異世界カフェ食堂で皿洗いをしますと思ったら日本料理を創造する力が与えられていた!(もふもふ聖獣猫のモフにゃーと楽しく日本料理を創造します)

なかじまあゆこ

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もふもふでいっぱい

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「さてさて、では、日焼けちゃんに洗い物を教えてあげるよ。ん? 日焼けちゃんどうしたの?」

 腕まくりをしながら日焼けを見るとなんだか不満顔だった。

「それ」
「え? それってもしかしてエプロンのことかな?」

 日焼けの視線をたどるとわたしのエプロンを見ていた。

「そうだよ、アリナちゃんもモフにゃー主もそれからライオン魔獣鳥もエプロンとやらをつけているではないか」

 そう言った日焼けは真っ黒な口を尖らせている。

「おい、俺の名前はギャップだ」とギャップはすかさず口を挟む。

「ああ、ギャップちゃんだったな」
「ちゃんはいらないがまあ良しとしてやろう」

「エプロンね。ちょっと待っててね」

 わたしはトテトテとキッチンへ向かう。

「お父さ~ん、日焼けちゃん用のエプロンはあるかな?」

「おっ、日焼けちゃんもお手伝いをしてくれるんだな。モフにゃーが昔使っていたエプロンを取りあえず使ってもらうといいよ」

 魔道具の火を止めたお父さんはエプロン掛けから真っ白なエプロンを取り、わたしに渡してくれた。

「ありがとう」とお礼を言ったわたしはトテトテと洗い場に戻った。

「おっ、真っ白なエプロンだぞ。日焼けをした俺に似合いそうではないか」

 日焼けはご満悦顔で真っ白なエプロンを眺めている。

「あ、あのエプロン真っ白なわたしが真っ白になりすぎて似合わなかったエプロンだにゃん。日焼けちゃんには似合いそうだにゃん」

「おっ、このエプロンはモフにゃー主のお古なんだな」

 日焼けはとても嬉しそうに真っ白なエプロンとモフにゃーを交互に眺めた。

「日焼け色と白はバランスが良いにゃん」
「ぐふふ、そうだよな」

 正確には日焼けの肌は日焼け色ではなく黒色だと思うけれど、黙っておくことにした。

 だって、日焼けはそれはもうにんまり笑顔でとっても嬉しそうなんだもん。それにモフにゃーも喜んでいるもんね。

「くふふ、俺は真っ白なエプロンをつけてよりカッコいい日焼けになるぞ」

 日焼けは最高の笑顔を浮かべた。

 モフにゃーのお古の真っ白なエプロンをつけた日焼けは思っていた以上に似合っていた。


 日焼けも加わったので賑やかさが増した。

「お皿というものを洗うんだな」

 日焼けは真剣な眼差しでお皿に目を落とす。

「日焼けちゃんはお皿を洗ったことってないの?」
「ないぞ。それに俺はお皿を使ったのもこの家に来て初めてだぞ」

 日焼けは視線をわたしに移し答えた。

「へ!? じゃあ、今までご飯は何に入れて食べていたの?」
「手掴みで魚を丸呑みしたり時々葉っぱにどんぐりやグリーン野菜などを盛り付けて食べていたな」

 日焼けは遠い過去を思い出すように目を細めた。昨日までその食べ方だったはずなのにね。

「ほっ、魚の丸呑みとはこのライオン魔獣鳥である俺と同じだったんだな」

 ギャップのその目がキラリンと輝いた。仲間を見つけたって感じだ。

「おっ、ギャップちゃんも丸呑み仲間かい」

 日焼けもその真っ黒な目をキラリンと輝かせた。

 魔獣であるギャップと日焼けはモフにゃーをめぐり争っていたけれど、やっぱり気が合うようだ。

「さ~て、日焼けちゃん洗い物をしよう」
「よっしゃ! この真っ黒魔獣である日焼けが洗い物をしてみせるぞ」

 日焼けは力こぶをつくりやる気満々になっている。

 モフにゃーとギャップも「日焼けちゃん頑張ってにゃん」、「日焼けちゃん頑張れよ」と何処から持ってきたのかポンポンを振り回し応援した。


 お皿を舌でペロペロと舐めようとした日焼けにわたしが、「お皿は舐めない。洗うんだよ」と注意をすると、「うむ、洗い物とは奥が深いな……」と力強く首を縦に振った。

「はい、スポンジだよ」
「うむむ、スポンジかい。これは美味しいのかな」

 日焼けは舌舐めずりをした。

「スポンジは食べ物じゃないよ。それで洗い物をするんだよ」
「な、なんとこのスポンジで洗い物をするのかい!?」
「うん、そうだよ、わたしがお手本を見せるね」

 そう言ったわたしは腕まくりをして子供用の木製の踏み台にぴょこんと飛び乗る。

「あ、そうだ、日焼けちゃんの踏み台も必要だね」

「このライオン魔獣鳥である俺が持ってきてやったぞ」とギャップがわたしの隣に子供用の踏み台を置いた。

「ギャップちゃんありがとう」

 今日のギャップは気が利く。
    
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