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第三章 空を舞う赤、狂いて
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黒くてデカい蠍みたいなのが3体。
それが複数の足を動かして太陽達を追って来ていた。
「うえぇ!何だあれ!気持ち悪い」
蠍もどきが、ピンと立てた尻尾を前後に少し揺らしてから、思い切りソレを振り下ろした。
瞬間、尻尾から黒い液体が放射されて、こっちに向かって凄い勢いで飛んで来る。
「ぎゃあぁ!毒!?」
ショーキが身体を斜めに傾けて避けた。続いて、2発目、3発目が飛んでくる。それも鮮やかにかわした。
2人の邪魔をしたくなくて、太陽は唇を噛み締めた。太陽が騒いでる間にも悪男がショーキに指示出しをしていたからだ。
その間にも、黒い液体は何発も飛んできては、ショーキが高度を変えたり左右に動いてかわし続ける。
その間ぶつぶつと、悪男が何か唱えているのが聞こえた。
ふと気づくと、太陽に回された腕が赤と紫の粒を纏い美しく輝き出す。
「ー来い」
悪男の呟きが聞こえた瞬間、上空から太い光が駆け抜けた。ズドンッと鈍く大きな音と共に、太い光が蠍もどきに突き刺さった。
光で全身を包まれた蠍もどきは、ビリビリと全身を震わせ、動かなくなった。僅かに黒い煙の様な物が出ている。
何が起きたかわからない内に、続けて2本目、3本目と光の柱が続き、残りの2体にも突き刺さった。2体もその動きを止め、身体から黒い煙が立ち込める。
その間にもショーキは飛び続けて、蠍もどきはアッという間に見えなくなった。
上空の方で大きな雷鳴が轟いた。それでやっと、今のが雷だったと気づく。
「ーっ、はぁ、はぁ」
衝撃のあまり息を止めてしまっていたらしく、太陽は苦しさに深呼吸を繰り返した。
「ー大丈夫か?」
上から声が聞こえてきた。見上げると、心配そうにこちらを見る悪男と目が合った。
「悪男…お前って最高だな!」
「……っ」
「ワルオリ、サイコー!」
「ショーキも最高だ!」
「オレもサイコー!」
「……(照)」
悪男は何も言わなかったが、その頬が赤くなったので、照れてるのがわかった。
さっきの心配してくれた一言で、悪男と仲直り出来た気がした。
日も暮れ始めた頃。やっと北の光景が間近に見えて来た。
気温が少しずつ下がり始めてきて、肌寒くなって来る。
途中で悪男がどうやったのか、布を取り出して太陽に掛けてくれた。
太陽を抱く両腕も、ただギュッと抱きしめる形から、手の平も含めて身体全体で太陽を温める形に変わった。
まるで悪男の体温を分けてくれてる様だ。
「悪男ありがとな。温かいよ」
「魔王様に無事に届ける為だ」
「ワルオリ、セーヤしんぱい」
「そっか、2人ともありがとな」
「……(真っ赤)」
いつの間か普段通りの3人で北へ向かう。あともう少しで砂漠を抜ける、という所で、急に下の砂漠の広い面積が盛り上がってきた。
「な、何だ!?」
「ショーキ!急げ」
ブォォォ!
下から風と砂が吹き上がって来た。
風に煽られて、ショーキがバランスを崩しかけ、何とか持ち直す。
砂から現れたのは、顔部分がまんまるに開いて、トゲトゲの歯が円状に生えてる真っ黒な巨大ミミズみたいな化け物だった。
「うえぇ~!キモい!」
太陽は涙目で全身鳥肌がたった。
大抵の物なら我慢できるけど、この生き物は苦手度MAXだった。
「瘴気で異常な大きさになってるんだ!本当はもっと小さい!」
「そうなの?」
小さいならまだマシかも。ちょっとホッとした太陽にショーキが追い打ちをかけた。
「あれウマイ」
「おえー」
ヤバい。今までで1番吐きそうだ。
あんなの食うとか。無理。
ブォォォ!ブォォォ!
巨大ミミズが、風と砂を下から吹き上げながら追いかけて来た。
「オコッテル!」
「俺のせい~? 不味そうと思ってごめーん!」
「アレには雷があまり効かない!逃げ切るぞ」
グン、とスピードが上がった。
そのまま飛び続けて、一気に北の大地に飛び込む。
寒いとか、もう言ってられなかった。だって背後には巨大ミミズが狂った様に追って来るし、気持ち悪さにリバースしそうだったし、とにかくもう大人しく運ばれるだけだった。
ブォォォ!
巨大ミミズがそのまま、砂漠から飛び出して来た!スピードは落ちるがウネウネしながら太陽達を追って来る!
「オッテクルヨ!」
「ちっ!」
「…おえぇ」
その時、ヒヤリと冷気を感じた。
直後に一瞬にして、巨大ミミズが凍りついた。
それが複数の足を動かして太陽達を追って来ていた。
「うえぇ!何だあれ!気持ち悪い」
蠍もどきが、ピンと立てた尻尾を前後に少し揺らしてから、思い切りソレを振り下ろした。
瞬間、尻尾から黒い液体が放射されて、こっちに向かって凄い勢いで飛んで来る。
「ぎゃあぁ!毒!?」
ショーキが身体を斜めに傾けて避けた。続いて、2発目、3発目が飛んでくる。それも鮮やかにかわした。
2人の邪魔をしたくなくて、太陽は唇を噛み締めた。太陽が騒いでる間にも悪男がショーキに指示出しをしていたからだ。
その間にも、黒い液体は何発も飛んできては、ショーキが高度を変えたり左右に動いてかわし続ける。
その間ぶつぶつと、悪男が何か唱えているのが聞こえた。
ふと気づくと、太陽に回された腕が赤と紫の粒を纏い美しく輝き出す。
「ー来い」
悪男の呟きが聞こえた瞬間、上空から太い光が駆け抜けた。ズドンッと鈍く大きな音と共に、太い光が蠍もどきに突き刺さった。
光で全身を包まれた蠍もどきは、ビリビリと全身を震わせ、動かなくなった。僅かに黒い煙の様な物が出ている。
何が起きたかわからない内に、続けて2本目、3本目と光の柱が続き、残りの2体にも突き刺さった。2体もその動きを止め、身体から黒い煙が立ち込める。
その間にもショーキは飛び続けて、蠍もどきはアッという間に見えなくなった。
上空の方で大きな雷鳴が轟いた。それでやっと、今のが雷だったと気づく。
「ーっ、はぁ、はぁ」
衝撃のあまり息を止めてしまっていたらしく、太陽は苦しさに深呼吸を繰り返した。
「ー大丈夫か?」
上から声が聞こえてきた。見上げると、心配そうにこちらを見る悪男と目が合った。
「悪男…お前って最高だな!」
「……っ」
「ワルオリ、サイコー!」
「ショーキも最高だ!」
「オレもサイコー!」
「……(照)」
悪男は何も言わなかったが、その頬が赤くなったので、照れてるのがわかった。
さっきの心配してくれた一言で、悪男と仲直り出来た気がした。
日も暮れ始めた頃。やっと北の光景が間近に見えて来た。
気温が少しずつ下がり始めてきて、肌寒くなって来る。
途中で悪男がどうやったのか、布を取り出して太陽に掛けてくれた。
太陽を抱く両腕も、ただギュッと抱きしめる形から、手の平も含めて身体全体で太陽を温める形に変わった。
まるで悪男の体温を分けてくれてる様だ。
「悪男ありがとな。温かいよ」
「魔王様に無事に届ける為だ」
「ワルオリ、セーヤしんぱい」
「そっか、2人ともありがとな」
「……(真っ赤)」
いつの間か普段通りの3人で北へ向かう。あともう少しで砂漠を抜ける、という所で、急に下の砂漠の広い面積が盛り上がってきた。
「な、何だ!?」
「ショーキ!急げ」
ブォォォ!
下から風と砂が吹き上がって来た。
風に煽られて、ショーキがバランスを崩しかけ、何とか持ち直す。
砂から現れたのは、顔部分がまんまるに開いて、トゲトゲの歯が円状に生えてる真っ黒な巨大ミミズみたいな化け物だった。
「うえぇ~!キモい!」
太陽は涙目で全身鳥肌がたった。
大抵の物なら我慢できるけど、この生き物は苦手度MAXだった。
「瘴気で異常な大きさになってるんだ!本当はもっと小さい!」
「そうなの?」
小さいならまだマシかも。ちょっとホッとした太陽にショーキが追い打ちをかけた。
「あれウマイ」
「おえー」
ヤバい。今までで1番吐きそうだ。
あんなの食うとか。無理。
ブォォォ!ブォォォ!
巨大ミミズが、風と砂を下から吹き上げながら追いかけて来た。
「オコッテル!」
「俺のせい~? 不味そうと思ってごめーん!」
「アレには雷があまり効かない!逃げ切るぞ」
グン、とスピードが上がった。
そのまま飛び続けて、一気に北の大地に飛び込む。
寒いとか、もう言ってられなかった。だって背後には巨大ミミズが狂った様に追って来るし、気持ち悪さにリバースしそうだったし、とにかくもう大人しく運ばれるだけだった。
ブォォォ!
巨大ミミズがそのまま、砂漠から飛び出して来た!スピードは落ちるがウネウネしながら太陽達を追って来る!
「オッテクルヨ!」
「ちっ!」
「…おえぇ」
その時、ヒヤリと冷気を感じた。
直後に一瞬にして、巨大ミミズが凍りついた。
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