2 / 30
【第一章】おなかいっぱい食べたいな
2. 直談判します
しおりを挟む
酔っ払いに薬をのませるのでもドキドキしたのに。次はもっと難しい。大人って、怖いもん。
「どうしよっかなー」
裏庭で木の実を調べながら考えてる。赤いの、青いの、黄色いの。木の実を触るたびに、おばあちゃんを思い出す。
「おい、それは食べられないぞ」
「キャッ」
急に声をかけられ、飛び上がってしまった。振り返ると、いたずらっぽい顔をした男の子。
「なんだ、ボビーか」
「なんだじゃねえだろ。失礼だな」
ボビーがぼさぼさの髪の毛をかきあげる。木の根っこみたいな髪がもっと逆立った。
「そういえば、ボビーって盗みが得意だったよね」
「おまっ、そういうことでかい声で言うなよ」
焦っているボビーを見ているうちに、思いついた。あの人、カギをベルトにひっかけてたっけ。
「ねえ、ボビー、ふわっふわのパン、食べたくない?」
「食べたい」
「じゃあ、アタシのやること、手伝ってくれない?」
「なんだよ。盗みはもうやらねえぞ。今度やったらブタ箱入りだって、前に衛兵に言われたからな」
「そっかー、そうだよね。じゃあさ、アタシにスリのやり方教えてくれない?」
「ぶはっ、お前みてえなトロくさいやつにできるわけねえじゃん。一瞬でつかまるぜ」
「むー」
そうかもしれない。うん、そうに違いない。スリって高度な技術がいるって、ボビーがしょっちゅう言ってるもん。
「まあ、話してみろよ。なんかいい考えが浮かぶかもしんねえじゃん」
「うん、あのね」
こそこそささやくと、ボビーは目を丸くしたり、頭をがしがしかいたりしながら、一緒に考えてくれた。
「こんな感じじゃねえかな。後は度胸だ」
「度胸。アタシに度胸ってあるかな」
「無理そうなら、何もせずに出てくればいいだろ」
「うん」
「臨機応変にな」
「うん。がんばってみる」
「おれも一緒に行くから。まあ、やってみようぜ」
「ボビー、ありがと」
ボビーが、度胸のある仲間を何人か集めてきてくれた。ふわふわパンを食べ隊が結成された。みんなで何回も練習する。
「いよいよ本番ね」
「どう考えてもサブリナにはできねえ気がする」
「ぼくも」
「同意」
「ぐぬぬ」
まったく否定できない。我ながら、不器用でドンくさいんだもん。
「この手がー。この手が小さいのが悪いんだもん」
「まあな、お前、チビだもんな」
「あ、でもでも。サブリナ、泣きまねは誰よりも上手」
「それ思った」
「じゃあさ、いざとなったら泣くから。あとはなんとかしてよね」
「すげー、丸投げ」
うだうだ言い合っているうちに、目的の場所に着いた。孤児院の階段をいくつも上がって、一番高いところの奥にある部屋。どっしりしたドアの前で立ち止まり、みんなで目を合わせる。ドアを叩こうと手を上げると、腕がブルブル振るえた。緊張する。怖い。やっぱり無理かもー。
ダンッと背中を強く叩かれた。ボビーだ。
やめるか? ボビーの口が動く。ちょっとだけ考えて、首を振った。
やる。そう口を動かす。
息を深く吸い、手の震えを止める。
ドンドンとドアを叩いた。
「入りなさい」
中から静かな声が聞こえた。ドアノブを回し、押す。動かない。ボビーがため息を吐きながら、ドアを押してくれた。ドアが開くと、中から葉巻の匂いが押し寄せる。
むせそうになるのをグッとこらえ、大きく足を踏み入れた。フカフカの絨毯。大きな本棚には本がぎっしりと詰まっている。別の壁には絵がいっぱい。風景画が多い。どれも金ピカの額縁の方が目立っている。
「なんの用だ」
問われて、慌てて額縁から目の前の人に視線を向ける。白髪の、鋭い目の孤児院長。
「あの、お願いがあって来ました」
院長が目を細める。値踏みされている目だ。夢の中で、色んな人にこんな目をされた。
負けない。一歩前に出る。
「食費の予算をあげてください。アタシたち、毎日お腹がペコペコなんです」
言えた。やった。
「却下だ」
「はやっ」
びっくりして思わず声が出た。やけっぱちで聞いてみる。
「ど、どうしてですか? あの金ピカの額縁より、焼きたてフワフワパンの方がいいと思います」
言えた。やった。
「あの金ピカの額縁は、由緒ある貴族からの寄付。あの金ピカの額縁を仮に売って、その金で焼きたてフワフワパンを買ったとしたら──」
「したら?」
「貴族界にはあっという間にウワサが広まり、二度と寄付をいただけなくなるだろう」
「そっか」
大人の世界って、色々あるんだな。しょんぼりしてると、院長はさらに追い打ちをかけてくる。
「孤児院の運営費は王家からいただいている。つまり、税金だ。血税だ。意味がわかるか?」
「わかりません」
税金だから、何がどうだっていうんだろう?
「王都の民が払っている税金は主に、人頭税、水車利用税。農民なら土地税。商人なら売上税、通行税、塩税」
難しい言葉がたくさん出て来て、頭がクラクラする。
「君たちの生活費はすべて税金。だが、君たちは一生かけても、受けた恩恵分の税金を納めることはないだろう。わかるか、君たちは、恩恵を受けるだけで返さない。つまりは、貸し馬車に乗っても運賃を払わない、タダ乗り族なんだよ」
「タダ乗り族」
イヤな響き。なんだか、すっごくずるい人みたい。
「私はもちろん、きちんと納税している。貴族だからね。当たり前の務めだ」
越えられない線が、院長とアタシたちの間に引かれたように感じた。ちゃんとした人と、タダ乗り族。
「でも」
声が震えてちゃんと出ない。狙ってないのに、わざとじゃないのに、ポロッと涙がこぼれた。
「でも、ちゃんと食べて大人になったら、税金をはらえると思うんです。今のままだと、いつ死んじゃうかわからない」
負けない。負けない。だって知ってるんだ。夢で見たんだ。いつかの冬を、越せない子が出て来るって。お腹が減って、病気になりやすくなって、春を待てなかった子が出るんだって。アタシたち、食べなきゃダメって知ってるんだ。
「ほう。これはなかなか」
院長が立ち上がり、近寄ってきた。アゴを持たれて、顔を上げさせられる。涙がポロポロ、転がり落ちる。
「そうだな。その顔、声、涙。売れるかもしれんな。ふむ」
鼻をすすりながら、院長のベルトあたりに手を伸ばす。
「アタシ、売り物になるんですか?」
院長がアタシの髪を持ち上げ、耳や首を見る。
「売ってやろう。貴族と養子縁組できれば、こちらに代金と寄付金がくる。その分を、残された孤児たちの食費に回してやろう」
「養子縁組」
なんだか、不吉な響き? 院長に背中を押され、くるりと回る。院長が、アタシの全身を見た上で、ふっと笑った。なんだか、背中が冷たくなった。
「シュバイン子爵がよさそうだ」
「シュバイン子爵」
これは、ダメな名前。夢で見た。幼女趣味の変態だ。
「イ」
「まさかイヤとは言わんだろうが。お前が養子になることで、何人の孤児が幸せになる? 学のないお前でも、わかるだろう?」
「う」
わかる。わかるけど、わかりたくない。でも、どうしよう。神さま、神さまは、アタシにそれをお望みですか?
院長が離れていく。
「もういいだろう。出て行きなさい。私は忙しい」
院長は、もう何の興味もないみたい。椅子に座り、書類をめくり始めた。
アタシたちは、黙って部屋を出た。部屋を出ても、誰も、何も言わなかった。
「どうしよっかなー」
裏庭で木の実を調べながら考えてる。赤いの、青いの、黄色いの。木の実を触るたびに、おばあちゃんを思い出す。
「おい、それは食べられないぞ」
「キャッ」
急に声をかけられ、飛び上がってしまった。振り返ると、いたずらっぽい顔をした男の子。
「なんだ、ボビーか」
「なんだじゃねえだろ。失礼だな」
ボビーがぼさぼさの髪の毛をかきあげる。木の根っこみたいな髪がもっと逆立った。
「そういえば、ボビーって盗みが得意だったよね」
「おまっ、そういうことでかい声で言うなよ」
焦っているボビーを見ているうちに、思いついた。あの人、カギをベルトにひっかけてたっけ。
「ねえ、ボビー、ふわっふわのパン、食べたくない?」
「食べたい」
「じゃあ、アタシのやること、手伝ってくれない?」
「なんだよ。盗みはもうやらねえぞ。今度やったらブタ箱入りだって、前に衛兵に言われたからな」
「そっかー、そうだよね。じゃあさ、アタシにスリのやり方教えてくれない?」
「ぶはっ、お前みてえなトロくさいやつにできるわけねえじゃん。一瞬でつかまるぜ」
「むー」
そうかもしれない。うん、そうに違いない。スリって高度な技術がいるって、ボビーがしょっちゅう言ってるもん。
「まあ、話してみろよ。なんかいい考えが浮かぶかもしんねえじゃん」
「うん、あのね」
こそこそささやくと、ボビーは目を丸くしたり、頭をがしがしかいたりしながら、一緒に考えてくれた。
「こんな感じじゃねえかな。後は度胸だ」
「度胸。アタシに度胸ってあるかな」
「無理そうなら、何もせずに出てくればいいだろ」
「うん」
「臨機応変にな」
「うん。がんばってみる」
「おれも一緒に行くから。まあ、やってみようぜ」
「ボビー、ありがと」
ボビーが、度胸のある仲間を何人か集めてきてくれた。ふわふわパンを食べ隊が結成された。みんなで何回も練習する。
「いよいよ本番ね」
「どう考えてもサブリナにはできねえ気がする」
「ぼくも」
「同意」
「ぐぬぬ」
まったく否定できない。我ながら、不器用でドンくさいんだもん。
「この手がー。この手が小さいのが悪いんだもん」
「まあな、お前、チビだもんな」
「あ、でもでも。サブリナ、泣きまねは誰よりも上手」
「それ思った」
「じゃあさ、いざとなったら泣くから。あとはなんとかしてよね」
「すげー、丸投げ」
うだうだ言い合っているうちに、目的の場所に着いた。孤児院の階段をいくつも上がって、一番高いところの奥にある部屋。どっしりしたドアの前で立ち止まり、みんなで目を合わせる。ドアを叩こうと手を上げると、腕がブルブル振るえた。緊張する。怖い。やっぱり無理かもー。
ダンッと背中を強く叩かれた。ボビーだ。
やめるか? ボビーの口が動く。ちょっとだけ考えて、首を振った。
やる。そう口を動かす。
息を深く吸い、手の震えを止める。
ドンドンとドアを叩いた。
「入りなさい」
中から静かな声が聞こえた。ドアノブを回し、押す。動かない。ボビーがため息を吐きながら、ドアを押してくれた。ドアが開くと、中から葉巻の匂いが押し寄せる。
むせそうになるのをグッとこらえ、大きく足を踏み入れた。フカフカの絨毯。大きな本棚には本がぎっしりと詰まっている。別の壁には絵がいっぱい。風景画が多い。どれも金ピカの額縁の方が目立っている。
「なんの用だ」
問われて、慌てて額縁から目の前の人に視線を向ける。白髪の、鋭い目の孤児院長。
「あの、お願いがあって来ました」
院長が目を細める。値踏みされている目だ。夢の中で、色んな人にこんな目をされた。
負けない。一歩前に出る。
「食費の予算をあげてください。アタシたち、毎日お腹がペコペコなんです」
言えた。やった。
「却下だ」
「はやっ」
びっくりして思わず声が出た。やけっぱちで聞いてみる。
「ど、どうしてですか? あの金ピカの額縁より、焼きたてフワフワパンの方がいいと思います」
言えた。やった。
「あの金ピカの額縁は、由緒ある貴族からの寄付。あの金ピカの額縁を仮に売って、その金で焼きたてフワフワパンを買ったとしたら──」
「したら?」
「貴族界にはあっという間にウワサが広まり、二度と寄付をいただけなくなるだろう」
「そっか」
大人の世界って、色々あるんだな。しょんぼりしてると、院長はさらに追い打ちをかけてくる。
「孤児院の運営費は王家からいただいている。つまり、税金だ。血税だ。意味がわかるか?」
「わかりません」
税金だから、何がどうだっていうんだろう?
「王都の民が払っている税金は主に、人頭税、水車利用税。農民なら土地税。商人なら売上税、通行税、塩税」
難しい言葉がたくさん出て来て、頭がクラクラする。
「君たちの生活費はすべて税金。だが、君たちは一生かけても、受けた恩恵分の税金を納めることはないだろう。わかるか、君たちは、恩恵を受けるだけで返さない。つまりは、貸し馬車に乗っても運賃を払わない、タダ乗り族なんだよ」
「タダ乗り族」
イヤな響き。なんだか、すっごくずるい人みたい。
「私はもちろん、きちんと納税している。貴族だからね。当たり前の務めだ」
越えられない線が、院長とアタシたちの間に引かれたように感じた。ちゃんとした人と、タダ乗り族。
「でも」
声が震えてちゃんと出ない。狙ってないのに、わざとじゃないのに、ポロッと涙がこぼれた。
「でも、ちゃんと食べて大人になったら、税金をはらえると思うんです。今のままだと、いつ死んじゃうかわからない」
負けない。負けない。だって知ってるんだ。夢で見たんだ。いつかの冬を、越せない子が出て来るって。お腹が減って、病気になりやすくなって、春を待てなかった子が出るんだって。アタシたち、食べなきゃダメって知ってるんだ。
「ほう。これはなかなか」
院長が立ち上がり、近寄ってきた。アゴを持たれて、顔を上げさせられる。涙がポロポロ、転がり落ちる。
「そうだな。その顔、声、涙。売れるかもしれんな。ふむ」
鼻をすすりながら、院長のベルトあたりに手を伸ばす。
「アタシ、売り物になるんですか?」
院長がアタシの髪を持ち上げ、耳や首を見る。
「売ってやろう。貴族と養子縁組できれば、こちらに代金と寄付金がくる。その分を、残された孤児たちの食費に回してやろう」
「養子縁組」
なんだか、不吉な響き? 院長に背中を押され、くるりと回る。院長が、アタシの全身を見た上で、ふっと笑った。なんだか、背中が冷たくなった。
「シュバイン子爵がよさそうだ」
「シュバイン子爵」
これは、ダメな名前。夢で見た。幼女趣味の変態だ。
「イ」
「まさかイヤとは言わんだろうが。お前が養子になることで、何人の孤児が幸せになる? 学のないお前でも、わかるだろう?」
「う」
わかる。わかるけど、わかりたくない。でも、どうしよう。神さま、神さまは、アタシにそれをお望みですか?
院長が離れていく。
「もういいだろう。出て行きなさい。私は忙しい」
院長は、もう何の興味もないみたい。椅子に座り、書類をめくり始めた。
アタシたちは、黙って部屋を出た。部屋を出ても、誰も、何も言わなかった。
29
あなたにおすすめの小説
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。
やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。
過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。
魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、
四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。
輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。
けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、
やがて――“本当の自分”を見つけていく――。
そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。
※本作の章構成:
第一章:アカデミー&聖女覚醒編
第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編
第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編
※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
【完結】僻地の修道院に入りたいので、断罪の場にしれーっと混ざってみました。
櫻野くるみ
恋愛
王太子による独裁で、貴族が息を潜めながら生きているある日。
夜会で王太子が勝手な言いがかりだけで3人の令嬢達に断罪を始めた。
ひっそりと空気になっていたテレサだったが、ふと気付く。
あれ?これって修道院に入れるチャンスなんじゃ?
子爵令嬢のテレサは、神父をしている初恋の相手の元へ行ける絶好の機会だととっさに考え、しれーっと断罪の列に加わり叫んだ。
「わたくしが代表して修道院へ参ります!」
野次馬から急に現れたテレサに、その場の全員が思った。
この娘、誰!?
王太子による恐怖政治の中、地味に生きてきた子爵令嬢のテレサが、初恋の元伯爵令息に会いたい一心で断罪劇に飛び込むお話。
主人公は猫を被っているだけでお転婆です。
完結しました。
小説家になろう様にも投稿しています。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さくら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ
さくら
恋愛
会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。
ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。
けれど、測定された“能力値”は最低。
「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。
そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。
優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。
彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。
人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。
やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。
不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。
私をいじめていた女と一緒に異世界召喚されたけど、無能扱いされた私は実は“本物の聖女”でした。
さくら
恋愛
私――ミリアは、クラスで地味で取り柄もない“都合のいい子”だった。
そんな私が、いじめの張本人だった美少女・沙羅と一緒に異世界へ召喚された。
王城で“聖女”として迎えられたのは彼女だけ。
私は「魔力が測定不能の無能」と言われ、冷たく追い出された。
――でも、それは間違いだった。
辺境の村で出会った青年リオネルに助けられ、私は初めて自分の力を信じようと決意する。
やがて傷ついた人々を癒やすうちに、私の“無”と呼ばれた力が、誰にも真似できない“神の光”だと判明して――。
王都での再召喚、偽りの聖女との再会、かつての嘲笑が驚嘆に変わる瞬間。
無能と呼ばれた少女が、“本物の聖女”として世界を救う――優しさと再生のざまぁストーリー。
裏切りから始まる癒しの恋。
厳しくも温かい騎士リオネルとの出会いが、ミリアの運命を優しく変えていく。
騎士団の繕い係
あかね
ファンタジー
クレアは城のお針子だ。そこそこ腕はあると自負しているが、ある日やらかしてしまった。その結果の罰則として針子部屋を出て色々なところの繕い物をすることになった。あちこちをめぐって最終的に行きついたのは騎士団。花形を譲って久しいが消えることもないもの。クレアはそこで繕い物をしている人に出会うのだが。
絶望?いえいえ、余裕です! 10年にも及ぶ婚約を解消されても化物令嬢はモフモフに夢中ですので
ハートリオ
恋愛
伯爵令嬢ステラは6才の時に隣国の公爵令息ディングに見初められて婚約し、10才から婚約者ディングの公爵邸の別邸で暮らしていた。
しかし、ステラを呼び寄せてすぐにディングは婚約を後悔し、ステラを放置する事となる。
異様な姿で異臭を放つ『化物令嬢』となったステラを嫌った為だ。
異国の公爵邸の別邸で一人放置される事となった10才の少女ステラだが。
公爵邸別邸は森の中にあり、その森には白いモフモフがいたので。
『ツン』だけど優しい白クマさんがいたので耐えられた。
更にある事件をきっかけに自分を取り戻した後は、ディングの執事カロンと共に公爵家の仕事をこなすなどして暮らして来た。
だがステラが16才、王立高等学校卒業一ヶ月前にとうとう婚約解消され、ステラは公爵邸を出て行く。
ステラを厄介払い出来たはずの公爵令息ディングはなぜかモヤモヤする。
モヤモヤの理由が分からないまま、ステラが出て行った後の公爵邸では次々と不具合が起こり始めて――
奇跡的に出会い、優しい時を過ごして愛を育んだ一人と一頭(?)の愛の物語です。
異世界、魔法のある世界です。
色々ゆるゆるです。
私の容姿は中の下だと、婚約者が話していたのを小耳に挟んでしまいました
山田ランチ
恋愛
想い合う二人のすれ違いラブストーリー。
※以前掲載しておりましたものを、加筆の為再投稿致しました。お読み下さっていた方は重複しますので、ご注意下さいませ。
コレット・ロシニョール 侯爵家令嬢。ジャンの双子の姉。
ジャン・ロシニョール 侯爵家嫡男。コレットの双子の弟。
トリスタン・デュボワ 公爵家嫡男。コレットの婚約者。
クレマン・ルゥセーブル・ジハァーウ、王太子。
シモン・グレンツェ 辺境伯家嫡男。コレットの従兄。
ルネ ロシニョール家の侍女でコレット付き。
シルヴィー・ペレス 子爵令嬢。
〈あらすじ〉
コレットは愛しの婚約者が自分の容姿について話しているのを聞いてしまう。このまま大好きな婚約者のそばにいれば疎まれてしまうと思ったコレットは、親類の領地へ向かう事に。そこで新しい商売を始めたコレットは、知らない間に国の重要人物になってしまう。そしてトリスタンにも女性の影が見え隠れして……。
ジレジレ、すれ違いラブストーリー
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる