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【第二章】未来でもおなかいっぱいでいたいな
17. ウォルフハート王国の人々
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ウォルフハート王国の津々浦々に、サブリナ渾身の堆肥が届けられるようになったある日。南方にある農村地帯でひとりの老婆が目を覚ました。
「小麦じゃ。小麦をもっと作るのじゃ」
声を聞いて駆けつけた孫娘は叫んだ。
「ギャー、ばあちゃんが立ったーーー」
近所の人々が寄ってくる。
「ばあちゃんって、あの寝たきりの?」
「ここ最近ずっとボーッとしてなかった?」
中を覗き込みながら話していると、作業着姿のばあちゃんがクワを担いで出てきた。いつもボンヤリした顔つきだったのに、今は目に力が入ってキリリとしている。
「ば、ばあちゃん、どうした?」
「スープじゃ。スープのおかげで夢を見た。寝てる場合じゃない、小麦を作れと聖女さまからのお告げじゃ」
「スープ? ああ、あれか。堆肥を持ってきてくれた商会が置いて行った野菜で作ったスープ」
「ああ、サルとトラの絵がついた堆肥か」
「あの野菜はうまかったもんなあ」
「でも、ばあちゃん。小麦は年々できが悪くなっているから、ジャガイモ畑に変えようかって決めたんよ」
「ロシェル王国の安い小麦がどんどん入ってきて、うちらの小麦は売れ行きが悪くなってるしさ」
「うんにゃ、なんね。小麦は作り続けなきゃなんね。ワシらの国の主食はパンじゃろがい。主食を守るのがワシら農家の務めじゃろがい。あの堆肥があれば、もちもちの小麦ができる。聖女さまが言ってた。さあ、耕すぞ」
ばあちゃんがのっしのっしと歩いて行く。
寝たきりになる前は、緑の指を持つと尊敬を集めていたばあちゃん。ばあちゃんの言葉なら、聞かなきゃねってことで、皆が我も我もと小麦畑を耕しに行く。
色んな農村地帯で、同じようなことが起こった。
熟練の農民たちが、主食である小麦を守ろうと立ち上がった。
***
鍛冶師の朝は早い。薄暗いうちに炉に炭で火を入れる。それから火の神さまと水の神さまに祈りを捧げる。作業場をざっと点検し、道具を並べる。
「おはようございます」
大きな声ではないのに、耳にすっと入ってくる。
「カーラか。相変わらず朝が早いな」
「それは親方もでしょうが。先日お願いしていた道具、できてますか?」
「ああ、できているよ」
注文の品をカーラに渡す。技術の粋を注ぎ込んだ道具を、カーラが真剣な目で確認する。カーラの目が光る。
「さすがです、親方。伝説の魔剣鍛冶師の腕は健在ですね」
「うむ。子どもたちが使いやすいよう、できるだけ軽くした」
カーラがピッチフォークで何度もすくう動作をする。大柄なカーラが持つと、子ども用のピッチフォークはオモチャのように見える。
「これなら子どもたちも疲れにくいと思います」
「そうだな。馬糞拾いは重労働だ。せめて、道具は軽く持ち運びしやすくしてやらんと」
「ありがとうございます。子どもたちの笑顔が目に浮かびます。また何かあったらご相談させてください。こちら、代金です」
「ああ」
ずしりと重い布袋を受け取る。たくさんのピッチフォークを軽々と抱え、カーラが出て行った。
いつからか、人や魔物を屠る魔剣を作るのが億劫になった。貴族や冒険者たちから引き止められたが、あっさり引退したのだが。
「子どもたちの手が血豆だらけにならない掃除道具を作っていただけませんか」と、以前の上顧客であるカーラから頭を下げられた。よくよく話を聞いてみると、ろくな食事も与えられず、やせこけた孤児たちが、馬糞拾いの仕事をするというではないか。
「これを助けずして、何が鍛冶師だ」そう思った。久しぶりに炉に火を入れ、ピッチフォークを作ってみた。王族に献上する魔剣づくりよりも、燃えた。倉庫に眠らせていた貴重な鉱石や木材を惜しみなく使った。楽しかった。
「道具作りをやってみるか」
魔剣を作っていたときは、魔物の咆哮を浴びる悪夢を見たが、料理人から依頼された包丁はイヤな夢を見なかった。漁師の釣り針や銛もいけた。
「生き物の命を奪う道具という点では同じなのにな。不思議なもんだ」
食べるためだからだろうか。だったら、魔物も食べるのが当たり前になれば、悪夢を見ないだろうか。わからないが、今は道具作りに集中しよう。
