163 / 181
第六章 運命を壊す者
17
しおりを挟む
*閲覧注意です*
ーーー
触れ方が違う、と思った。
これまでだって彼は優しく、そして時にはわざと手荒に触れてきた。そして互いに触れ合って、何度も身体を繋げてきた筈なのに。
まるで壊れ物を扱う様な今のルースの触れ方は、今までと全然違っていて。まるで全然別の相手に抱かれている様だった。
「どうして…」
「なに?」
太陽の上に被さりながら、ルースが太陽を見下ろす。その端正な額や頬からは珠のような汗が流れ落ちてる。
その様子を下から見上げながら、何て綺麗なんだろうと思った。
薄暗い緑の部屋の中で、ぼんやり浮かび上がったルースの身体はとても引き締まっていて美しかった。
思わずその胸の筋肉をなぞる。くすぐったいよとルースが笑った。それを見てまた胸がキュンとした。
「ルースさん、綺麗」
「セーヤこそ」
太陽の頬に手を添えてルースが口付けてきた。触れる指、口付ける唇、見つめる瞳。その全てが、惜しみなく太陽に愛を伝えてくる。
「セーヤ愛してるよ」
自分に組み敷かれ、潤んだ瞳で見上げてくる太陽はとても煽情的だった。黒い瞳に柔かい光が映り込んで、まるで宝石の様だった。
少しの間休憩で休めていた動きを再開すると、再び組み敷かれた太陽が哭いた。その姿が、その声がルースを刺激する。
白い肌がなめまかしくて、紅潮した頬も、さらす喉も、全部を自分の物にしたくて、口付けていく。
誰にも渡さない。この子は自分の物。
絶対にもう離さない。
太陽に快感を送り続けながら。ルースは彼の身体中に所有の証をつけ続けた。
◇◇◇
「ルースさん、これ、どうするんですか?」
2人の甘い時間が落ち着き、冷静になった頃。太陽は自分の身体の様子にやっと気づいた。
裸のまま寄り添っていた身体を起こして、慌てて胸元や手や足を確認する。身体中の至る所に、ルースからのキスマークがついていた。
多分見えないけど、背中やうなじにも。
北にいる間は極寒でモコモコ服だからいいけど、この地を一歩出ればもっと薄着になるのに!
太陽の視線を受けて、ルースは素知らぬフリで目線を逸らした。それを見て太陽は察する。これは確信犯だ!
「ルースさん!俺、明後日には人前に出るんですよ!」
「……君が僕の物だって証をつけたかったんだ」
「~~~っ」
まただ。前のルースとは違う一面。
前より独占欲が強い。でもそれがまた嬉しくて、怒るに怒れず、口がムニムニとしてしまう。
「怒った?」
最初の頃、自分ばかりがルースを追いかけてたのだから、こんなに沢山好きだって伝えてもらって嫌な訳がない。
「怒ってないけど…恥ずかしいです」
思わずルースに抱きついて顔を埋めた。
「せめて…見えない所にして下さい」
「わかった。そうするよ」
ルースは太陽を寝かせたまま起き上がると、太陽の足を取り太ももに唇を這わせて吸い付た。
「な、な、何してるんですか!?」
チュッとリップ音鳴らして、ルースが太陽の太ももから口を離した。
「見えない所ならいいんでしょ?」
「~~~っ」
その言い方が、その目線が何だかセクシーで。ずるい、と思ったら身体が反応してしまってー。
「感じたの?」
ルースの顔が太ももから下に降りてくる。
立ち上がりかけた物を口に含まれー。
「ん、ふぁ」
「愛してるよ、セーヤ」
再びルースに翻弄されたのだった。
ーーー
触れ方が違う、と思った。
これまでだって彼は優しく、そして時にはわざと手荒に触れてきた。そして互いに触れ合って、何度も身体を繋げてきた筈なのに。
まるで壊れ物を扱う様な今のルースの触れ方は、今までと全然違っていて。まるで全然別の相手に抱かれている様だった。
「どうして…」
「なに?」
太陽の上に被さりながら、ルースが太陽を見下ろす。その端正な額や頬からは珠のような汗が流れ落ちてる。
その様子を下から見上げながら、何て綺麗なんだろうと思った。
薄暗い緑の部屋の中で、ぼんやり浮かび上がったルースの身体はとても引き締まっていて美しかった。
思わずその胸の筋肉をなぞる。くすぐったいよとルースが笑った。それを見てまた胸がキュンとした。
「ルースさん、綺麗」
「セーヤこそ」
太陽の頬に手を添えてルースが口付けてきた。触れる指、口付ける唇、見つめる瞳。その全てが、惜しみなく太陽に愛を伝えてくる。
「セーヤ愛してるよ」
自分に組み敷かれ、潤んだ瞳で見上げてくる太陽はとても煽情的だった。黒い瞳に柔かい光が映り込んで、まるで宝石の様だった。
少しの間休憩で休めていた動きを再開すると、再び組み敷かれた太陽が哭いた。その姿が、その声がルースを刺激する。
白い肌がなめまかしくて、紅潮した頬も、さらす喉も、全部を自分の物にしたくて、口付けていく。
誰にも渡さない。この子は自分の物。
絶対にもう離さない。
太陽に快感を送り続けながら。ルースは彼の身体中に所有の証をつけ続けた。
◇◇◇
「ルースさん、これ、どうするんですか?」
2人の甘い時間が落ち着き、冷静になった頃。太陽は自分の身体の様子にやっと気づいた。
裸のまま寄り添っていた身体を起こして、慌てて胸元や手や足を確認する。身体中の至る所に、ルースからのキスマークがついていた。
多分見えないけど、背中やうなじにも。
北にいる間は極寒でモコモコ服だからいいけど、この地を一歩出ればもっと薄着になるのに!
