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団長さん達は偉い人だった 2
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執務室を辞した二人は、各々シャワーを浴びて着替え、再びヒューズの部屋へ戻っていた。
「まだ目覚めないのか?」
「治癒魔法も使ったから疲れて居るんだろう」
「ああそうだ、彼の着替えが無いんだった。俺の小さい頃の服があったかな。エマ、セバスに言って探してきてくれ」
「畏まりました」
「確かに、サイズが合わないね。後で仕立てないと」
「その辺も起きてからだな」
それから暫くして、ベッドからごそごそと動く音が聞こえた。
天蓋を下ろして居たので、おそらくルカは戸惑っているだろう。
そっと捲って声をかける。
「・・・目が覚めたか、ルカ」
「っヒューズさん、あ、の、寝てしまったようで、すみませんでした」
「気にするな。疲れたろう。傷に障るから体を拭くだけにして、着替えようか」
「はい。ありがとうございます」
「セバス、お湯と着替えを」
「はい、坊ちゃま」
おお、ザ・執事って感じの初老の男性。
・・・ん?
「坊ちゃま?」
「ああ、ヒューズはここ辺境伯の次男で、俺はヒューズの従兄弟なんだ。セバスには小さい頃から世話になっているから、未だに『坊ちゃま』呼びなんだよ」
ルカの呟きにダグラスが応える。
ヒューズは照れながら言った。
「いい歳して恥ずかしいから辞めろと言ってもきかなくて」
「そう言えばお二人はお幾つなんですか?」
西洋人ぽい顔立ちは日本人には年齢が分かりづらい。
「俺は25だ。ダグラスは24」
「はあ、しっかりしてるのでもっと上かと思ってました」
「俺達は君の年齢に驚きだがな」
ソレに苦笑して、持ってきて貰ったお湯で体を拭こうとだぼっとした服に手をかけた。
「セバスっ、拭いてやってくれ」
ヒューズが焦って後ろを向いた。ダグラスも。
それを見て察したセバスは天蓋の薄いカーテンを下ろして視界を遮る。
そしてテキパキと服を脱がし、ルカの体を素早く、丁寧に拭きあげ着替えを済ませた。
その間もセバスの邪魔にならないように体を動かしたり逆にジッとしていたり・・・。
『この方は世話をされることに慣れていらっしゃる。かなりの高位貴族の方のようですな。物腰も上品です』
なるほど、坊ちゃまの一目惚れですな。
一人で納得して、嬉しそうな笑みを浮かべる。
「ええと、セバスさん」
「どうぞセバスと呼び捨て下さい。敬語も無しで結構でございます」
「・・・分かった。じゃあセバス。支度をしてくれてありがとう。助かった。この服はわざわざ?」
「いえ、ヒューズ坊ちゃまのお小さい時のでございますので、後で仕立てさせましょう。ね? 坊ちゃま」
セバスがカーテンをあげてヒューズに声をかけると、ヒューズが振り向いてルカを見下ろし、頷く。
「暫くはそれで我慢してくれ」
「僕は一向に構いませんが、お気遣いありがとうございます」
そういってにっこり笑った。
「う゛っ」
ヒューズがルカの攻撃力抜群の笑顔をうっかり真正面からくらってしまい、半ば再起不能になった。
『面白い・・・』
ダグラスとセバスとメイドのエマは心の中で笑っていた。
ルカはキョトンとしていた。
ヒューズさんは時々胸を押さえているけど・・・。
『ヒューズさんって持病持ち?』
ヘンな勘違いをしていた。
「まだ目覚めないのか?」
「治癒魔法も使ったから疲れて居るんだろう」
「ああそうだ、彼の着替えが無いんだった。俺の小さい頃の服があったかな。エマ、セバスに言って探してきてくれ」
「畏まりました」
「確かに、サイズが合わないね。後で仕立てないと」
「その辺も起きてからだな」
それから暫くして、ベッドからごそごそと動く音が聞こえた。
天蓋を下ろして居たので、おそらくルカは戸惑っているだろう。
そっと捲って声をかける。
「・・・目が覚めたか、ルカ」
「っヒューズさん、あ、の、寝てしまったようで、すみませんでした」
「気にするな。疲れたろう。傷に障るから体を拭くだけにして、着替えようか」
「はい。ありがとうございます」
「セバス、お湯と着替えを」
「はい、坊ちゃま」
おお、ザ・執事って感じの初老の男性。
・・・ん?
「坊ちゃま?」
「ああ、ヒューズはここ辺境伯の次男で、俺はヒューズの従兄弟なんだ。セバスには小さい頃から世話になっているから、未だに『坊ちゃま』呼びなんだよ」
ルカの呟きにダグラスが応える。
ヒューズは照れながら言った。
「いい歳して恥ずかしいから辞めろと言ってもきかなくて」
「そう言えばお二人はお幾つなんですか?」
西洋人ぽい顔立ちは日本人には年齢が分かりづらい。
「俺は25だ。ダグラスは24」
「はあ、しっかりしてるのでもっと上かと思ってました」
「俺達は君の年齢に驚きだがな」
ソレに苦笑して、持ってきて貰ったお湯で体を拭こうとだぼっとした服に手をかけた。
「セバスっ、拭いてやってくれ」
ヒューズが焦って後ろを向いた。ダグラスも。
それを見て察したセバスは天蓋の薄いカーテンを下ろして視界を遮る。
そしてテキパキと服を脱がし、ルカの体を素早く、丁寧に拭きあげ着替えを済ませた。
その間もセバスの邪魔にならないように体を動かしたり逆にジッとしていたり・・・。
『この方は世話をされることに慣れていらっしゃる。かなりの高位貴族の方のようですな。物腰も上品です』
なるほど、坊ちゃまの一目惚れですな。
一人で納得して、嬉しそうな笑みを浮かべる。
「ええと、セバスさん」
「どうぞセバスと呼び捨て下さい。敬語も無しで結構でございます」
「・・・分かった。じゃあセバス。支度をしてくれてありがとう。助かった。この服はわざわざ?」
「いえ、ヒューズ坊ちゃまのお小さい時のでございますので、後で仕立てさせましょう。ね? 坊ちゃま」
セバスがカーテンをあげてヒューズに声をかけると、ヒューズが振り向いてルカを見下ろし、頷く。
「暫くはそれで我慢してくれ」
「僕は一向に構いませんが、お気遣いありがとうございます」
そういってにっこり笑った。
「う゛っ」
ヒューズがルカの攻撃力抜群の笑顔をうっかり真正面からくらってしまい、半ば再起不能になった。
『面白い・・・』
ダグラスとセバスとメイドのエマは心の中で笑っていた。
ルカはキョトンとしていた。
ヒューズさんは時々胸を押さえているけど・・・。
『ヒューズさんって持病持ち?』
ヘンな勘違いをしていた。
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