カーラからは頻繁に注文が入る。妙なものも多い。
「ものすごく軽いバケツ? ああ、馬糞を入れるバケツか。わかった、考えてみる」
軽いバケツなあ。ピッチフォークは軽さ、丈夫さ、万が一子どもたちの手足に当たったときのことを考え、切れ味は一切ないようにした。
「ピッチフォークには巨大な島亀の甲羅を使ったんだったな」
伝説の魔物の甲羅の欠片をアダマンタイトに混ぜることで、強さと優しさを兼ね備えたピッチフォークになった。柄の部分は、子どもたちの手の平になじむように、フェニックスの巣に使われることの多いアザレアの枝を使った。
「軽くするには、空を飛ぶ魔物素材が一番だな」
さて、何を使おうか。倉庫の中を歩きながら頭を使う。
「天馬の尻尾の毛。グリフィンの牙。火竜のフン。うむ」
カーラによると、子どもたちは王宮の食堂で出されるごはんを腹いっぱい食べているらしい。いいことだ。子どもが腹を空かせているなんて、あってはならないことだ。
「そうだな。馬糞拾いだから、火竜のフン素材を使うか」
馬たちも、さぞかし光栄に思うだろうよ。
***
子どもを育てている母親にとって、街中でのゴミ処理の仕事はありがたい。
ゴミ処理は臭くて、汚くて、体中が痛くなる仕事だ。でも、そんなのは、どうってことないことだ。だって、お給金で家賃が払える。子どもに食べさせてあげられる。
母親たちは、この仕事をできた幸運を、よく語り合う。
「何がありがたいってさ、子どもを孤児院に預けられることさ」
「そうだよ。うちはさ、ばあちゃんもいないし、あたいが子どもにつきっきりでいるしかなかっただろう。でも、今は、働いてる間は孤児院で見ててもらえるからね」
「あたしんとこはさ、旦那が病気になっちまってさ。乳飲み子抱えてお先真っ暗だった。そしたら、ゴミ処理の仕事をすれば孤児院で乳児も預かってくれるっていうじゃないか。ヤギの乳をあげてくれるから、息子も満腹でいられるし。あたしの胸は張って大変だけどね」
「あんたんとこの旦那、孤児院でお願いしてるお医者さんに見てもらったんだろう?」
「そうなんだよ、おかげでよくなってきた。お医者さんのお金も、孤児院が立て替えてくれたんだ。あたしは半分だけ孤児院にゆっくり返せばいいんだって。半分は孤児院がもってくれるんだって。こんなことがあるなんてね」
母親は流れ出る涙をエプロンでごしごし拭く。
「子ども預かってくれるだけじゃなくて、あたいたちの子どもにも読み書き計算を教えてくれるってのがたまげたね。しかも、あたいらも授業を受けてもいいって話じゃないか。あたいバカだから心配だけど、試しに授業を受けてみようかなと思ってさ。自分と子どもの名前を書けるようになったら最高だろ」
「計算ができるようになったら、肉屋でぼったくられなくなるかもしれないよね。あたしも受けてみようかな」
母親たちは、子どもたちと一緒に授業を受けるようになった。文字をひとつ覚えるたびに、新しい世界への扉が開いていくようだった。
「もしかしたら、そのうち本も読めるようになるかも」
「吟遊詩人が来るのをまたなくても、新しい物語を子どもに読んであげられるかも」
「あたいが読めるようになるのが先か、赤子が読めるようになるのが先か」
「そこは、あんたが先に読めるようになりなよ。がんばんな」
「タハハ」
母親たちは笑いあう。
仕事仲間であり、育児の相談をできる頼もしい友だちでもある。
母親たちの笑顔が日に日に増えていった。
***
ある日、また夢を見た。青い鳥がパタパタと飛んでいる。青い鳥が羽ばたくたびに、キラキラとした光の粒が落ちて行く。まぶしそうに見上げる人たち。畑を耕しているおばあちゃん、粉をこねているパン職人、ドレスに刺繍する女の子、ひと仕事が終わってピザを食べている清掃人、火花を散らしながら鉱石を叩いているおじいちゃん、孤児院の教室で文字を習っているおばさん、弾むような足取りで帰っていく財務省の役人、笑顔で人形をなでているユリアさん、絵を見てガハハと笑っているピエールさん、ネイトを撫でているジョーさん、食べ過ぎてはちきれそうなお腹をさすっている孤児院のみんな。
「みんなが幸せになれるといいな」
もちろんアタシも一緒に。
ふあーとあくびしながら伸びをして、ベッドから飛び降りる。
枕が床に落ちた。枕カバーの中に隠していた号外が床に散らばる。
「あ」
慌てて拾おうとしたら、号外が震え始める。号外がひとつ、またひとつ、青い鳥になっていく。青い鳥たちは大部屋の中をぐるりと飛んだ。金色の光がまだ寝ているみんなの上に降り注ぐ。
