異世界カフェ食堂で皿洗いをしますと思ったら日本料理を創造する力が与えられていた!(もふもふ聖獣猫のモフにゃーと楽しく日本料理を創造します)

なかじまあゆこ

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アリナの誕生日

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  両親が作ってくれた誕生日料理をみんなで囲み笑顔を浮かべ食べた。

  そして、デザートを食べる前に忘れてはならないおにぎり誕生日パーティーの開始ですよ。

「みんな、おにぎりパーティーのお時間だよ」

  わたしは腕まくりをして得意げに笑ってみせた。

「わ~いにゃん!  待っていましたにゃん」
「待っていたぞ!  ガォ~」

  もふもふな二匹はバンザイをする。

「おっ、遂に不思議な機械の出番だな」
「なんかワクワクしちゃうよ」

  アクアお兄ちゃんとストロベリーナお姉ちゃん兄妹は炊飯器に興味津々だ。この炊飯器がおにぎりを握る機械だと思っているのかな?

  地球出身のみんなは、「おにぎり懐かしいね」と言ってニコニコしている。

  お父さんとお母さんは「何が始まるんだ」、「なんだか楽しそうね」とお日さまのような微笑みを浮かべた。

「では、おにぎりタイムで~す!」

  わたしは炊飯器の蓋をパカッと開けた。すると、立ち込める美味しそうなご飯の香りとふわふわもくもくな湯気に包まれた。

「さて、おにぎりを握りま~す」と声高らかに宣言してみたもののどうしたものかと考え、わたしの動きは止まる。

「アリナちゃんどうしたにゃん?」
「えっと、おにぎりの握りかたなんだけど……」
「そんなの適当に握ったらいいんだよ」

  ギャップは舌舐りをしながら言った。丸呑みが得意なギャップからするときっと、おにぎりを握るなんて面倒くさいだろうなと思う。

「えっと、このお茶碗にご飯をよそって少し冷ましま~す」と言ったわたしはしゃもじを手に取りお茶碗にご飯をよそう。

「そして、この冷ましたご飯を……ラップに」と言いながらわたしは、ラップをラップカッターで切ろうとしたんだけれどうまく切れないよ。

「えへへ、失敗しちゃった」

「アリナちゃん頑張って!」
「アリナちゃん頑張るのじゃ」

   タイゾーおじいさんとカーナさんが声を出し応援してくれた。

  わたしは、照れ笑いを浮かべながら再チャレンジする。そして、なんとか切れたラップをテーブルの上に広げぱらぱらと塩を振りかける。その上にお茶碗のご飯を半分ほど載せた。

「よし、なんとかご飯を載せることに成功で~す。具はどれにしようかな?」

  わたしは、テーブルの上にある梅干し、昆布、おかか、明太子、たらこ、ツナなどの具材をじっと眺めた。

「う~ん、まずはおかかにしようかな~」

「わ~い!  おかかだにゃん」

  モフにゃーがわたしが手に取ったおかかをじっと眺めながら言った。

「うん、おかかだよ」と返事をしながらわたしは、ご飯の上におかかを載せる。そのおかかの上に残しておいたご飯を載せた。それからラップでくるりんと包み形を整え握る。

「うん、なんとか握ることが出来たかな。あ、みんなもおにぎりパーティーに参加してね」

  わたしは、みんなの顔をくるりと見回し言った。

  地球出身のカーナさんは慣れた手つきでおにぎりを握る。流石だな。タイゾーおじいさんはちょっと苦戦している。サナもなかなかの腕前だ。ナットーはタイゾーおじいさんとどっこいどっこいだ。

    一方、グリーン王国の住人達はおにぎりを握るわたしを含めた地球出身の人間達を不思議な光景を見るかのように眺めている。

  そして、もふもふな二匹は……。
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