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お隣の食堂とお客さん
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しおりを挟むわたしは、みんなの顔を順番に見る。
「この世界はぽかぽかしているね」
ここにいるみんなから悪意は感じられない。それに引き替え、安莉奈時代は悪意ばかりを感じたものだった。
どうしてそんな顔でわたしのことを見るの。辛くて悲しくて泣きたくなった。長い間辛い環境にいたわたしは、新しい環境に移り安莉奈からアリナとなり再スタートを切る。
本当は地球で安莉奈として幸せを掴み取りたかった。けれど、アリナになり幼女から新たな人生を歩むのも決して悪いものではない。
だって、今のわたしには素敵な仲間がいるんだもん。
みんなはわたしのぽかぽかしているねと言う言葉に大きく頷いている。
「アリナ良かったな」
神様も神々しい表情でわたしを見ている。
「はい、この世界が大好きだよ」
わたしも神様を真っ直ぐ見て言った。この世界でわたしはこれからも生きていく。
「では、アリナにもモフにゃー、タイゾー、カーナにちょっと憎たらしいギャップ、それからアクアにストロベリーナよ。別世界からこの世界へ来た者も元からこの世界に存在するものも仲良く暮らすのだぞ」
神様はそう言いながらわたし達一人一人の顔をちゃんと見る。
そんな神様の言葉にわたし達は「はい」と返事をする。
「よし、良い返事だぞ。わたしは、安心した。このグリーン王国に召還した人々や猫はこの世界の住人や動物や魔獣と助け合い生きていくことだろう」
神様は満足げな笑みを浮かべた。
「それでは、わたしは帰ろうとしよう。アリナ、タイゾー、カーナにモフにゃー、ギャップ、アクアにストロベリーナ」
神様はわたし達の名前を呼んだかと思うと順番に頭を撫でた。
「ワ、ワシの頭も撫でるのか~い!」
タイゾーおじいさんは目を丸くしびっくりしている。
「タイゾーお前もわたしがこの世界へ召還した可愛い奴じゃからな」
「か、可愛いじゃと……」
タイゾーおじいさんは頬を赤く染めびっくりしながら照れている。
「あはは、可愛い奴め。では、別世界からやって来た者とこの世界で生まれたもよ仲良くするのじゃ-」
神様はそう言ったかと思うと姿を消した。
「神様は帰ったね」
「あの神の住みかは何処なんだろう?」
「もう少しナデナデしてもらいたかったにゃん」
「ワシ頭なんて撫でられたのいつぶりじゃろうか?」
「なんだか幸せな気持ちになったわ」
「このグリーン王国に神様って存在していたんだな」
「ちょっと個性的な神様だったわね」
わたし達は神様が消えた空間を眺め口々に言った。
あんな神様ではあるけれど、神様はやっぱり威厳があるのかな。ヒラヒラな変な布に身を包んでいるけれど。
神様が帰った後もわたしたちはアクアお兄ちゃんとストロベリーナお姉ちゃんの食堂で楽しい時間を過ごした。
タイゾーおじいさんとカーナさんと再会できたこともとても嬉しかった。
「今度、ワシ達の畑に来てくれよ」
「新鮮な野菜をたっぷり食べることができるわよ」
タイゾーおじいさんとカーナさんは柔らかい笑みを浮かべわたし達に言った。
「はい、わたしお野菜大好きなのでお邪魔するね」
「にゃはは、わたしもお野菜大好きだにゃん。真っ赤な艶々なトマトにかぶりつこうかにゃん。うにゃ~もう想像しただけで口の中がトマトの酸味と甘味がジュワーッと広がって幸せだにゃん」
もふにゃーはとても幸せそうな表情になっている。しかもヨダレも垂らしていた。
「俺は大根の丸呑みでもしようかな」
なんてギャップは恐ろしいことを言う。
「ああ、大根のみずみずしい辛みと甘味が口の中いっぱいに広がり幸せだな~」
ギャップは幸せそうな表情でガオッと笑う。ああ、もう怖いのか可愛いのかわからなくなってきた。
そんなわたし達を眺めるタイゾーおじいさんとカーナさんは頬を緩めている。
「タイゾーおじいさんとカーナさん帰っちゃったね」
「うん、ちょっと寂しいにゃんね」
「今度、二人の畑に大根の丸呑みに行けばいいんだよ」
「もう、ギャップちゃんってば可愛い姿で丸呑みなんて言わないでよ」
「な、なぬ。俺はかっこいいライオン魔獣鳥だぞ」
ギャップはちまっとした姿で胸を張る。貫禄ないことに気づいていないんだね。可笑しくて笑ってしまう。
「わたしも大根の丸呑みに挑戦しようかなにゃん」
「モフにゃーのお口で大根の丸呑みなんて出来ないよ。もう、ギャップちゃん、モフにゃーが真似したらどうするのよ」
わたしはギャップを睨みながら言った。
「あはは、これは失礼したな」
「気をつけてね」
なんて、会話をしているわたし達にアクアお兄ちゃんとストロベリーナお姉ちゃんが、「ギャップちゃんの大根丸呑み見てみたいな」と声を合わせて言うんだから呆れちゃう。
さて、そろそろお家に帰らないとお父さんが『アリナはまだ帰って来ないのか~い』と心配しそうだ。
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