86 / 243
第二章・片思い自覚編〜帝都へ
リミニ領に到着したものの
しおりを挟む
クリスは息を殺して体を小さくした。
ルドが迫る追手との距離を計りながら、周囲に人がいないことを確認する。懐から小さな玉を後へ投げると、激しい破裂音とともに黒煙が上がり視界を塞いだ。
煙の中で馬の鳴き声と混乱した声が響く。慣れない音に興奮した馬が暴れる。
それは、ルドが乗っている馬も同じだった。何事かと暴れそうになる馬をルドがなだめながら走らせる。クリスはルドが抱きしめていなければ落馬していたほど。
混沌とした中でルドが魔法を詠唱した。
『幻影よ! 走れ!』
ルドが道を外れ、森の中へと馬を誘導する。しかし、今まで走っていた道にも暴れようとする馬をなだめながら走っていくルドの姿。
その光景を眺めていると、ルドが声をかけた。
「師匠、少し離れますね」
クリスの腰からルドの手が消える。馬を操作しながらマントを外し、裏表を逆にして羽織った。真っ白だったマントがこげ茶色に変わる。
その様子を見ていると、馬が大きく揺れた。
「あっ……」
「危ないっ」
落ちかけたクリスをルドが背後から抱きしめる。クリスは大きな腕を思わず掴んだ。
「このまま森を越えますので、しばらく我慢して下さい」
ドキドキしながらクリスは無言で頷いた。
(これは馬から落ちかけたからだ。慣れていないからだ)
心の中で必死に言い聞かせていると、ルドが思い出したように言った。
「声を出して大丈夫ですよ。追手は幻影の方に行ったみたいですので」
「……そ、そうか。足が速いヤツらだな」
「この森を越えるために速さより力強さを重視して馬を選んだので、追いつかれるのは分かっていました」
「そういうことか。ところで、この道でリミニ領まで行けるのか?」
獣道と言えるのかも怪しい道を馬が進む。
「人は滅多に通らない抜け道ですが、方向は合っています。目立たないようにマントの色は変えましたし、このまま森を抜けられるでしょう」
「なかなか便利なマントがあるんだな」
悪目立ちしていた白色のマントは周囲の木々と似たこげ茶色になっており、森に馴染んでいた。
ルドが琥珀の瞳を伏せる。
「戦場で必要なだけです」
いつもより数段落ちた声にクリスは振り返った。すると、ルドが白い布の下でニコリと笑顔を作る。
「今は師匠を守ることに役立ったので良かったです」
いつもの人懐っこい笑顔とは違い、どこか寂しそうな笑顔。クリスはかける言葉が見つからず、そのまま前を向いた。
足場が悪い獣道で移動速度が落ちる。陽が傾き影が伸びた頃、ようやく森を抜けた。枯草が広がる先に頑丈そうな城壁に囲まれた大きな街がある。
ルドがクリスに声をかけた。
「あそこがリミニ領の領主が住んでいるリミニ街です。今晩はあそこに泊まります」
「……そうか」
言葉数が少ないクリスにルドが謝る。
「すみません。もう少し休憩を取れば良かったのですが、それだと日が暮れていたかもしれないので」
「私のことは気にするな。そもそも休憩できる場所がなかっただろ」
「森の中でしたから。お前も、あと少しだから頑張ってくれよ」
ルドの声に応えるように馬が足を動かす。城門の前に到着すると門番に止められた。
「馬から降りろ! 通行証と身分証を出せ!」
ルドが全身を覆っているこげ茶色のマントを翻す。突如、現れた白い魔法騎士団の正装服に門番が固まった。
「降りる時間も惜しいので馬上から失礼します。通行証です」
「は、はい! 失礼しました! どうぞ! お通りください!」
通行証をロクに確認せず門番がルドを馬ごと通す。クリスは呆れたように肩をすくめた。
「あれでよく門番が務まるな。それとも、その服の威力か?」
「そこは深く考えないでください。このまま中央にある城へ行きま……」
ルドの言葉が終わる前に建物が倒壊するような音が響いた。ルドが思わず馬を止めて音がした方向を見る。
すると入って来た城門より少し南側で土砂煙が上がっていた。
「修復中の城壁が崩れたぞ!」
「下敷きになっている人がいるか!?」
「作業していたヤツが何人かいたはずだ!」
男たちを中心に人々が集まる。
「崩れた所に行くぞ」
クリスは当然のように言ったがルドは動かない。
「どうした?」
「……今、師匠は狙われています。あのように不特定多数の人が集まる所へ行くのは危険です」
思わぬ言葉にクリスはルドの襟首を掴んで睨んだ。
「お前はそれでも治療師か! 目の前の助けられる命より、あるか、ないか分からない危険を優先するのか!?」
ルドが目を丸くする。
「お前はここにいろ! 私一人で行く!」
威勢は良いが実際に一人で馬から降りるのは難しい。クリスはどうにか降りようとモゾモゾとするが降りれない。
すると、ルドが手を出して止めた。
「わかりました。自分も行きます」
ルドが馬を走らせて倒壊現場に到着する。先に降りたルドが手を貸してクリスを馬から降ろした。
「怪我人はどこだ!?」
現場に走っていくクリスをルドが追いかける。
数人が振り返り、クリスの服を見て喜びの声を上げた。
「治療師か! 助かった!」
「こっちだ! こっちに来てくれ!」
「いや! こっちが先だ!」
「なんだと!」
言い争いが始まりそうな雰囲気にクリスは怒鳴る。
「喧嘩をしている場合ではないだろ! まとめて診るから、ここに連れて来い! 動かせなければ、無理に動かすな! 怪我がひどい者から治療をしていく!」
「わ、わかった」
手足から血を流している人や頭から血を流している人が集まる。人数はそんなに多くなく十人もいない。
クリスは頭から血を流している人を診ようとして声をかけられた。
「ここの管理を任されている指揮隊長のジョコンド・バッチだ。見かけない顔だが、どこの治療師だ?」
質問に答えようとしたクリスをルドが止める。
「ワケあって帝都に行く途中です。緊急事態ということで治療を許可しました」
魔法騎士団の正装服を着ているルドにジョコンドが慌てて敬礼をする。
「失礼しました!」
「治療してもいいのか?」
「ぜひ! お願いします!」
クリスの問いにジョコンドが何度も頷く。魔法騎士団と共に行動している、というだけで身元や身分は保証される。
クリスは頭から血を流している人に近づき、治療を開始した。その様子を見ながらルドがジョコンドに訊ねる。
「瓦礫の下敷きになっている人はいませんか?」
「はい! 片付けをしている途中でしたので、倒壊した城壁の下には、誰もおりませんでした」
「怪我人はこれで全員ですか?」
「そうだと思います!」
ジョコンドが一回り以上年下のルドにハキハキと答える。
クリスはルドに声をかけた。
「怪我の重症度が高い順に治療をしていけ。二人で治療すれば、すぐに終わる」
「……自分一人で治療をしてもいいのですか?」
「してみろ。治療が難しい怪我だと判断したら私を呼べ」
「はい」
ルドが並んだ怪我人を見渡す。同時に全員がサッと視線をそらした。
怪我は痛いし治療はしてほしいが魔法騎士団の騎士服の威圧感はそれを越える。
そんな周囲の反応にも慣れた様子でルドが治療を開始した。
ルドが迫る追手との距離を計りながら、周囲に人がいないことを確認する。懐から小さな玉を後へ投げると、激しい破裂音とともに黒煙が上がり視界を塞いだ。
煙の中で馬の鳴き声と混乱した声が響く。慣れない音に興奮した馬が暴れる。
それは、ルドが乗っている馬も同じだった。何事かと暴れそうになる馬をルドがなだめながら走らせる。クリスはルドが抱きしめていなければ落馬していたほど。
混沌とした中でルドが魔法を詠唱した。
『幻影よ! 走れ!』
ルドが道を外れ、森の中へと馬を誘導する。しかし、今まで走っていた道にも暴れようとする馬をなだめながら走っていくルドの姿。
その光景を眺めていると、ルドが声をかけた。
「師匠、少し離れますね」
クリスの腰からルドの手が消える。馬を操作しながらマントを外し、裏表を逆にして羽織った。真っ白だったマントがこげ茶色に変わる。
その様子を見ていると、馬が大きく揺れた。
「あっ……」
「危ないっ」
落ちかけたクリスをルドが背後から抱きしめる。クリスは大きな腕を思わず掴んだ。
「このまま森を越えますので、しばらく我慢して下さい」
ドキドキしながらクリスは無言で頷いた。
(これは馬から落ちかけたからだ。慣れていないからだ)
心の中で必死に言い聞かせていると、ルドが思い出したように言った。
「声を出して大丈夫ですよ。追手は幻影の方に行ったみたいですので」
「……そ、そうか。足が速いヤツらだな」
「この森を越えるために速さより力強さを重視して馬を選んだので、追いつかれるのは分かっていました」
「そういうことか。ところで、この道でリミニ領まで行けるのか?」
獣道と言えるのかも怪しい道を馬が進む。
「人は滅多に通らない抜け道ですが、方向は合っています。目立たないようにマントの色は変えましたし、このまま森を抜けられるでしょう」
「なかなか便利なマントがあるんだな」
悪目立ちしていた白色のマントは周囲の木々と似たこげ茶色になっており、森に馴染んでいた。
ルドが琥珀の瞳を伏せる。
「戦場で必要なだけです」
いつもより数段落ちた声にクリスは振り返った。すると、ルドが白い布の下でニコリと笑顔を作る。
「今は師匠を守ることに役立ったので良かったです」
いつもの人懐っこい笑顔とは違い、どこか寂しそうな笑顔。クリスはかける言葉が見つからず、そのまま前を向いた。
足場が悪い獣道で移動速度が落ちる。陽が傾き影が伸びた頃、ようやく森を抜けた。枯草が広がる先に頑丈そうな城壁に囲まれた大きな街がある。
ルドがクリスに声をかけた。
「あそこがリミニ領の領主が住んでいるリミニ街です。今晩はあそこに泊まります」
「……そうか」
言葉数が少ないクリスにルドが謝る。
「すみません。もう少し休憩を取れば良かったのですが、それだと日が暮れていたかもしれないので」
「私のことは気にするな。そもそも休憩できる場所がなかっただろ」
「森の中でしたから。お前も、あと少しだから頑張ってくれよ」
ルドの声に応えるように馬が足を動かす。城門の前に到着すると門番に止められた。
「馬から降りろ! 通行証と身分証を出せ!」
ルドが全身を覆っているこげ茶色のマントを翻す。突如、現れた白い魔法騎士団の正装服に門番が固まった。
「降りる時間も惜しいので馬上から失礼します。通行証です」
「は、はい! 失礼しました! どうぞ! お通りください!」
通行証をロクに確認せず門番がルドを馬ごと通す。クリスは呆れたように肩をすくめた。
「あれでよく門番が務まるな。それとも、その服の威力か?」
「そこは深く考えないでください。このまま中央にある城へ行きま……」
ルドの言葉が終わる前に建物が倒壊するような音が響いた。ルドが思わず馬を止めて音がした方向を見る。
すると入って来た城門より少し南側で土砂煙が上がっていた。
「修復中の城壁が崩れたぞ!」
「下敷きになっている人がいるか!?」
「作業していたヤツが何人かいたはずだ!」
男たちを中心に人々が集まる。
「崩れた所に行くぞ」
クリスは当然のように言ったがルドは動かない。
「どうした?」
「……今、師匠は狙われています。あのように不特定多数の人が集まる所へ行くのは危険です」
思わぬ言葉にクリスはルドの襟首を掴んで睨んだ。
「お前はそれでも治療師か! 目の前の助けられる命より、あるか、ないか分からない危険を優先するのか!?」
ルドが目を丸くする。
「お前はここにいろ! 私一人で行く!」
威勢は良いが実際に一人で馬から降りるのは難しい。クリスはどうにか降りようとモゾモゾとするが降りれない。
すると、ルドが手を出して止めた。
「わかりました。自分も行きます」
ルドが馬を走らせて倒壊現場に到着する。先に降りたルドが手を貸してクリスを馬から降ろした。
「怪我人はどこだ!?」
現場に走っていくクリスをルドが追いかける。
数人が振り返り、クリスの服を見て喜びの声を上げた。
「治療師か! 助かった!」
「こっちだ! こっちに来てくれ!」
「いや! こっちが先だ!」
「なんだと!」
言い争いが始まりそうな雰囲気にクリスは怒鳴る。
「喧嘩をしている場合ではないだろ! まとめて診るから、ここに連れて来い! 動かせなければ、無理に動かすな! 怪我がひどい者から治療をしていく!」
「わ、わかった」
手足から血を流している人や頭から血を流している人が集まる。人数はそんなに多くなく十人もいない。
クリスは頭から血を流している人を診ようとして声をかけられた。
「ここの管理を任されている指揮隊長のジョコンド・バッチだ。見かけない顔だが、どこの治療師だ?」
質問に答えようとしたクリスをルドが止める。
「ワケあって帝都に行く途中です。緊急事態ということで治療を許可しました」
魔法騎士団の正装服を着ているルドにジョコンドが慌てて敬礼をする。
「失礼しました!」
「治療してもいいのか?」
「ぜひ! お願いします!」
クリスの問いにジョコンドが何度も頷く。魔法騎士団と共に行動している、というだけで身元や身分は保証される。
クリスは頭から血を流している人に近づき、治療を開始した。その様子を見ながらルドがジョコンドに訊ねる。
「瓦礫の下敷きになっている人はいませんか?」
「はい! 片付けをしている途中でしたので、倒壊した城壁の下には、誰もおりませんでした」
「怪我人はこれで全員ですか?」
「そうだと思います!」
ジョコンドが一回り以上年下のルドにハキハキと答える。
クリスはルドに声をかけた。
「怪我の重症度が高い順に治療をしていけ。二人で治療すれば、すぐに終わる」
「……自分一人で治療をしてもいいのですか?」
「してみろ。治療が難しい怪我だと判断したら私を呼べ」
「はい」
ルドが並んだ怪我人を見渡す。同時に全員がサッと視線をそらした。
怪我は痛いし治療はしてほしいが魔法騎士団の騎士服の威圧感はそれを越える。
そんな周囲の反応にも慣れた様子でルドが治療を開始した。
5
あなたにおすすめの小説
病弱な第四皇子は屈強な皇帝となって、兎耳宮廷薬師に求愛する
藤原 秋
恋愛
大規模な自然災害により絶滅寸前となった兎耳族の生き残りは、大帝国の皇帝の計らいにより宮廷で保護という名目の軟禁下に置かれている。
彼らは宮廷内の仕事に従事しながら、一切の外出を許可されず、婚姻は同族間のみと定義づけられ、宮廷内の籠の鳥と化していた。
そんな中、宮廷薬師となった兎耳族のユーファは、帝国に滅ぼされたアズール王国の王子で今は皇宮の側用人となったスレンツェと共に、生まれつき病弱で両親から次期皇帝候補になることはないと見限られた五歳の第四皇子フラムアーク付きとなり、皇子という地位にありながら冷遇された彼を献身的に支えてきた。
フラムアークはユーファに懐き、スレンツェを慕い、成長と共に少しずつ丈夫になっていく。
だがそれは、彼が現実という名の壁に直面し、自らの境遇に立ち向かっていかねばならないことを意味していた―――。
柔和な性格ながら確たる覚悟を内に秘め、男としての牙を隠す第四皇子と、高潔で侠気に富み、自らの過去と戦いながら彼を補佐する亡国の王子、彼らの心の支えとなり、国の制約と湧き起こる感情の狭間で葛藤する亜人の宮廷薬師。
三者三様の立ち位置にある彼らが手を携え合い、ひとつひとつ困難を乗り越えて掴み取る、思慕と軌跡の逆転劇。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
喪女なのに狼さんたちに溺愛されています
和泉
恋愛
もふもふの狼がイケメンなんて反則です!
聖女召喚の儀で異世界に呼ばれたのはOL・大学生・高校生の3人。
ズボンを履いていた大学生のヒナは男だと勘違いされ、説明もないまま城を追い出された。
森で怪我をした子供の狼と出会ったヒナは狼族の国へ。私は喪女なのに狼族の王太子、No.1ホストのような武官、真面目な文官が近づいてくるのはなぜ?
ヒナとつがいになりたい狼達の恋愛の行方は?聖女の力で国同士の争いは無くすことができるのか。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
【完結済】隣国でひっそりと子育てしている私のことを、執着心むき出しの初恋が追いかけてきます
鳴宮野々花@書籍4作品発売中
恋愛
一夜の過ちだなんて思いたくない。私にとって彼とのあの夜は、人生で唯一の、最良の思い出なのだから。彼のおかげで、この子に会えた────
私、この子と生きていきますっ!!
シアーズ男爵家の末娘ティナレインは、男爵が隣国出身のメイドに手をつけてできた娘だった。ティナレインは隣国の一部の者が持つ魔力(治癒術)を微力ながら持っており、そのため男爵夫人に一層疎まれ、男爵家後継ぎの兄と、世渡り上手で気の強い姉の下で、影薄く過ごしていた。
幼いティナレインは、優しい侯爵家の子息セシルと親しくなっていくが、息子がティナレインに入れ込みすぎていることを嫌う侯爵夫人は、シアーズ男爵夫人に苦言を呈す。侯爵夫人の機嫌を損ねることが怖い義母から強く叱られ、ティナレインはセシルとの接触を禁止されてしまう。
時を経て、貴族学園で再会する二人。忘れられなかったティナへの想いが燃え上がるセシルは猛アタックするが、ティナは自分の想いを封じ込めるように、セシルを避ける。
やがてティナレインは、とある商会の成金経営者と婚約させられることとなり、学園を中退。想い合いながらも会うことすら叶わなくなった二人だが、ある夜偶然の再会を果たす。
それから数ヶ月。結婚を目前に控えたティナレインは、隣国へと逃げる決意をした。自分のお腹に宿っていることに気付いた、大切な我が子を守るために。
けれど、名を偽り可愛い我が子の子育てをしながら懸命に生きていたティナレインと、彼女を諦めきれないセシルは、ある日運命的な再会を果たし────
生まれ育った屋敷で冷遇され続けた挙げ句、最低な成金ジジイと結婚させられそうになったヒロインが、我が子を守るために全てを捨てて新しい人生を切り拓いていこうと奮闘する物語です。
※いつもの完全オリジナルファンタジー世界の物語です。全てがファンタジーです。
※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
王宮地味女官、只者じゃねぇ
宵森みなと
恋愛
地味で目立たず、ただ真面目に働く王宮の女官・エミリア。
しかし彼女の正体は――剣術・魔法・語学すべてに長けた首席卒業の才女にして、実はとんでもない美貌と魔性を秘めた、“自覚なしギャップ系”最強女官だった!?
王女付き女官に任命されたその日から、運命が少しずつ動き出す。
訛りだらけのマーレン語で王女に爆笑を起こし、夜会では仮面を外した瞬間、貴族たちを騒然とさせ――
さらには北方マーレン国から訪れた黒髪の第二王子をも、一瞬で虜にしてしまう。
「おら、案内させてもらいますけんの」
その一言が、国を揺らすとは、誰が想像しただろうか。
王女リリアは言う。「エミリアがいなければ、私は生きていけぬ」
副長カイルは焦る。「このまま、他国に連れて行かれてたまるか」
ジークは葛藤する。「自分だけを見てほしいのに、届かない」
そしてレオンハルト王子は心を決める。「妻に望むなら、彼女以外はいない」
けれど――当の本人は今日も地味眼鏡で事務作業中。
王族たちの心を翻弄するのは、無自覚最強の“訛り女官”。
訛って笑いを取り、仮面で魅了し、剣で守る――
これは、彼女の“本当の顔”が王宮を変えていく、壮麗な恋と成長の物語。
★この物語は、「枯れ専モブ令嬢」の5年前のお話です。クラリスが活躍する前で、少し若いイザークとライナルトがちょっと出ます。
次期騎士団長の秘密を知ってしまったら、迫られ捕まってしまいました
Karamimi
恋愛
侯爵令嬢で貴族学院2年のルミナスは、元騎士団長だった父親を8歳の時に魔物討伐で亡くした。一家の大黒柱だった父を亡くしたことで、次期騎士団長と期待されていた兄は騎士団を辞め、12歳という若さで侯爵を継いだ。
そんな兄を支えていたルミナスは、ある日貴族学院3年、公爵令息カルロスの意外な姿を見てしまった。学院卒院後は騎士団長になる事も決まっているうえ、容姿端麗で勉学、武術も優れているまさに完璧公爵令息の彼とはあまりにも違う姿に、笑いが止まらない。
お兄様の夢だった騎士団長の座を奪ったと、一方的にカルロスを嫌っていたルミナスだが、さすがにこの秘密は墓場まで持って行こう。そう決めていたのだが、翌日カルロスに捕まり、鼻息荒く迫って来る姿にドン引きのルミナス。
挙句の果てに“ルミタン”だなんて呼ぶ始末。もうあの男に関わるのはやめよう、そう思っていたのに…
意地っ張りで素直になれない令嬢、ルミナスと、ちょっと気持ち悪いがルミナスを誰よりも愛している次期騎士団長、カルロスが幸せになるまでのお話しです。
よろしくお願いしますm(__)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる