異世界カフェ食堂で皿洗いをしますと思ったら日本料理を創造する力が与えられていた!(もふもふ聖獣猫のモフにゃーと楽しく日本料理を創造します)

なかじまあゆこ

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アリナの創造日本料理がほのぼのにこにこカフェ食堂のメニューになります

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 小鳥のさえずりで目覚める朝は心地よい。けれど、このグリーン王国の朝は時々ウワァワンウワァワンと鳴く犬鳥のけたたましい鳴き声に起こされる。

「アリナちゃ~ん! 朝だよ。おはようにゃん」

「おはよう。モフにゃー」

 わたしは眠たい目をゴシゴシと擦りながら朝の挨拶をする。

 そして、ベッドからぴょーんと飛び降りピンク色のふわふわもこもこのお気に入りのスリッパを履く。


「お父さんがアリナはまだ起きて来ないのか~いと言っているにゃんよ」

「お父さんってば毎日これだね」

 わたしは真っ白なもふもふな聖獣猫モフにゃーを抱っこし廊下をトテトテと歩く。

 食事の間の扉を開けながら「お父さん、お母さんおはよう~」と朝の挨拶をする。

「おはよう~愛しき娘アリナよ」

 お父さんは頬を緩めとろけるような微笑みを浮かべる。

「アリナおはよう。お父さんは毎日これだものね。アリナに嫌がられてしまうわよ」

 お母さんはテーブルにふわふわーと湯気の立ったあたたかそうなほんのりと甘い香りがするカモミールティーを置く。

「そんなことないもんな~アリナはお父さんのことが大好きだもんな」

「う~ん、どうかな?」
「お~い、アリナ。お父さんはお前のことをこんなに愛しているんだぞ~」

 お父さんが椅子から立ち上がり愛情表現をしようとするのでわたしは慌てて「嫌いにならないよ。お父さん大好きだよ」と返事をした。

「ほらな」

 お父さんは得意満面な表情になる。


 わたしを愛してくれる両親と共に過ごすこんないつもの朝が愛おしい。

 地球では実現出来なかった幸せがこの世界にはある。幸せすぎて怖いくらいだ。

 わたしはいつも一人ぼっちだった。周りに人がたくさんいても寂しかった。両親に捨てられ、血の繋がりのある叔母さんや富菜ちゃんに嫌われた。

 誰のことも信用できなかった。

 それが今は目の前にいる両親を信頼している。モフにゃーのことも大好きだ。

 それから、お隣りの食堂のオーナー兄妹とも仲良くなれた。

 カモミールティーを一口飲むと甘くて優しい香りがしてほっと心が落ち着く。

「アリナどうかしたのかい?」
「え? ううん、大丈夫だよ。わたしは幸せだよ~」
「おっ、そうかい。お父さんもアリナがいてくれて幸せだぞ」

 お父さんはお母さんがテーブルに並べたライ麦パンをスープに漬け食べながら言った。

 今の両親は血の繋がりもないのにわたしのことを本当の娘のように可愛がってくれる。そして愛してくれる。

「お父さん、わたしカフェ食堂で料理を作りたい。魔法を使った創造料理だけどいいかな?」

 わたしはちょっとドキドキしながらお父さんの顔を見た。


「もちろんかまわないぞ。きっと、神様がアリナにその魔法が必要だから与えてくれたんだと思うぞ。その前にお父さんにも試食させてくれよな」

 お父さんはそう言ってウィンクをした。

「お父さん、ありがとう。みんなに喜んでもらえる料理を創造するね。あ、お父さんも食べてね」

「了解したぞ。頑張れアリナ」
「うん、わたし頑張るよ」

 わたしはウィンクをして力こぶを作ってみせた。

「お母さんにも食べさせてね」
「わたしもアリナちゃんの料理を食べるにゃん」
「うん、お母さんも食べてね。モフにゃーはわたしの助手もするんだよ~」
「え! わたし食べるの専門じゃないのにゃん?」

 モフにゃーは食いしん坊なんだから困ったわたしの眷属聖獣猫だ。今もヨダレを垂らしそうな顔をしているんだもんね。しかも、パンをぱくぱくにゃんと食べながらだよ。

 何はともあれわたしの創造料理がカフェ食堂で出せることになった。とーっても嬉しいよ。

 アリナは頑張ります。わたしは気合いを入れてちょっと硬めのパンをかじる。

 美味しいけれどやっぱりちょっと硬いな。わたしは、スープにパンをつけて食べた。うん、美味しい。なんか幸せだ。

 
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