場合にはエルフは寿命を分け与えて伴侶と添い遂げるのよ」
「すごい」
空達、銀狼は獣人だったし。エルフはやたら長命でしかも寿命を分け与えられる。衝撃的な事ばかりだ。
「で?ルースは背中の傷を治す方法は見つけたのか?」
「…まだです」
「ならもう外には出るな。少なくともここにいれば悪化する事はない」
「……」
「ベイティそれ位にして」
「まあいい。この話はまた後でだ」
一旦ルースと長の話はそこで終わった。
「じゃあ次はそちらの話を聞こうか」
長に言われルースが簡単に太陽と出会ってからの出来事を2人に話した。
「待て待て。東の森で魔獣に襲われていた人間をルースが助けて、その魔獣が闇堕ちした森神で、更にそこの人間が闇堕ちから救って、更に名をつけて聖獣と主従契約を結んだ、で合ってるか?」
「はい」
「情報量が多すぎだ!」
長がツッコむ。これから自分が言う事が更に混乱させてしまうかも、と心配になった。
「長。まだまだですよ。僕もまだ聞いてない話がこれからあります」
「これ以上だと?」
「セーヤ。前に会わせたい人と言ったのはこの伯父なんだ。伯父はソラ同様に500年前に存在した光の聖女と勇者に会っている」
ハッとした。前に太陽が話した金色の眼をした眼帯の男。
その色が本当に金なら今は存在しないと言っていた。
もしかして長に聞けば眼帯の男の正体がわかるかもしれない。
「わかりました。今まで言えなかった事も全部話します」
そうして太陽は、自分がこの世界の人間ではない事。金の眼と髪の男に姫と呼ばれ連れてこられた事。先日南の大陸に入る野営で、夢に男が現れ謎の言葉を残した事を話した。
話し終わった後、口を開く者はいなかった。静寂が部屋を包んだ。
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