異世界カフェ食堂で皿洗いをしますと思ったら日本料理を創造する力が与えられていた!(もふもふ聖獣猫のモフにゃーと楽しく日本料理を創造します)

なかじまあゆこ

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アリナがこの世界にやって来たのは

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「モフにゃーにギャップちゃん、お客さんのおでんを全部食べたらダメだからね」

 わたしは舌舐めずりをしているモフにゃーとギャップに釘を刺す。

 そんなわたしにお客さんが、「アリナちゃんもおでん一緒にどうぞ」と言って手招きをした。

「へ? わたしもおでん食べていいの」
「ああ、もちろん。さあ、どうぞ」

 男性は、もう一度手招きをする。

「では、わたしもご一緒に」

 わたしは、男性の目の前の席にちょこんと座った。

 アリナは幼女だから遠慮なく座っちゃったけれど、これが十八歳のわたしだったら戸惑ってしまうだろうな。なんて思いながら。幼女でありながらわたしは時々地球時代の気持ちになるから複雑だ。

「お客さん、ありがとうございます。取り皿をどうぞ」

 お父さんがわたし達の目の前に取り皿を並べてくれた。

「にゃははにゃん。いただきますにゃん」
「ガハハ、いただきますガォー」

 モフにゃーとギャップは肉球のある可愛らしい手を合わせおでんを食べる気満々だ。って、ちょっとそこのもふもふさん達!!

 モフにゃーの小皿にはいつの間にやら厚揚げがある。そして、ギャップの小皿にはごぼう天がある。

「モフにゃーにギャップちゃん、勝手に取ったね」
「にゃはは、わたし厚揚げ食べるにゃん」
「俺はごぼう天とやらをいただこうとするかな」

 なんて勝手なことを言う二匹にわたしは呆れてしまう。

「おっ、モフにゃーちゃんは厚揚げだね。ギャップちゃんはごぼう天を選んだんだね」

 男性は目を細めモフにゃーとギャップを見ている。そして、視線をわたしに移し「アリナちゃんも好きなおでんを選んでね」と言ってくれた。

「あ、ありがとう」

 わたしはとても嬉しくなり「では、ちくわをください」と言った。

 男性は「どうぞ」とにっこり笑った。


「厚揚げは最高だにゃん。出汁が染み込んでいてたまらんにゃん」

 モフにゃーはほくほく顔でおでんの厚揚げを食べている。

「う~ん、これがごぼう天というものなんだね。これはものすごく美味しいぞ」

 ギャップもごぼう天を食べ満足そうな表情だ。

 そして、わたしもちくわを口に運ぶ。

「う~ん、美味しい」とわたしも感嘆の声を漏らす。丸ごと入っているちくわは熱々ではふはふと食べた。自分で創造したちくわだけど、なんかもう幸せが口の中いっぱいに広がった。

 そんなわたし達に目を細めている男性は「では、僕はこんにゃくを食べようとしよう」と言ってこんにゃくに箸を伸ばした。

「うん、こんにゃくも懐かしいな」

 男性は幸せそうにおでんのこんにゃくを食べている。その表情を眺めているとなんだか心がぽかぽかしてきた。
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