異世界カフェ食堂で皿洗いをしますと思ったら日本料理を創造する力が与えられていた!(もふもふ聖獣猫のモフにゃーと楽しく日本料理を創造します)

なかじまあゆこ

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黄色のバスに揺られ異世界へ

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 男性はにこやかな微笑みを浮かべ両手を横に広げわたし達を歓迎している。

「グリーン王国?」

 バスの乗客だったわたし達の声が揃う。

 猫も「にゃん?」と鳴いた。

「そうだよ。ここはグリーン王国だ。君達の世界とは別世界のね」

 男性が言うように緑に溢れた空間ではあるし空を見上げると犬のような顔をした鳥が飛んでいる。ちょっと怖いよ。震えちゃう。

「別世界?」と誰かが言った。

「そうだよ。君達は選ばれし人間なんだよ」

 男性は妖しげな微笑みを浮かべた。よく見ると髪だけではなく服装も変だ。ヒラヒラな白の布を纏ったような古代風プラスファンタジーを混ぜ合わせような出で立ちなのだ。

「選ばれし人間ですか?」とわたしが尋ねる。  

「そうだよ。わたしが君達をこのグリーン王国に召喚したのだ」

 妖しげな男性は口元に手を当ててうふふと笑った。

 召喚って一体どういうことなのだろうか? この男性の言っている意味がわからない。



 その時。

「召喚ってまさかライトノベルとかによく出てくるあのファンタジーの異世界召喚のことですか?」

 と、くりくりな目がちょっと可愛らしい中学生くらいの男の子が質問した。

「ん? ライトノベルにファンタジーとはなんだろう? まあ、そう言うことかもしれないな。君達の世界からこのグリーン王国に召喚したんだからな。君達はこの世界に必要な存在だからね」

 そして、男性はニヤリと笑い、「申し遅れたがわたしは神様だ」と言った。

「神様!!」

 バスの乗客だったわたし達の声がまたまた揃う。

 猫も「にゃん!!」と鳴いた。

「そうだよ。わたしはこの世界の神様だ。君達にこの世界をより良くしてもらいたくてね。よろしく頼むよ」

 神様は両手を大きく広げ満面の笑みを浮かべた。ってちょっと待ってくださいよ。それって自分勝手じゃないですか? わたしがそう考えていると、

「ワシは嫌だ。君達の王国などワシには関係ない。ワシは日本に帰るぞ」と白髪頭のおじいさんが言った。

 その通りだ。おじいさんよく言ってくれましたとわたしは思わず拍手を送りたくなった。

「わたしもそう思うね」と年配の女性も頷く。

「僕はこの世界で生きていくのも良いかも。あ、因みに僕は勇者とかになれるんですか?」

 これは先程のくりくりお目目の中学生くらいの男の子だ。

「わたしもこの世界で生きていきたいかも~」

 そう言ってにっこりと笑ったのは高校生くらいのおさげ頭の女の子だった。

 そして、わたしはどうしたいの? と自分自身に問いかけてみるけど、答えが出なかった。


「みんな様々な思いがあるようだね。だが、申し訳ないが帰ることはできないよ」

「帰ることができないとは何故だ?」

 おじいさんは神様に詰め寄る。

「それはこのバスは片道乗車だからね……」
「は? 片道乗車?」
「うむ。このバスは君達の地球からグリーン王国行きの片道乗車しかできないのだ」

 神様は大きく頷きながら答えた。

「それはおかしいじゃないか。だって、神様はこのバスでグリーン王国とやからワシらの地球へやって来たんだよな」

 おじいさんは神様に顔を近づけ抗議をする。

「それはわたしが神様だからだ。君達はこのグリーン王国に必要な存在であるしそれに君達はわたしの呼びかけに答えたではないか」

 神様は威厳に満ちた顔でわたし達を順番に見る。

「それは……だがしかし」

 おじいさんは弱腰になる。

「さあ、諦めてこの世界で楽しく生きることを考えるのだな」

 神様の宝石のように美しいブルーの瞳がキラリと輝き青みがかった髪がサラサラと風に揺れた。

 わたしは、その瞳と髪を眺め綺麗だなとぼんやりと思った。

「君達にわたしから特別な力をプレゼントしてやろう。この世界を良き世界へと導いてくれ。それと君達も幸せになってくれ」

 そして、宝石のようなブルーの瞳が再びキラッと光ったと思うとわたしの気が遠のいた。



 再び目を開けるとわたしは、良い香りに包まれ見たことのない部屋のベッドで寝ていた。

 ここはどこ? 体を起こしわたしは部屋の中をキョロキョロと見渡した。

 すると、花がたくさん散りばめられた可愛らしくて華やかな壁紙が目に入る。それとアンティーク調な木製のテーブルの上に真っ白なもふもふ猫がいてスヤスヤと寝息を立てている。

 あの猫どこかで見たことがあるなと眺める。気になるので近づいて見てみようとベッドから降りる。

 トテンと可愛らしい音がした。

「あれ?」

 なんだろう? 何かがおかしいなと首を傾げ歩こうとした。

 ん? これは……。

 やっぱり何かが変だ。そう視界がいつもより低いのだ。厚底靴を脱いで身長が低くなったレベルじゃない!!

 それに体が軽い。まさかわたし縮んだ。それに手に視線を落とすと丸っこいよ。

「やっぱり絶対に変だよ~」

 それに声もいつもより可愛らしいような気がする。これもまた可愛らしい気がするレベルじゃない。

  思い出した。神様だ。わたしは、神様にグリーン王国とやらに召喚されたのだったよね。

 まさか、あの妖しげな神様におチビになる魔法でもかけられたのだろうか。

 そうだ、鏡だ。鏡はどこにある。
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