異世界カフェ食堂で皿洗いをしますと思ったら日本料理を創造する力が与えられていた!(もふもふ聖獣猫のモフにゃーと楽しく日本料理を創造します)

なかじまあゆこ

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わたし日本料理を創造します

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「へ?」

 わたしは思わず間抜けな声を出してしまった。

「へ? じゃないだろう。嬉しくないのかな? アリナは日本料理を創造したいんじゃないのか?」

 神様は不思議そうに首を傾げる。

「日本料理を想像するってなんですか? 美味しい日本料理なら時々思い出しているけど」

 わたしも神様と同じように首を傾げる。

「おいおい、アリナよ。想像じゃない。創造だ」

「は? だから想像だよね……」

 神様は一体何を言っているのだろう?

「理解力のない子だね。まあ、そのアリナの想像するというのも間違いではないけどな。よく聞けアリナ、アリナが食べたい作りたいと頭で想像した(思い描いた)ものを創造魔法で創り出すのだ」

 神様はほらなと得意満面な様子で自分自身の言った言葉に頷いている。

「はぁ……創造魔法?」

「そうだ。創造魔法だよ。いいか、例えばアリナがおにぎりを作りたいと思いおにぎりを頭の中で想像するとしよう」

「はい。おにぎり大好きだよ」

「そのおにぎりは実際に握るんじゃなくてな。おにぎりを頭に思い描き創造するのだ。ではお手本を見せるぞ」

 神様はそう言ったかと思うと……え!! 神様は何処から持ってきたのだろう? おにぎりを手に持っているよ。

「え? 神様そのおにぎりはどうしたの?」


 神様が手にしているおにぎりはとっても大きくてボリュームがあり食べ応えがありそうだ。ああ、ヨダレがこぼれちゃいそうって違った。

「あはは、アリナは食いしん坊さんな顔だね。食べるかい?」

「はい! 食べます」


「はむはむ。このおにぎり美味しいよ~」

 わたしはもう無我夢中になりおにぎりをはむはむと食べた。

 だって、久しぶりのおにぎりなんだもん。もう幸せでたまらない。中身はシンプルな梅干しだ。これこそ日本のおにぎりだって感じだよ。白米で梅干しを包み込んであり懐かしく涙が出そうだ。

 というかもう出ている。涙が……出ている。地球が恋しい。あんなに辛かった世界だったのに……。わたしの故郷は青い星にある日本だよ。

 このおにぎりを食べると改めてそう感じる。

「酸っぱくて懐かしい~幸せだよ~美味しい~」

 これこそ日本料理っていうのかな。とっても大きなおにぎりは幼女のわたしの顔くらいある。

「アリナ良い表情で食べているな」

「はい、神様!」

「その顔をこのグリーン王国のみんなにもさせてくれ」

 神様はそう言ってその美しいブルーの目でわたしを真っ直ぐ見つめた。

「はい、神様わかりました」

 わたしも神様の輝く目を真っ直ぐ見つめ返す。

「アリナありがとう。君ならみんなを幸せへと導くことが出来るはずだ」

 神様は微笑みを浮かべた。

「え? わたしがみんなを幸せに導くって……自信ないよ」

「大丈夫だ。アリナは優しい女の子だからな」

 神様はわたしの頭にポンッと手を置いた。その手の温もりにじわっと心もあたたまり大丈夫だという気がしてきた。

 
「あの神様。わたし思い描いただけで日本料理を創造出来るようになったんですか?」

 はむはむとおにぎりを食べながらわたしは神様に尋ねた。

「試してみるかい?」

 神様はわたしの頭から手を離しウィンクした。

「い、今試すの!」
「そう今だよ」
「うわぁ~わたしに出来るかな?」
「きっと、大丈夫だ」

 神様に大丈夫だと言われると自信が湧いてくる。

「では、先ずは食べたい日本料理でも思い浮かべるんだ」

「食べたい日本料理ですか。たくさんあって困っちゃうな。お寿司にオムライス、エビフライ。あ、オムライスやエビフライって日本料理かな?」

 わたしは顎に人差し指を当てながら食べたいものを考える。

「日本料理かどうかはガラスのようなウィンドウ画面に表示されるぞ」

「へ? ウィンドウ画面ってなんですか?」

 首を傾げるわたしに神様は、「ああ、教えていなかったな」と言った。

そして、「ヘルプウィンドウファンタジーと唱えるんだ。見ておれ」  

 神様は「ヘルプウィンドウファンタジー!!」と唱えた。

 すると、神様の頭上にジャーン! とマンガの吹き出しのようなものが出てきた。これがウィンドウなのかな? が出できた。

「す、凄い!! か、神様が神様みたいだ~」

 わたしは、神様に尊敬の眼差しを向けた。

「神様みたいとは何だ。わたしは神様じゃ」

 神様は腰に手を当て得意げにホッホと笑った。
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