太陽の視線を受けて、ルースは素知らぬフリで目線を逸らした。それを見て太陽は察する。これは確信犯だ!
「ルースさん!俺、明後日には人前に出るんですよ!」
「……君が僕の物だって証をつけたかったんだ」
「~~~っ」
まただ。前のルースとは違う一面。
前より独占欲が強い。でもそれがまた嬉しくて、怒るに怒れず、口がムニムニとしてしまう。
「怒った?」
最初の頃、自分ばかりがルースを追いかけてたのだから、こんなに沢山好きだって伝えてもらって嫌な訳がない。
「怒ってないけど…恥ずかしいです」
思わずルースに抱きついて顔を埋めた。
「せめて…見えない所にして下さい」
「わかった。そうするよ」
ルースは太陽を寝かせたまま起き上がると、太陽の足を取り太ももに唇を這わせて吸い付た。
「な、な、何してるんですか!?」
チュッとリップ音鳴らして、ルースが太陽の太ももから口を離した。
「見えない所ならいいんでしょ?」
「~~~っ」
その言い方が、その目線が何だかセクシーで。ずるい、と思ったら身体が反応してしまってー。
「感じたの?」
ルースの顔が太ももから下に降りてくる。
立ち上がりかけた物を口に含まれー。
「ん、ふぁ」
「愛してるよ、セーヤ」
再びルースに翻弄されたのだった。
25
あなたにおすすめの小説
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。
★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★
《本編 完結 続編 完結》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。
かざみはら まなか
BL
24歳の英雄公爵✕29歳の日本に帰りたい異世界転移した青年
オッサン、エルフの森の歌姫【ディーバ】になる
クロタ
BL
召喚儀式の失敗で、現代日本から異世界に飛ばされて捨てられたオッサン(39歳)と、彼を拾って過保護に庇護するエルフ(300歳、外見年齢20代)のお話です。
【完結】冷酷騎士団長を助けたら口移しでしか薬を飲まなくなりました
ざっしゅ
BL
異世界に転移してから一年、透(トオル)は、ゲームの知識を活かし、薬師としてのんびり暮らしていた。ある日、突然現れた洞窟を覗いてみると、そこにいたのは冷酷と噂される騎士団長・グレイド。毒に侵された彼を透は助けたが、その毒は、キスをしたり体を重ねないと完全に解毒できないらしい。
タイトルに※印がついている話はR描写が含まれています。
異世界に転生したら竜騎士たちに愛されました
あいえだ
BL
俺は病気で逝ってから生まれ変わったらしい。ど田舎に生まれ、みんな俺のことを伝説の竜騎士って呼ぶんだけど…なんだそれ?俺は生まれたときから何故か一緒にいるドラゴンと、この大自然でゆるゆる暮らしたいのにみんな王宮に行けって言う…。王宮では竜騎士イケメン二人に愛されて…。
完結済みです。
7回BL大賞エントリーします。
表紙、本文中のイラストは自作。キャライラストなどはTwitterに順次上げてます(@aieda_kei)
今世はメシウマ召喚獣
片里 狛
BL
オーバーワークが原因でうっかり命を落としたはずの最上春伊25歳。召喚獣として呼び出された世界で、娼館の料理人として働くことになって!?的なBL小説です。
最終的に溺愛系娼館主人様×全般的にふつーの日本人青年。
※女の子もゴリゴリ出てきます。
※設定ふんわりとしか考えてないので穴があってもスルーしてください。お約束等には疎いので優しい気持ちで読んでくださると幸い。
※誤字脱字の報告は不要です。いつか直したい。
※なるべくさくさく更新したい。
【完結】極貧イケメン学生は体を売らない。【番外編あります】
紫紺
BL
貧乏学生をスパダリが救済!?代償は『恋人のフリ』だった。
相模原涼(さがみはらりょう)は法学部の大学2年生。
超がつく貧乏学生なのに、突然居酒屋のバイトをクビになってしまった。
失意に沈む涼の前に現れたのは、ブランドスーツに身を包んだイケメン、大手法律事務所の副所長 城南晄矢(じょうなんみつや)。
彼は涼にバイトしないかと誘うのだが……。
※番外編を公開しました(2024.10.21)
生活に追われて恋とは無縁の極貧イケメンの涼と、何もかもに恵まれた晄矢のラブコメBL。二人の気持ちはどっちに向いていくのか。
※本作品中の公判、判例、事件等は全て架空のものです。完全なフィクションであり、参考にした事件等もございません。拙い表現や現実との乖離はどうぞご容赦ください。
塔の魔術師と騎士の献身
倉くらの
BL
かつて勇者の一行として魔王討伐を果たした魔術師のエーティアは、その時の後遺症で魔力欠乏症に陥っていた。
そこへ世話人兼護衛役として派遣されてきたのは、国の第三王子であり騎士でもあるフレンという男だった。
男の説明では性交による魔力供給が必要なのだという。
それを聞いたエーティアは怒り、最後の魔力を使って攻撃するがすでに魔力のほとんどを消失していたためフレンにダメージを与えることはできなかった。
悔しさと息苦しさから涙して「こんなみじめな姿で生きていたくない」と思うエーティアだったが、「あなたを助けたい」とフレンによってやさしく抱き寄せられる。
献身的に尽くす元騎士と、能力の高さ故にチヤホヤされて生きてきたため無自覚でやや高慢気味の魔術師の話。
愛するあまりいつも抱っこしていたい攻め&体がしんどくて楽だから抱っこされて運ばれたい受け。
一人称。
完結しました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる