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青春
しおりを挟むいよいよ、旅行まであと一週間になった。ドーナツ店のアルバイトも夏休みなのでシフトを増やし頑張った。
「わたし達頑張っているよね」
「うん、早乙女ちゃんこれこそ青春って感じかな」
亜子ちゃんが夏の空を見上げて言った。
「うん、一度きりの高校生活を楽しみたいね。夏の旅行も楽しみだね」
わたしも夏の空を見上げた。青い空にもくもくとした食べたくなるような綿菓子みたいな白い雲。
高校時代は人生の中で一度しかなくて今、わたし達は貴重な時間を生きている。
「早乙女ちゃん、もくもくとした綿菓子みたい雲を眺めていると食べたくなるよね」
「亜子ちゃん、わたしも同じことを思ったよ」
「姉ちゃんも亜子さんも食いしん坊ですね。って、亜子さんドーナツを食べているじゃないですか」
「あら、奈央君、居たんだね。だって、綿菓子みたいな雲って美味しそうだもんね。ねえ、早乙女ちゃん」
亜子ちゃんはドーナツをぱくぱく食べながらわたしの顔を見た。
「うん、真っ白な雲は綿菓子みたいで美味しそうだよ~」
わたしは、空を見上げ綿菓子みたいな真っ白な雲に手を伸ばした。掴むことは出来ないな。仕方がない、わたしはドーナツ店で買った紙袋に入っているドーナツを食べることにした。
わたしは、綿菓子みたいな雲の代わりにシュガードーナツを口に運び食べた。
「うん、美味しい」
いつまでも馬鹿なことを言い合って笑っていられたら良いのにな。ドーナツにまぶっている砂糖が甘かった。
『祐介君、いよいよ、旅行一週間前になったよ。わたしは、今日もドーナツ屋さんのアルバイトを頑張りました。夏の旅行が楽しみでわくわくするよ。早乙女』
わたしは、アルバイトが終わり家に着くと二階の自室に駆け上がりカフェノートを開き文章を書いた。
残りのページ数も気になるけれど、あと一週間で旅行だと思うと黙ってなんていられない。
すると、すぐに祐介君から返事がきた。いつもの見慣れた豪快で大きくて綺麗な文字で書かれていた。
『早乙女ちゃん、こんにちは。そうだね、いよいよ、旅行まであと一週間になったね。ドーナツ屋さんのアルバイトお疲れ様です。俺も夏の旅行が楽しみだよ。俺の両親もめちゃくちゃ楽しみにしてるよ。祐介』
『ご両親も楽しみにしているんだね。早乙女』
『そうなんだよね。お父さんは海パンを買ったんだけど猫の絵柄がプリントされているんだよ。恥ずかしいよ。祐介』と書かれていた。
祐介君の困った顔が思い浮かんできてわたしはクスクスと笑った。
わたしは、笑いながらペンを走らせた。
『祐介君もお父さんとお揃いの猫柄の海パンを買ったら良い思い出になるかもだよ』
『……早乙女ちゃん、冗談を言わないでくれよ。お父さんとお揃いの猫柄の海パンなんて穿けないよ。恥ずかしすぎるじゃないか!!』
きっと、祐介君は顔を真っ赤に上気させながらカフェノートを書いているのかなと思うとわたしは大声で笑ってしまった。
笑いながらカフェノートを通して祐介君と会話をした旅行一週間前だった。
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