異世界カフェ食堂で皿洗いをしますと思ったら日本料理を創造する力が与えられていた!(もふもふ聖獣猫のモフにゃーと楽しく日本料理を創造します)

なかじまあゆこ

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お隣の食堂とお客さん

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  ギャップがモフにゃーの肩をぽんぽんと優しく叩いた。

「モフにゃー主も辛い思いをしてきたんだな」
「んにゃん?  でも、わたし覚えてにゃいからにゃ」

  モフにゃーは肉球のある可愛らしい手を口元に当てる。

「モフにゃー主それできっといいんだよ」
「そうかにゃ?」
「そうだよ。モフにゃー」
「ふ~ん、そんなものかにゃん。わたしこのグリーン王国の聖獣猫だとずっと思って生きてきたにゃん」

  モフにゃーは顎に可愛らしい手を当てて考えている。

  でもね、モフにゃーあなたはこの世界に来たばかりの頃は。


『わたしは神社にいた猫だよ。一緒に異世界召喚されてお喋りが出来る力を神様にもらったにゃん』、
『わたしは神様から安莉奈ちゃんを守り仕える眷属の使命を与えられましたにゃん。それから、猫から聖獣猫になりましたにゃん』と得意げに言っていたよね。

  わたしはもモフにゃーのキュートな顔をじっと眺めながらこの世界で目覚めた日のことなどを思い出す。

  
  くすみのない夏の空や海の色によく似た純粋なモフにゃーの瞳。

  地球時代は捨て猫だったモフにゃー。だけど、モフにゃーがどんな生活をしていたかわたしは知らないんだよね。

  だって、神様がモフにゃーと詳しく話をする前に『お前達は安莉奈と捨て猫の記憶を忘れて生きていけ~!!』と言ってわたし達の地球時代の記憶を消したんだもん。

  わたしは地球かこ時代の記憶を思い出したけれど、それが果たして良かったのかわからない。

「そうなのか。君はあの黄色のバスに乗っていた猫ちゃんじゃったのか」

  黙ってわたし達の話を聞いていたタイゾーおじいさんが言った。

「そう言われると面影があるわね」

  カーナさんは飲んでいたティーカップを置きモフにゃーを見た。

「うにゃん?  おじいさんとおばさんもわたしのこと知っているんだにゃん」

  モフにゃーは不思議そうに首を傾げた。

「何とモフにゃーもアリナちゃんの仲間だったのか」
「この国生まれの猫ちゃんじゃなかったのね」

  アクアお兄ちゃんとストロベリーナお姉ちゃんもモフにゃーをじっと見ながら言った。

「そうみたいだにゃん。でも、わたし猫ちゃんじゃなくて聖獣猫だよ。あ、ちょっと待てにゃん。わたし、猫ちゃんだったのか……」

  モフにゃーはうーんにゃんと唸るように呟く。

「わたしってば猫ちゃんだったのかにゃん……なんか複雑な気持ちになるにゃん。ずっと、聖獣猫と思って生きてきたのににゃん」

  そして、ショボンと俯くモフにゃー。

「モフにゃーはね、聖獣猫でも猫ちゃんでもどっちでもわたしの大切な仲間だよ」

  わたしがそう言うとモフにゃーは顔を上げ、チャームポイントでもある口からちょこんと飛び出している牙を見せ笑った。

「モフにゃーはどんなモフにゃーであってもわたしは大好きだよ」

  そう、モフにゃーが猫ちゃんであっても聖獣猫であっても関係ない。

「わたしもアリナちゃんが大好きだにゃん」

「ありがとう~嬉しいよ。モフにゃーはわたしにとって大切な存在だよ」

  モフにゃーの代わりなんていない。地球のあの神社で出会った時からわたしとモフにゃーは奇跡的な何かで結ばれていた。
 
  ううん、もっと、もっと。もしかして遥か昔からだったかも……。

  何かに導かれこの世界へわたし達はやって来る運命だったのかもしれない。

「ねっ、モフにゃー」
「ん?  うにゃん?  アリナちゃん」

  モフにゃーの海の色のような澄んだ目が不思議そうにわたしを見つめる。

「モフにゃーこの世界に一緒にやって来れて良かったね」

「はいにゃん。わたしその時のことは覚えてないけどアリナちゃんと一緒で良かったにゃん」

  モフにゃーとわたしは見つめ合いにっこりと笑う。そんなわたし達のことをみんなが温かい眼差しで見守ってくれていた。

  この世界は優しさと温かさでいっぱいだ。

   わたしは今幸せだよ。たくさんの愛に包まれている。

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