168 / 216
第10章 舞踏会の長い夜
(5)
しおりを挟む
人々の混乱を断ち切るように、ワルツの音楽が奏でられる。
最初のダンスは、予想外にこの夜の主役となった二人のものだ。
ヴィルジールは幼い姫の前に跪くと、目の前に差し出された小さな手を取り唇を寄せた。
そして、二人で周囲に丁寧に頭を下げると、ゆっくりと踊り始めた。
年齢差は十五歳ほど。
姫の身長は王子の腰のあたりまでしかない。
そんな小さな子どもに合わせて、この国の王子が、腰をかがめダンスの相手になっている。
まるで子ども相手のお遊戯だった。
それでも、ヴィルジールが浮かべている高貴な微笑みは完璧だ。
身長差がありすぎるせいで踊りづらそうだが、幼い婚約者を丁寧にリードしている。
ルフィナ皇女は顔をベールで覆っているため表情はほとんど見えないが、ひらりとめくれあがったベールからは、嬉しくて仕方がないという口元が見えた。
小さな足は、ぴょんぴょん飛び跳ね、はしゃいだステップを踏んでいた。
屈辱的だと思いながら見守っている者も多いはずだが、「微笑ましいですな」とか「この国も安泰だ」などと、本心を押し隠して囁き合う。
内心ほくそ笑んでいる王太子派の貴族たちも、すました笑みを浮かべて二人のダンスを見守っていた。
王太子はさすがの鉄壁の微笑。
ザウレン皇国皇子は、自分の娘の晴れ舞台を見守るように目尻を下げていた。
「や……だ」
ヴィルジールが別の女性の手を取り、ダンスを踊る場面など見たくなかった。
あの手はわたしの……。
そう思いかけてはっとなる。
彼は多くの女性と浮名を流す、遊び人として知られる不良王子だった。
これまで公の場に出たことがなかったから、彼の社交界での振る舞いを知らなかっただけで、女性の手を取りダンスを踊り……きっとそれ以上のことも、普通にしてきたはずの男だ。
だからそもそも、あの手はこれまで誰のものでもなかった。
自分だけに向けられていると思ったのは、ただの錯覚。
傲慢な思い違い。
あの手は今後、あの小さな姫のものになる——。
いや。
でも、そんなのわたしに全然関係ないじゃない。
彼は大っ嫌いな王族なんだから、誰と婚約しようとどうでもいい。
……はず、なのに。
「マルティーヌ嬢……?」
顔を覗き込んできたアロイスが、指先で頬に触れてきた。
彼の白い手袋にじわりと水が沁みていく。
はっとなったマルティーヌは、慌てて顔を背けた。
自分でも訳が分からない涙なんて、誰にも見られたくなかった。
「大丈夫かい?」
「え? ……う、うん。なんでもない。ちょっとびっくりしただけだから。ヴィルジール殿下もこんな話があったのなら、言ってくれてもよかったのにね。あ、そか、正式に公表する……まで、言えなかったのか。王族だもん、ね」
ショックを受けていることを誤魔化そうとして言葉数が増え、早口になる。
「あの皇女さま、かわいいよね。きっと殿下のことが、大す……きなんだね。すごく、嬉しそ……う……」
苦し紛れに言った言葉が自分の胸をえぐる。
だんだん自分が惨めになってきて、唇を噛む。
けれど、なぜ惨めに思うのか分からない。
「マティ。ここを少し離れようか」
見かねたオリヴィエに促され、四人は人気のない窓際まで移動した。
ヴィルジールと婚約者の姫は、人の壁の向こう側となり姿が見えなくなった。
演奏はまだ終わらない。
二人は衆目の中、ダンスを続けている。
「マティはアロイスに寄りかかって、人に酔ったようなふりをしていてくれ」
「う……うん」
マルティーヌはアロイスの腕を抱え込むようにしてもたれかかると俯いた。
たとえ兄でも顔を見られたくなかったから、病弱なふりは都合がいい。
ゆっくりと息を吐いて気持ちを落ち着かせる。
妹の姿を隠すように、二人の兄が前に立った。
これで、身内の男三人が病弱令嬢を気遣っているように見えるだろう。
オリヴィエは周囲を見回して、近くに誰もいないことを確認すると話し始めた。
「実は、ヴィルジール殿下がザウレンに留学することと、第三皇女殿下と婚約することは以前から決まっていたんだ。彼が国境で巨躯魔狼に襲われたのは、その顔合わせに行った帰りのことだ」
「は? どうしてリーヴィがそんなことを知ってんだよ」
セレスタンが訝しげに言う。
あの事件が、ヴィルジールが隣国を訪問した帰りに起きたことは明らかだったが、彼は訪問の理由を話さなかった。
『死の森』で王太子が魔王ではないかと初めて疑った時ですら、「極秘訪問」としか言わなかった。
王族が極秘というからにはそれ以上の追求はできず、誰も触れなかったのだが。
