【完結】壊された女神の箱庭ー姫と呼ばれていきなり異世界に連れ去られましたー

最終章 運命を創る者

エピローグ１

　昔昔。まだ世界が闇に覆われていた時代。

　遠い遠い世界から１人の少年がやって来ました。

　少年は東の聖獣を救い、南のエルフと共に西の鳥族を助け、北の魔王の元へ乗り込みました。

　魔王を倒そうとした少年は驚きました。

　何と魔王の正体は、北の長の妖精王だったのです。

　魔王はそれまで死んだと思われていた光の勇者と共に、悪い闇をずっと抑えてくれていたのでした。

　悪い闇の正体は『瘴気』。
　自然を無理やり閉じ込めた物だったのです。

　この自然は無理やり閉じ込めてはいけない。

　少年は言いました。

　そして、それまで妖精王を苦しめていた瘴気を各地に封印して、闇を祓いました。

　少年は、何と光の聖女だったのです。

　聖女は言いました。

　この世界が２度と瘴気に覆われないように。
　この世界の種族が仲良く生きていける様に。

　そしてこの世界の平和が永遠に続く事を願い。
　この世界に『トワ』という名前をつけました。

　聖女の世界で永遠という意味です。

　こうして、この世界に空と太陽などの自然が戻ったのでした。

　きっと自分の世界に戻った聖女も、このトワを遠い世界から見守ってくれている事でしょう。



　ートワに伝わる最も古く有名な絵本より。