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122 シスコン発生中 ②
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てんやわんやで皆が奔走していた最中、慌てたように走ってきたのは門番の息子。
彼ら一家はメントライン家の門のそばに立つ家に住んでいて、彼によれば、門前に何やら人が大勢が集まってきたという。グステルたちはいったい何事かと困惑しつつ、様子を見に駆けつけたのだが……。
そこに集まっていた面々を見て、あら⁉︎ と、まず叫んだのは母だった。
『あら⁉︎ ウェバー? ウェバーじゃない! メイヤーも!』
グステルの母はすぐに門を開けるように言って、驚きに満ちた顔で彼らのもとへ駆け寄っていった。
夫人がまず手を取った中年女性を見て、グステルはうわっと思った。
感激したように母の手を握り、再会を喜んでいる彼女は、なんとグステルの乳母なのである。
彼女の知る姿からは少し歳をとっているが、その顔は覚えていた。
グステルは彼女を見て一瞬身構える。
いや、嫌いなのではない。乳母には、当時、ものすごく迷惑をかけたゆえに、申し訳なさが先に立ったのだ。
なにせグステルは、彼女に世話をしてもらっていた当時から、すでに中身が大人。
いうことは聞かないわ、生意気なことをいうわ、勝手にちょろちょろ出歩くわ……終いには家出と、乳母にとってはかなり扱いづらい困った子供だったに違いない。
なんか合わせる顔がない……という感じなのであった。
ともあれ、そう、門前に集まっていたのは、皆、昔公爵邸にいた勤め人たちだった。
彼らはもうずっと前に、不当にアルマンたちに公爵邸から追い出されていたが、国内に散り散りになっていた彼らを、ヘルムートが人を使って調査し呼び戻してくれていたのだ。
彼が集まった人々に旅費まで与えたと聞いてグステルは深く感動し、公爵邸は懐かしい再会に大いに沸いた。
中には、アルマンに追い出された元執事らの姿もあって、これは本当にありがたかった。
もとより彼らは、公爵に忠実で、真っ当だという理由でアルマンに疎まれた人ばかりだ。働き者の彼らのおかげで、グステルたちの負担はぐっと楽になり、公爵邸内の状況もずっとよくなった。
グステルは父の看病をする時間も取れるようになったし、あの母子──アルマンの情人と子供を見舞う時間も取ることができた。
その母子のことは、ロイヒリンが商店会づてに調べてくれて、彼はその保護にも手を貸してくれている。
正直なところ、母は、昔父の愛人の世話をしていたロイヒリンにはいい顔をしなかったが……。今回彼が大いに娘を助けてくれたということもあって、母も昔のことは水に流すことにしてくれたらしい。
ロイヒリンは、今後公爵邸と長く商売を続けていくことになるだろう。
さて、そのようなわけで非常に忙しく過ごしているグステルだが、嬉しいこともあった。
弱々しく伏せっていた父が、ほんのわずかずつだが、救出されてから数日で徐々に回復を見せていた。
どうやら公の不調は、長年薬で朦朧とさせられていたことに起因するらしい。
筋力は衰え、痩せほそり、それが内臓や精神にまで影響を及ぼしていたとのことだが、しかし救出され、適切な医療と看病を受けはじめると、父は少しずつ顔色がよくなっていった。
アルマンたちも、公爵が死んでしまっては困るということだったのだろう。最低限、命をつなぐ医療だけは施されていたようで、これにはグステルも母も大いにほっとした。
医者の話では、数年がかりにはなるが、訓練すれば寝台から起き上がれるようにもなるだろうとのことである。
と、父のことを考えていたグステルに、ヴィムが大丈夫ですか? と、顔を覗いてくる。
「え?」
「あれからステラさん、あんまり眠っておられないでしょう? 昼間はこうして調査調査ですし、夜は閣下の看病もされてますし……」
心配そうな青年に、グステルは笑って首を振る。
「ぜーんぜん平気です。看病は乳母と交代ですし、母もたまにきてくれますしね」
ヴィムの心配も理解しているが、グステルは本当に大丈夫なつもりだった。
なにせ彼女はさっさとことを落ち着かせて、ヘルムートのもとへ行きたい。たくさん伝えたい感謝もある。その想いのもとに働いているせいか、自分でも不思議なくらい疲れを感じなかった。
おまけに忙殺されると余計なことも考えずにすみ、想い焦がれて胸が潰れそう……といった感情も薄らいだ。
──が、それはグステル側からのみの視点。
彼女を客観的に見ているヴィムからすると、目は充血して爛々としているし、クマはできてるし、顔色は悪いしでちっとも、ぜんぜん、平気そうには見えなかった。
けれどもそれを言ってもグステルは、「大丈夫大丈夫」「動いてるほうが楽なんです、あはは」と、どこかネジが飛んだようなハイテンションな調子で返してくる。
ヴィムは、なんだかとても胃が痛かった。
そんなわけで青年は、今日こそは説得しようという鬼気迫る顔で頬を膨らませ、グステルを睨む。
「僕……知ってるんですよステラさん……あなた公爵夫人に、自分はちゃんと昼間寝てるって嘘をついておられるでしょう!」
じとっと責めるような目で見つめられて、グステルは、えっと……と、空に目を泳がせる。
子供に叱られるとバツが悪い……という顔をしていた。
「だって……そうでもいわないと、母が寝てくれませんし……夜間も父を看ていないと心配ですし……今はできるだけ家族がそばにいて安心させたほうが病状にもいいかと思いますし……」
すよすよと視線をさまよわせながら理由を並べるグステルに、ヴィムは可愛い顔で凄みながら、ダメ押した。
「ステラさん……お兄様にいいつけますよ……?」
とたん、グステルがうっと怯む。
「や、やめてくださいよヴィムさん、あの人今ものすごく面倒臭いんですよ⁉︎」
ヴィムに懇願しながら。グステルは、なぜなのだろうか……と、大きなめまいを感じた。
なぜなのか、昔あれだけ疎遠であった兄が──物語上でも、むしろラーラのほうに惚れて最後には悪役令嬢たる自分を切り捨てるような程度の関わりだったはずの兄が。
現在、非常にグステルにウザ絡みしてくる。
「ぁあああ……」
ここ最近の実兄フリードの体育会系でガサツなスキンシップの数々を思い出して、グステルが頭を抱える。
『おい、ステラ、これを食え』(※干し肉)
『ステラ、貴様、妹のくせになぜ俺と手を繋がない……?』(※領都のどこかで仲良さげな兄妹を見てきた)
『ん? そうか、わかった。さては──おんぶだな?』(※領都のどこかで仲良さげな兄妹を…………)
「っああああ! 違ぁああうっ!」
なんでそうなるのよ⁉︎ と、グステルは、数刻前の兄に力一杯突っ込んだ。
本当に……兄の奇行はわけがわからない。
どうしてこうなったとグステルはかなり困惑気味。が……。
しかし母はいう。
今ではもう娘が家から消えたのは誘拐などではなく、単なる家出だったと知った彼女は、しらっとした顔。
『何言ってるのグステル、あれはあなたのせいよ』
『え……』
どういう意味だと戸惑う彼女に、母は(馬鹿ねぇ)といいたげな呆れ顔で教えてくれる。
『あの子、あなたが行方不明になって、相当心を痛めたのよ? 自分が冷たくしたせいじゃないかって』
『へ……? だ、だって誘拐だと思っておられたのでは……』
『さぁねぇ……あの子も子供心に、母親が自分にかかりきりで。見ている者がいないところであなたが連れ去られたとショックだったんじゃないかしら……。おまけにね、偽者が出て来ても、グリゼルダが絶対に会わせなかったの。あの子もお勤めのある身だし、王都にはそう長く逗留できないしね』
聞けば、他領の軍部に関わっている兄は、そう簡単には領地間を動けもしないらしい。
今回は実家の問題ゆえに『父の不調』と届け出て許可が降りたが、その時は場所が王都だった。
兄は妹に会いたいがためにかなりごねたらしいが、あまり無理をいって王都にとどまろうとすれば、何かの謀でも企てているのかと疑われかねないとのこと。
なるほどとグステルが思っていると、母がふっと意味ありげに笑う。
『あの子もなかなかあなたと再会叶わずずっと我慢してたのねぇ……飢えていたのよ、妹に』
『⁉︎』
『ほほほ、諦めて少しは構っておあげなさい』
笑う母の言葉に、グステルは、そんな迷惑な……と、目をむく。
兄はグステルと違ってものすごくガタイがいい。
上背も高いし、筋肉もある。体力は見るからに猛獣並み。あんなのに向かってこられるグステルは今でも大変なのに……と、思ったが……。
だが、兄がまとわりついてくる理由が自分の家出にあると指摘され、幼い兄の心を傷つけたと知って。
グステルも、以来どうにも兄を無下にできなくなった。
何かにつけてベタベタしてくる兄に、今にも唸り声を上げそうな顔をしつつも、ある程度までのスキンシップは許容するようになった。
それを毎度間近で見ているヴィムは、なんともいえない気持ち。
(……ここにも……シスコンが……)
微妙な顔をしている青年に、と、とにかく、とグステルはひきつった顔でいう。
「こちらはもう少しでなんとか方がつきそうですし……お、お願いですから、もう少しだけ頑張らせてください!」
万事うまく片付けば、彼女はそこでやっとヘルムートのところへ向かえるのだ。(そして兄とも離れられる)
つい取り乱してしまったグステルは、身を正し、心配いらないことを証明しようと気合を入れ直してヴィムの視線を受け止めた。
「そして二人で、ヘルムート様とラーラ嬢のおそばに向かいましょう!」
ね? と、いい笑顔で微笑むグステル──に。しかしヴィムは思った。
(……、……、……誤魔化してる……)
グステルの徹夜は、もれなくフリードに通報された……。
彼ら一家はメントライン家の門のそばに立つ家に住んでいて、彼によれば、門前に何やら人が大勢が集まってきたという。グステルたちはいったい何事かと困惑しつつ、様子を見に駆けつけたのだが……。
そこに集まっていた面々を見て、あら⁉︎ と、まず叫んだのは母だった。
『あら⁉︎ ウェバー? ウェバーじゃない! メイヤーも!』
グステルの母はすぐに門を開けるように言って、驚きに満ちた顔で彼らのもとへ駆け寄っていった。
夫人がまず手を取った中年女性を見て、グステルはうわっと思った。
感激したように母の手を握り、再会を喜んでいる彼女は、なんとグステルの乳母なのである。
彼女の知る姿からは少し歳をとっているが、その顔は覚えていた。
グステルは彼女を見て一瞬身構える。
いや、嫌いなのではない。乳母には、当時、ものすごく迷惑をかけたゆえに、申し訳なさが先に立ったのだ。
なにせグステルは、彼女に世話をしてもらっていた当時から、すでに中身が大人。
いうことは聞かないわ、生意気なことをいうわ、勝手にちょろちょろ出歩くわ……終いには家出と、乳母にとってはかなり扱いづらい困った子供だったに違いない。
なんか合わせる顔がない……という感じなのであった。
ともあれ、そう、門前に集まっていたのは、皆、昔公爵邸にいた勤め人たちだった。
彼らはもうずっと前に、不当にアルマンたちに公爵邸から追い出されていたが、国内に散り散りになっていた彼らを、ヘルムートが人を使って調査し呼び戻してくれていたのだ。
彼が集まった人々に旅費まで与えたと聞いてグステルは深く感動し、公爵邸は懐かしい再会に大いに沸いた。
中には、アルマンに追い出された元執事らの姿もあって、これは本当にありがたかった。
もとより彼らは、公爵に忠実で、真っ当だという理由でアルマンに疎まれた人ばかりだ。働き者の彼らのおかげで、グステルたちの負担はぐっと楽になり、公爵邸内の状況もずっとよくなった。
グステルは父の看病をする時間も取れるようになったし、あの母子──アルマンの情人と子供を見舞う時間も取ることができた。
その母子のことは、ロイヒリンが商店会づてに調べてくれて、彼はその保護にも手を貸してくれている。
正直なところ、母は、昔父の愛人の世話をしていたロイヒリンにはいい顔をしなかったが……。今回彼が大いに娘を助けてくれたということもあって、母も昔のことは水に流すことにしてくれたらしい。
ロイヒリンは、今後公爵邸と長く商売を続けていくことになるだろう。
さて、そのようなわけで非常に忙しく過ごしているグステルだが、嬉しいこともあった。
弱々しく伏せっていた父が、ほんのわずかずつだが、救出されてから数日で徐々に回復を見せていた。
どうやら公の不調は、長年薬で朦朧とさせられていたことに起因するらしい。
筋力は衰え、痩せほそり、それが内臓や精神にまで影響を及ぼしていたとのことだが、しかし救出され、適切な医療と看病を受けはじめると、父は少しずつ顔色がよくなっていった。
アルマンたちも、公爵が死んでしまっては困るということだったのだろう。最低限、命をつなぐ医療だけは施されていたようで、これにはグステルも母も大いにほっとした。
医者の話では、数年がかりにはなるが、訓練すれば寝台から起き上がれるようにもなるだろうとのことである。
と、父のことを考えていたグステルに、ヴィムが大丈夫ですか? と、顔を覗いてくる。
「え?」
「あれからステラさん、あんまり眠っておられないでしょう? 昼間はこうして調査調査ですし、夜は閣下の看病もされてますし……」
心配そうな青年に、グステルは笑って首を振る。
「ぜーんぜん平気です。看病は乳母と交代ですし、母もたまにきてくれますしね」
ヴィムの心配も理解しているが、グステルは本当に大丈夫なつもりだった。
なにせ彼女はさっさとことを落ち着かせて、ヘルムートのもとへ行きたい。たくさん伝えたい感謝もある。その想いのもとに働いているせいか、自分でも不思議なくらい疲れを感じなかった。
おまけに忙殺されると余計なことも考えずにすみ、想い焦がれて胸が潰れそう……といった感情も薄らいだ。
──が、それはグステル側からのみの視点。
彼女を客観的に見ているヴィムからすると、目は充血して爛々としているし、クマはできてるし、顔色は悪いしでちっとも、ぜんぜん、平気そうには見えなかった。
けれどもそれを言ってもグステルは、「大丈夫大丈夫」「動いてるほうが楽なんです、あはは」と、どこかネジが飛んだようなハイテンションな調子で返してくる。
ヴィムは、なんだかとても胃が痛かった。
そんなわけで青年は、今日こそは説得しようという鬼気迫る顔で頬を膨らませ、グステルを睨む。
「僕……知ってるんですよステラさん……あなた公爵夫人に、自分はちゃんと昼間寝てるって嘘をついておられるでしょう!」
じとっと責めるような目で見つめられて、グステルは、えっと……と、空に目を泳がせる。
子供に叱られるとバツが悪い……という顔をしていた。
「だって……そうでもいわないと、母が寝てくれませんし……夜間も父を看ていないと心配ですし……今はできるだけ家族がそばにいて安心させたほうが病状にもいいかと思いますし……」
すよすよと視線をさまよわせながら理由を並べるグステルに、ヴィムは可愛い顔で凄みながら、ダメ押した。
「ステラさん……お兄様にいいつけますよ……?」
とたん、グステルがうっと怯む。
「や、やめてくださいよヴィムさん、あの人今ものすごく面倒臭いんですよ⁉︎」
ヴィムに懇願しながら。グステルは、なぜなのだろうか……と、大きなめまいを感じた。
なぜなのか、昔あれだけ疎遠であった兄が──物語上でも、むしろラーラのほうに惚れて最後には悪役令嬢たる自分を切り捨てるような程度の関わりだったはずの兄が。
現在、非常にグステルにウザ絡みしてくる。
「ぁあああ……」
ここ最近の実兄フリードの体育会系でガサツなスキンシップの数々を思い出して、グステルが頭を抱える。
『おい、ステラ、これを食え』(※干し肉)
『ステラ、貴様、妹のくせになぜ俺と手を繋がない……?』(※領都のどこかで仲良さげな兄妹を見てきた)
『ん? そうか、わかった。さては──おんぶだな?』(※領都のどこかで仲良さげな兄妹を…………)
「っああああ! 違ぁああうっ!」
なんでそうなるのよ⁉︎ と、グステルは、数刻前の兄に力一杯突っ込んだ。
本当に……兄の奇行はわけがわからない。
どうしてこうなったとグステルはかなり困惑気味。が……。
しかし母はいう。
今ではもう娘が家から消えたのは誘拐などではなく、単なる家出だったと知った彼女は、しらっとした顔。
『何言ってるのグステル、あれはあなたのせいよ』
『え……』
どういう意味だと戸惑う彼女に、母は(馬鹿ねぇ)といいたげな呆れ顔で教えてくれる。
『あの子、あなたが行方不明になって、相当心を痛めたのよ? 自分が冷たくしたせいじゃないかって』
『へ……? だ、だって誘拐だと思っておられたのでは……』
『さぁねぇ……あの子も子供心に、母親が自分にかかりきりで。見ている者がいないところであなたが連れ去られたとショックだったんじゃないかしら……。おまけにね、偽者が出て来ても、グリゼルダが絶対に会わせなかったの。あの子もお勤めのある身だし、王都にはそう長く逗留できないしね』
聞けば、他領の軍部に関わっている兄は、そう簡単には領地間を動けもしないらしい。
今回は実家の問題ゆえに『父の不調』と届け出て許可が降りたが、その時は場所が王都だった。
兄は妹に会いたいがためにかなりごねたらしいが、あまり無理をいって王都にとどまろうとすれば、何かの謀でも企てているのかと疑われかねないとのこと。
なるほどとグステルが思っていると、母がふっと意味ありげに笑う。
『あの子もなかなかあなたと再会叶わずずっと我慢してたのねぇ……飢えていたのよ、妹に』
『⁉︎』
『ほほほ、諦めて少しは構っておあげなさい』
笑う母の言葉に、グステルは、そんな迷惑な……と、目をむく。
兄はグステルと違ってものすごくガタイがいい。
上背も高いし、筋肉もある。体力は見るからに猛獣並み。あんなのに向かってこられるグステルは今でも大変なのに……と、思ったが……。
だが、兄がまとわりついてくる理由が自分の家出にあると指摘され、幼い兄の心を傷つけたと知って。
グステルも、以来どうにも兄を無下にできなくなった。
何かにつけてベタベタしてくる兄に、今にも唸り声を上げそうな顔をしつつも、ある程度までのスキンシップは許容するようになった。
それを毎度間近で見ているヴィムは、なんともいえない気持ち。
(……ここにも……シスコンが……)
微妙な顔をしている青年に、と、とにかく、とグステルはひきつった顔でいう。
「こちらはもう少しでなんとか方がつきそうですし……お、お願いですから、もう少しだけ頑張らせてください!」
万事うまく片付けば、彼女はそこでやっとヘルムートのところへ向かえるのだ。(そして兄とも離れられる)
つい取り乱してしまったグステルは、身を正し、心配いらないことを証明しようと気合を入れ直してヴィムの視線を受け止めた。
「そして二人で、ヘルムート様とラーラ嬢のおそばに向かいましょう!」
ね? と、いい笑顔で微笑むグステル──に。しかしヴィムは思った。
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