異世界カフェ食堂で皿洗いをしますと思ったら日本料理を創造する力が与えられていた!(もふもふ聖獣猫のモフにゃーと楽しく日本料理を創造します)

なかじまあゆこ

文字の大きさ
93 / 295
アリナがこの世界にやって来たのは

14

しおりを挟む
「アリナちゃんはグリーン王国が好きなんだね」
「うん、好きだよ。大好き。だって、わたしの周りにいる人達はみんな優しいんだもん。真来はそうじゃないの?」

 地球の日本を彷徨っていたような真来の目がグリーン王国に戻ってきた。そして。

「グリーン王国の人達は優しくて素晴らしいよ。だけど、地球に日本に大切な人を残してきたんだ」

 そう言った真来のその目は雨が降り出しそうな真冬の空のようなグレー色に見えた。

「真来……」

 わたしはなんて声を掛けたらいいのかわからなかった。真来の悲しみがわたしにはわからない。だって、わたしは地球や日本に未練はないから。

「アリナちゃん、そんな悲しい顔しないで。地球に日本に帰りたいのはウソじゃないよ。帰りたくて堪らないよ。でもね、この世界も俺は好きだよ。それにここに来るとアリナちゃんの日本料理が食べられるからね」

 真来はそう言ってウィンクをした。

「わたしの日本料理……」
「ああ、そうだよ。アリナちゃんの日本料理をこれからも食べに来るよ」


「わ~い、ありがとうございます」

 わたしの日本料理で悲しい気持ちが少しでも明るい気持ちに切り替わるんだとしたらうれしくて堪らない。

「アリナちゃんはやっぱり娘に似ているな」

 真来はそう言って頬を緩めた。
「ん? そんなにわたし娘さんに似てるの?」

 日本にわたしと似ている女の子がいる。一度会ってみたかったな。地球に日本に未練がないと思っていたけど自分と似た女の子には興味がある。

 もし、日本でその女の子と出会えていたら友達になっていたかな。地球に日本に未練があったかな。そんな妄想をしているとワクワクしてきた。

「アリナちゃん。なんだか楽しそうだね。俺の娘もそんな可愛らしい表情をしていたな」

 真来は目を細め幸せそうだけど、どこか悲しげに見える……何故そんな表情になった。どうしたのかなの?


 わたしは、ふとその娘さんは何歳くらいなのかな? と思った。

「ねえ、真来の娘さんは幼女なのかな? わたしと同じくらいかな」とわたしは聞いてみた。

「うん、幼女だよ。いや、違うかな。今は大人になっているかな?」

 真来は首を横に傾け顎に親指と人差し指を当て考えながら答えた。

「へ!? それってもう長い間娘さんに会えていないってことなの?」
「ああ、そうなんだよ。娘は今も地球に日本にいるんだよ」

 真来のその表情が哀しみに歪んだ。

「真来……」

 どうすれば真来を励ますことが出来るんだろう。その娘さんに会わせてあげたい。

「アリナちゃん、そんな悲しそうな顔をしないで」
「だって、真来が娘さんに会えないことを思うと悲しくなってしまうんだもん」

 わたしはこの世界でお父さんやお母さんにそれから優しい人達に囲まれ幸せになったからいいけれど、真来はこの世界で孤独なのかな? もしそうだったらと考えると胸が痛くなる。

「ねえ、真来わたし娘さんの代わりになれないけど友達になれるよ」

「アリナちゃんは優しい子だね」

 真来は嬉しそうに頬を緩めた。

「そうかな? だって、地球出身の仲間が悲しそうにしている顔なんて見ていられないもん。あ、幼女なわたしじゃ友達になれないかな?」

 わたしがえへへと頭をぽりぽりと掻きながらそう言うと真来は、「そんなことないよ。アリナちゃんありがとう。アリナちゃん俺の友達になってくれるんだね」と微笑みを浮かべた。

「うん、もちろんだよ。真来は今からわたしの友達だよ」

 わたしはとびっきりの笑顔を浮かべた。

「ありがとうアリナちゃん。俺にこんなにも可愛らしい友達ができたなんてな」

 真来は満面の笑みを浮かべた。その笑顔はやっぱりちょっと懐かしく感じた。

 わたしに新しい大人の友達ができた。

「真来」と言いながらわたしは手を差し出した。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

幼子は最強のテイマーだと気付いていません!

akechi
ファンタジー
彼女はユリア、三歳。 森の奥深くに佇む一軒の家で三人家族が住んでいました。ユリアの楽しみは森の動物達と遊ぶこと。 だが其がそもそも規格外だった。 この森は冒険者も決して入らない古(いにしえ)の森と呼ばれている。そしてユリアが可愛い動物と呼ぶのはSS級のとんでもない魔物達だった。 「みんなーあしょぼー!」 これは幼女が繰り広げるドタバタで規格外な日常生活である。

異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

夢のテンプレ幼女転生、はじめました。 憧れののんびり冒険者生活を送ります

ういの
ファンタジー
旧題:テンプレ展開で幼女転生しました。憧れの冒険者になったので仲間たちとともにのんびり冒険したいとおもいます。 七瀬千那(ななせ ちな)28歳。トラックに轢かれ、気がついたら異世界の森の中でした。そこで出会った冒険者とともに森を抜け、最初の街で冒険者登録しました。新米冒険者(5歳)爆誕です!神様がくれた(と思われる)チート魔法を使ってお気楽冒険者生活のはじまりです!……ちょっと!神獣様!精霊王様!竜王様!私はのんびり冒険したいだけなので、目立つ行動はお控えください!! 初めての投稿で、完全に見切り発車です。自分が読みたい作品は読み切っちゃった!でももっと読みたい!じゃあ自分で書いちゃおう!っていうノリで書き始めました。 2024年5月 書籍一巻発売 2025年7月 書籍二巻発売 2025年10月 コミカライズ連載開始

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

異世界着ぐるみ転生

こまちゃも
ファンタジー
旧題:着ぐるみ転生 どこにでもいる、普通のOLだった。 会社と部屋を往復する毎日。趣味と言えば、十年以上続けているRPGオンラインゲーム。 ある日気が付くと、森の中だった。 誘拐?ちょっと待て、何この全身モフモフ! 自分の姿が、ゲームで使っていたアバター・・・二足歩行の巨大猫になっていた。 幸い、ゲームで培ったスキルや能力はそのまま。使っていたアイテムバッグも中身入り! 冒険者?そんな怖い事はしません! 目指せ、自給自足! *小説家になろう様でも掲載中です

35年ローンと共に異世界転生! スキル『マイホーム』で快適5LDK引きこもり生活 ~数学教師、合気道と三節根で異世界を論破する~

月神世一
ファンタジー
紹介文 「結婚しよう。白い壁の素敵なお家が欲しいな♡」 そう言われて35年ローンで新築一戸建て(5LDK)を買った直後、俺、加藤真守(25歳)は婚約者に捨てられた。 失意の中、猫を助けてトラックに轢かれ、気づけばジャージ姿の女神ルチアナに異世界へと放り出されていた。 ​「あげるのは『言語理解』と『マイホーム』でーす」 ​手に入れたのは、ローン残高ごと召喚できる最強の現代住宅。 電気・ガス・水道完備。お風呂は全自動、リビングは床暖房。 さらには貯めたポイントで、地球の「赤マル」から「最新家電」までお取り寄せ!? ​森で拾った純情な狩人の美少女に胃袋を掴まれ、 罠にかかったポンコツ天使(自称聖騎士)が居候し、 競馬好きの魔族公爵がビールを飲みにやってくる。 ​これは、借金まみれの数学教師が、三節根と計算能力を武器に、快適なマイホームを守り抜く物語。 ……頼むから、家の壁で爪を研ぐのはやめてくれ!

異世界の片隅で引き篭りたい少女。

月芝
ファンタジー
玄関開けたら一分で異世界!  見知らぬオッサンに雑に扱われただけでも腹立たしいのに 初っ端から詰んでいる状況下に放り出されて、 さすがにこれは無理じゃないかな? という出オチ感漂う能力で過ごす新生活。 生態系の最下層から成り上がらずに、こっそりと世界の片隅で心穏やかに過ごしたい。 世界が私を見捨てるのならば、私も世界を見捨ててやろうと森の奥に引き篭った少女。 なのに世界が私を放っておいてくれない。 自分にかまうな、近寄るな、勝手に幻想を押しつけるな。 それから私を聖女と呼ぶんじゃねぇ! 己の平穏のために、ふざけた能力でわりと真面目に頑張る少女の物語。 ※本作主人公は極端に他者との関わりを避けます。あとトキメキLOVEもハーレムもありません。 ですので濃厚なヒューマンドラマとか、心の葛藤とか、胸の成長なんかは期待しないで下さい。  

転生したら幼女でした!? 神様~、聞いてないよ~!

饕餮
ファンタジー
  書籍化決定!   2024/08/中旬ごろの出荷となります!   Web版と書籍版では一部の設定を追加しました! 今井 優希(いまい ゆき)、享年三十五歳。暴走車から母子をかばって轢かれ、あえなく死亡。 救った母親は数年後に人類にとってとても役立つ発明をし、その子がさらにそれを発展させる、人類にとって宝になる人物たちだった。彼らを助けた功績で生き返らせるか異世界に転生させてくれるという女神。 一旦このまま成仏したいと願うものの女神から誘いを受け、その女神が管理する異世界へ転生することに。 そして女神からその世界で生き残るための魔法をもらい、その世界に降り立つ。 だが。 「ようじらなんて、きいてにゃいでしゅよーーー!」 森の中に虚しく響く優希の声に、誰も答える者はいない。 ステラと名前を変え、女神から遣わされた魔物であるティーガー(虎)に気に入られて護られ、冒険者に気に入られ、辿り着いた村の人々に見守られながらもいろいろとやらかす話である。 ★主人公は口が悪いです。 ★不定期更新です。 ★ツギクル、カクヨムでも投稿を始めました。

処理中です...