異世界カフェ食堂で皿洗いをしますと思ったら日本料理を創造する力が与えられていた!(もふもふ聖獣猫のモフにゃーと楽しく日本料理を創造します)

なかじまあゆこ

文字の大きさ
32 / 268
わたしアリナの親子丼です

7

しおりを挟む
「ギャップちゃん、お姉さんが怖がっているにゃん。こっちに来るのだにゃん」

 モフにゃーがもふもふな手でギャップを手招きする。

「俺は何も悪いことはしていないのにな……モフにゃー主がそう言うのなら仕方ないな~」

 ギャップはサナの納豆から離れモフにゃーの元へ向かう。

 と、それと入れ替わりにモフにゃーがサナのテーブルに近づいたかと思うと納豆を横取りしたんですけど。

「あ、それ、わたしの納豆だよ」

 サナが叫ぶも納豆はモフにゃーがもぐもぐ食べている。

「……モフにゃー主ってまさか納豆が食べたかっただけなのかな……」

「ギャップちゃん正解みたいだよ」

「なんてことなんだ。モフにゃー主の奴は食いしん坊すぎるぞ」

 わたしはガックリと肩を落とすギャップの肩を優しくぽんぽんと叩き慰めた。

「アリナちゃんは優しいな」

 ギャップは頬を緩めわたしを見る。

「アリナちゃん、そのラ、ライオン魔獣鳥は怖くないのかな?」

 サナが恐る恐るわたしに聞く。

「うん、ギャップちゃんは怖くないし可愛いんだよ」
「むむっ。俺は可愛いというかカッコいいんだけどな」

 ギャップはたてがみを肉球のある可愛らしい手で触りながらわたしとサナの顔を交互に眺めた。

「ギャップちゃんっていうんだね。なんか可愛らしいね」


「うん、ギャップちゃんは可愛い子だよ。わたしも最初は怖かったよ。けど、もふもふで可愛いよ~」

 わたしは、「ねっ。ギャップちゃん」と言ってギャップをむぎゅーと抱きしめもふもふする。

「おいおい、アリナちゃん苦しいぞ」

 ギャップはちょっと嫌そうな顔でわたしを見上げる。

「ねっ、サナちゃん。見てみてギャップちゃんは怖くないでしょう」
「うん、もふもふで可愛いかも」
「サナちゃんももふもふしてみる?」
「うん、もふもふしてみようかな?」
「じゃあどうぞ」
「うん」

 サナちゃんは椅子から立ち上がりギャップの目の前にやって来るとむぎゅーとギャップを抱きしめもふもふした。

「可愛い~もふもふだ~」
「お、おい。俺は百獣の王ライオン魔獣鳥だぞ。何をする」
「うふふ、もふもふふかふかで気持ちいいよ」
「お、おい、聞いているのか」
「幸せ~お腹も気持ちいいよ~」
「お、お~い! 俺のお腹に顔を埋めるなよ。おい、聞いているのかい。ってちょっとくすぐったいぞ」

 ギャップは体を捻り逃げようとするもサナはギャップを離さない。もうすっかり仲良しだ。

「た、助けてくれ~」

 ギャップが大声を上げた。

 その時、ナットーが椅子から立ち上がりギャップの方へと歩いてきた。

「おっ、少年よ。助けてくれるのかい?」

 ギャップは期待を込めた表情でナットーを見上げたのだけど。

「うわぁ~少年何をするんだ! だから俺のお腹を触るんじゃないよ」

 そうなのだ。ナットーはサナとバトンタッチをしてギャップともふもふタイム中だよ。

「う~ん、柔らかくて気持ちいいよ。もふもふだ~」

 仰向けになりジタバタと暴れるギャップのお腹をナットーはうっとりした表情でナデナデしまくる。

「た、助けてくれ~!!」

 ジタバタ暴れるギャップってば、なんだかライオン魔獣鳥の貫禄がなくなったような気がするな。それがまた可愛い。

「う~ん、可愛い。あ、この背中の羽根も可愛らしいな~」

 ナットーがギャップの背中の羽根に触れ「羽根があるなんていいなぁ」と言ってその羽根をナデナデした。

「か、勘弁してくれよ~!」

 ギャップは叫ぶ。

「あれま、ギャップちゃん嫌がっているのかな? まさかな」
「まさかなって少年よ。嫌がっているだろうが~」
「あはは、ギャップちゃん照れるなよ」

 ナットーはニコニコしながらギャップの顔の周りをナデナデする。

「ふざけるな!!」と叫ぶギャップなんだけれど。

 いつの間にか目を細め気持ちよさそうに撫でられていた。

「ギャップちゃんってば可愛いな。わたしもナデナデする~」

 わたしもナデナデに加わりギャップの頭をナデナデした。

 もふもふタイムは最高だよ。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

外れスキル持ちの天才錬金術師 神獣に気に入られたのでレア素材探しの旅に出かけます

蒼井美紗
ファンタジー
旧題:外れスキルだと思っていた素材変質は、レア素材を量産させる神スキルでした〜錬金術師の俺、幻の治癒薬を作り出します〜 誰もが二十歳までにスキルを発現する世界で、エリクが手に入れたのは「素材変質」というスキルだった。 スキル一覧にも載っていないレアスキルに喜んだのも束の間、それはどんな素材も劣化させてしまう外れスキルだと気づく。 そのスキルによって働いていた錬金工房をクビになり、生活費を稼ぐために仕方なく冒険者になったエリクは、街の外で採取前の素材に触れたことでスキルの真価に気づいた。 「素材変質スキル」とは、採取前の素材に触れると、その素材をより良いものに変化させるというものだったのだ。 スキルの真の力に気づいたエリクは、その力によって激レア素材も手に入れられるようになり、冒険者として、さらに錬金術師としても頭角を表していく。 また、エリクのスキルを気に入った存在が仲間になり――。

【一秒クッキング】追放された転生人は最強スキルより食にしか興味がないようです~元婚約者と子犬と獣人族母娘との旅~

御峰。
ファンタジー
転生を果たした主人公ノアは剣士家系の子爵家三男として生まれる。 十歳に開花するはずの才能だが、ノアは生まれてすぐに才能【アプリ】を開花していた。 剣士家系の家に嫌気がさしていた主人公は、剣士系のアプリではなく【一秒クッキング】をインストールし、好きな食べ物を食べ歩くと決意する。 十歳に才能なしと判断され婚約破棄されたが、元婚約者セレナも才能【暴食】を開花させて、実家から煙たがれるようになった。 紆余曲折から二人は再び出会い、休息日を一緒に過ごすようになる。 十二歳になり成人となったノアは晴れて(?)実家から追放され家を出ることになった。 自由の身となったノアと家出元婚約者セレナと可愛らしい子犬は世界を歩き回りながら、美味しいご飯を食べまくる旅を始める。 その旅はやがて色んな国の色んな事件に巻き込まれるのだが、この物語はまだ始まったばかりだ。 ※ファンタジーカップ用に書き下ろし作品となります。アルファポリス優先投稿となっております。

異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

家ごと異世界ライフ

ねむたん
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
ファンタジー
 毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 連載時、HOT 1位ありがとうございました! その他、多数投稿しています。 こちらもよろしくお願いします! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

転生したけど平民でした!もふもふ達と楽しく暮らす予定です。

まゆら
ファンタジー
回収が出来ていないフラグがある中、一応完結しているというツッコミどころ満載な初めて書いたファンタジー小説です。 温かい気持ちでお読み頂けたら幸い至極であります。 異世界に転生したのはいいけど悪役令嬢とかヒロインとかになれなかった私。平民でチートもないらしい‥どうやったら楽しく異世界で暮らせますか? 魔力があるかはわかりませんが何故か神様から守護獣が遣わされたようです。 平民なんですがもしかして私って聖女候補? 脳筋美女と愛猫が繰り広げる行きあたりばったりファンタジー!なのか? 常に何処かで大食いバトルが開催中! 登場人物ほぼ甘党! ファンタジー要素薄め!?かもしれない? 母ミレディアが実は隣国出身の聖女だとわかったので、私も聖女にならないか?とお誘いがくるとか、こないとか‥ ◇◇◇◇ 現在、ジュビア王国とアーライ神国のお話を見やすくなるよう改稿しております。 しばらくは、桜庵のお話が中心となりますが影の薄いヒロインを忘れないで下さい! 転生もふもふのスピンオフ! アーライ神国のお話は、国外に追放された聖女は隣国で… 母ミレディアの娘時代のお話は、婚約破棄され国外追放になった姫は最強冒険者になり転生者の嫁になり溺愛される こちらもよろしくお願いします。

一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?

たまご
ファンタジー
 アラサーの相田つかさは事故により命を落とす。  最期の瞬間に頭に浮かんだのが「猫達のごはん、これからどうしよう……」だったせいか、飼っていた8匹の猫と共に異世界転生をしてしまう。  だが、つかさが目を覚ます前に女神様からとんでもチートを授かった猫達は新しい世界へと自由に飛び出して行ってしまう。  女神様に泣きつかれ、つかさは猫達を回収するために旅に出た。  猫達が、世界を滅ぼしてしまう前に!! 「私はスローライフ希望なんですけど……」  この作品は「小説家になろう」さん、「エブリスタ」さんで完結済みです。  表紙の写真は、モデルになったうちの猫様です。

処理中です...