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【第二章】未来でもおなかいっぱいでいたいな
11. アレックス第一王子
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王宮で食べるお昼ごはんのおいしさ。、手取りでもらえるお給金の魅力。自分で稼いだお金でみんなにおみやげを買えるという晴れがましさ。仕事は大変だけど楽しい。そんなことを話したから、働きたい子がどんどん増えていく。
だから、アタシたち初期の五人はどんどん違う仕事に回される。新しい仕事を学んで、次の子たちにやり方を教えるのも、初期組の役目。
アタシたちの意見を取り入れて、カーラさんが改善してくれるのも誇らしい。
「あなたたちが使いやすいように、小さめのピッチフォークとバケツを用意したわよ」
「わー、ありがとうございます」
「オリーと一緒に食べられるように、食堂の外にもテーブルと椅子を置いたから、外で食べるといいわ」
「やったー」
「貴族向けの食堂で余ってしまった白ソーセージをもらってきたわ。白ソーセージはお昼ごはんまでに食べきらないといけないから、今のうちに食べてしまって。あなたたちだけに特別ね」
「カーラさん、だいすき」
「あらあら、おほほ」
とっても頼りになるカーラさんは、アタシたちに大人気。
いつも落ち着いているカーラさん。今日はなんだか慌てている。
「リーダー五人組の皆さん。今日はね、特別です。壁の向こう側に行ってもらわなければならないの」
「壁の向こう側って、王さまたちがいるところ?」
「そうです。王族がいらっしゃるところですよ。天気がいいので、お庭でお茶会しましょうと急に変更になってしまいました。庭師たちがてんてこ舞いなのです。手伝ってあげてください」
「はい」
キリッと答えたけど、アタシの心の中は大嵐だ。あっち側には行きたくない。でも、断れない。帽子を深くかぶって、顔と髪を隠す。誰にも見られませんように。誰にも覚えられませんように。
いつもは馬糞拾いをしている威圧の庭を、オリーのひく荷車に乗って通る。本当は貴族しか通れない庭なんだけど、今日は緊急事態だから特別なんだって。遠回りしている時間がないらしい。
荷車が近づくと、立派な門がすぐに開いた。
「ご苦労。あちらの庭だ」
衛兵が指す方向にオリーがずんずん進む。
「やばい、こっち側めっちゃキレイじゃね」
「なんか、別世界って感じ」
「あっち側もキラキラしてたけど、こっち側はなんか別格」
清掃課があるあっち側は、業者もくるし、平民の肉体労働者もいるので、まだ馴染めた。でも、こっち側はどこもかしこも清潔で、ほこりひとつなさそう。降り積もったばかりの新雪みたい。
「君たち、こっちだ。来てくれてありがとう」
声をかけてくれた若い庭師も、なんだかパリッとしている。お昼ごはんを食べるときに気軽に声をかけてくるおじちゃんたちとは、全然違う。シュッとしていて、かっこいい。
「剪定した枝や葉を集めて運んでくれないかな。お昼までには完璧に仕上げたい」
「はい」
アタシの目には完璧に見える庭だけど、庭師にとってはそうじゃないみたい。たくさんの庭師が真剣な目で庭木を刈っていく。整えられた芝生に落ちた枝を、熊手でかき集め、オリーの荷車に運ぶ。荷車がいっぱいになったら、庭師さんがオリーを奥の方に連れて行って、また空の荷車と戻ってくる。
休憩もなく、必死で働いていると、庭師が「よし、撤収」と言った。一斉に庭師が去って行く。
「君たちも、早く。我々は王族の視界に入ってはならないんだ」
「あ、はい」
熊手やバケツを持ち、ヨロヨロとみんなを追いかける。
いたずらな風が吹いて、アタシの帽子をさらっていく。
「あああー、待ってー」
帽子がないと困る。飛んで行った帽子を探しているうちに、髪がほどけてしまった。どうしよう、こんなとこ誰かに見られたら。髪をしばっていたヒモはどこだろう、芝生の上に目をこらしていると、「これは君の帽子かな?」と誰かに声をかけられてしまった。
顔を上げると、いつぞやのファビウス第二王子を大きくしたようなお兄さん。アレックス第一王子だ。アタシの胸が、破裂するんじゃないかと思うぐらいにドクドクする。
さっと跪き、顔を伏せる。見られたくない。見ないで。
「アレックス様、どうなさいました?」
女の子の声がする。
「その方は? まあ、庭師の方ね、きっと」
次々と新しい声が上から降ってくる。やばい、やばすぎる。誰か、助けてー。
「庭師にこのように小さな女の子がいるとは知らなかった」
「アレックス様、孤児院の方ではないでしょうか。最近、孤児院の方たちが王宮で働いていると父から聞きました」
「ああ、あの号外の出た孤児院か。ひどい目に合ったのに、働いているなんて。ああ、そうだ。君、よければ一緒にお茶を飲まないかい?」
出た。アレックス様の全方位への気さく発言。身分とか気にせず、誰にでも気軽に声をかける。お茶会にも誘っちゃう。周りは振り回されて大変なんだけど、全然イヤじゃないんだよね。むしろ、振り回されて嬉しいまであるんだよね。未来のアタシも、アレックス様が大好きだった。でも、その未来は選びたくない。アタシは王子妃にはなりたくない。
ああ、困った。この流れだとお茶会に強制参加になりそう。どうしよう。でも、誰もアレックス様にはダメって言わないから、どうにもできないんだ。
「アレックス様、ダメですわ」
おや? 誰かがダメって言ったよ、あのアレックス様に。誰だろう。
「なぜ、ロジー?」
「この方は今お仕事中でしてよ。お仕事の邪魔をするのはいけないと思いますわ」
「そうか。ちょっとだけならどうだろう、ロジー?」
「いいえ、緊張なさってお茶を飲んでも味すらわからないでしょう。仕事でヘトヘトの後に、緊張を強いるのは優しくありませんわ」
「その通りだね。止めてくれてありがとう、ロジー。君、困らせてしまって、悪かったね。それでは、帽子を返すね」
顔を伏せたまま、手を伸ばして帽子を受け取った。今あったことが本当だとはなかなか信じられなかった。アレックス様が、引き下がったんだもん。そんなこと、アタシの知ってる未来では、なかったことだ。どうしちゃったの?