「『死の森』への大遠征の前に、本人から直接聞いたんだよ。だが、正式な婚約は皇女殿下が成人してからのはずだったんだ。二十三歳と八歳じゃ、さすがに体面が悪いからな。だから、どうして急に発表したのか分からない」
ヴィルジールは三日前にもラヴェラルタ家を訪れたが、婚約発表のことは何も話していなかった。
そんなそぶりもなかった。
現在の彼とラヴェラルタ家の関係を考えれば、これほど重要な内容を隠しておくとは思えない。
本当に直前に決まったのだろう。
「殿下がマルティーヌ嬢と噂になったせいじゃないか? ラヴェラルタ家が彼の後ろ盾になるという期待を持った貴族も多かったから、彼らを抑えるにはこの婚約発表は効果的だろう」
アロイスが冷静に分析するとセレスタンは首をひねる。
「だけど、婚約は国の問題でもあるのに、突然発表できるものかなぁ? 本国の皇帝陛下の了承を得る時間はなかったはずだし、今この国に来ているサーヴァ殿下には、そこまでの権限はないだろうし」
「いや、サーヴァ殿下ならやる」
オリヴィエが断言する。
「第三皇子なのに?」
「皇帝陛下は第三皇女を溺愛してるから、彼女の喜ぶなら何でもするという話を聞いたことがある。サーヴァ殿下も似たようなものだから、皇女殿下が婚約発表を望めば、サーヴァ殿下は喜んでその望みを叶える。ダンスをする妹を見守る嬉しそうな顔を見ただろう?」
「あー、気持ちは分かる。僕だってマティの望むことなら、何でも叶えてあげたいもん。婚約は絶対嫌だけど」
同じ妹を溺愛するもの同士、共感するものがあるようだ。
セレスタンはちらりとアロイスを見た。
こんな視線にもすっかり慣れたアロイスは、平然と無視する。
「しかし、婚約とか留学というと聞こえはいいが、体の良い人質なんじゃないのか?」
「まあな。実際には、人質の身に何が起ころうと王太子は見捨てるだろうから、一般的な人質とは違うだろう。だが、殿下の婿入りは、この国の裏口の鍵を渡すようなもの。帝国がその気になれば、ヴィルジール殿下を擁立して、この国の王の首を強引にすげ替えることができるってことだ。だから皇国としては悪い話じゃない」
「そんな危険を冒してまでも、王太子はヴィルジール殿下を外に出したいのか」
「第四王子を国内に置いておく方が、より危険だと思っているんだろうな」
「いや、まて」とセレスタンが別の視点を持ち出す。
「そもそも、あの国境でヴィルジール殿下を亡き者にするつもりだったんだろう? 皇国との約束はただの口実だったんじゃないかなぁ」
「なるほど。殿下が助かったから、約束を果たさなければならなくなったということか。王太子にとっては、なかなかの誤算だな」
周囲に人がいないのをいいことに、男たちは物騒な話をしている。
誰かに聞かれれば、牢屋に直行させられてもおかしくない内容だ。
けれど、マルティーヌの頭には、ほとんど内容が入ってこなかった。
ただ、ヴィルジールの婚約が彼の意思によるものではないことだけは分かったから、少しだけほっとした。
最初のダンスは、予想外にこの夜の主役となった二人のものだ。
ヴィルジールは幼い姫の前に跪くと、目の前に差し出された小さな手を取り唇を寄せた。
そして、二人で周囲に丁寧に頭を下げると、ゆっくりと踊り始めた。
年齢差は十五歳ほど。
姫の身長は王子の腰のあたりまでしかない。
そんな小さな子どもに合わせて、この国の王子が、腰をかがめダンスの相手になっている。
まるで子ども相手のお遊戯だった。
それでも、ヴィルジールが浮かべている高貴な微笑みは完璧だ。
身長差がありすぎるせいで踊りづらそうだが、幼い婚約者を丁寧にリードしている。
ルフィナ皇女は顔をベールで覆っているため表情はほとんど見えないが、ひらりとめくれあがったベールからは、嬉しくて仕方がないという口元が見えた。
小さな足は、ぴょんぴょん飛び跳ね、はしゃいだステップを踏んでいた。
屈辱的だと思いながら見守っている者も多いはずだが、「微笑ましいですな」とか「この国も安泰だ」などと、本心を押し隠して囁き合う。
内心ほくそ笑んでいる王太子派の貴族たちも、すました笑みを浮かべて二人のダンスを見守っていた。
王太子はさすがの鉄壁の微笑。
ザウレン皇国皇子は、自分の娘の晴れ舞台を見守るように目尻を下げていた。
「や……だ」
ヴィルジールが別の女性の手を取り、ダンスを踊る場面など見たくなかった。
あの手はわたしの……。
そう思いかけてはっとなる。
彼は多くの女性と浮名を流す、遊び人として知られる不良王子だった。
これまで公の場に出たことがなかったから、彼の社交界での振る舞いを知らなかっただけで、女性の手を取りダンスを踊り……きっとそれ以上のことも、普通にしてきたはずの男だ。
だからそもそも、あの手はこれまで誰のものでもなかった。
自分だけに向けられていると思ったのは、ただの錯覚。
傲慢な思い違い。
あの手は今後、あの小さな姫のものになる——。
いや。
でも、そんなのわたしに全然関係ないじゃない。
彼は大っ嫌いな王族なんだから、誰と婚約しようとどうでもいい。
……はず、なのに。
「マルティーヌ嬢……?」
顔を覗き込んできたアロイスが、指先で頬に触れてきた。
彼の白い手袋にじわりと水が沁みていく。
はっとなったマルティーヌは、慌てて顔を背けた。
自分でも訳が分からない涙なんて、誰にも見られたくなかった。
「大丈夫かい?」
「え? ……う、うん。なんでもない。ちょっとびっくりしただけだから。ヴィルジール殿下もこんな話があったのなら、言ってくれてもよかったのにね。あ、そか、正式に公表する……まで、言えなかったのか。王族だもん、ね」
ショックを受けていることを誤魔化そうとして言葉数が増え、早口になる。
「あの皇女さま、かわいいよね。きっと殿下のことが、大す……きなんだね。すごく、嬉しそ……う……」
苦し紛れに言った言葉が自分の胸をえぐる。
だんだん自分が惨めになってきて、唇を噛む。
けれど、なぜ惨めに思うのか分からない。
「マティ。ここを少し離れようか」
見かねたオリヴィエに促され、四人は人気のない窓際まで移動した。
ヴィルジールと婚約者の姫は、人の壁の向こう側となり姿が見えなくなった。
演奏はまだ終わらない。
二人は衆目の中、ダンスを続けている。
「マティはアロイスに寄りかかって、人に酔ったようなふりをしていてくれ」
「う……うん」
マルティーヌはアロイスの腕を抱え込むようにしてもたれかかると俯いた。
たとえ兄でも顔を見られたくなかったから、病弱なふりは都合がいい。
ゆっくりと息を吐いて気持ちを落ち着かせる。
妹の姿を隠すように、二人の兄が前に立った。
これで、身内の男三人が病弱令嬢を気遣っているように見えるだろう。
オリヴィエは周囲を見回して、近くに誰もいないことを確認すると話し始めた。
「実は、ヴィルジール殿下がザウレンに留学することと、第三皇女殿下と婚約することは以前から決まっていたんだ。彼が国境で巨躯魔狼に襲われたのは、その顔合わせに行った帰りのことだ」
「は? どうしてリーヴィがそんなことを知ってんだよ」
セレスタンが訝しげに言う。
あの事件が、ヴィルジールが隣国を訪問した帰りに起きたことは明らかだったが、彼は訪問の理由を話さなかった。
『死の森』で王太子が魔王ではないかと初めて疑った時ですら、「極秘訪問」としか言わなかった。
王族が極秘というからにはそれ以上の追求はできず、誰も触れなかったのだが。
「『死の森』への大遠征の前に、本人から直接聞いたんだよ。だが、正式な婚約は皇女殿下が成人してからのはずだったんだ。二十三歳と八歳じゃ、さすがに体面が悪いからな。だから、どうして急に発表したのか分からない」
ヴィルジールは三日前にもラヴェラルタ家を訪れたが、婚約発表のことは何も話していなかった。
そんなそぶりもなかった。
現在の彼とラヴェラルタ家の関係を考えれば、これほど重要な内容を隠しておくとは思えない。
本当に直前に決まったのだろう。
「殿下がマルティーヌ嬢と噂になったせいじゃないか? ラヴェラルタ家が彼の後ろ盾になるという期待を持った貴族も多かったから、彼らを抑えるにはこの婚約発表は効果的だろう」
アロイスが冷静に分析するとセレスタンは首をひねる。
「だけど、婚約は国の問題でもあるのに、突然発表できるものかなぁ? 本国の皇帝陛下の了承を得る時間はなかったはずだし、今この国に来ているサーヴァ殿下には、そこまでの権限はないだろうし」
「いや、サーヴァ殿下ならやる」
オリヴィエが断言する。
「第三皇子なのに?」
「皇帝陛下は第三皇女を溺愛してるから、彼女の喜ぶなら何でもするという話を聞いたことがある。サーヴァ殿下も似たようなものだから、皇女殿下が婚約発表を望めば、サーヴァ殿下は喜んでその望みを叶える。ダンスをする妹を見守る嬉しそうな顔を見ただろう?」
「あー、気持ちは分かる。僕だってマティの望むことなら、何でも叶えてあげたいもん。婚約は絶対嫌だけど」
同じ妹を溺愛するもの同士、共感するものがあるようだ。
セレスタンはちらりとアロイスを見た。
こんな視線にもすっかり慣れたアロイスは、平然と無視する。
「しかし、婚約とか留学というと聞こえはいいが、体の良い人質なんじゃないのか?」
「まあな。実際には、人質の身に何が起ころうと王太子は見捨てるだろうから、一般的な人質とは違うだろう。だが、殿下の婿入りは、この国の裏口の鍵を渡すようなもの。帝国がその気になれば、ヴィルジール殿下を擁立して、この国の王の首を強引にすげ替えることができるってことだ。だから皇国としては悪い話じゃない」
「そんな危険を冒してまでも、王太子はヴィルジール殿下を外に出したいのか」
「第四王子を国内に置いておく方が、より危険だと思っているんだろうな」
「いや、まて」とセレスタンが別の視点を持ち出す。
「そもそも、あの国境でヴィルジール殿下を亡き者にするつもりだったんだろう? 皇国との約束はただの口実だったんじゃないかなぁ」
「なるほど。殿下が助かったから、約束を果たさなければならなくなったということか。王太子にとっては、なかなかの誤算だな」
周囲に人がいないのをいいことに、男たちは物騒な話をしている。
誰かに聞かれれば、牢屋に直行させられてもおかしくない内容だ。
けれど、マルティーヌの頭には、ほとんど内容が入ってこなかった。
ただ、ヴィルジールの婚約が彼の意思によるものではないことだけは分かったから、少しだけほっとした。
0
あなたにおすすめの小説
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします
未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢
十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう
好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ
傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する
今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます
竹桜
ファンタジー
ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。
そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。
そして、ヒロインは4人いる。
ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。
エンドのルートしては六種類ある。
バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。
残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。
大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。
そして、主人公は不幸にも死んでしまった。
次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。
だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。
主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。
そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。
令和日本では五十代、異世界では十代、この二つの人生を生きていきます。
越路遼介
ファンタジー
篠永俊樹、五十四歳は三十年以上務めた消防士を早期退職し、日本一周の旅に出た。失敗の人生を振り返っていた彼は東尋坊で不思議な老爺と出会い、歳の離れた友人となる。老爺はその後に他界するも、俊樹に手紙を残してあった。老爺は言った。『儂はセイラシアという世界で魔王で、勇者に討たれたあと魔王の記憶を持ったまま日本に転生した』と。信じがたい思いを秘めつつ俊樹は手紙にあった通り、老爺の自宅物置の扉に合言葉と同時に開けると、そこには見たこともない大草原が広がっていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる