5 / 243
第一章・無自覚編〜出遭い
わんこ弟子による強引な同行(11/23追加)
しおりを挟む
クリスを追いかけながらルドが訊ねた。
「師匠、これからどうするのですか?」
「メイドを見つけて治療する」
「見つけられるのですか?」
クリスは黙って振り返ると深緑の瞳をルドに向けた。その視線にルドが怯む。
「どうしました?」
「今日はここまでだ」
「ついていきます!」
クリスは再び歩きだす。
「これからは私が勝手にやることだ。治療院とは関係ない。おまえがついてくる必要もない」
「自分は師匠の弟子です。治療院に関係あろうとなかろうと、師匠について行きます!」
屋敷から出ると左腕がない御者が乗った馬車が待機していた。
御者がクリスに右手を振る。
「クリス様、カリストが呼んでるっすよ」
御者からの報告にクリスは肩をすくめた。
「まったく仕事が早いな」
馬車に乗ろうとするクリスをルドが止める。
「師匠、自分も連れていって下さい」
「今日はここまでだ」
クリスは馬車に乗り込みドアを閉めようとしたが、ルドが手を挟んで無理やりこじ開けた。バカ力には勝てない。
「連れていって下さい」
ルドの力技にクリスは軽くため息を吐くと、右手の人差し指と中指をルドの額に当てた。
「ついてくると言うのであれば、これから見聞きしたことは誰にも言わないという、誓約の魔法をかけるようになる。誰かに話そうとすれば首が絞まり、のどが潰れる。それでも、いいか?」
脅しだが本気。そのことを感じとったルドが即答する。
「誓約の魔法をかけて下さい。師匠との約束なら、命をかけて守ります」
馬車の上からクリスはルドを見下ろした。
襟足だけ伸びた赤髪が風に揺れ、琥珀の瞳は強固な意志とともに動かない。精悍な顔つきと鍛えられた体は無言でも強い圧を放つ。
今日、会ったばかりの人間を信用してもいいものか。いや、初めてではない。
――――――――遠い昔に。
クリスは諦めたように息を吐いて右手を下げた。
「おまえに魔力を使うほうが勿体ないな」
「へ?」
クリスは馬車に入り椅子に座ると、窓の外に視線を向けた。
「来ないなら置いていくぞ」
「行きます!」
ルドが勢いよく馬車に乗り込む。そんな二人のやりとりを静観していた御者が苦笑いを浮かべた。
「出発するっすよ」
馬車が軽快な音とともに目的地にむけて走り出す。ルドがクリスに訊ねた。
「メイドを見つけて治療をしたとして、オンディビエラ子爵の娘の治療はどうします?」
「別に治療しなくてもいいだろ。あの程度の傷なら化粧と髪型で誤魔化せる」
「軽い傷痕なのに、何故あそこまで治療にこだわったのでしょう?」
「あの親子は自分より上の権力者との結婚を狙っているようだからな。小さな傷でも綺麗に治しておきたかったのだろう」
「あー」
ルドが心当たりがあるように頷く。
「あとは、最高位のストラを持つ私を呼び出して治療させたということを自慢したかったのかもしれない。以前、そういう輩がいたからな。それに、メイドがぶつかってきた、という話も怪しい」
「それは自分も思いました」
クリスは窓の外を睨んだ。
「……とにかく早く見つけるぞ」
馬車が街から離れていく。民家が少なくなり畑と牧草地が広がる。その景色を眺めながらクリスは呟いた。
「スラム街にいると思ったが……」
遠くに城壁が見えてきたところで馬車が停車する。目の前には小さな川があり、その横には水車小屋があった。
「ここか?」
「お待ちしておりました」
馬車から下りたクリスをカリストが出迎える。
その姿にルドが琥珀の瞳を丸くした。馬車で移動した自分たちより、どうやって先に来たのか。周囲を見るが馬などの乗り物はない。
クリスは水車小屋を指さしてカリストに訊ねた。
「この中か?」
「はい。まだ息はあります」
「そうか」
クリスは遠慮なく水車小屋のドアを開ける。水車小屋に入り、すみに落ちているボロ布へ足を向けた。足音にボロ布が微かに動く。
思わず身構えたルドを手だけで制したクリスは穏やかに声をかけた。
「怯えるな、と言っても無理だろうが、警戒しなくていい。危害を加えるつもりはない」
ボロ布が小刻みに震えだす。クリスはボロ布の一歩手前で止まり、そのまま床に膝をつけた。
「私は治療師だ。傷を治させてもらえないだろうか?」
「……ち、りょうし?」
言葉は擦れており聞き取りづらい。
「無理に声を出さなくてもいい」
クリスの言葉にボロ布が大きく震える。
「わた……何もしていな……叩かない、で……」
「何もしていないのに鞭で打たれたのか?」
ボロ布がコクリと頷いた。
「かお……気に、いらないって……いきなり、叩かれ……たおれて、お嬢さ……の顔に、きずを……それから、むちで……」
クリスは苦々しく舌打ちする。
「あいつらのやりそうなことだ。腹立たしい」
「こな、いで」
「痛みと熱で体が辛いだろ? せめて傷だけでも治させてくれ。動けるようになったら自由にすればいい」
「どう……して?」
当然の疑問にクリスは苦笑いを浮かべた。
「これは性分でな。屋敷にはおまえと同じような状況で治療して、そのまま居ついた者が大勢いる。もしかしたら、おまえと同郷の者もいるかもしれん」
「……ほんとう、に?」
ボロ布が床に落ち、バラバラに短く切られた栗色の髪と碧い瞳の女性が現れた。顔は原型が分からないほど腫れあがり、口もまともに動かせない。
「やはりエマと同郷の者だったか」
「エマを、知って!?」
「あぁ。今は私の屋敷にいる」
「……エマ」
クリスはそっと右手を近づけようとしたが、女性が怯えてボロ布を被った。
「傷を治すだけだ。悪いようにはしない」
女性に触れないように手をかざす。
「まず、顔の傷を治そう。それでは話もできないからな」
クリスは深緑の瞳を細め、魔法を詠唱した。
『頬骨と顎骨の骨折の修復、顔面神経の修復』
ボロ布の下から光が零れる。女性がゆっくりと顔に触れた。
「顔の……痛みが、なくなった? 声も……戻ってる!?」
「顔の傷は治した。軽い傷は残っているが数日で治るだろう」
「本当に?」
女性がボロ布から顔を出すと別人になっていた。
アーモンド形の大きな碧い瞳、形の良い鼻、丸く整った顔の輪郭。まるで人形のような外見。
「美人も大変だな。それだけで、いらぬ感情を買う。次は体の傷を治すぞ」
女性の背中に右手をかざしたクリスは眉をひそめた。
「鞭でできた傷の一部が感染をおこしているな。カリスト、薬を準備しろ」
「はい。飲み薬でよろしいですか?」
「あぁ。数か所、骨にヒビが入っている。感染をおこしていない傷と骨のヒビを治そう」
クリスは目を閉じて両手を女性にかざす。
『皮膚組織の修復、左第三肋骨、左上腕骨、左尺骨の修復』
女性の全身がほんのりと輝いた。痛みが軽くなった女性が驚いたように自分の体を見る。
「え? 本当に治って? あの、どうして?」
「さっきも言ったが性分でな。感染をおこしている傷は、感染を治してから治療しないと傷が治りにくい。だから、薬を飲んで栄養がある物を食べて休むことだ。感染が治ったら傷を治療する。それまで行く場所がないなら、私の屋敷に来い」
「ですが……」
「エマがもうすぐ出産するから人手が欲しかったんだが……」
女性が驚いて顔を上げた。クリスは視線を合わすことなく独り言を続ける。
「初めての出産だし、同郷の者がいればエマも心強いだろうな」
その言葉に女性の体が動く。そこに澄んだ青年の声が響いた。
「迎えに来るのが遅くなって済まなかった」
その場にいる全員が身構える。水車小屋の入り口にフードを被った青年。
「何者だ?」
クリスの問いに青年がフードを取る。逆光と顔を隠すように伸びた前髪で表情はよく見えないが、特徴的な栗色の髪と碧い瞳が輝く。
警戒するクリスたちの間を女性が駆け抜け、青年の足に縋りついた。
「よくご無事で……」
「辛い思いをさせたな」
「いえ……」
「共に、来てくれるか?」
女性が満面の笑みで顔を上げる。
「はい!」
無言のクリスにカリストが紙袋を手渡す。受け取ったクリスは女性と視線を合わすように屈み、紙袋を差し出した。
「薬だ。朝、昼、夕の一日三回飲め。傷は一日一回、一度沸騰させてから冷ました水で流して、洗濯した綺麗な布で軽く拭いて覆え。今は傷のまわりが赤く痛みがあるが、それが消えたら私の屋敷に来い。傷を治す」
「ありがとうございます」
女性が嬉しそうに紙袋を受け取る。その表情は顔の傷を治した時より輝いていて。
「……必ず傷を治しに来い」
そう言い残してクリスは水車小屋から出た。追いかけてきたルドが声をかける。
「よかったのですか? 迎えに来たのも同郷の者のようでした。所有者のいない奴隷がこの国では生活するのは厳しいです。このままにしておくのは……」
「それを決めるのは私ではない」
クリスは振り返ってルドを見上げた。
「今日はこれで終わりだ。明日の朝、私の研究室に来い」
「え?」
「明日は治療院研究所の説明と、治療魔法について教える」
「治療魔法を教えてもらえるんですか!?」
ルドが目を輝かせる。クリスは諦めたように言った。
「仕事だからな」
ルドが大声とともに頭を下げる。
「お願いしま「うるさい!」
クリスの一喝が響いた。
「師匠、これからどうするのですか?」
「メイドを見つけて治療する」
「見つけられるのですか?」
クリスは黙って振り返ると深緑の瞳をルドに向けた。その視線にルドが怯む。
「どうしました?」
「今日はここまでだ」
「ついていきます!」
クリスは再び歩きだす。
「これからは私が勝手にやることだ。治療院とは関係ない。おまえがついてくる必要もない」
「自分は師匠の弟子です。治療院に関係あろうとなかろうと、師匠について行きます!」
屋敷から出ると左腕がない御者が乗った馬車が待機していた。
御者がクリスに右手を振る。
「クリス様、カリストが呼んでるっすよ」
御者からの報告にクリスは肩をすくめた。
「まったく仕事が早いな」
馬車に乗ろうとするクリスをルドが止める。
「師匠、自分も連れていって下さい」
「今日はここまでだ」
クリスは馬車に乗り込みドアを閉めようとしたが、ルドが手を挟んで無理やりこじ開けた。バカ力には勝てない。
「連れていって下さい」
ルドの力技にクリスは軽くため息を吐くと、右手の人差し指と中指をルドの額に当てた。
「ついてくると言うのであれば、これから見聞きしたことは誰にも言わないという、誓約の魔法をかけるようになる。誰かに話そうとすれば首が絞まり、のどが潰れる。それでも、いいか?」
脅しだが本気。そのことを感じとったルドが即答する。
「誓約の魔法をかけて下さい。師匠との約束なら、命をかけて守ります」
馬車の上からクリスはルドを見下ろした。
襟足だけ伸びた赤髪が風に揺れ、琥珀の瞳は強固な意志とともに動かない。精悍な顔つきと鍛えられた体は無言でも強い圧を放つ。
今日、会ったばかりの人間を信用してもいいものか。いや、初めてではない。
――――――――遠い昔に。
クリスは諦めたように息を吐いて右手を下げた。
「おまえに魔力を使うほうが勿体ないな」
「へ?」
クリスは馬車に入り椅子に座ると、窓の外に視線を向けた。
「来ないなら置いていくぞ」
「行きます!」
ルドが勢いよく馬車に乗り込む。そんな二人のやりとりを静観していた御者が苦笑いを浮かべた。
「出発するっすよ」
馬車が軽快な音とともに目的地にむけて走り出す。ルドがクリスに訊ねた。
「メイドを見つけて治療をしたとして、オンディビエラ子爵の娘の治療はどうします?」
「別に治療しなくてもいいだろ。あの程度の傷なら化粧と髪型で誤魔化せる」
「軽い傷痕なのに、何故あそこまで治療にこだわったのでしょう?」
「あの親子は自分より上の権力者との結婚を狙っているようだからな。小さな傷でも綺麗に治しておきたかったのだろう」
「あー」
ルドが心当たりがあるように頷く。
「あとは、最高位のストラを持つ私を呼び出して治療させたということを自慢したかったのかもしれない。以前、そういう輩がいたからな。それに、メイドがぶつかってきた、という話も怪しい」
「それは自分も思いました」
クリスは窓の外を睨んだ。
「……とにかく早く見つけるぞ」
馬車が街から離れていく。民家が少なくなり畑と牧草地が広がる。その景色を眺めながらクリスは呟いた。
「スラム街にいると思ったが……」
遠くに城壁が見えてきたところで馬車が停車する。目の前には小さな川があり、その横には水車小屋があった。
「ここか?」
「お待ちしておりました」
馬車から下りたクリスをカリストが出迎える。
その姿にルドが琥珀の瞳を丸くした。馬車で移動した自分たちより、どうやって先に来たのか。周囲を見るが馬などの乗り物はない。
クリスは水車小屋を指さしてカリストに訊ねた。
「この中か?」
「はい。まだ息はあります」
「そうか」
クリスは遠慮なく水車小屋のドアを開ける。水車小屋に入り、すみに落ちているボロ布へ足を向けた。足音にボロ布が微かに動く。
思わず身構えたルドを手だけで制したクリスは穏やかに声をかけた。
「怯えるな、と言っても無理だろうが、警戒しなくていい。危害を加えるつもりはない」
ボロ布が小刻みに震えだす。クリスはボロ布の一歩手前で止まり、そのまま床に膝をつけた。
「私は治療師だ。傷を治させてもらえないだろうか?」
「……ち、りょうし?」
言葉は擦れており聞き取りづらい。
「無理に声を出さなくてもいい」
クリスの言葉にボロ布が大きく震える。
「わた……何もしていな……叩かない、で……」
「何もしていないのに鞭で打たれたのか?」
ボロ布がコクリと頷いた。
「かお……気に、いらないって……いきなり、叩かれ……たおれて、お嬢さ……の顔に、きずを……それから、むちで……」
クリスは苦々しく舌打ちする。
「あいつらのやりそうなことだ。腹立たしい」
「こな、いで」
「痛みと熱で体が辛いだろ? せめて傷だけでも治させてくれ。動けるようになったら自由にすればいい」
「どう……して?」
当然の疑問にクリスは苦笑いを浮かべた。
「これは性分でな。屋敷にはおまえと同じような状況で治療して、そのまま居ついた者が大勢いる。もしかしたら、おまえと同郷の者もいるかもしれん」
「……ほんとう、に?」
ボロ布が床に落ち、バラバラに短く切られた栗色の髪と碧い瞳の女性が現れた。顔は原型が分からないほど腫れあがり、口もまともに動かせない。
「やはりエマと同郷の者だったか」
「エマを、知って!?」
「あぁ。今は私の屋敷にいる」
「……エマ」
クリスはそっと右手を近づけようとしたが、女性が怯えてボロ布を被った。
「傷を治すだけだ。悪いようにはしない」
女性に触れないように手をかざす。
「まず、顔の傷を治そう。それでは話もできないからな」
クリスは深緑の瞳を細め、魔法を詠唱した。
『頬骨と顎骨の骨折の修復、顔面神経の修復』
ボロ布の下から光が零れる。女性がゆっくりと顔に触れた。
「顔の……痛みが、なくなった? 声も……戻ってる!?」
「顔の傷は治した。軽い傷は残っているが数日で治るだろう」
「本当に?」
女性がボロ布から顔を出すと別人になっていた。
アーモンド形の大きな碧い瞳、形の良い鼻、丸く整った顔の輪郭。まるで人形のような外見。
「美人も大変だな。それだけで、いらぬ感情を買う。次は体の傷を治すぞ」
女性の背中に右手をかざしたクリスは眉をひそめた。
「鞭でできた傷の一部が感染をおこしているな。カリスト、薬を準備しろ」
「はい。飲み薬でよろしいですか?」
「あぁ。数か所、骨にヒビが入っている。感染をおこしていない傷と骨のヒビを治そう」
クリスは目を閉じて両手を女性にかざす。
『皮膚組織の修復、左第三肋骨、左上腕骨、左尺骨の修復』
女性の全身がほんのりと輝いた。痛みが軽くなった女性が驚いたように自分の体を見る。
「え? 本当に治って? あの、どうして?」
「さっきも言ったが性分でな。感染をおこしている傷は、感染を治してから治療しないと傷が治りにくい。だから、薬を飲んで栄養がある物を食べて休むことだ。感染が治ったら傷を治療する。それまで行く場所がないなら、私の屋敷に来い」
「ですが……」
「エマがもうすぐ出産するから人手が欲しかったんだが……」
女性が驚いて顔を上げた。クリスは視線を合わすことなく独り言を続ける。
「初めての出産だし、同郷の者がいればエマも心強いだろうな」
その言葉に女性の体が動く。そこに澄んだ青年の声が響いた。
「迎えに来るのが遅くなって済まなかった」
その場にいる全員が身構える。水車小屋の入り口にフードを被った青年。
「何者だ?」
クリスの問いに青年がフードを取る。逆光と顔を隠すように伸びた前髪で表情はよく見えないが、特徴的な栗色の髪と碧い瞳が輝く。
警戒するクリスたちの間を女性が駆け抜け、青年の足に縋りついた。
「よくご無事で……」
「辛い思いをさせたな」
「いえ……」
「共に、来てくれるか?」
女性が満面の笑みで顔を上げる。
「はい!」
無言のクリスにカリストが紙袋を手渡す。受け取ったクリスは女性と視線を合わすように屈み、紙袋を差し出した。
「薬だ。朝、昼、夕の一日三回飲め。傷は一日一回、一度沸騰させてから冷ました水で流して、洗濯した綺麗な布で軽く拭いて覆え。今は傷のまわりが赤く痛みがあるが、それが消えたら私の屋敷に来い。傷を治す」
「ありがとうございます」
女性が嬉しそうに紙袋を受け取る。その表情は顔の傷を治した時より輝いていて。
「……必ず傷を治しに来い」
そう言い残してクリスは水車小屋から出た。追いかけてきたルドが声をかける。
「よかったのですか? 迎えに来たのも同郷の者のようでした。所有者のいない奴隷がこの国では生活するのは厳しいです。このままにしておくのは……」
「それを決めるのは私ではない」
クリスは振り返ってルドを見上げた。
「今日はこれで終わりだ。明日の朝、私の研究室に来い」
「え?」
「明日は治療院研究所の説明と、治療魔法について教える」
「治療魔法を教えてもらえるんですか!?」
ルドが目を輝かせる。クリスは諦めたように言った。
「仕事だからな」
ルドが大声とともに頭を下げる。
「お願いしま「うるさい!」
クリスの一喝が響いた。
3
あなたにおすすめの小説
病弱な第四皇子は屈強な皇帝となって、兎耳宮廷薬師に求愛する
藤原 秋
恋愛
大規模な自然災害により絶滅寸前となった兎耳族の生き残りは、大帝国の皇帝の計らいにより宮廷で保護という名目の軟禁下に置かれている。
彼らは宮廷内の仕事に従事しながら、一切の外出を許可されず、婚姻は同族間のみと定義づけられ、宮廷内の籠の鳥と化していた。
そんな中、宮廷薬師となった兎耳族のユーファは、帝国に滅ぼされたアズール王国の王子で今は皇宮の側用人となったスレンツェと共に、生まれつき病弱で両親から次期皇帝候補になることはないと見限られた五歳の第四皇子フラムアーク付きとなり、皇子という地位にありながら冷遇された彼を献身的に支えてきた。
フラムアークはユーファに懐き、スレンツェを慕い、成長と共に少しずつ丈夫になっていく。
だがそれは、彼が現実という名の壁に直面し、自らの境遇に立ち向かっていかねばならないことを意味していた―――。
柔和な性格ながら確たる覚悟を内に秘め、男としての牙を隠す第四皇子と、高潔で侠気に富み、自らの過去と戦いながら彼を補佐する亡国の王子、彼らの心の支えとなり、国の制約と湧き起こる感情の狭間で葛藤する亜人の宮廷薬師。
三者三様の立ち位置にある彼らが手を携え合い、ひとつひとつ困難を乗り越えて掴み取る、思慕と軌跡の逆転劇。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
喪女なのに狼さんたちに溺愛されています
和泉
恋愛
もふもふの狼がイケメンなんて反則です!
聖女召喚の儀で異世界に呼ばれたのはOL・大学生・高校生の3人。
ズボンを履いていた大学生のヒナは男だと勘違いされ、説明もないまま城を追い出された。
森で怪我をした子供の狼と出会ったヒナは狼族の国へ。私は喪女なのに狼族の王太子、No.1ホストのような武官、真面目な文官が近づいてくるのはなぜ?
ヒナとつがいになりたい狼達の恋愛の行方は?聖女の力で国同士の争いは無くすことができるのか。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
【完結済】隣国でひっそりと子育てしている私のことを、執着心むき出しの初恋が追いかけてきます
鳴宮野々花@書籍4作品発売中
恋愛
一夜の過ちだなんて思いたくない。私にとって彼とのあの夜は、人生で唯一の、最良の思い出なのだから。彼のおかげで、この子に会えた────
私、この子と生きていきますっ!!
シアーズ男爵家の末娘ティナレインは、男爵が隣国出身のメイドに手をつけてできた娘だった。ティナレインは隣国の一部の者が持つ魔力(治癒術)を微力ながら持っており、そのため男爵夫人に一層疎まれ、男爵家後継ぎの兄と、世渡り上手で気の強い姉の下で、影薄く過ごしていた。
幼いティナレインは、優しい侯爵家の子息セシルと親しくなっていくが、息子がティナレインに入れ込みすぎていることを嫌う侯爵夫人は、シアーズ男爵夫人に苦言を呈す。侯爵夫人の機嫌を損ねることが怖い義母から強く叱られ、ティナレインはセシルとの接触を禁止されてしまう。
時を経て、貴族学園で再会する二人。忘れられなかったティナへの想いが燃え上がるセシルは猛アタックするが、ティナは自分の想いを封じ込めるように、セシルを避ける。
やがてティナレインは、とある商会の成金経営者と婚約させられることとなり、学園を中退。想い合いながらも会うことすら叶わなくなった二人だが、ある夜偶然の再会を果たす。
それから数ヶ月。結婚を目前に控えたティナレインは、隣国へと逃げる決意をした。自分のお腹に宿っていることに気付いた、大切な我が子を守るために。
けれど、名を偽り可愛い我が子の子育てをしながら懸命に生きていたティナレインと、彼女を諦めきれないセシルは、ある日運命的な再会を果たし────
生まれ育った屋敷で冷遇され続けた挙げ句、最低な成金ジジイと結婚させられそうになったヒロインが、我が子を守るために全てを捨てて新しい人生を切り拓いていこうと奮闘する物語です。
※いつもの完全オリジナルファンタジー世界の物語です。全てがファンタジーです。
※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
王宮地味女官、只者じゃねぇ
宵森みなと
恋愛
地味で目立たず、ただ真面目に働く王宮の女官・エミリア。
しかし彼女の正体は――剣術・魔法・語学すべてに長けた首席卒業の才女にして、実はとんでもない美貌と魔性を秘めた、“自覚なしギャップ系”最強女官だった!?
王女付き女官に任命されたその日から、運命が少しずつ動き出す。
訛りだらけのマーレン語で王女に爆笑を起こし、夜会では仮面を外した瞬間、貴族たちを騒然とさせ――
さらには北方マーレン国から訪れた黒髪の第二王子をも、一瞬で虜にしてしまう。
「おら、案内させてもらいますけんの」
その一言が、国を揺らすとは、誰が想像しただろうか。
王女リリアは言う。「エミリアがいなければ、私は生きていけぬ」
副長カイルは焦る。「このまま、他国に連れて行かれてたまるか」
ジークは葛藤する。「自分だけを見てほしいのに、届かない」
そしてレオンハルト王子は心を決める。「妻に望むなら、彼女以外はいない」
けれど――当の本人は今日も地味眼鏡で事務作業中。
王族たちの心を翻弄するのは、無自覚最強の“訛り女官”。
訛って笑いを取り、仮面で魅了し、剣で守る――
これは、彼女の“本当の顔”が王宮を変えていく、壮麗な恋と成長の物語。
★この物語は、「枯れ専モブ令嬢」の5年前のお話です。クラリスが活躍する前で、少し若いイザークとライナルトがちょっと出ます。
次期騎士団長の秘密を知ってしまったら、迫られ捕まってしまいました
Karamimi
恋愛
侯爵令嬢で貴族学院2年のルミナスは、元騎士団長だった父親を8歳の時に魔物討伐で亡くした。一家の大黒柱だった父を亡くしたことで、次期騎士団長と期待されていた兄は騎士団を辞め、12歳という若さで侯爵を継いだ。
そんな兄を支えていたルミナスは、ある日貴族学院3年、公爵令息カルロスの意外な姿を見てしまった。学院卒院後は騎士団長になる事も決まっているうえ、容姿端麗で勉学、武術も優れているまさに完璧公爵令息の彼とはあまりにも違う姿に、笑いが止まらない。
お兄様の夢だった騎士団長の座を奪ったと、一方的にカルロスを嫌っていたルミナスだが、さすがにこの秘密は墓場まで持って行こう。そう決めていたのだが、翌日カルロスに捕まり、鼻息荒く迫って来る姿にドン引きのルミナス。
挙句の果てに“ルミタン”だなんて呼ぶ始末。もうあの男に関わるのはやめよう、そう思っていたのに…
意地っ張りで素直になれない令嬢、ルミナスと、ちょっと気持ち悪いがルミナスを誰よりも愛している次期騎士団長、カルロスが幸せになるまでのお話しです。
よろしくお願いしますm(__)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる