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【第三章】おいしいお菓子を食べたいな
26. 明かされる真実
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見ると、壁にかかった絵が外れて、そこからジョーさんが出て来るところだった。
「ジョーさん」
「やあ、サブリナ。元気そう、では全然ないけど、やっと会えて嬉しいよ。いやー、離宮の秘密の通路を教えてもらって、あれこれ対策するのに手間取って」
ジョーさんはパタパタと服のほこりをはたいている。髪の毛についてるクモの巣を、背伸びして取ってあげる。
「ちょっと待ってて、誰にも聞かれないように細工をしないと」
ジョーさんは扉と窓に魔道具らしきものをつけた。
「パイソン公爵閣下が貸してくださった、盗聴防止魔道具だ。これで盗み聞きされる心配がないから、自由に話していいよ」
「ピエールさんは? アタシのせいでひどいことになっちゃって、どうしよう。ピエールさんは幼女趣味じゃないよ。アタシはピエールさんの愛妾じゃないよ。アタシのせいで、ゴミ処理してるみんなが辛い目にあってるって、どうしよう」
一気に話すと、ジョーさんが両手をバッとあげて、アタシの両肩にガシッと置く。
「落ち着いて」
しばらくしてから、ジョーさんは手を放し、ソファーに座る。隣の席をポンポンと叩かれたので、おとなしくそこに座った。
「そうだな、順番に話すよ。まず、ピエールさんは大丈夫だし、ゴミ処理隊も心配ない。サブリナのせいじゃない。いいかい」
「でも」
「後ろ向きになってるな。先にこれをあげよう。はい、お嬢さんたちの知恵と時間とお金がつぎこまれ、魔道具師が精魂を込めた、ものすごい毒消し魔道具アクセサリーだ。見えないところがいいから、足首に巻きなさいだって」
アタシの顔の前で、シャランと音を立ててアクセサリーが揺れる。細い銀色の鎖に、ミルフィエ、シュクレマ、パフェ、揚げパンのチャームが四つ。
「かわいい、できたんだ。すごい」
「さあ、足首につけてみて」
ジョーさんが窓の外に目を向けてくれている。靴下をずらして、足首に鎖を巻き付けた。チャームがキラキラと光って、それとともになんだか全身が温かくなる。灰色だった世界に、色が戻った。
「すごい、なんだか急に世界が明るくなった」
「それはよかった」
ジョーさんがアタシの方を向いてニッコリ笑った。久しぶりに見る笑顔。すごく安心する。
「ロザムンド様とミシェル様とクリスティーネ様は、アタシのこと怒ってない?」
「全然。むしろ、大事な時にサブリナを守れなかったことをめちゃくちゃ悔しがってる。彼女たちに届いた招待状は、開催時刻が一時間遅く書かれていたようだ。サブリナを守る人を減らしたかったんだろう」
「え、どういうこと?」
「これは仕組まれた茶番だってことだよ。サブリナとピエールさんを苦境に陥れて、サブリナを手に入れる計画だと思う」
「ウソ、え、ウソだ。え?」
言われてる意味がわからない。仕組まれた? 一体誰がそんなめんどくさいことを?
「色々調べて、実際に起こったであろうことをまとめてみた。まず、パーティーの当日に突然ディミトリ王子がサブリナを迎えに来た。寝耳に水だっただろう?」
「ビックリした。アタシもピエールさんも。だって、パーティーがあることも知らなかったし」
「その後、ドレスを買いに行った。好きな色を選ぶように言われたよね?」
「うん、どれでもいいって言われた。でも、モニカ王女のドレスと色かぶりしたらダメだから、銀色と金色とそれに近い色はやめたの」
「賢い。いい判断だ。それでだ、思い出してみて。目立つ場所に置いてあったドレスはどんなだった?」
どんなだったっけ? 目を閉じて、あの服屋のことを思い出してみる。
「真っ赤なダリアの花みたいなド派手ドレスでしょ。えーっと白うさぎみたいなフワフワドレス。あとは、濃い紫色の大人っぽいドレス。淡い黄色のレースドレス。キラキラ光る銀色のドレス。あれ?」
「わかった? 真っ赤と濃い紫以外は、選ぶのは危険なドレスばかりだ」
「ド派手と大人っぽいのはどのみち選ばないもんね。そっか、あれ罠だったんだ。こわー」
「それでもサブリナはちゃんと罠を回避した。誰も買わないような青と赤のおもしろドレスを選んだんだ。えらい」
「おもしろドレスじゃないもん。勝負ドレスだもん」
わざとふくれっ面をすると、ジョーさんがホッとしたような顔をする。アタシが元気ないから、心配してくれてたんだな。
「さらに言うとだ。他の令嬢たちには、招待状を届けた際に、白色のドレスはやめるように通達があったそうだよ」
「ひどい、ひどすぎる。アタシには何色でもいいって言ったのに」
なんて汚いことをするんだろう。信じられない。
「次にディミトリ王子とのダンスだけど。あれは全く問題ないから、気にしなくていい。見ていた令嬢たちも、経験の少ない平民少女にアレはないわーって意見が大半だった」
「ホント? アタシめっちゃディミトリ王子の足踏んだよ」
「もっと踏んでやってもいいぐらいだ。俺から言わせれば。公の場所での初めてのダンスだろ? レディーに恥をかかせるなんて、紳士のすることじゃない」
「そっかー」
それならよかった、かな?
「次がジャム揚げパンだね。ディミトリ王子がサブリナの口元に持っていた。サブリナはその手を払いのけた。それで、揚げパンがモニカ王女に飛んで行った、そういう情報が多かった」
「そうなの」
これは言い逃れができない大失敗だ。
「ガブッと食べちゃえばよかったのかな」
「いや、そんなことできる令嬢は、あの会場にはいなかったと思うよ。レディーが許されるマナーじゃない。どう考えても、あーんをしたディミトリ王子が悪い」
「そうだよね」
思わず大きな声を出してしまった。あのあーんは反則だよね。
「一番近くで見ていた給仕の目撃証言が取れた。彼が言うには、『サブリナ様の動きはとてもへなちょこで、ディミトリ王子の手をかすりもしていませんでした。ディミトリ王子がわざと揚げパンを投げたんです。あ、僕が言ったことは極秘にしてください』だってさ。ほら、サブリナはなんにも悪くない」
「やった」
両手を高々と上げる。でも、次に起こったことを思い出して、すぐしょぼんとしてしまう。
「テーブルクロスを引っ張って、ケーキやお皿が全部落ちてしまったのは、まあ、そうだな。不可抗力だ。そういうこともある。忘れな」
「忘れてもいいの? だって、パーティーをメタメタにしちゃったんだよ。王族の名誉を汚して、両国の関係に悪影響を与えたんだよ」
「仕掛けたのはディミトリ王子じゃないか。無理やり連れてこられた、社交慣れしてない少女が、事態をなんとかしようと必死でがんばった結果の不運な事故だ。我が国の王族もそう思っているよ。もう終わったことだ、忘れるんだ」
「うん」
忘れられるかな。今でも、あのときの音がふとしたときに蘇るんだけど。
「時間が経てば忘れられるよ」
アタシの心を読んだみたいに、ジョーさんが言う。そうだといいな。
「さて、今から作戦を言うよ」
「作戦?」
「おや、サブリナはやられっぱなしでいいのか? 未来を変えようとがむしゃらに動いてきたド根性はもうなくなった?」
「他国の王子にやり返してもいいの? 怒られない? 戦争になったらイヤだよ」
「売られたケンカだからね。戦争にはならないように立ち回ろう。なめられっぱなしではらわたが煮えくり返っている貴族がたくさんいるし」
パイソン公爵の顔が思い浮かんだ。あの人は、怒ったら怖そうだぞ。
「ピエールさんの無実も証明できる?」
「ああ、そうなるはずだ」
「やる。仕返しして、ざまあってする」
「それでこそサブリナだ」
ジョーさんが伸ばした手に、思いっきり手をパチンと当てる。見てろーディミトリ王子。ぎゃふんと言わせてやるんだからね。
その日の夜、久しぶりに未来の夢を見た。モニカ王女がアレックス王子と、アタシはディミトリ王子と婚約する夢だった。アタシが、みんなが、ウォルフハート王国のみんなと変えたはずの未来は、もっとひどいものになってしまっていた。
アタシへのいやがらせだろう、孤児院はモニカ王女とディミトリ王子の管轄になって、すっかり自由はなくなった。みんなの目が死んだ魚みたいになっちゃった。
ウォルフハート王国は、ロシェル王国の属国みたいな扱いになってしまった。
うなされながら目が覚めた。胸の上に、号外が載っている。
『モニカ王女とアレックス王子の婚約!』と書いてある。
「こんな未来はお断りよ」
絶対に阻止してやる。アタシは神さまからのお告げで、青い鳥が姿を変えている号外を、大切にポケットにしまった。
「ジョーさん」
「やあ、サブリナ。元気そう、では全然ないけど、やっと会えて嬉しいよ。いやー、離宮の秘密の通路を教えてもらって、あれこれ対策するのに手間取って」
ジョーさんはパタパタと服のほこりをはたいている。髪の毛についてるクモの巣を、背伸びして取ってあげる。
「ちょっと待ってて、誰にも聞かれないように細工をしないと」
ジョーさんは扉と窓に魔道具らしきものをつけた。
「パイソン公爵閣下が貸してくださった、盗聴防止魔道具だ。これで盗み聞きされる心配がないから、自由に話していいよ」
「ピエールさんは? アタシのせいでひどいことになっちゃって、どうしよう。ピエールさんは幼女趣味じゃないよ。アタシはピエールさんの愛妾じゃないよ。アタシのせいで、ゴミ処理してるみんなが辛い目にあってるって、どうしよう」
一気に話すと、ジョーさんが両手をバッとあげて、アタシの両肩にガシッと置く。
「落ち着いて」
しばらくしてから、ジョーさんは手を放し、ソファーに座る。隣の席をポンポンと叩かれたので、おとなしくそこに座った。
「そうだな、順番に話すよ。まず、ピエールさんは大丈夫だし、ゴミ処理隊も心配ない。サブリナのせいじゃない。いいかい」
「でも」
「後ろ向きになってるな。先にこれをあげよう。はい、お嬢さんたちの知恵と時間とお金がつぎこまれ、魔道具師が精魂を込めた、ものすごい毒消し魔道具アクセサリーだ。見えないところがいいから、足首に巻きなさいだって」
アタシの顔の前で、シャランと音を立ててアクセサリーが揺れる。細い銀色の鎖に、ミルフィエ、シュクレマ、パフェ、揚げパンのチャームが四つ。
「かわいい、できたんだ。すごい」
「さあ、足首につけてみて」
ジョーさんが窓の外に目を向けてくれている。靴下をずらして、足首に鎖を巻き付けた。チャームがキラキラと光って、それとともになんだか全身が温かくなる。灰色だった世界に、色が戻った。
「すごい、なんだか急に世界が明るくなった」
「それはよかった」
ジョーさんがアタシの方を向いてニッコリ笑った。久しぶりに見る笑顔。すごく安心する。
「ロザムンド様とミシェル様とクリスティーネ様は、アタシのこと怒ってない?」
「全然。むしろ、大事な時にサブリナを守れなかったことをめちゃくちゃ悔しがってる。彼女たちに届いた招待状は、開催時刻が一時間遅く書かれていたようだ。サブリナを守る人を減らしたかったんだろう」
「え、どういうこと?」
「これは仕組まれた茶番だってことだよ。サブリナとピエールさんを苦境に陥れて、サブリナを手に入れる計画だと思う」
「ウソ、え、ウソだ。え?」
言われてる意味がわからない。仕組まれた? 一体誰がそんなめんどくさいことを?
「色々調べて、実際に起こったであろうことをまとめてみた。まず、パーティーの当日に突然ディミトリ王子がサブリナを迎えに来た。寝耳に水だっただろう?」
「ビックリした。アタシもピエールさんも。だって、パーティーがあることも知らなかったし」
「その後、ドレスを買いに行った。好きな色を選ぶように言われたよね?」
「うん、どれでもいいって言われた。でも、モニカ王女のドレスと色かぶりしたらダメだから、銀色と金色とそれに近い色はやめたの」
「賢い。いい判断だ。それでだ、思い出してみて。目立つ場所に置いてあったドレスはどんなだった?」
どんなだったっけ? 目を閉じて、あの服屋のことを思い出してみる。
「真っ赤なダリアの花みたいなド派手ドレスでしょ。えーっと白うさぎみたいなフワフワドレス。あとは、濃い紫色の大人っぽいドレス。淡い黄色のレースドレス。キラキラ光る銀色のドレス。あれ?」
「わかった? 真っ赤と濃い紫以外は、選ぶのは危険なドレスばかりだ」
「ド派手と大人っぽいのはどのみち選ばないもんね。そっか、あれ罠だったんだ。こわー」
「それでもサブリナはちゃんと罠を回避した。誰も買わないような青と赤のおもしろドレスを選んだんだ。えらい」
「おもしろドレスじゃないもん。勝負ドレスだもん」
わざとふくれっ面をすると、ジョーさんがホッとしたような顔をする。アタシが元気ないから、心配してくれてたんだな。
「さらに言うとだ。他の令嬢たちには、招待状を届けた際に、白色のドレスはやめるように通達があったそうだよ」
「ひどい、ひどすぎる。アタシには何色でもいいって言ったのに」
なんて汚いことをするんだろう。信じられない。
「次にディミトリ王子とのダンスだけど。あれは全く問題ないから、気にしなくていい。見ていた令嬢たちも、経験の少ない平民少女にアレはないわーって意見が大半だった」
「ホント? アタシめっちゃディミトリ王子の足踏んだよ」
「もっと踏んでやってもいいぐらいだ。俺から言わせれば。公の場所での初めてのダンスだろ? レディーに恥をかかせるなんて、紳士のすることじゃない」
「そっかー」
それならよかった、かな?
「次がジャム揚げパンだね。ディミトリ王子がサブリナの口元に持っていた。サブリナはその手を払いのけた。それで、揚げパンがモニカ王女に飛んで行った、そういう情報が多かった」
「そうなの」
これは言い逃れができない大失敗だ。
「ガブッと食べちゃえばよかったのかな」
「いや、そんなことできる令嬢は、あの会場にはいなかったと思うよ。レディーが許されるマナーじゃない。どう考えても、あーんをしたディミトリ王子が悪い」
「そうだよね」
思わず大きな声を出してしまった。あのあーんは反則だよね。
「一番近くで見ていた給仕の目撃証言が取れた。彼が言うには、『サブリナ様の動きはとてもへなちょこで、ディミトリ王子の手をかすりもしていませんでした。ディミトリ王子がわざと揚げパンを投げたんです。あ、僕が言ったことは極秘にしてください』だってさ。ほら、サブリナはなんにも悪くない」
「やった」
両手を高々と上げる。でも、次に起こったことを思い出して、すぐしょぼんとしてしまう。
「テーブルクロスを引っ張って、ケーキやお皿が全部落ちてしまったのは、まあ、そうだな。不可抗力だ。そういうこともある。忘れな」
「忘れてもいいの? だって、パーティーをメタメタにしちゃったんだよ。王族の名誉を汚して、両国の関係に悪影響を与えたんだよ」
「仕掛けたのはディミトリ王子じゃないか。無理やり連れてこられた、社交慣れしてない少女が、事態をなんとかしようと必死でがんばった結果の不運な事故だ。我が国の王族もそう思っているよ。もう終わったことだ、忘れるんだ」
「うん」
忘れられるかな。今でも、あのときの音がふとしたときに蘇るんだけど。
「時間が経てば忘れられるよ」
アタシの心を読んだみたいに、ジョーさんが言う。そうだといいな。
「さて、今から作戦を言うよ」
「作戦?」
「おや、サブリナはやられっぱなしでいいのか? 未来を変えようとがむしゃらに動いてきたド根性はもうなくなった?」
「他国の王子にやり返してもいいの? 怒られない? 戦争になったらイヤだよ」
「売られたケンカだからね。戦争にはならないように立ち回ろう。なめられっぱなしではらわたが煮えくり返っている貴族がたくさんいるし」
パイソン公爵の顔が思い浮かんだ。あの人は、怒ったら怖そうだぞ。
「ピエールさんの無実も証明できる?」
「ああ、そうなるはずだ」
「やる。仕返しして、ざまあってする」
「それでこそサブリナだ」
ジョーさんが伸ばした手に、思いっきり手をパチンと当てる。見てろーディミトリ王子。ぎゃふんと言わせてやるんだからね。
その日の夜、久しぶりに未来の夢を見た。モニカ王女がアレックス王子と、アタシはディミトリ王子と婚約する夢だった。アタシが、みんなが、ウォルフハート王国のみんなと変えたはずの未来は、もっとひどいものになってしまっていた。
アタシへのいやがらせだろう、孤児院はモニカ王女とディミトリ王子の管轄になって、すっかり自由はなくなった。みんなの目が死んだ魚みたいになっちゃった。
ウォルフハート王国は、ロシェル王国の属国みたいな扱いになってしまった。
うなされながら目が覚めた。胸の上に、号外が載っている。
『モニカ王女とアレックス王子の婚約!』と書いてある。
「こんな未来はお断りよ」
絶対に阻止してやる。アタシは神さまからのお告げで、青い鳥が姿を変えている号外を、大切にポケットにしまった。
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