異世界カフェ食堂で皿洗いをしますと思ったら日本料理を創造する力が与えられていた！（もふもふ聖獣猫のモフにゃーと楽しく日本料理を創造します）

もふもふでいっぱい

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「むしゃむしゃにゃん、美味しいにゃん」
「まるっと丸呑みするのも美味しいけど、頬張って食べるのも美味しいな。ガォ～」
「う～ん、人間が作ったご飯もこれまた最高だぜ」

　三匹のもふもふが扉のほうに向き並んで座っていた。しかもそのもふもふ三匹は、食べ物をぽろぽろとこぼしながら食べている。

「ちょっと、君達もう食べているの？」

　わたしは、モフにゃーの目の前に座りながら言った。

「うん、アリナちゃんが遅いからお先に食べているにゃん」
「ふ～ん、そうなんだ……」

　一分くらい考え事をしていただけなんだけどなと呆れながら、わたしは三匹の顔を順番に見た。まあ、三匹とも幸せそうに食べているからいいかな。

「わたしも食べようかなっと」

　目の前には、人参やキャベツ等の野菜類と豚肉入りのスープ、ライ麦パン。それにわたしの大好きなハチミツもある。それと、サーモンやソーセージもあった。

　その時。お父さんとお母さんが食事の間に入ってきた。

「アリナ、夕飯の時間だな。おっ！　もふもふさん達はすでに食べているのか」

　お父さんはわたしの右隣の席に腰を下ろす。あ、何か変な感じがするな。そうだ、いつものお父さんは、わたしの目の前に座っている。もふもふ達が勝手に席替えしている。

「さあ、みんなで食べましょう。あら、もふもふちゃん達はもう食べているのね」

　お母さんはクスクスと笑いながらお盆に載せていたティーポットをテーブルの真ん中に置き、わたしの左隣の席に腰を下ろした。

「さて、アリナにもふもふさん達よ、改めていただきますだな」とお父さんが言いながら手を合わせた。

　わたしとお母さんもそれに続き「いただきます」と手を合わせた。その後、モフにゃーが、「いただきますにゃん」と可愛らしい肉球のある手を合わせると、ギャップと日焼けも「面倒臭いな」と言いながらしぶしぶ手を合わせた。
　

　今日の夕飯は日焼けも加わりより賑やかになった。いつも食べている人参やキャベツ等の野菜類と豚肉入りのスープやライ麦パンに美味しさが増したような気がした。

　ソーセージも皮のパキッとした食感と肉汁がじゅわっと口の中いっぱいに広がり美味しい。

「うん、美味しい幸せ」

　わたしは、ソーセージを頬張りほくほく顔になった。そう、ほくほく顔になったんだけど、気づくとおねむでうとうとしてしまった。なんかもう食べているのか寝ているのかわからなくなってきた。

「お～い、アリナ」
「アリナちゃんにゃん」

　うん？　お父さんとモフにゃーの声が遠くから聞こえてくる。

　なんだかジューシーな香りとみんなの声が重なり合う。不思議な感覚。新感覚かなー。

「おっ、アリナちゃん美味しそうなヨダレを垂らし寝ているのか」
「アリナ寝ているのかな？」
「あらあら、アリナってば食べるか寝るのかどちらかにしなさい」

　みんながわたしのことを話しているみたいだ。なんだけれど、眠たくて目が開けられないし返事ができないよ。これって寝ているってことなのかな。

　だって、今日はもふもふにベットを占領されて寝不足なんだもん仕方がない。

　美味しい香りと共におやすみなさい。

「可愛いアリナよ。寝落ちか～い！！　そんな姿もキュートだぞ」
「わたしもおねむになってきたにゃん。むにゃむにゃにゃん」
「モフにゃー主、寝るな」
「今のうちにアリナのご飯を頂こうかな」
「あら、アリナ大変！　寝てしまったのね」

　みんなの話し声が子守歌みたいになってしまった。

　意識が遠のく。わたしどうやら夢の世界へと旅立ったようだ。
　
　気づいた時は、ふわふわな心地よいお布団の中にわたしはにいた。どうやらぐっすり寝ていたいみたいだ。ご飯を食べ損ねたけれど、まあいっか。