青い鳥たちが窓に向かっていく。アタシは大急ぎで窓を開けた。
朝日に向かって青い鳥たちが飛ぶ。これから、みんなに幸せの光を届けるんだ、きっと。
「ありがと」
青い鳥たちの羽ばたきが強くなる。アタシの声が聞こえたのかな。
今まで、アタシに未来を教えてくれてありがと。青い鳥になった号外さん。
「小麦じゃ。小麦をもっと作るのじゃ」
声を聞いて駆けつけた孫娘は叫んだ。
「ギャー、ばあちゃんが立ったーーー」
近所の人々が寄ってくる。
「ばあちゃんって、あの寝たきりの?」
「ここ最近ずっとボーッとしてなかった?」
中を覗き込みながら話していると、作業着姿のばあちゃんがクワを担いで出てきた。いつもボンヤリした顔つきだったのに、今は目に力が入ってキリリとしている。
「ば、ばあちゃん、どうした?」
「スープじゃ。スープのおかげで夢を見た。寝てる場合じゃない、小麦を作れと聖女さまからのお告げじゃ」
「スープ? ああ、あれか。堆肥を持ってきてくれた商会が置いて行った野菜で作ったスープ」
「ああ、サルとトラの絵がついた堆肥か」
「あの野菜はうまかったもんなあ」
「でも、ばあちゃん。小麦は年々できが悪くなっているから、ジャガイモ畑に変えようかって決めたんよ」
「ロシェル王国の安い小麦がどんどん入ってきて、うちらの小麦は売れ行きが悪くなってるしさ」
「うんにゃ、なんね。小麦は作り続けなきゃなんね。ワシらの国の主食はパンじゃろがい。主食を守るのがワシら農家の務めじゃろがい。あの堆肥があれば、もちもちの小麦ができる。聖女さまが言ってた。さあ、耕すぞ」
ばあちゃんがのっしのっしと歩いて行く。
寝たきりになる前は、緑の指を持つと尊敬を集めていたばあちゃん。ばあちゃんの言葉なら、聞かなきゃねってことで、皆が我も我もと小麦畑を耕しに行く。
色んな農村地帯で、同じようなことが起こった。
熟練の農民たちが、主食である小麦を守ろうと立ち上がった。
***
鍛冶師の朝は早い。薄暗いうちに炉に炭で火を入れる。それから火の神さまと水の神さまに祈りを捧げる。作業場をざっと点検し、道具を並べる。
「おはようございます」
大きな声ではないのに、耳にすっと入ってくる。
「カーラか。相変わらず朝が早いな」
「それは親方もでしょうが。先日お願いしていた道具、できてますか?」
「ああ、できているよ」
注文の品をカーラに渡す。技術の粋を注ぎ込んだ道具を、カーラが真剣な目で確認する。カーラの目が光る。
「さすがです、親方。伝説の魔剣鍛冶師の腕は健在ですね」
「うむ。子どもたちが使いやすいよう、できるだけ軽くした」
カーラがピッチフォークで何度もすくう動作をする。大柄なカーラが持つと、子ども用のピッチフォークはオモチャのように見える。
「これなら子どもたちも疲れにくいと思います」
「そうだな。馬糞拾いは重労働だ。せめて、道具は軽く持ち運びしやすくしてやらんと」
「ありがとうございます。子どもたちの笑顔が目に浮かびます。また何かあったらご相談させてください。こちら、代金です」
「ああ」
ずしりと重い布袋を受け取る。たくさんのピッチフォークを軽々と抱え、カーラが出て行った。
いつからか、人や魔物を屠る魔剣を作るのが億劫になった。貴族や冒険者たちから引き止められたが、あっさり引退したのだが。
「子どもたちの手が血豆だらけにならない掃除道具を作っていただけませんか」と、以前の上顧客であるカーラから頭を下げられた。よくよく話を聞いてみると、ろくな食事も与えられず、やせこけた孤児たちが、馬糞拾いの仕事をするというではないか。
「これを助けずして、何が鍛冶師だ」そう思った。久しぶりに炉に火を入れ、ピッチフォークを作ってみた。王族に献上する魔剣づくりよりも、燃えた。倉庫に眠らせていた貴重な鉱石や木材を惜しみなく使った。楽しかった。
「道具作りをやってみるか」
魔剣を作っていたときは、魔物の咆哮を浴びる悪夢を見たが、料理人から依頼された包丁はイヤな夢を見なかった。漁師の釣り針や銛もいけた。
「生き物の命を奪う道具という点では同じなのにな。不思議なもんだ」
食べるためだからだろうか。だったら、魔物も食べるのが当たり前になれば、悪夢を見ないだろうか。わからないが、今は道具作りに集中しよう。
カーラからは頻繁に注文が入る。妙なものも多い。
「ものすごく軽いバケツ? ああ、馬糞を入れるバケツか。わかった、考えてみる」
軽いバケツなあ。ピッチフォークは軽さ、丈夫さ、万が一子どもたちの手足に当たったときのことを考え、切れ味は一切ないようにした。
「ピッチフォークには巨大な島亀の甲羅を使ったんだったな」
伝説の魔物の甲羅の欠片をアダマンタイトに混ぜることで、強さと優しさを兼ね備えたピッチフォークになった。柄の部分は、子どもたちの手の平になじむように、フェニックスの巣に使われることの多いアザレアの枝を使った。
「軽くするには、空を飛ぶ魔物素材が一番だな」
さて、何を使おうか。倉庫の中を歩きながら頭を使う。
「天馬の尻尾の毛。グリフィンの牙。火竜のフン。うむ」
カーラによると、子どもたちは王宮の食堂で出されるごはんを腹いっぱい食べているらしい。いいことだ。子どもが腹を空かせているなんて、あってはならないことだ。
「そうだな。馬糞拾いだから、火竜のフン素材を使うか」
馬たちも、さぞかし光栄に思うだろうよ。
***
子どもを育てている母親にとって、街中でのゴミ処理の仕事はありがたい。
ゴミ処理は臭くて、汚くて、体中が痛くなる仕事だ。でも、そんなのは、どうってことないことだ。だって、お給金で家賃が払える。子どもに食べさせてあげられる。
母親たちは、この仕事をできた幸運を、よく語り合う。
「何がありがたいってさ、子どもを孤児院に預けられることさ」
「そうだよ。うちはさ、ばあちゃんもいないし、あたいが子どもにつきっきりでいるしかなかっただろう。でも、今は、働いてる間は孤児院で見ててもらえるからね」
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母親は流れ出る涙をエプロンでごしごし拭く。
「子ども預かってくれるだけじゃなくて、あたいたちの子どもにも読み書き計算を教えてくれるってのがたまげたね。しかも、あたいらも授業を受けてもいいって話じゃないか。あたいバカだから心配だけど、試しに授業を受けてみようかなと思ってさ。自分と子どもの名前を書けるようになったら最高だろ」
「計算ができるようになったら、肉屋でぼったくられなくなるかもしれないよね。あたしも受けてみようかな」
母親たちは、子どもたちと一緒に授業を受けるようになった。文字をひとつ覚えるたびに、新しい世界への扉が開いていくようだった。
「もしかしたら、そのうち本も読めるようになるかも」
「吟遊詩人が来るのをまたなくても、新しい物語を子どもに読んであげられるかも」
「あたいが読めるようになるのが先か、赤子が読めるようになるのが先か」
「そこは、あんたが先に読めるようになりなよ。がんばんな」
「タハハ」
母親たちは笑いあう。
仕事仲間であり、育児の相談をできる頼もしい友だちでもある。
母親たちの笑顔が日に日に増えていった。
***
ある日、また夢を見た。青い鳥がパタパタと飛んでいる。青い鳥が羽ばたくたびに、キラキラとした光の粒が落ちて行く。まぶしそうに見上げる人たち。畑を耕しているおばあちゃん、粉をこねているパン職人、ドレスに刺繍する女の子、ひと仕事が終わってピザを食べている清掃人、火花を散らしながら鉱石を叩いているおじいちゃん、孤児院の教室で文字を習っているおばさん、弾むような足取りで帰っていく財務省の役人、笑顔で人形をなでているユリアさん、絵を見てガハハと笑っているピエールさん、ネイトを撫でているジョーさん、食べ過ぎてはちきれそうなお腹をさすっている孤児院のみんな。
「みんなが幸せになれるといいな」
もちろんアタシも一緒に。
ふあーとあくびしながら伸びをして、ベッドから飛び降りる。
枕が床に落ちた。枕カバーの中に隠していた号外が床に散らばる。
「あ」
慌てて拾おうとしたら、号外が震え始める。号外がひとつ、またひとつ、青い鳥になっていく。青い鳥たちは大部屋の中をぐるりと飛んだ。金色の光がまだ寝ているみんなの上に降り注ぐ。
青い鳥たちが窓に向かっていく。アタシは大急ぎで窓を開けた。
朝日に向かって青い鳥たちが飛ぶ。これから、みんなに幸せの光を届けるんだ、きっと。
「ありがと」
青い鳥たちの羽ばたきが強くなる。アタシの声が聞こえたのかな。
今まで、アタシに未来を教えてくれてありがと。青い鳥になった号外さん。
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