13 / 30
【第二章】未来でもおなかいっぱいでいたいな
13. パイソン公爵の深謀遠慮
しおりを挟む
ウォルフハート王国で、最も話しかけにくい貴族であるパイソン公爵。気軽に相談してくる貴族はいない。そんな孤高のパイソン公爵にも、例外はある。ピエール・アッフェン男爵だ。
「また来たのか」
「また来ちゃいました」
ヘラッと笑うアッフェン男爵は、とても自分を恐れているようには見えない。むしろ、最近は懐かれつつあるかもしれない。今までのパイソン公爵であれば、格下も格下のアッフェン男爵などに、そのようなことを許しはしない。
「仕方のないやつだ。今度はどんな泣き言を持ってきたのだ。聞いてやる」
孤児院のできごと以来、頻繁に泣きつかれ、なんとなく慣れてしまった。バカな子ほどかわいいという、あれかもしれない。周囲にバカがいない環境で生きてきたため、珍獣を見るような感覚とも言える。
いつもなら、水を向けるとベラベラと話し始めるアッフェン男爵が、今日は媚びるような表情で大きな絵を差し出してくる。
「これは、賄賂ではありません、贈り物です。孤児院の子たちは、閣下のことをパンの人と呼んで感謝しています」
「パンの人」
いまだかつて、そのようなふたつ名で呼ばれたことはない。
「フワフワパンを食べられるのは、閣下のおかげだからです」
「なるほど。それで?」
「閣下にお礼の気持ちを伝えたいと子どもたちが考え、絵を描きました。ぜひ受け取ってください」
深々と頭を下げ、絵を押しつけてくる。金色の派手な額縁の中に、たくさんの小さな絵が繋ぎ合わさっている。パンの絵、パンを持った子どもの絵、パンを持った目つきの鋭い男の絵、つまり私だろうな。
「うむ」
うむ、としか言えまい。このような物をもらったことは初めてだ。少し首の後ろがむずがゆい。
「嬉しいですか? 今、ご機嫌ですか? 何を言っても、オレのことを怒らないですか?」
「さっさと話してみよ」
「閣下を陥れるつもりは全くありません。閣下にはいつまでも権力の頂点に立ち、オレと孤児たちを守ってもらいたいのです。悪意はありません。いいですね、いいですか?」
しつこいほど言ってから、やっとアッフェン男爵は書類の束を机に置く。
「閣下の甥の領地が税を少なく申告しているようですな。根拠は小麦の収穫と税の比率が合わないこと」
アッフェン男爵はいくつかの紙の数字に丸印をつける。
「閣下の甥は、実に巧妙ですな。毎年、税を中抜きする村を変え、中抜き率も変えているのです。規則性がないし、微妙な変化なので気づきにくい」
パイソン公爵は机の上を人差し指で叩きながら、頭の中で計算する。少しずつだが、積み上がるとそれなりの金額だ。
「閣下の税収、閣下が国庫に納めている金額に比べれば微々たるものです。問題は、彼がこの方法を広めようとしている気配があることですな。少しぐらい、いいじゃないか。閣下の甥がそう言えば、そうなのかなと思う徴税官も徐々に増えるでしょう」
パイソン公爵はよろめきそうな徴税官とすました甥の顔を思い浮かべる。表情を変えぬまま、奥歯を噛みしめた。あやつめ、羽虫の分際で、生意気な。
「それで、そなたは何を望む?」
まさか、またフワフワパンの予算ではあるまい。子爵位か、それとも、孤児院の予算の倍増か。
「金も利権も望みません。もし可能であれば、アッフェン男爵家の紋章を身につける者への庇護を少しばかり。不当に捕らえられたり、攫われたりした場合、閣下のお名前を出すことをお許しいただけないでしょうか」
今まで顔色を窺うようにしていたアッフェン男爵が、急に強い目でパイソン公爵をまっすぐ見つめる。パイソン公爵はじっくりと見つめ返した。やはり、この男はおもしろい。パイソン公爵は少しだけ口元をゆるめる。
「よかろう。たった今から、アッフェン男爵家の者は我の庇護下に入る。各貴族家に周知はしておくが、そうだな。なんらか印は入れておけ。そなたの紋章のサルと、パイソン公爵家のヘビ。それらを服にでも刺繍しておけばよかろう」
「ありがとうございます」
アッフェン男爵は深々とお辞儀をし、ゆっくりと部屋を出る。パイソン公爵は部屋の隅で控えていた侍従に合図した。
「各貴族家に周知して参ります」
侍従が出て行った部屋で、パイソン公爵は甥をどのように料理するかを考える。
「処分するのは簡単だが。つまらんな」
ほのめかせば、這いつくばって泣いて許しを請うだろう。茶番だ。退屈この上ない。
「所詮、小物。それに引き換え、あの孤児院はおもしろい。アッフェン男爵を男にし、このような機密事項を調べ上げさせるあの少女とは」
パイソン公爵はコツコツとペンで机を叩く。
「カーラをここに」
「はっ」
残っていた侍従がカーラを呼びに行く。カーラはすぐに来て、パイソン公爵の机の前に直立した。
「なにかわかったか?」
「平民の孤児では知り得ないことを知っていると思える節があります」
パイソン公爵が先をうながすように手を広げ、カーラは具体例を挙げる。
「白ソーセージは皮をむいて食べることを知っていて、手を使わずにフォークとナイフで皮を取り除いていました」
「他の孤児は知らなかったのか」
「はい。皮のまま食べようとするのを、彼女が止め、食べ方を教えておりました。調べたところ、孤児院で白ソーセージが出たことはないようです」
「ふむ。他には?」
「アレックス第一王子殿下、ファビウス第二王子殿下と遭遇し、すぐに王族と認識したようです」
「おもしろい。殿下に取り入ろうとする様子はあったか」
「いえ、全くなかったと報告がありました。むしろ、なんとかしてこの場を離れたいという顔であったと」
「権力欲はないのかもしれない。そこはアッフェン男爵と似ている。それだけか?」
「閣下のご親族が使われている紋章を瞬時に見分けたと。書類を持ち帰っていることはご報告済みかと思いますが」
「ああ、泳がせておいたのだ。結果は実に興味深い」
パイソン公爵はしばらく考え込む。カーラは直立したまま指示を待った。
「引き続き、監視と保護を。彼女に、あの子たちに害が及ばないよう気をつけてやれ」
「はっ」
カーラは敬礼し、キビキビと部屋を出て行った。
パイソン公爵は、子どもたちの絵を眺める。
「今日は早く帰るか」
あの時、必死に戦う少女を見て、少しばかり心が揺れた。少女のことを調べさせ、年齢が七歳から九歳と報告を受け、胸が痛んだ。
「孤児院の扉の前に捨てられていたとき、何歳だったのか、誕生日がいつなのか、名前が何なのか、知るすべがない子であったな」
孤児は、そうであることが多いと知ってはいたが、深く考えたことはなかった。哀れだと感じた。我が子には父親がいるが、仕事ばかりで親子のかかわりは薄い。
「私が逝っても、今となんら変わらぬかもしれん」
ある意味頼もしいが、それではいけないのではと思うようになった。あれ以来、子どもたちと過ごす時間を増やしてきた。子どもたちが、特に末娘のロザムンドが明るくなったと妻が言っていた。
「間に合ったのかもしれぬ。間に合わせたい」
勉強ばかりではなく、子どもらしい時間をロザムンドに送らせてやりたい。アレックス第一王子殿下を部下として、友人として、いさめることができるよう、ロザムンドを導いてやらねばならない。
「我が子も、孤児院の子らも、元気で大きくなれるよう、できることをしようではないか」
それが、父親であり、血税を預かる財務大臣である己の責務だ。
「財務省の働き方改革も進めねばならぬな。部下たちが妻や子どもと過ごす時間を増やしてやらんと」
不夜城と呼ばれることもある財務省である。それは、恥ずべきことであると、今は思っている。
「財務省の者たちが、夕食を家族と共に食べられるようにするには何が必要か。不夜城という汚名を返上するにはどうすればいいか。各部署に案を出させるように。突飛でもなんでもよい。忖度なしに、本気の改善案を求むと、至急通達せよ」
「はっ」
帰路に発つパイソン公爵を送る部下たちの顔は、心なしか明るく見えた。ひとりの少女の勇気が、静かに王国を変えていく。
「また来たのか」
「また来ちゃいました」
ヘラッと笑うアッフェン男爵は、とても自分を恐れているようには見えない。むしろ、最近は懐かれつつあるかもしれない。今までのパイソン公爵であれば、格下も格下のアッフェン男爵などに、そのようなことを許しはしない。
「仕方のないやつだ。今度はどんな泣き言を持ってきたのだ。聞いてやる」
孤児院のできごと以来、頻繁に泣きつかれ、なんとなく慣れてしまった。バカな子ほどかわいいという、あれかもしれない。周囲にバカがいない環境で生きてきたため、珍獣を見るような感覚とも言える。
いつもなら、水を向けるとベラベラと話し始めるアッフェン男爵が、今日は媚びるような表情で大きな絵を差し出してくる。
「これは、賄賂ではありません、贈り物です。孤児院の子たちは、閣下のことをパンの人と呼んで感謝しています」
「パンの人」
いまだかつて、そのようなふたつ名で呼ばれたことはない。
「フワフワパンを食べられるのは、閣下のおかげだからです」
「なるほど。それで?」
「閣下にお礼の気持ちを伝えたいと子どもたちが考え、絵を描きました。ぜひ受け取ってください」
深々と頭を下げ、絵を押しつけてくる。金色の派手な額縁の中に、たくさんの小さな絵が繋ぎ合わさっている。パンの絵、パンを持った子どもの絵、パンを持った目つきの鋭い男の絵、つまり私だろうな。
「うむ」
うむ、としか言えまい。このような物をもらったことは初めてだ。少し首の後ろがむずがゆい。
「嬉しいですか? 今、ご機嫌ですか? 何を言っても、オレのことを怒らないですか?」
「さっさと話してみよ」
「閣下を陥れるつもりは全くありません。閣下にはいつまでも権力の頂点に立ち、オレと孤児たちを守ってもらいたいのです。悪意はありません。いいですね、いいですか?」
しつこいほど言ってから、やっとアッフェン男爵は書類の束を机に置く。
「閣下の甥の領地が税を少なく申告しているようですな。根拠は小麦の収穫と税の比率が合わないこと」
アッフェン男爵はいくつかの紙の数字に丸印をつける。
「閣下の甥は、実に巧妙ですな。毎年、税を中抜きする村を変え、中抜き率も変えているのです。規則性がないし、微妙な変化なので気づきにくい」
パイソン公爵は机の上を人差し指で叩きながら、頭の中で計算する。少しずつだが、積み上がるとそれなりの金額だ。
「閣下の税収、閣下が国庫に納めている金額に比べれば微々たるものです。問題は、彼がこの方法を広めようとしている気配があることですな。少しぐらい、いいじゃないか。閣下の甥がそう言えば、そうなのかなと思う徴税官も徐々に増えるでしょう」
パイソン公爵はよろめきそうな徴税官とすました甥の顔を思い浮かべる。表情を変えぬまま、奥歯を噛みしめた。あやつめ、羽虫の分際で、生意気な。
「それで、そなたは何を望む?」
まさか、またフワフワパンの予算ではあるまい。子爵位か、それとも、孤児院の予算の倍増か。
「金も利権も望みません。もし可能であれば、アッフェン男爵家の紋章を身につける者への庇護を少しばかり。不当に捕らえられたり、攫われたりした場合、閣下のお名前を出すことをお許しいただけないでしょうか」
今まで顔色を窺うようにしていたアッフェン男爵が、急に強い目でパイソン公爵をまっすぐ見つめる。パイソン公爵はじっくりと見つめ返した。やはり、この男はおもしろい。パイソン公爵は少しだけ口元をゆるめる。
「よかろう。たった今から、アッフェン男爵家の者は我の庇護下に入る。各貴族家に周知はしておくが、そうだな。なんらか印は入れておけ。そなたの紋章のサルと、パイソン公爵家のヘビ。それらを服にでも刺繍しておけばよかろう」
「ありがとうございます」
アッフェン男爵は深々とお辞儀をし、ゆっくりと部屋を出る。パイソン公爵は部屋の隅で控えていた侍従に合図した。
「各貴族家に周知して参ります」
侍従が出て行った部屋で、パイソン公爵は甥をどのように料理するかを考える。
「処分するのは簡単だが。つまらんな」
ほのめかせば、這いつくばって泣いて許しを請うだろう。茶番だ。退屈この上ない。
「所詮、小物。それに引き換え、あの孤児院はおもしろい。アッフェン男爵を男にし、このような機密事項を調べ上げさせるあの少女とは」
パイソン公爵はコツコツとペンで机を叩く。
「カーラをここに」
「はっ」
残っていた侍従がカーラを呼びに行く。カーラはすぐに来て、パイソン公爵の机の前に直立した。
「なにかわかったか?」
「平民の孤児では知り得ないことを知っていると思える節があります」
パイソン公爵が先をうながすように手を広げ、カーラは具体例を挙げる。
「白ソーセージは皮をむいて食べることを知っていて、手を使わずにフォークとナイフで皮を取り除いていました」
「他の孤児は知らなかったのか」
「はい。皮のまま食べようとするのを、彼女が止め、食べ方を教えておりました。調べたところ、孤児院で白ソーセージが出たことはないようです」
「ふむ。他には?」
「アレックス第一王子殿下、ファビウス第二王子殿下と遭遇し、すぐに王族と認識したようです」
「おもしろい。殿下に取り入ろうとする様子はあったか」
「いえ、全くなかったと報告がありました。むしろ、なんとかしてこの場を離れたいという顔であったと」
「権力欲はないのかもしれない。そこはアッフェン男爵と似ている。それだけか?」
「閣下のご親族が使われている紋章を瞬時に見分けたと。書類を持ち帰っていることはご報告済みかと思いますが」
「ああ、泳がせておいたのだ。結果は実に興味深い」
パイソン公爵はしばらく考え込む。カーラは直立したまま指示を待った。
「引き続き、監視と保護を。彼女に、あの子たちに害が及ばないよう気をつけてやれ」
「はっ」
カーラは敬礼し、キビキビと部屋を出て行った。
パイソン公爵は、子どもたちの絵を眺める。
「今日は早く帰るか」
あの時、必死に戦う少女を見て、少しばかり心が揺れた。少女のことを調べさせ、年齢が七歳から九歳と報告を受け、胸が痛んだ。
「孤児院の扉の前に捨てられていたとき、何歳だったのか、誕生日がいつなのか、名前が何なのか、知るすべがない子であったな」
孤児は、そうであることが多いと知ってはいたが、深く考えたことはなかった。哀れだと感じた。我が子には父親がいるが、仕事ばかりで親子のかかわりは薄い。
「私が逝っても、今となんら変わらぬかもしれん」
ある意味頼もしいが、それではいけないのではと思うようになった。あれ以来、子どもたちと過ごす時間を増やしてきた。子どもたちが、特に末娘のロザムンドが明るくなったと妻が言っていた。
「間に合ったのかもしれぬ。間に合わせたい」
勉強ばかりではなく、子どもらしい時間をロザムンドに送らせてやりたい。アレックス第一王子殿下を部下として、友人として、いさめることができるよう、ロザムンドを導いてやらねばならない。
「我が子も、孤児院の子らも、元気で大きくなれるよう、できることをしようではないか」
それが、父親であり、血税を預かる財務大臣である己の責務だ。
「財務省の働き方改革も進めねばならぬな。部下たちが妻や子どもと過ごす時間を増やしてやらんと」
不夜城と呼ばれることもある財務省である。それは、恥ずべきことであると、今は思っている。
「財務省の者たちが、夕食を家族と共に食べられるようにするには何が必要か。不夜城という汚名を返上するにはどうすればいいか。各部署に案を出させるように。突飛でもなんでもよい。忖度なしに、本気の改善案を求むと、至急通達せよ」
「はっ」
帰路に発つパイソン公爵を送る部下たちの顔は、心なしか明るく見えた。ひとりの少女の勇気が、静かに王国を変えていく。
45
あなたにおすすめの小説
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。
やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。
過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。
魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、
四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。
輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。
けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、
やがて――“本当の自分”を見つけていく――。
そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。
※本作の章構成:
第一章:アカデミー&聖女覚醒編
第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編
第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編
※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さくら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ
さくら
恋愛
会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。
ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。
けれど、測定された“能力値”は最低。
「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。
そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。
優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。
彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。
人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。
やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。
不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。
【完結】婚約破棄はいいのですが、平凡(?)な私を巻き込まないでください!
白キツネ
恋愛
実力主義であるクリスティア王国で、学園の卒業パーティーに中、突然第一王子である、アレン・クリスティアから婚約破棄を言い渡される。
婚約者ではないのに、です。
それに、いじめた記憶も一切ありません。
私にはちゃんと婚約者がいるんです。巻き込まないでください。
第一王子に何故か振られた女が、本来の婚約者と幸せになるお話。
カクヨムにも掲載しております。
私をいじめていた女と一緒に異世界召喚されたけど、無能扱いされた私は実は“本物の聖女”でした。
さくら
恋愛
私――ミリアは、クラスで地味で取り柄もない“都合のいい子”だった。
そんな私が、いじめの張本人だった美少女・沙羅と一緒に異世界へ召喚された。
王城で“聖女”として迎えられたのは彼女だけ。
私は「魔力が測定不能の無能」と言われ、冷たく追い出された。
――でも、それは間違いだった。
辺境の村で出会った青年リオネルに助けられ、私は初めて自分の力を信じようと決意する。
やがて傷ついた人々を癒やすうちに、私の“無”と呼ばれた力が、誰にも真似できない“神の光”だと判明して――。
王都での再召喚、偽りの聖女との再会、かつての嘲笑が驚嘆に変わる瞬間。
無能と呼ばれた少女が、“本物の聖女”として世界を救う――優しさと再生のざまぁストーリー。
裏切りから始まる癒しの恋。
厳しくも温かい騎士リオネルとの出会いが、ミリアの運命を優しく変えていく。
【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない
朝日みらい
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかむ物語です。
騎士団の繕い係
あかね
ファンタジー
クレアは城のお針子だ。そこそこ腕はあると自負しているが、ある日やらかしてしまった。その結果の罰則として針子部屋を出て色々なところの繕い物をすることになった。あちこちをめぐって最終的に行きついたのは騎士団。花形を譲って久しいが消えることもないもの。クレアはそこで繕い物をしている人に出会うのだが。
【完結】僻地の修道院に入りたいので、断罪の場にしれーっと混ざってみました。
櫻野くるみ
恋愛
王太子による独裁で、貴族が息を潜めながら生きているある日。
夜会で王太子が勝手な言いがかりだけで3人の令嬢達に断罪を始めた。
ひっそりと空気になっていたテレサだったが、ふと気付く。
あれ?これって修道院に入れるチャンスなんじゃ?
子爵令嬢のテレサは、神父をしている初恋の相手の元へ行ける絶好の機会だととっさに考え、しれーっと断罪の列に加わり叫んだ。
「わたくしが代表して修道院へ参ります!」
野次馬から急に現れたテレサに、その場の全員が思った。
この娘、誰!?
王太子による恐怖政治の中、地味に生きてきた子爵令嬢のテレサが、初恋の元伯爵令息に会いたい一心で断罪劇に飛び込むお話。
主人公は猫を被っているだけでお転婆です。
完結しました。
小説家になろう様にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる