161 / 243
狙われたシェットランド領
本当の目的
しおりを挟む
騎士たちが驚愕して乱れる様子をクリスたちは山脈の麓から望遠鏡で覗いていた。
「いい感じに驚いているな。部隊がバラける前に鳳凰に気づくようアンドレが誘導したようだ」
満足しているクリスの隣で、オグウェノが空を見上げたまま感心する。
「すごいな。龍と鳳凰ってやつか? どうやって出したんだ?」
「あの高い建物の中で月からの情報の話をした時、何もないところに文字が現れただろ? あれと同じだ。映像というのだが、簡単に説明するなら幻だな。設置した器材を使って、全員が見える幻を出した」
「どんな幻でも出せるのか?」
「そうだな。事前に準備していれば」
オグウェノがなにか考えながら頷く。
「便利だな。もっといろんな使い道がありそうだ」
「それでも知っている者が見れば子ども騙しだ」
「そうだが、知らないヤツには大変なことだぞ」
オグウェノの隣ではルドが無言のまま目を見開いている。クリスの説明も耳に入っていない。
その姿にクリスは納得した。
「たしかに」
そこに朝日が顔を出す。光が差し込み、風が吹き抜ける。徐々に霧が晴れ、質素な小屋と枯草の草原が現れた。しかし、龍と鳳凰は悠然と空を泳ぎ続ける。
「で、ここからどうするんだ?」
「龍と鳳凰を騎士たちに近づけて、撤退するように命令する。その前に、逃げだすかもしれないがな」
「楽な戦だ」
「その場しのぎでもある」
「怪我人も出さずに撤退させられるなら、十分だろ」
「まあな。そろそろ次に……」
クリスが合図を出そうとしたところで、魔法騎士団側に動きがあった。森の中から豪華な馬車が飛び出してきた。
それを追いかけるように、魔法騎士団も一斉にこちらに向かってくる。草原には石や辛子の煙幕の罠があるが、力技で突破していく。
こうなることも予測していたクリスは慌てることなくカリストに訊ねた。
「なにが起きた?」
「第二皇子が暴走したようです。魔法騎士団は止めるために追いかけています」
「龍を馬車の前に移動させて制止させろ」
「はい」
カリストの指示で、上空を泳いでいた龍が馬車の前方に降りていく。
だが、龍が口を動かして声を出す前に、馬車の護衛をしている親衛隊が魔法で攻撃をした。炎や氷の塊が龍に飛んできたが、すべてすり抜ける。
クリスは呆れたように腕を組んだ。
「あれはパニックになってるな」
「あれぐらいで取り乱すとは、なさけねぇなぁ」
後方で見物していたカイが困り顔で歩いてくる。
自暴自棄になった親衛隊が、どれだけの攻撃をしてくるか一切読めない。
クリスはカイに意見を求めた。
「ここにいても大丈夫か? 一応、この付近には防護の魔法陣で守りを固めたから、ある程度の攻撃なら耐えられるが……念のために、撤退準備をするか?」
「いや、その必要はない。ここに来るまでに、追ってきている魔法騎士団が止めるだろ……ん? なんだ、あれ?」
馬車が小屋を通り抜けたところで急停車した。そして、馬車から大人が二人がかりで大きな木箱を運び出す。重いのか、それとも貴重な品なのか、急ぎながらも扱いは丁寧だ。
親衛隊の男たちが木箱を地面に置くと、白金の騎士服を着た青年が馬車から出てきた。
カイが持っていた望遠鏡を覗く。
「お、あれはクラウディウス第二皇子じゃないか。自らやって来るとは、さすが血気盛んで戦でも前線に立つという、噂通りのヤツだな」
クラウディウスが腰に下げている剣を抜き、木箱を叩き割った。中には大人が抱えるほどの大きさの球体。
親衛隊の男が木箱の残骸から球体を取り出し、地面に置いた。すると、枯草の一部が輝きだし、球体を中心に魔法陣が展開される。そこに魔法騎士団が到着した。
その光景にカイが望遠鏡を覗いたまま叫ぶ。
「あれは!? まさか、マジで作っていたのか!?」
珍しく焦るカイに、クリスは嫌な予感がした。
「どうした?」
「あれは魔力を封じたもので、刺激を加えると爆発する代物だ。爆発の威力は込められた魔力の量で変わるが、最低でも町一つは消し飛ぶぐらいの力を秘めている」
「そんな武器があるなんて、聞いたことがないぞ」
「作るのに金がかかり過ぎるからって、机上の空論で終わったはずなんだ。まさか作っているとは……」
オグウェノが首を傾げた。
「そんなもの、ここにあってもしょうがないだろ。あそこで爆発させても、あの小屋がなくなるぐらいだ」
「そうなんだが……」
カイが再び望遠鏡を覗き、輝いている魔法陣に注目する。
「あれは……転移魔法陣!? そうか! ここから、アレを転移させて、その先で爆発させるのか!」
「だが、どこに転移を…………まさか!?」
クリスと顔を合わせたカイが頷く。
「シェットランド領だ! ここならシェットランド領の中心地まで、直線距離では一番近い。最初にアレをシェットランド領の中心地に転移させて爆発させるつもりだ。それで、混乱しているところに魔法騎士団を転移魔法で投入して、制圧する作戦だろう」
「だが、転移魔法にはかなりの魔力が必要になるぞ」
カイが悔しそうに歯ぎしりをする。
「だから、魔力が強い魔法騎士団の騎士を集めたんだ! 半分は転移用に魔力を使って、残りはシェットランド領を制圧に行かせるために……クソ! 盲点だった!」
「止めなければ!」
飛び出しかけたクリスをルドが止める。ルドがカイに訊ねた。
「あの丸いのはどういう刺激を与えたら爆発しますか?」
「わからん。魔力だったり、外部からの力だったり……製作者がどのように設定したか次第だ」
「それならクラウディウス第二皇子に聞けば、分かりますかね?」
「第二皇子なら知っているだろうな。どうするつもりだ?」
無言のルドにクリスが迫る。
「おい、どうするんだ?」
「力技は任せてください」
「いや、待っ……」
クリスが止める間もなく、ルドが飛び出した。すぐにオグウェノがイディに命令する。
「おまえも行け!」
「はっ!」
イディが素早く駆け出す。すぐルドに追いついたイディは走りながら訊ねた。
「手がいるか?」
「手伝ってもらえるなら助かります」
「なにをする?」
「あそこの小屋に閉じ込めた人たちを追い出してください。必ず、全員を」
それだけでイディはルドがしようとしていることを察した。
「わかった」
頷き合うと、イディは小屋がある方へ、ルドは親衛隊がいる方へ、それぞれ走りだした。
しかし距離があるため、どうしても時間がかかる。ルドは魔法を詠唱した。
『風よ、我が足に空を駆ける力を』
先ほどまで走っていた速さとは比べ物にならないスピードで駆ける。一足飛びで親衛隊たちの前に降りた。
ルドの姿にダーチェが叫ぶ。
「ルドヴィクス!? なぜ、ここに!?」
ルドがダーチェを無視して親衛隊に突進する。平服を着ているためルドが魔法騎士団の一人だと知らない親衛隊が叫ぶ。
「止まれ! 何者っ……ぐはっ……」
ルドが駆けてきた勢いを殺すことなく、親衛隊の男に体当たりした。
「なっ!?」
他の親衛隊の男たちが慌てて抜刀するが、ルドは素早く剣を奪い、腹に蹴りを入れる。そこから、流れるようにクラウディウスの背後に立ち、首に剣を突きつけた。
「クラウディウス第二皇子!」
空気が凍り、全員が固まった。
「いい感じに驚いているな。部隊がバラける前に鳳凰に気づくようアンドレが誘導したようだ」
満足しているクリスの隣で、オグウェノが空を見上げたまま感心する。
「すごいな。龍と鳳凰ってやつか? どうやって出したんだ?」
「あの高い建物の中で月からの情報の話をした時、何もないところに文字が現れただろ? あれと同じだ。映像というのだが、簡単に説明するなら幻だな。設置した器材を使って、全員が見える幻を出した」
「どんな幻でも出せるのか?」
「そうだな。事前に準備していれば」
オグウェノがなにか考えながら頷く。
「便利だな。もっといろんな使い道がありそうだ」
「それでも知っている者が見れば子ども騙しだ」
「そうだが、知らないヤツには大変なことだぞ」
オグウェノの隣ではルドが無言のまま目を見開いている。クリスの説明も耳に入っていない。
その姿にクリスは納得した。
「たしかに」
そこに朝日が顔を出す。光が差し込み、風が吹き抜ける。徐々に霧が晴れ、質素な小屋と枯草の草原が現れた。しかし、龍と鳳凰は悠然と空を泳ぎ続ける。
「で、ここからどうするんだ?」
「龍と鳳凰を騎士たちに近づけて、撤退するように命令する。その前に、逃げだすかもしれないがな」
「楽な戦だ」
「その場しのぎでもある」
「怪我人も出さずに撤退させられるなら、十分だろ」
「まあな。そろそろ次に……」
クリスが合図を出そうとしたところで、魔法騎士団側に動きがあった。森の中から豪華な馬車が飛び出してきた。
それを追いかけるように、魔法騎士団も一斉にこちらに向かってくる。草原には石や辛子の煙幕の罠があるが、力技で突破していく。
こうなることも予測していたクリスは慌てることなくカリストに訊ねた。
「なにが起きた?」
「第二皇子が暴走したようです。魔法騎士団は止めるために追いかけています」
「龍を馬車の前に移動させて制止させろ」
「はい」
カリストの指示で、上空を泳いでいた龍が馬車の前方に降りていく。
だが、龍が口を動かして声を出す前に、馬車の護衛をしている親衛隊が魔法で攻撃をした。炎や氷の塊が龍に飛んできたが、すべてすり抜ける。
クリスは呆れたように腕を組んだ。
「あれはパニックになってるな」
「あれぐらいで取り乱すとは、なさけねぇなぁ」
後方で見物していたカイが困り顔で歩いてくる。
自暴自棄になった親衛隊が、どれだけの攻撃をしてくるか一切読めない。
クリスはカイに意見を求めた。
「ここにいても大丈夫か? 一応、この付近には防護の魔法陣で守りを固めたから、ある程度の攻撃なら耐えられるが……念のために、撤退準備をするか?」
「いや、その必要はない。ここに来るまでに、追ってきている魔法騎士団が止めるだろ……ん? なんだ、あれ?」
馬車が小屋を通り抜けたところで急停車した。そして、馬車から大人が二人がかりで大きな木箱を運び出す。重いのか、それとも貴重な品なのか、急ぎながらも扱いは丁寧だ。
親衛隊の男たちが木箱を地面に置くと、白金の騎士服を着た青年が馬車から出てきた。
カイが持っていた望遠鏡を覗く。
「お、あれはクラウディウス第二皇子じゃないか。自らやって来るとは、さすが血気盛んで戦でも前線に立つという、噂通りのヤツだな」
クラウディウスが腰に下げている剣を抜き、木箱を叩き割った。中には大人が抱えるほどの大きさの球体。
親衛隊の男が木箱の残骸から球体を取り出し、地面に置いた。すると、枯草の一部が輝きだし、球体を中心に魔法陣が展開される。そこに魔法騎士団が到着した。
その光景にカイが望遠鏡を覗いたまま叫ぶ。
「あれは!? まさか、マジで作っていたのか!?」
珍しく焦るカイに、クリスは嫌な予感がした。
「どうした?」
「あれは魔力を封じたもので、刺激を加えると爆発する代物だ。爆発の威力は込められた魔力の量で変わるが、最低でも町一つは消し飛ぶぐらいの力を秘めている」
「そんな武器があるなんて、聞いたことがないぞ」
「作るのに金がかかり過ぎるからって、机上の空論で終わったはずなんだ。まさか作っているとは……」
オグウェノが首を傾げた。
「そんなもの、ここにあってもしょうがないだろ。あそこで爆発させても、あの小屋がなくなるぐらいだ」
「そうなんだが……」
カイが再び望遠鏡を覗き、輝いている魔法陣に注目する。
「あれは……転移魔法陣!? そうか! ここから、アレを転移させて、その先で爆発させるのか!」
「だが、どこに転移を…………まさか!?」
クリスと顔を合わせたカイが頷く。
「シェットランド領だ! ここならシェットランド領の中心地まで、直線距離では一番近い。最初にアレをシェットランド領の中心地に転移させて爆発させるつもりだ。それで、混乱しているところに魔法騎士団を転移魔法で投入して、制圧する作戦だろう」
「だが、転移魔法にはかなりの魔力が必要になるぞ」
カイが悔しそうに歯ぎしりをする。
「だから、魔力が強い魔法騎士団の騎士を集めたんだ! 半分は転移用に魔力を使って、残りはシェットランド領を制圧に行かせるために……クソ! 盲点だった!」
「止めなければ!」
飛び出しかけたクリスをルドが止める。ルドがカイに訊ねた。
「あの丸いのはどういう刺激を与えたら爆発しますか?」
「わからん。魔力だったり、外部からの力だったり……製作者がどのように設定したか次第だ」
「それならクラウディウス第二皇子に聞けば、分かりますかね?」
「第二皇子なら知っているだろうな。どうするつもりだ?」
無言のルドにクリスが迫る。
「おい、どうするんだ?」
「力技は任せてください」
「いや、待っ……」
クリスが止める間もなく、ルドが飛び出した。すぐにオグウェノがイディに命令する。
「おまえも行け!」
「はっ!」
イディが素早く駆け出す。すぐルドに追いついたイディは走りながら訊ねた。
「手がいるか?」
「手伝ってもらえるなら助かります」
「なにをする?」
「あそこの小屋に閉じ込めた人たちを追い出してください。必ず、全員を」
それだけでイディはルドがしようとしていることを察した。
「わかった」
頷き合うと、イディは小屋がある方へ、ルドは親衛隊がいる方へ、それぞれ走りだした。
しかし距離があるため、どうしても時間がかかる。ルドは魔法を詠唱した。
『風よ、我が足に空を駆ける力を』
先ほどまで走っていた速さとは比べ物にならないスピードで駆ける。一足飛びで親衛隊たちの前に降りた。
ルドの姿にダーチェが叫ぶ。
「ルドヴィクス!? なぜ、ここに!?」
ルドがダーチェを無視して親衛隊に突進する。平服を着ているためルドが魔法騎士団の一人だと知らない親衛隊が叫ぶ。
「止まれ! 何者っ……ぐはっ……」
ルドが駆けてきた勢いを殺すことなく、親衛隊の男に体当たりした。
「なっ!?」
他の親衛隊の男たちが慌てて抜刀するが、ルドは素早く剣を奪い、腹に蹴りを入れる。そこから、流れるようにクラウディウスの背後に立ち、首に剣を突きつけた。
「クラウディウス第二皇子!」
空気が凍り、全員が固まった。
0
あなたにおすすめの小説
病弱な第四皇子は屈強な皇帝となって、兎耳宮廷薬師に求愛する
藤原 秋
恋愛
大規模な自然災害により絶滅寸前となった兎耳族の生き残りは、大帝国の皇帝の計らいにより宮廷で保護という名目の軟禁下に置かれている。
彼らは宮廷内の仕事に従事しながら、一切の外出を許可されず、婚姻は同族間のみと定義づけられ、宮廷内の籠の鳥と化していた。
そんな中、宮廷薬師となった兎耳族のユーファは、帝国に滅ぼされたアズール王国の王子で今は皇宮の側用人となったスレンツェと共に、生まれつき病弱で両親から次期皇帝候補になることはないと見限られた五歳の第四皇子フラムアーク付きとなり、皇子という地位にありながら冷遇された彼を献身的に支えてきた。
フラムアークはユーファに懐き、スレンツェを慕い、成長と共に少しずつ丈夫になっていく。
だがそれは、彼が現実という名の壁に直面し、自らの境遇に立ち向かっていかねばならないことを意味していた―――。
柔和な性格ながら確たる覚悟を内に秘め、男としての牙を隠す第四皇子と、高潔で侠気に富み、自らの過去と戦いながら彼を補佐する亡国の王子、彼らの心の支えとなり、国の制約と湧き起こる感情の狭間で葛藤する亜人の宮廷薬師。
三者三様の立ち位置にある彼らが手を携え合い、ひとつひとつ困難を乗り越えて掴み取る、思慕と軌跡の逆転劇。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
喪女なのに狼さんたちに溺愛されています
和泉
恋愛
もふもふの狼がイケメンなんて反則です!
聖女召喚の儀で異世界に呼ばれたのはOL・大学生・高校生の3人。
ズボンを履いていた大学生のヒナは男だと勘違いされ、説明もないまま城を追い出された。
森で怪我をした子供の狼と出会ったヒナは狼族の国へ。私は喪女なのに狼族の王太子、No.1ホストのような武官、真面目な文官が近づいてくるのはなぜ?
ヒナとつがいになりたい狼達の恋愛の行方は?聖女の力で国同士の争いは無くすことができるのか。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
【完結済】隣国でひっそりと子育てしている私のことを、執着心むき出しの初恋が追いかけてきます
鳴宮野々花@書籍4作品発売中
恋愛
一夜の過ちだなんて思いたくない。私にとって彼とのあの夜は、人生で唯一の、最良の思い出なのだから。彼のおかげで、この子に会えた────
私、この子と生きていきますっ!!
シアーズ男爵家の末娘ティナレインは、男爵が隣国出身のメイドに手をつけてできた娘だった。ティナレインは隣国の一部の者が持つ魔力(治癒術)を微力ながら持っており、そのため男爵夫人に一層疎まれ、男爵家後継ぎの兄と、世渡り上手で気の強い姉の下で、影薄く過ごしていた。
幼いティナレインは、優しい侯爵家の子息セシルと親しくなっていくが、息子がティナレインに入れ込みすぎていることを嫌う侯爵夫人は、シアーズ男爵夫人に苦言を呈す。侯爵夫人の機嫌を損ねることが怖い義母から強く叱られ、ティナレインはセシルとの接触を禁止されてしまう。
時を経て、貴族学園で再会する二人。忘れられなかったティナへの想いが燃え上がるセシルは猛アタックするが、ティナは自分の想いを封じ込めるように、セシルを避ける。
やがてティナレインは、とある商会の成金経営者と婚約させられることとなり、学園を中退。想い合いながらも会うことすら叶わなくなった二人だが、ある夜偶然の再会を果たす。
それから数ヶ月。結婚を目前に控えたティナレインは、隣国へと逃げる決意をした。自分のお腹に宿っていることに気付いた、大切な我が子を守るために。
けれど、名を偽り可愛い我が子の子育てをしながら懸命に生きていたティナレインと、彼女を諦めきれないセシルは、ある日運命的な再会を果たし────
生まれ育った屋敷で冷遇され続けた挙げ句、最低な成金ジジイと結婚させられそうになったヒロインが、我が子を守るために全てを捨てて新しい人生を切り拓いていこうと奮闘する物語です。
※いつもの完全オリジナルファンタジー世界の物語です。全てがファンタジーです。
※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
王宮地味女官、只者じゃねぇ
宵森みなと
恋愛
地味で目立たず、ただ真面目に働く王宮の女官・エミリア。
しかし彼女の正体は――剣術・魔法・語学すべてに長けた首席卒業の才女にして、実はとんでもない美貌と魔性を秘めた、“自覚なしギャップ系”最強女官だった!?
王女付き女官に任命されたその日から、運命が少しずつ動き出す。
訛りだらけのマーレン語で王女に爆笑を起こし、夜会では仮面を外した瞬間、貴族たちを騒然とさせ――
さらには北方マーレン国から訪れた黒髪の第二王子をも、一瞬で虜にしてしまう。
「おら、案内させてもらいますけんの」
その一言が、国を揺らすとは、誰が想像しただろうか。
王女リリアは言う。「エミリアがいなければ、私は生きていけぬ」
副長カイルは焦る。「このまま、他国に連れて行かれてたまるか」
ジークは葛藤する。「自分だけを見てほしいのに、届かない」
そしてレオンハルト王子は心を決める。「妻に望むなら、彼女以外はいない」
けれど――当の本人は今日も地味眼鏡で事務作業中。
王族たちの心を翻弄するのは、無自覚最強の“訛り女官”。
訛って笑いを取り、仮面で魅了し、剣で守る――
これは、彼女の“本当の顔”が王宮を変えていく、壮麗な恋と成長の物語。
★この物語は、「枯れ専モブ令嬢」の5年前のお話です。クラリスが活躍する前で、少し若いイザークとライナルトがちょっと出ます。
次期騎士団長の秘密を知ってしまったら、迫られ捕まってしまいました
Karamimi
恋愛
侯爵令嬢で貴族学院2年のルミナスは、元騎士団長だった父親を8歳の時に魔物討伐で亡くした。一家の大黒柱だった父を亡くしたことで、次期騎士団長と期待されていた兄は騎士団を辞め、12歳という若さで侯爵を継いだ。
そんな兄を支えていたルミナスは、ある日貴族学院3年、公爵令息カルロスの意外な姿を見てしまった。学院卒院後は騎士団長になる事も決まっているうえ、容姿端麗で勉学、武術も優れているまさに完璧公爵令息の彼とはあまりにも違う姿に、笑いが止まらない。
お兄様の夢だった騎士団長の座を奪ったと、一方的にカルロスを嫌っていたルミナスだが、さすがにこの秘密は墓場まで持って行こう。そう決めていたのだが、翌日カルロスに捕まり、鼻息荒く迫って来る姿にドン引きのルミナス。
挙句の果てに“ルミタン”だなんて呼ぶ始末。もうあの男に関わるのはやめよう、そう思っていたのに…
意地っ張りで素直になれない令嬢、ルミナスと、ちょっと気持ち悪いがルミナスを誰よりも愛している次期騎士団長、カルロスが幸せになるまでのお話しです。
よろしくお願いしますm(__)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる