異世界カフェ食堂で皿洗いをしますと思ったら日本料理を創造する力が与えられていた!(もふもふ聖獣猫のモフにゃーと楽しく日本料理を創造します)

なかじまあゆこ

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わたしアリナの親子丼です

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「よし、今度は納豆を創造しようかな」

 もう納豆を思い浮かべただけで幸せな気分になる。

 だって、ご飯に納豆をのせて食べると最高だよ。ネギを刻んで入れるのも良いね。それからキムチをトッピングしたり、マヨネーズをかけるとまろやかになるな。

 なんて、納豆のことを考えると、ああ、今すぐ納豆を創造したくなる。

「お~い、アリナちゃん。さっきから、納豆、納豆って連呼してるよね。俺はナットーだからね」

「へ? わたし納豆って連呼していたの?」
「うん、納豆、納豆って繰り返し言ってるよ」

 ナットーは口を尖らせてわたしを見る。どうやら心の声が漏れてしまったみたいだ。

「えへへ、ごめんね。日本食の納豆を思い出したら食べたくなっちゃったんだよ」

 わたしが頭をポリポリ掻きながら言うと、サナも「わたしも納豆食べたいな~」と言って笑った。

「じゃあ、納豆も創造しちゃおうかな」
「賛成!」
「反対! あ、でも納豆食べたくなるな~」
「ナットー君は納豆好きなんだね」
「うるさ~い!」

 黄色のバスに乗せられこのグリーン王国に召喚されたわたし達は気が合うようです。

「ねえ、二人はどうして一緒にいるの?」

 一番疑問に思ったことを尋ねる。

「あ、それね。あの神様とやらにこのナットーと一緒に木々が生い茂っている場所に飛ばされたのよ。ぽーんって感じでね」

「そうなんだよ。あの神様は乱暴だよ~」

「へ! そうなんだ。それからずっと一緒にいるの? ちゃんと住むお家はあるのかな?」

 わたしは心配になり聞く。

「それは大丈夫だよ。アリナちゃんは優しいね。わたしとナットーは優しい人に拾われたのよ」
「そうだよ。俺達は花屋さん夫婦に拾われたんだぜ」
「お花屋さんに。なんか華があっていいなぁ~」 

 お花に囲まれている二人を思い浮かべわたしはほっとする。

「アリナちゃん、なんか頭にお花が咲いてるぞ」

「え? 咲いてるかな~?」

 わたしは頭の上を触りお花が咲いているか確認する。

「あはは、やっぱり幼女みたいだよね。手もなんかぷにぷにしてるもんね」
「仕草が可愛すぎるよな。十八歳なんてあり得ないよ」

 サナとナットーは目を細めて笑う。

「だ、だって、わたしこの世界に来てから心も幼女に戻ってしまったみたいなんだもん」 

「そうなんだ。そんな感じだよね」
「可愛くていいんじゃないの?」
「う~ん、でも地球の記憶があるしそれにグリーン王国にやって来て数年経っているんだよ。足し算するとわたし二十一歳になっているんだよ」

 わたしって大人な幼女なのと思うと顔が熱くなった。なんか恥ずかしい。


「そっか、そうなるんだね。あはは、でも見た目も心も幼女なんだからいいんじゃない?」

 サナはしゃがんで目線をわたしに合わせる。

「そ、そっかな……」
「うん、可愛くて羨ましいよ」

 そう言ってにっこり笑うサナこそとっても可愛らしかった。

「そうそう、可愛くていいよ」

 ナットーもしゃがんでわたしに目線を合わせニッと笑った。

「ありがとう。幼女からやり直しにバンザイかな。それはそうと、サナちゃんとナットー君も地球の記憶があるんだね」

 と、言ったところで。

「お客さ~ん、アリナ。スープが出来ましたよ」とお父さんに呼ばれた。


「う~ん、親子丼も納豆も美味しいよ~」
「地球の日本時代を思い出す味だよ」

 席に着いたナットーとサナは早速親子丼と納豆を交互に食べているのだった。

 そうなのだ。わたしは素早く納豆を創造した。

「サナちゃん、日本時代って。シーッだよ」とわたしは唇に人差し指を当てる。

「あ、ごめんね。この親子丼と納豆がとっても美味しくて懐かしくて声に出してしまったよ」

「わ~い、それは嬉しい。ありがとう。あ、でもシーッだよ」

 なんて、わたし達が話をしていると、お父さんがスープを運んできた。

「お待たせしました。スープです」と言いながらテーブルに熱々のスープを置く。

「スープは平凡なんだね。でも、美味しそう」
「この国らしい感じだね」

 サナとナットーはスープに目を落とし言った。

「アリナの料理と比べたらありきたりだけど美味しいはずなので熱々のうちに召し上がってくださいね」

「は~い、いただきます」
「美味しそういただきます」

 二人はスプーンを手に取った。

「アリナのスープもあるぞ」

 お父さんはサナとナットーの隣のテーブルにスープを置いた。
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