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第六章 運命を壊す者
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「とりあえず目覚めて良かった。これまでの事は聞いたのか?」
妖精王の言葉に、はい、と太陽は頷いた。
目覚めた後、太陽が混乱しない様にとルース、空、悪男がこれまでの事を話してくれたのだ。
ちなみに、それまで王女の護衛でついてきていた護衛達は、全ての土地に結界が張られ今はもう危険は無いという事で解散させられていた。
中には北の土地を観光して帰った者達もいたそうだ。
「では、話は早いな」
補足する形で妖精王は北の結界の状態を説明してくれた。
とりあえず今北は光の封印に頼る事なく、結界を張ることが出来たらしい。
勇者の光の力で押さえた瘴気を妖精王が取り込んで、更に妖精王自身の聖気で包んで浄化をし続けてるそうだ。
そんな妖精王をサポートする為に、王女は彼の側にいる事になったと聞いていた。
「この後はどうするんですか?」
「予定通り其方にこの国に名をつけてもらおう」
「でも…俺に出来ますか?」
今の太陽は髪も目も黒い。金の力は全て王女と共に抜けてしまった。
「大丈夫だ。その時は王女を一旦戻す」
「そうですか、わかりました」
「…終わったらすぐ我の側に戻す。やらぬぞ」
どう答えていいか分からず、とりあえず太陽はハイと頷いた。何だか、妖精王からもラリエス同様に相手への執着心を感じる。気のせいだろうか。
「では早速、残りの種族に通達を出そう。今日と明日はゆっくり休み、明後日からで良いか?」
「はい」
妖精王が、クルンと人差し指を回すと。ほんのり白く光る半透明な何かが、たくさん壁をすり抜けて室内に入ってきた。
それらはよく見ると幼児、幼女の姿をした背中に羽根をもつ妖精達だった。一様に愛らしい姿をしていた。
「各地に通達を頼む」
妖精達は頷くと、楽しそうに部屋を旋回してからまた壁をすり抜けて出て行った。
「さっきのは妖精ですか?」
「そうだ。闇堕ちしていたが幸いにも、生き残った者達だ」
「闇堕ち…」
その言葉に、太陽が思い浮かぶのは、あの真っ黒なシルエットの妖精もどきの化け物達だった。
うそ!アレの本来の姿がああなの!?
自ら金の炎で倒した覚えがあるだけにショックだ。正体を知ってしまったら、もう無闇に攻撃できない!そう思った。
◇◇◇
魔王と話した後は、自由に過ごしていいと言われた。
ルース達に部屋で休むかと聞かれたが、できれば北を観光したいとお願いした。銀世界の美しい景色をもう少し堪能したいと思ったからだ。
暖かい服を着込み、城の外へ向かう。
途中、玄関の広間で上を見上げる。
氷の結晶は相変わらず美しかったが、もう感傷に浸る事は無かった。
妖精王の言葉に、はい、と太陽は頷いた。
目覚めた後、太陽が混乱しない様にとルース、空、悪男がこれまでの事を話してくれたのだ。
ちなみに、それまで王女の護衛でついてきていた護衛達は、全ての土地に結界が張られ今はもう危険は無いという事で解散させられていた。
中には北の土地を観光して帰った者達もいたそうだ。
「では、話は早いな」
補足する形で妖精王は北の結界の状態を説明してくれた。
とりあえず今北は光の封印に頼る事なく、結界を張ることが出来たらしい。
勇者の光の力で押さえた瘴気を妖精王が取り込んで、更に妖精王自身の聖気で包んで浄化をし続けてるそうだ。
そんな妖精王をサポートする為に、王女は彼の側にいる事になったと聞いていた。
「この後はどうするんですか?」
「予定通り其方にこの国に名をつけてもらおう」
「でも…俺に出来ますか?」
今の太陽は髪も目も黒い。金の力は全て王女と共に抜けてしまった。
「大丈夫だ。その時は王女を一旦戻す」
「そうですか、わかりました」
「…終わったらすぐ我の側に戻す。やらぬぞ」
どう答えていいか分からず、とりあえず太陽はハイと頷いた。何だか、妖精王からもラリエス同様に相手への執着心を感じる。気のせいだろうか。
「では早速、残りの種族に通達を出そう。今日と明日はゆっくり休み、明後日からで良いか?」
「はい」
妖精王が、クルンと人差し指を回すと。ほんのり白く光る半透明な何かが、たくさん壁をすり抜けて室内に入ってきた。
それらはよく見ると幼児、幼女の姿をした背中に羽根をもつ妖精達だった。一様に愛らしい姿をしていた。
「各地に通達を頼む」
妖精達は頷くと、楽しそうに部屋を旋回してからまた壁をすり抜けて出て行った。
「さっきのは妖精ですか?」
「そうだ。闇堕ちしていたが幸いにも、生き残った者達だ」
「闇堕ち…」
その言葉に、太陽が思い浮かぶのは、あの真っ黒なシルエットの妖精もどきの化け物達だった。
うそ!アレの本来の姿がああなの!?
自ら金の炎で倒した覚えがあるだけにショックだ。正体を知ってしまったら、もう無闇に攻撃できない!そう思った。
◇◇◇
魔王と話した後は、自由に過ごしていいと言われた。
ルース達に部屋で休むかと聞かれたが、できれば北を観光したいとお願いした。銀世界の美しい景色をもう少し堪能したいと思ったからだ。
暖かい服を着込み、城の外へ向かう。
途中、玄関の広間で上を見上げる。
氷の結晶は相変わらず美しかったが、もう感傷に浸る事は無かった。
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