ロジーって誰? ロジーさん、あなたすっごいね。跪いたまま、足音が消えるのを待つ。チラッと頭を上げて、誰もいないのがわかってから、熊手とバケツを持ち直して走った。
庭を抜けて、小屋があるところに着くと、ボビーたちが待っててくれた。小屋から庭師が出て来て、アタシの熊手とバケツを受け取ってくれる。
「君、遅かったね。ひょっとして、殿下につかまった?」
「は、はい。一緒にお茶をと誘われて」
「あーなー、あれ、殿下の悪いクセなんだよ。誘われたら俺たちは断れないだろう。でも、お茶飲んでも味はしないし、生きた心地しないしさ。庭仕事中は見つからないように、素早く撤収しないと大変なことになるんだ」
「あ、でも、ロジー様という方が殿下にダメと言ってくださいました」
「ああ、ロザムンド様か。パイソン公爵家のご令嬢だ。最近、殿下を止めてくださるんだよ。すごく助かる」
ロザムンド・パイソン公爵令嬢? 本当に? ロザムンド様は、未来ではアレックス様の信者みたいになってて、アレックス様の望みは全力で叶える派だったのに? いったいどうしちゃったの? あの未来には、向かってないってことだ、きっと。やった、やったよ。
それからも、何度かあちら側で庭仕事をしたけど、もうアレックス様に誘われることはなくなった。パイソン公爵とロザムンド様、しごでき親娘。すごい。
だから、アタシたち初期の五人はどんどん違う仕事に回される。新しい仕事を学んで、次の子たちにやり方を教えるのも、初期組の役目。
アタシたちの意見を取り入れて、カーラさんが改善してくれるのも誇らしい。
「あなたたちが使いやすいように、小さめのピッチフォークとバケツを用意したわよ」
「わー、ありがとうございます」
「オリーと一緒に食べられるように、食堂の外にもテーブルと椅子を置いたから、外で食べるといいわ」
「やったー」
「貴族向けの食堂で余ってしまった白ソーセージをもらってきたわ。白ソーセージはお昼ごはんまでに食べきらないといけないから、今のうちに食べてしまって。あなたたちだけに特別ね」
「カーラさん、だいすき」
「あらあら、おほほ」
とっても頼りになるカーラさんは、アタシたちに大人気。
いつも落ち着いているカーラさん。今日はなんだか慌てている。
「リーダー五人組の皆さん。今日はね、特別です。壁の向こう側に行ってもらわなければならないの」
「壁の向こう側って、王さまたちがいるところ?」
「そうです。王族がいらっしゃるところですよ。天気がいいので、お庭でお茶会しましょうと急に変更になってしまいました。庭師たちがてんてこ舞いなのです。手伝ってあげてください」
「はい」
キリッと答えたけど、アタシの心の中は大嵐だ。あっち側には行きたくない。でも、断れない。帽子を深くかぶって、顔と髪を隠す。誰にも見られませんように。誰にも覚えられませんように。
いつもは馬糞拾いをしている威圧の庭を、オリーのひく荷車に乗って通る。本当は貴族しか通れない庭なんだけど、今日は緊急事態だから特別なんだって。遠回りしている時間がないらしい。
荷車が近づくと、立派な門がすぐに開いた。
「ご苦労。あちらの庭だ」
衛兵が指す方向にオリーがずんずん進む。
「やばい、こっち側めっちゃキレイじゃね」
「なんか、別世界って感じ」
「あっち側もキラキラしてたけど、こっち側はなんか別格」
清掃課があるあっち側は、業者もくるし、平民の肉体労働者もいるので、まだ馴染めた。でも、こっち側はどこもかしこも清潔で、ほこりひとつなさそう。降り積もったばかりの新雪みたい。
「君たち、こっちだ。来てくれてありがとう」
声をかけてくれた若い庭師も、なんだかパリッとしている。お昼ごはんを食べるときに気軽に声をかけてくるおじちゃんたちとは、全然違う。シュッとしていて、かっこいい。
「剪定した枝や葉を集めて運んでくれないかな。お昼までには完璧に仕上げたい」
「はい」
アタシの目には完璧に見える庭だけど、庭師にとってはそうじゃないみたい。たくさんの庭師が真剣な目で庭木を刈っていく。整えられた芝生に落ちた枝を、熊手でかき集め、オリーの荷車に運ぶ。荷車がいっぱいになったら、庭師さんがオリーを奥の方に連れて行って、また空の荷車と戻ってくる。
