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第8部
第三章 幼馴染との再会①
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「……う、うおお……」
その日、エドワード=オニキスはこれ以上なく緊張していた。
場所は王都ラズンの王城ラスセーヌ。
白亜の城の三階にある、要人のために使用される応接室だ。
十名ぐらいならば優に入れる大きな部屋であり、壁際には絵画や壺などの調度品。中央には対談用の大きなソファーが二つ置かれている。応接室としては珍しく広いバルコニーもあり、王宮の一室だけあってとても豪勢な内装であった。
「や、やべ、マジで緊張して来たぞ!」
そわそわと部屋の端から端を往復し、ごくりと喉を鳴らすエドワード。
普段は学生ゆえに制服姿であることが多い彼だが、今は緑系統を基調にした貴族服を着ていた。一張羅とも呼んでもいいエドワードの礼服だ。
「……少しは落ち着け。エド」
手持ち無沙汰のため、何となく壁際の棚に並べられている調度品に目をやっていたロックが、挙動不審な友人にそう声をかける。
ちなみに彼も貴族服姿だ。紺色の少し質素な礼服を着ていた。
「ここまで来てジタバタしても何も始まらんぞ」
と、ロックは苦笑いを浮かべて言う。
「まあ、そうよね」
すると、今度は別の人間の声がかかる。
「みっともないから少しは落ち着きなさい。別に謁見は初めてじゃないでしょう」
と、告げるのはソファーに座った少女――アリシアだ。
彼女も普段の装いとはまるで違う。
アリシアは淡い薄桃色のワンピース型のドレスを纏っていた。うなじ辺りで交差して背中を露出するタイプのドレスであり、スレンダーなスタイルを持つ彼女が着ると、かなりの妖艶さがある。素でも美麗な顔にはわずかに化粧も施してあった。
「う、うむ、エイシスの言う通りだな」
と、ロックが同意する。その声は少しだけ上擦っている。
アリシアに想いを寄せる彼としては、その艶やかな姿を直視できずにいた。
「けど、オニキスの落ち着かない気持ちも分かるよ」
不意にバルコニーから声がかかったのは、その時だった。
現在この部屋に居るのは四名。その最後の一人であるサーシャの声だった。
「謁見なんてそんなにやるものじゃないもの。やっぱり緊張はするよ」
言って、サーシャは大きな胸元に片手を当てて息を吐き出す。
三人が着飾っているのと同じく、彼女もまたドレスを纏っていた。
それは純白のドレスだった。まさしく社交界で使用される正統派のドレス。群を抜いたプロポーションを持つサーシャに相応しいことは言うに及ばず、彼女の輝く銀の髪にもよく似合っている。姫君という呼び名が思い浮かぶような美しさであった。
入城し、この応接室にまで案内される間、すれ違った騎士達が思わず目を奪われてしまったのも仕方がないことである。
ともあれ、サーシャはコツコツとヒールを鳴らして部屋の中に入ると、
「それに前回、謁見したのはもう半年以上も前のことだもの」
そう言って、アリシアの隣にポスンと座った。
対し、エドワードは大きく嘆息した。
「そうだよなあ。前回、王さまに会ったのは《業蛇》討伐の勲章をもらった時だしな。もう随分前のことじゃねえか」
「まったく。何を言ってるのよ。あなた達は……」
そんな風に緊張する二人に、アリシアはやれやれと肩をすくめた。
「将来、騎士になるんなら、謁見なんていくらでもあるのよ」
「そ、そうは言ってもよ……」
エドワードの声には覇気がない。
そもそも今回の謁見は想定外だったのだ。王女の帰国に合わせて、まさか《業蛇》討伐の『英雄』として呼び出されるとは思いもよらなかったのである。
「今日はは王女さままでいんだろ? 流石に緊張するぜ」
と、エドワードが素直な気持ちを吐露する。
何気に、それこそが一番緊張する理由であった。
「ああ、その気持ちはよく分かるな」
と、ソファーに近付きつつ、ロックも言う。
やはり彼ら男子にとって『王女さま』とは『王さま』以上に特別なのだ。
が、そんな少年達に、アリシアとサーシャは呆れた様子で笑った。
「あのね。何度も言ってるでしょう。ルカは普通の子なのよ」
「うん。少なくとも一年前までは王女さまって感じはしなかったよ」
と、アリシア達は、エドワード達の食い付きがやたらとよかったため、何度も話した内容をここでもおさらいする。
「まあ、あなた達が『王女さま』ってのにどんな期待をしているかは、何となくぐらいなら想像できるけど……」
そこでアリシアは、ふっと口角を崩すと細い足を優雅に組む。
「ルカの場合は多分当てはまらないわよ。まだドレスが似合うような年齢でもないし、スタイルの方も……うん。そうね。少し男の子っぽい感じの幼い女の子をイメージしていた方がいいわよ。ガッカリしたくないならね」
と、留学前の妹分の姿を思い浮かべ、アリシアは忠告する。
あの頃のルカは今のユーリィにさえも届かないぐらいの、女らしさからは程遠い本当に子供のようなスタイルだった。
そしてあれからまだ一年ほどしか経っていないのだ。もしかすると少しは成長しているかもしれないが、そこまで大きな変化はないだろう。
「まあ、気楽に構えなさいよ」
言って、アリシアは優しい笑みを見せる。
過度の期待は双方のためにならない。そんな感じの親切心だった。
アリシアの隣に座るサーシャは膝の上に手を置き、ただ苦笑を浮かべていた。
と、その時、コンコンと応接室のドアがノックされた。
そして間も置かず「私だが、謁見のお呼びがかかったぞ」と声が聞こえてくる。
アリシアの父であるガハルドの声だ。
騎士候補生達は互いの目を見合わす。いよいよ時間が来たようだ。
「よ、よし!」
エドワードが少し裏返った声で告げる。
「い、行こうぜ! みんな!」
そしてパンと頬を両手で打つと、珍しくリーダーであるアリシアではなく、エドワードが先頭に立ち、ドアに向かった。
恐らく緊張を振りほどくため、気持ちを鼓舞しているのだろう。
「……ああ、そうだな」
そう言って、その後にロックも続く。彼の表情もまた緊張していた。
一方、アリシア、サーシャは少しばかりお気楽だ。
「ふふ。ようやく再会ね」
「うん。ルカ、元気にやってたかな?」
そんな会話を交わしつつ、彼女達は立ち上がってエドワード達に続いた。
こうして、初めての『王女さま』との謁見。久しぶりの『妹分』との再会。
それぞれの期待を胸に抱きながら、四人は応接室を後にした。
その日、エドワード=オニキスはこれ以上なく緊張していた。
場所は王都ラズンの王城ラスセーヌ。
白亜の城の三階にある、要人のために使用される応接室だ。
十名ぐらいならば優に入れる大きな部屋であり、壁際には絵画や壺などの調度品。中央には対談用の大きなソファーが二つ置かれている。応接室としては珍しく広いバルコニーもあり、王宮の一室だけあってとても豪勢な内装であった。
「や、やべ、マジで緊張して来たぞ!」
そわそわと部屋の端から端を往復し、ごくりと喉を鳴らすエドワード。
普段は学生ゆえに制服姿であることが多い彼だが、今は緑系統を基調にした貴族服を着ていた。一張羅とも呼んでもいいエドワードの礼服だ。
「……少しは落ち着け。エド」
手持ち無沙汰のため、何となく壁際の棚に並べられている調度品に目をやっていたロックが、挙動不審な友人にそう声をかける。
ちなみに彼も貴族服姿だ。紺色の少し質素な礼服を着ていた。
「ここまで来てジタバタしても何も始まらんぞ」
と、ロックは苦笑いを浮かべて言う。
「まあ、そうよね」
すると、今度は別の人間の声がかかる。
「みっともないから少しは落ち着きなさい。別に謁見は初めてじゃないでしょう」
と、告げるのはソファーに座った少女――アリシアだ。
彼女も普段の装いとはまるで違う。
アリシアは淡い薄桃色のワンピース型のドレスを纏っていた。うなじ辺りで交差して背中を露出するタイプのドレスであり、スレンダーなスタイルを持つ彼女が着ると、かなりの妖艶さがある。素でも美麗な顔にはわずかに化粧も施してあった。
「う、うむ、エイシスの言う通りだな」
と、ロックが同意する。その声は少しだけ上擦っている。
アリシアに想いを寄せる彼としては、その艶やかな姿を直視できずにいた。
「けど、オニキスの落ち着かない気持ちも分かるよ」
不意にバルコニーから声がかかったのは、その時だった。
現在この部屋に居るのは四名。その最後の一人であるサーシャの声だった。
「謁見なんてそんなにやるものじゃないもの。やっぱり緊張はするよ」
言って、サーシャは大きな胸元に片手を当てて息を吐き出す。
三人が着飾っているのと同じく、彼女もまたドレスを纏っていた。
それは純白のドレスだった。まさしく社交界で使用される正統派のドレス。群を抜いたプロポーションを持つサーシャに相応しいことは言うに及ばず、彼女の輝く銀の髪にもよく似合っている。姫君という呼び名が思い浮かぶような美しさであった。
入城し、この応接室にまで案内される間、すれ違った騎士達が思わず目を奪われてしまったのも仕方がないことである。
ともあれ、サーシャはコツコツとヒールを鳴らして部屋の中に入ると、
「それに前回、謁見したのはもう半年以上も前のことだもの」
そう言って、アリシアの隣にポスンと座った。
対し、エドワードは大きく嘆息した。
「そうだよなあ。前回、王さまに会ったのは《業蛇》討伐の勲章をもらった時だしな。もう随分前のことじゃねえか」
「まったく。何を言ってるのよ。あなた達は……」
そんな風に緊張する二人に、アリシアはやれやれと肩をすくめた。
「将来、騎士になるんなら、謁見なんていくらでもあるのよ」
「そ、そうは言ってもよ……」
エドワードの声には覇気がない。
そもそも今回の謁見は想定外だったのだ。王女の帰国に合わせて、まさか《業蛇》討伐の『英雄』として呼び出されるとは思いもよらなかったのである。
「今日はは王女さままでいんだろ? 流石に緊張するぜ」
と、エドワードが素直な気持ちを吐露する。
何気に、それこそが一番緊張する理由であった。
「ああ、その気持ちはよく分かるな」
と、ソファーに近付きつつ、ロックも言う。
やはり彼ら男子にとって『王女さま』とは『王さま』以上に特別なのだ。
が、そんな少年達に、アリシアとサーシャは呆れた様子で笑った。
「あのね。何度も言ってるでしょう。ルカは普通の子なのよ」
「うん。少なくとも一年前までは王女さまって感じはしなかったよ」
と、アリシア達は、エドワード達の食い付きがやたらとよかったため、何度も話した内容をここでもおさらいする。
「まあ、あなた達が『王女さま』ってのにどんな期待をしているかは、何となくぐらいなら想像できるけど……」
そこでアリシアは、ふっと口角を崩すと細い足を優雅に組む。
「ルカの場合は多分当てはまらないわよ。まだドレスが似合うような年齢でもないし、スタイルの方も……うん。そうね。少し男の子っぽい感じの幼い女の子をイメージしていた方がいいわよ。ガッカリしたくないならね」
と、留学前の妹分の姿を思い浮かべ、アリシアは忠告する。
あの頃のルカは今のユーリィにさえも届かないぐらいの、女らしさからは程遠い本当に子供のようなスタイルだった。
そしてあれからまだ一年ほどしか経っていないのだ。もしかすると少しは成長しているかもしれないが、そこまで大きな変化はないだろう。
「まあ、気楽に構えなさいよ」
言って、アリシアは優しい笑みを見せる。
過度の期待は双方のためにならない。そんな感じの親切心だった。
アリシアの隣に座るサーシャは膝の上に手を置き、ただ苦笑を浮かべていた。
と、その時、コンコンと応接室のドアがノックされた。
そして間も置かず「私だが、謁見のお呼びがかかったぞ」と声が聞こえてくる。
アリシアの父であるガハルドの声だ。
騎士候補生達は互いの目を見合わす。いよいよ時間が来たようだ。
「よ、よし!」
エドワードが少し裏返った声で告げる。
「い、行こうぜ! みんな!」
そしてパンと頬を両手で打つと、珍しくリーダーであるアリシアではなく、エドワードが先頭に立ち、ドアに向かった。
恐らく緊張を振りほどくため、気持ちを鼓舞しているのだろう。
「……ああ、そうだな」
そう言って、その後にロックも続く。彼の表情もまた緊張していた。
一方、アリシア、サーシャは少しばかりお気楽だ。
「ふふ。ようやく再会ね」
「うん。ルカ、元気にやってたかな?」
そんな会話を交わしつつ、彼女達は立ち上がってエドワード達に続いた。
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