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【第三章】おいしいお菓子を食べたいな
27. 庭園パーティー
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よく晴れた青空の下、王宮の庭園でパーティーが開かれている。
アタシは新しいドレスを着ている。もちろん青と赤のドレスだ。隣のディミトリ王子は紺色の燕尾服に同じ色のシルクハット。庭園パーティーでは帽子が必要らしく、アタシもかぶっている。真っ赤な花びらを模した大きな帽子。すっごく派手だけど、斬新で目立つ帽子の方がいいらしい。
「何色のお花がよろしいですか?」
庭園に入る前に、受付の女性に声をかけられた。
「赤色でお願いします」
「失礼いたします」
ドレスの左胸あたりに赤いバラをピンでとめてくれる。ディミトリ王子は左胸のボタンホールに白いバラを挿されている。
続々と若者が庭園に入ってくる。前回のパーティーと同じく、招待客はほとんど若い人たち。
ロザムンド様たちもいるけど、声はかけない。お互い、気まずくてぎこちないフリをして、距離を取る。
「アレックス、何か飲みたいわ」
モニカ王女がアレックス王子と庭園に入って来た。モニカ王女とアレックス王子も白バラを胸につけている。人が増えるにつれて、バラの香りがフワッと漂うようになった。
「スパークリングワインとリンゴジュースを混ぜたものがあるけど、それでいい?」
「ええ、いいわ」
アレックス王子は給仕の持っているお盆からグラスをふたつとった。ひとつをモニカ王女に差し出す。
「そちらをいただくわ」
モニカ王女はアレックス王子の遠い方の手からグラスを取る。
「まさか、毒が入っているとでも?」
「さあ、どうかしら。入っていたとしても、毒消し魔道具がありますから心配は無用ですわ。でも、注意するにこしたことはないですものね」
モニカ王女は謎めいた微笑を浮かべ、コクリとひと口飲んだ。
今日のモニカ王女は薄い水色のシフォンドレス。波打っているような大きな帽子をかぶって、とてもエレガント。やっぱり生まれついての王女は、品が違う。つま先から頭のてっぺんまで、隙がない完全体。後ろの噴水から飛ぶ細かな水しぶきがきらめいて、モニカ王女の完璧な美しさを更に引き立てている。
モニカ王女はアタシのことはチラリとも見ない。平民は目に入れないことにしてるんだろう。
「サブリナも何か飲む?」
「あ、はい。アタシは普通のリンゴジュースでお願いします」
まだ十歳ぐらいだから、お酒は飲めない。十五歳のディミトリ王子はスパークリングワインのリンゴジュース割りを飲んでる。
「デザートも食べる?」
「いえ、またパーティーを台無しにしちゃったらダメなので、何も食べません。あーんてされても食べません」
そこはきっぱりと言っておく。あんな屈辱はもうたくさん。
「それは残念だね。では、せめて一緒に踊っていただけますか?」
「足を踏んでもよろしければ」
「どうぞどうぞ」
言ったな。みんな、聞いたよね。よーし、気にせず踏みまくってやるんだから。
軽快なワルツの音楽が始まった。モニカ王女とアレックス王子は優雅に、アタシとディミトリ王子は元気いっぱいに踊り始める。
不思議なことに、踏んでやるってやる気に満ち溢れていると、踏めないものだ。ズンッ、ダンッと力強く、なんのためらいもなく草を踏みつける。危ういところでディミトリ王子の革靴が逃げる。ちぇっ、惜しい。あれ、いや、違う違う。踏まない方がいいんだって。でも、やられたあれやこれやを思い出すと、力いっぱい足を踏み込む。あ、また逃げられた。
「かわいらしいわ」
「元気な子犬がはしゃぎまわっているみたいですわね」
アタシのダンスは、今回は好評みたい。周りの令嬢たちが明らかにおもしろがっているのがわかる。前回は余裕しゃくしゃくだったディミトリ王子はほんのり頬が上気して、息も上がっている。音楽が終わっちゃう。悔しい。最後に、えいっ。ぐにゅっ。
「やった」
「おい」
「あ」
しまった、思いっきり踏めて喜んじゃった。
「あわわ、ごめんなさい」
「君ねえ」
呆れ顔のディミトリ王子の後ろに、氷のように冷たい表情のモニカ王女が見える。平民が調子に乗ってるのが気にくわないんだろう。
「踊ったらお腹が減ったな。僕のパティシエが作ったマカロンがあるじゃないか」
給仕の持っているお盆から、クリームをクッキーで挟んだようなお菓子をつまみ上げるディミトリ王子。優雅にひと口食べてから、アタシの口元に近づける。え、食べかけを? さっき断ったばっかりなのに?
「またですか?」
「つれないなあ。おっと」
またしても、ディミトリ王子の手からマカロンが飛ぶ。させるか。アタシも咄嗟に飛んだ。
カモのように、ガチョウのように、青い鳥のように、羽ばたく。マカロンとモニカ王女の間へ。
べチャッとアタシの胸にマカロンが当たる。
「やった」
と思ったら、バッチャーンと水の中に落ちてしまった。噴水があったの、忘れてたー。
「ガブッ、ゲホゲホッ」
必死で立ち上がる。濡れた毛が顔にベッタリ張り付いて何も見えない。髪をかきあげ、何度も瞬きを繰り返す。
「こ、この、無礼者っ」
誰かが怒ってる。声の方を見ると、モニカ王女だ。なんてこと、モニカ王女もずぶ濡れだ。アタシが跳ね返した水がかかっちゃったんだ。
「平民の、孤児の、馬糞拾い風情が、よくも」
「ごごごご、ごめんなさい」
「お前、お前のせいで、ロシェル王国から若いパティシエがいなくなっていく。恩知らずなあやつらは、ウォルフハート王国なら自分の名前で店が出せるなどど騙されて」
「あ、あの、実際に自分の名前でカフェが出せてますが」
「お黙り。我が国のパティシエのケーキで儲けるなど、許せない。ロシェル王国の名前を使っているのだから、使用料を払うのが当然」
「え、そうなんですか?」
ビックリしていたら、ロザムンド様がアタシとモニカ様の間に入ってきっぱり言う。
「失礼ですが、我が国にも、ロシェル王国にも、そのような法律はございません」
「それに、調べたところ、ロシェル王国ではウォルフハート王国産のものを、ロシェル王国産として売っていらっしゃいますね。それは産地偽装ではございませんでしょうか」
ミシェル様がロザムンド様の隣に立った。
「ケーキの恨みでサブリナさんに嫌がらせをされているのですか?」
ミシェル様の隣に来たクリスティーネ様が震えながらモニカ王女に疑問をぶつける。
「馬糞拾いの分際で、聖女などと持ち上げられているおバカさんがいると聞いて、見に来たのよ。平民がチヤホヤされるのが許せないわ。アレックスもファビウスもディミトリまでも、すっかり馬糞娘に夢中になっているじゃないの」
アレックス王子とファビウス王子が手を伸ばして、アタシを噴水から救出してくれた。
「だから、アッフェン男爵が幼女趣味などと、ウソの情報を新聞社に流したのですか?」
アレックス王子が問うと、モニカ王女はあっさり頷く。
「そうよ。わたくし、人のいやがることをするの、得意なのよね。だいたいね、お前のせいでわたくしたちの計画が無茶苦茶よ」
「モニカ、まずいよ」
ディミトリ王子がモニカの腕を引っ張る。
「うるさいわ、ディミトリ。あなたが馬糞娘を手なずけないから悪いのよ。相変わらず無能なんだから」
「モニカ、水で化粧が落ちてる」
「え?」
「年がバレるよ」
「なんですって」
給仕に変装していたジョーさんが、大きな鏡をモニカ王女の前に立てた。鏡に映し出されたシワやシミを見て、モニカ王女は叫んだ。それは、雄鶏の雄たけびよりも騒がしかった。
アタシは新しいドレスを着ている。もちろん青と赤のドレスだ。隣のディミトリ王子は紺色の燕尾服に同じ色のシルクハット。庭園パーティーでは帽子が必要らしく、アタシもかぶっている。真っ赤な花びらを模した大きな帽子。すっごく派手だけど、斬新で目立つ帽子の方がいいらしい。
「何色のお花がよろしいですか?」
庭園に入る前に、受付の女性に声をかけられた。
「赤色でお願いします」
「失礼いたします」
ドレスの左胸あたりに赤いバラをピンでとめてくれる。ディミトリ王子は左胸のボタンホールに白いバラを挿されている。
続々と若者が庭園に入ってくる。前回のパーティーと同じく、招待客はほとんど若い人たち。
ロザムンド様たちもいるけど、声はかけない。お互い、気まずくてぎこちないフリをして、距離を取る。
「アレックス、何か飲みたいわ」
モニカ王女がアレックス王子と庭園に入って来た。モニカ王女とアレックス王子も白バラを胸につけている。人が増えるにつれて、バラの香りがフワッと漂うようになった。
「スパークリングワインとリンゴジュースを混ぜたものがあるけど、それでいい?」
「ええ、いいわ」
アレックス王子は給仕の持っているお盆からグラスをふたつとった。ひとつをモニカ王女に差し出す。
「そちらをいただくわ」
モニカ王女はアレックス王子の遠い方の手からグラスを取る。
「まさか、毒が入っているとでも?」
「さあ、どうかしら。入っていたとしても、毒消し魔道具がありますから心配は無用ですわ。でも、注意するにこしたことはないですものね」
モニカ王女は謎めいた微笑を浮かべ、コクリとひと口飲んだ。
今日のモニカ王女は薄い水色のシフォンドレス。波打っているような大きな帽子をかぶって、とてもエレガント。やっぱり生まれついての王女は、品が違う。つま先から頭のてっぺんまで、隙がない完全体。後ろの噴水から飛ぶ細かな水しぶきがきらめいて、モニカ王女の完璧な美しさを更に引き立てている。
モニカ王女はアタシのことはチラリとも見ない。平民は目に入れないことにしてるんだろう。
「サブリナも何か飲む?」
「あ、はい。アタシは普通のリンゴジュースでお願いします」
まだ十歳ぐらいだから、お酒は飲めない。十五歳のディミトリ王子はスパークリングワインのリンゴジュース割りを飲んでる。
「デザートも食べる?」
「いえ、またパーティーを台無しにしちゃったらダメなので、何も食べません。あーんてされても食べません」
そこはきっぱりと言っておく。あんな屈辱はもうたくさん。
「それは残念だね。では、せめて一緒に踊っていただけますか?」
「足を踏んでもよろしければ」
「どうぞどうぞ」
言ったな。みんな、聞いたよね。よーし、気にせず踏みまくってやるんだから。
軽快なワルツの音楽が始まった。モニカ王女とアレックス王子は優雅に、アタシとディミトリ王子は元気いっぱいに踊り始める。
不思議なことに、踏んでやるってやる気に満ち溢れていると、踏めないものだ。ズンッ、ダンッと力強く、なんのためらいもなく草を踏みつける。危ういところでディミトリ王子の革靴が逃げる。ちぇっ、惜しい。あれ、いや、違う違う。踏まない方がいいんだって。でも、やられたあれやこれやを思い出すと、力いっぱい足を踏み込む。あ、また逃げられた。
「かわいらしいわ」
「元気な子犬がはしゃぎまわっているみたいですわね」
アタシのダンスは、今回は好評みたい。周りの令嬢たちが明らかにおもしろがっているのがわかる。前回は余裕しゃくしゃくだったディミトリ王子はほんのり頬が上気して、息も上がっている。音楽が終わっちゃう。悔しい。最後に、えいっ。ぐにゅっ。
「やった」
「おい」
「あ」
しまった、思いっきり踏めて喜んじゃった。
「あわわ、ごめんなさい」
「君ねえ」
呆れ顔のディミトリ王子の後ろに、氷のように冷たい表情のモニカ王女が見える。平民が調子に乗ってるのが気にくわないんだろう。
「踊ったらお腹が減ったな。僕のパティシエが作ったマカロンがあるじゃないか」
給仕の持っているお盆から、クリームをクッキーで挟んだようなお菓子をつまみ上げるディミトリ王子。優雅にひと口食べてから、アタシの口元に近づける。え、食べかけを? さっき断ったばっかりなのに?
「またですか?」
「つれないなあ。おっと」
またしても、ディミトリ王子の手からマカロンが飛ぶ。させるか。アタシも咄嗟に飛んだ。
カモのように、ガチョウのように、青い鳥のように、羽ばたく。マカロンとモニカ王女の間へ。
べチャッとアタシの胸にマカロンが当たる。
「やった」
と思ったら、バッチャーンと水の中に落ちてしまった。噴水があったの、忘れてたー。
「ガブッ、ゲホゲホッ」
必死で立ち上がる。濡れた毛が顔にベッタリ張り付いて何も見えない。髪をかきあげ、何度も瞬きを繰り返す。
「こ、この、無礼者っ」
誰かが怒ってる。声の方を見ると、モニカ王女だ。なんてこと、モニカ王女もずぶ濡れだ。アタシが跳ね返した水がかかっちゃったんだ。
「平民の、孤児の、馬糞拾い風情が、よくも」
「ごごごご、ごめんなさい」
「お前、お前のせいで、ロシェル王国から若いパティシエがいなくなっていく。恩知らずなあやつらは、ウォルフハート王国なら自分の名前で店が出せるなどど騙されて」
「あ、あの、実際に自分の名前でカフェが出せてますが」
「お黙り。我が国のパティシエのケーキで儲けるなど、許せない。ロシェル王国の名前を使っているのだから、使用料を払うのが当然」
「え、そうなんですか?」
ビックリしていたら、ロザムンド様がアタシとモニカ様の間に入ってきっぱり言う。
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「モニカ、まずいよ」
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「うるさいわ、ディミトリ。あなたが馬糞娘を手なずけないから悪いのよ。相変わらず無能なんだから」
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「え?」
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