休憩もなく、必死で働いていると、庭師が「よし、撤収」と言った。一斉に庭師が去って行く。
「君たちも、早く。我々は王族の視界に入ってはならないんだ」
「あ、はい」
熊手やバケツを持ち、ヨロヨロとみんなを追いかける。
いたずらな風が吹いて、アタシの帽子をさらっていく。
「あああー、待ってー」
帽子がないと困る。飛んで行った帽子を探しているうちに、髪がほどけてしまった。どうしよう、こんなとこ誰かに見られたら。髪をしばっていたヒモはどこだろう、芝生の上に目をこらしていると、「これは君の帽子かな?」と誰かに声をかけられてしまった。
顔を上げると、いつぞやのファビウス第二王子を大きくしたようなお兄さん。アレックス第一王子だ。アタシの胸が、破裂するんじゃないかと思うぐらいにドクドクする。
さっと跪き、顔を伏せる。見られたくない。見ないで。
「アレックス様、どうなさいました?」
女の子の声がする。
「その方は? まあ、庭師の方ね、きっと」
次々と新しい声が上から降ってくる。やばい、やばすぎる。誰か、助けてー。
「庭師にこのように小さな女の子がいるとは知らなかった」
「アレックス様、孤児院の方ではないでしょうか。最近、孤児院の方たちが王宮で働いていると父から聞きました」
「ああ、あの号外の出た孤児院か。ひどい目に合ったのに、働いているなんて。ああ、そうだ。君、よければ一緒にお茶を飲まないかい?」
出た。アレックス様の全方位への気さく発言。身分とか気にせず、誰にでも気軽に声をかける。お茶会にも誘っちゃう。周りは振り回されて大変なんだけど、全然イヤじゃないんだよね。むしろ、振り回されて嬉しいまであるんだよね。未来のアタシも、アレックス様が大好きだった。でも、その未来は選びたくない。アタシは王子妃にはなりたくない。
ああ、困った。この流れだとお茶会に強制参加になりそう。どうしよう。でも、誰もアレックス様にはダメって言わないから、どうにもできないんだ。
「アレックス様、ダメですわ」
おや? 誰かがダメって言ったよ、あのアレックス様に。誰だろう。
「なぜ、ロジー?」
「この方は今お仕事中でしてよ。お仕事の邪魔をするのはいけないと思いますわ」
「そうか。ちょっとだけならどうだろう、ロジー?」
「いいえ、緊張なさってお茶を飲んでも味すらわからないでしょう。仕事でヘトヘトの後に、緊張を強いるのは優しくありませんわ」
「その通りだね。止めてくれてありがとう、ロジー。君、困らせてしまって、悪かったね。それでは、帽子を返すね」
顔を伏せたまま、手を伸ばして帽子を受け取った。今あったことが本当だとはなかなか信じられなかった。アレックス様が、引き下がったんだもん。そんなこと、アタシの知ってる未来では、なかったことだ。どうしちゃったの?
ロジーって誰? ロジーさん、あなたすっごいね。跪いたまま、足音が消えるのを待つ。チラッと頭を上げて、誰もいないのがわかってから、熊手とバケツを持ち直して走った。
庭を抜けて、小屋があるところに着くと、ボビーたちが待っててくれた。小屋から庭師が出て来て、アタシの熊手とバケツを受け取ってくれる。
「君、遅かったね。ひょっとして、殿下につかまった?」
「は、はい。一緒にお茶をと誘われて」
「あーなー、あれ、殿下の悪いクセなんだよ。誘われたら俺たちは断れないだろう。でも、お茶飲んでも味はしないし、生きた心地しないしさ。庭仕事中は見つからないように、素早く撤収しないと大変なことになるんだ」
「あ、でも、ロジー様という方が殿下にダメと言ってくださいました」
「ああ、ロザムンド様か。パイソン公爵家のご令嬢だ。最近、殿下を止めてくださるんだよ。すごく助かる」
ロザムンド・パイソン公爵令嬢? 本当に? ロザムンド様は、未来ではアレックス様の信者みたいになってて、アレックス様の望みは全力で叶える派だったのに? いったいどうしちゃったの? あの未来には、向かってないってことだ、きっと。やった、やったよ。
それからも、何度かあちら側で庭仕事をしたけど、もうアレックス様に誘われることはなくなった。パイソン公爵とロザムンド様、しごでき親娘。すごい。
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