異世界カフェ食堂で皿洗いをしますと思ったら日本料理を創造する力が与えられていた！（もふもふ聖獣猫のモフにゃーと楽しく日本料理を創造します）

もふもふでいっぱい

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　お父さんに許してもらったわたしは腕まくりをして、お客さんに喜んでもらえる創造料理を作らなくちゃと気合いを入れてみせたんだけど。

　今度は明太子と高菜が舞い降りてきた。うわぁーとても美味しそうだ。ヨダレが垂れちゃいそう。けれどここはぐっと我慢だ。でもね……。

　ああ、こうなるとやっぱりモフにゃーにギャップにそれから日焼けのもふもふ三匹は明太子と高菜に飛びつくんだよね。

　三匹は可愛らしいお口を開けたかと思うと、明太子と高菜を見事にキャッチする。なんて、器用で可愛いお口なんだろう。って喜んでいる場合ではない。

「わたしはお客さんに美味しい日本料理を届けるんだよ。ねえ、みんな聞いているのかな？」

　いや、あれは絶対に聞いていないよ。

「ピリ辛風味も最高だにゃん。ご飯によく合うお味だにゃん」
「このピリ辛感は堪らんぞ」
「俺のお口の中がピリッと幸せだぞ」

　三匹のもふもふは口々に明太子と高菜のお味の感想を述べる。ああ、これはダメだ。でも、のり弁当は美味しいってことだよねとわたしは思いなおす。

「そののり弁当は君達にあげるよ。わたしはもう一つ創造したらいいんだもんね」

　良し、そうと決まったら美味しいのり弁当を思い浮かべお客さんに笑顔と幸せを届けるぞ。

　わたしはもう一度のり弁当を思い浮かべた。

　ほかほかの白いご飯にたっぷりのおかかその上に海苔を敷く。もうこれだけで美味しくて堪らない。今回はちゃんと全て想像してからのり弁当を完成させるぞ。


　それからね、タルタルソースをかけた白身魚のフライにちくわの磯辺揚げにきんぴらごぼう、卵焼きを海苔を敷いたご飯の上に綺麗に盛り付けよう。

　地球の日本でこののり弁当を初めて食べた日、シンプルだけど美味しいなとほっぺたを落っことしそうになった記憶が微かに残っている。

　きっと、グリーン王国の人も喜んでくれることでしょう。

「えへへ、アリナ特製ののり弁当の完成で～す」

　わたしがそう言ったのとほぼ同時にじゃーんと湯気の立ったのり弁当が舞い降りてきた。

「わたしのイメージした通りののり弁当だ」

　懐かしいのり弁当に思わず食べたくなってしまう。けれど、これはお客さんののり弁当だ。わたしは、もふもふ達みたいに食べたりしないもんね。

　チラリともふもふ達に視線を向けると、まだ、明太子と高菜を食べていた。食いしん坊だけど、やっぱり可愛らしい奴らめ。

「さて、わたしはお客さんの元ににのり弁当を運ぶぞ」

　お盆に出来立てほやほやののり弁当と湯気の立つ緑茶を載せた。そして、お客さんの元へとてとてと向かった。ん？　なんだろう？　と視線を感じたので振り向くと。

　わたしの後ろににゃんにゃんにゃんとモフにゃーがついてその後ろにギャップと日焼けもついて歩いていた。

　ありゃま、わたしアリナともふもふがお客さんにのり弁当をお届けします。きっと、美味しいはずだよ。