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アリナの誕生日
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しおりを挟むアクアマリン色の手提げカバンの中にたくさんの宝物が詰め込まれた。それともふぬく冬支度セットもゲットした。今から冬が楽しみだ。
残りはサナとナットーからのプレゼントの開封だ。中身がとても気になる。何が入っているかな。
「では、お次はナットー君からのプレゼントを開封しま~す」
わたしはそう言いながらナットーからのプレゼントである紺色の紙袋を開封した。さて、中身は? わたしはワクワクしながら紺色の紙袋の中を覗く。
そして、取り出した誕生日プレゼントは。
「これは。うわぁ~嬉しいナットー君ありがとう」
そう、ナットーの手描きだと思われるお誕生日カードが入っていたのだ。そのカードには納豆のイラストが描かれていて、納豆お豆ちゃんで可愛らしい。その下に『アリナちゃん六歳のお誕生日おめでとう』とピンクのマーカーでお祝いの言葉が書かれていた。
「あはは、納豆のイラストを描いてしまったよ」
ナットーはちょっと照れたように笑い頭をポリポリと搔いた。
「嬉しいよ。ありがとう」
わたしはにっこりと笑う。そして、お誕生日カードの他に猫柄のティーカップが入っていた。
「アリナちゃんが喜んでくれて嬉しいよ」
「この猫柄ちょっとモフにゃーちゃんに似ているね」
「わっ、ホントだにゃん。この猫ちゃん柄ってば聖獣猫のわたしに似ているにゃ~ん」
モフにゃーは聖獣猫を強調しにゃぱーと嬉しそうに笑う。
そうなのだ。オレンジ色のビタミンカラーのティーカップにもふもふな白猫のイラストが描かれているティーカップなのだ。
「なんだか元気が出るオレンジのビタミンカラーにモフにゃーに似ている白猫ちゃん柄のティーカップで紅茶を飲むと元気いっぱいになりそうだよ」
わたしはナットーに視線を向けにっこりと笑った。
「そのティーカップで紅茶を飲んでね」
ナットーも笑顔を浮かべ可愛らしくて元気が出るティーカップとわたしを交互に見て笑った。
「うん、これからティータイムがたのしみだよ」
わたしはバターたっぷりのクッキーに湯気の立つ紅茶がこのティーカップに注がれているそんな場面を思い浮かべほっこりな気持ちになった。
「さて、お次はサナちゃんのプレゼントだよ」
わたしはにっこりと微笑みを浮かべサナからのプレゼントを開封する。今度は果たしてどんなプレゼントなのかな。ワクワクしちゃう。頬だってめちゃくちゃ緩んでいる。
「中身は何だろう?」
わたしは、「えいっ!」とプレゼントを取り出す。
「あ、これは……」
わたしは目を大きく見開く。サナからのプレゼントは。
「うわぁ~もふもふな白猫柄のお皿だよ~」
わたしは嬉しくて喜びの声を上げる。
「うふふ、わたしからアリナちゃんへのプレゼントは、白猫柄のお皿だよ。気に入ってくれた?」
わたしをじっと見るサナに「もちろん気に入ったよ。嬉しいよ。ありがとうサナちゃん」とわたしは答えた。
もふもふな白猫もやっぱりモフにゃーによく似ていた。
「この白猫ちゃん聖獣猫のわたしと似ているにゃん」
モフにゃーがお皿を覗き込み言った。
「ねっ、モフにゃーに似ているよね」
可愛いお皿に愛くるしいモフにゃーだ。
「うふふ。これで、わたしのティータイムは楽しくなるよ」
わたしは、ナットーがプレゼントしてくれたティーカップとサナがプレゼントしてくれたお皿を交互に眺め顔を緩めた。
このモフにゃー似のティーカップにローズティーやカモミールティーにペパーミントティーにそれから。
ああ、もう想像しただけで幸せな気持ちになる。
ローズティーのバラの香りがわたしを柔らかくふんわりと包み込んでくれる。カモミールティーのリンゴのような甘い香りがわたしを癒やしてくれる。そして、ペパーミントティーの清涼感たっぷりな爽やかな香りで気分がスッキリする。
ああ、もうわたしは心地よい香りに包まれちゃう。
そして、このモフにゃー似のお皿に大好きなアップルパイやそれから。
大変だ。大好きなお菓子を想像すると今にもヨダレがぽたぽたと垂れてしまいそうになる。
「アリナちゃん。お顔が……」
「アリナちゃんのお顔が大変だにゃん!」
「えっ?」
みんなの視線がわたしに集まっている。わたしってばお菓子のことで頭がいっぱいになっていた。
「可愛いアリナよ……」
「なあにお父さん?」
わたしは首を横に傾げる。
「アリナよ。その表情はとっても可愛らしいのだが……」
お父さんはわたしの口元を凝視しているような気がする。
「ん? なあに」
これはなんだか嫌な予感がするよ。
「アリナよ。言いにくいのだが……ヨダレが垂れているぞ」
「へ!? ヨダレが……ってウソ~」
「ウソではない真実だよ」
「そ、そんな~うわぁ~六歳の誕生日なのに」
わたしってばバカだ。お誕生日にヨダレを垂らすなんて情けないよ。バカバカアリナのおバカ、わたしは手をグーにして自分の頭をぽんぽん叩く。
「アリナよ、気にするなよ」
お父さんは目を細めわたしを見ているけれど、ちょっと恥ずかしいよ。
「わたしの六歳の誕生日なのに……気にするなと言われても気にしちゃうよ」
でも、これが地球時代の安莉奈の姿であれば目も当てられない。六歳のアリナでまだ良かった。と、思うことにしよう。
「アリナは本当に可愛いな。俺の自慢の娘だぞ」
「ありがとう。お父さん」
血は繋がっていないけれど、わたしのお父さんはこのお父さんだけだ。それと、お母さんもね。
わたしをニコニコ笑顔で見つめるお父さんとその隣で柔らかい微笑みを浮かべているお母さんに出会えて良かったと思える誕生日だった。
それと、この世界で出会えたみんなのことが大好きだよ。わたしはみんなの顔をぐるりと見回す。
そして、「わたしアリナは本日六歳になりました」と言って両手でピースをした。
たくさんのプレゼントとグリーン王国の仲間に囲まれわたしは幸せです。
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