145 / 295
もふもふでいっぱい
23
しおりを挟む
「あの、ごめんなさい。ひ、羊さんなんて言って⋯⋯ちょっと似ていたから」
わたしは、指をもじもじさせて謝った。
「いやいや、それは構わないよ。羊さんだなんて可愛らしくて、光栄だよ」
「本当に?」
「ああ、本当だよ。でも、おじさんそんなに羊さんに似ているのかい?」
羊おじさんは首をちょこんと傾げわたしを見る。その仕草と目と目が離れていて垂れ目でなんだか可愛らしかった。うーん、やっぱりメェ~メェ~って鳴いているように見えてしまう。
「うん、とっても似ているよ」
「そうかい。それでお嬢ちゃんは何故笑っているんだね?」
「え? 笑っていました」
わたしは、ほっぺたに手を当てる。わっ、なんか笑ってしまっているみたいだ。
「あはは、可愛いお嬢ちゃんだ。それにこのニホン料理も最高だね」
羊おじさんはそう言ってわたしとのり弁当を交互に見て豪快に笑った。
「えへへ、ありがとうございます」
わたしは嬉しくて頬を緩ませた。
「こちらこそだよ。美味しいニホン料理をありがとう。では、続きを食べようとしようかな。ん?」
にっこり笑っていた羊おじさんが素っ頓狂な声を上げた。どうしたのかな? と、思ったその時、「わっ!」とわたしも大きな声を出す。
だって、そう。
「モフにゃー、ギャップちゃん、日焼けちゃん!! どうして羊おじさんののり弁当を食べているの?」
もうお決まりになってしまってはいるけれど、もふもふ達が羊おじさんののり弁当をもぐもぐと食べていた。
わたしは呆れて額に手を当てた。
「うにゃん、アリナちゃんとおじさんがお話をしていて退屈だったからにゃん」
「目の前に美味しそうな食物がある=いただく。これ常識だぞ」
「ギャップちゃんと同じくだ」
口の周りにご飯粒をくっつけたもふもふ三匹は信じられないことを言ってドヤ顔だ。
「これはこれは、もふもふさん達はおじさんのニホン料理を食べているんだね」
羊おじさんは自身ののり弁当を食べられてしまっているのにもかかわらず呑気に笑っている。
「はいにゃん。美味しく頂いているにゃん」
「やはり目の前にある美味しいものは食べるに限るな」
「有難く頂いているぞ」
もふもふ達三匹は元気よく返事をした。
「そうかい、そうかい。確かにそうだな。ただ、おじさんもお腹が空いているんだよ」
羊おじさんは優しく柔らかい口調で言った。
「うにゃん、そうだよね……おじさんもお腹がぺこぺこだからご飯を注文したんだにゃん。わたし食べちゃったにゃん」
モフにゃーは申し訳なさそうな表情になっている。
「……この俺の『目の前に美味しそうな食物がある=いただく』は間違っていたのかな……」
ギャップもそう言ってしゅんと俯く。
「そうか、おじさんも腹ぺこなんだよな……」
日焼けも反省したかのように俯いた。
「おじさんも腹ぺこだよ。でもね、おじさんは君達を責めているわけじゃないからね」
羊おじさんはモフにゃーの頭に手を伸ばし優しく撫でた。それからその手をギャップの頭に移し優しく撫でた。続いて日焼けの頭にも手を伸ばし優しく撫でた。
「このアリナちゃんのニホン料理は誰だって食べたくなるよな。ほんの少しおじさんにも残してくれたらそれでいいよ」
羊おじさんは目じりを下げてふんわりと笑った。
「おじさんありがとうにゃん」
「あ、ありがとうガォ~」
「あ、ありがとうよ。この真っ黒魔獣である俺にありがとうと言われて光栄と思えよ」
三匹のもふもふは口々に言った。
「あはは、ありがとうな」
羊おじさんはやっぱり目じりを下げて優しく笑った。なんて、心が広いんたろう。わたしも優しくならなくちゃね。
わたしは、指をもじもじさせて謝った。
「いやいや、それは構わないよ。羊さんだなんて可愛らしくて、光栄だよ」
「本当に?」
「ああ、本当だよ。でも、おじさんそんなに羊さんに似ているのかい?」
羊おじさんは首をちょこんと傾げわたしを見る。その仕草と目と目が離れていて垂れ目でなんだか可愛らしかった。うーん、やっぱりメェ~メェ~って鳴いているように見えてしまう。
「うん、とっても似ているよ」
「そうかい。それでお嬢ちゃんは何故笑っているんだね?」
「え? 笑っていました」
わたしは、ほっぺたに手を当てる。わっ、なんか笑ってしまっているみたいだ。
「あはは、可愛いお嬢ちゃんだ。それにこのニホン料理も最高だね」
羊おじさんはそう言ってわたしとのり弁当を交互に見て豪快に笑った。
「えへへ、ありがとうございます」
わたしは嬉しくて頬を緩ませた。
「こちらこそだよ。美味しいニホン料理をありがとう。では、続きを食べようとしようかな。ん?」
にっこり笑っていた羊おじさんが素っ頓狂な声を上げた。どうしたのかな? と、思ったその時、「わっ!」とわたしも大きな声を出す。
だって、そう。
「モフにゃー、ギャップちゃん、日焼けちゃん!! どうして羊おじさんののり弁当を食べているの?」
もうお決まりになってしまってはいるけれど、もふもふ達が羊おじさんののり弁当をもぐもぐと食べていた。
わたしは呆れて額に手を当てた。
「うにゃん、アリナちゃんとおじさんがお話をしていて退屈だったからにゃん」
「目の前に美味しそうな食物がある=いただく。これ常識だぞ」
「ギャップちゃんと同じくだ」
口の周りにご飯粒をくっつけたもふもふ三匹は信じられないことを言ってドヤ顔だ。
「これはこれは、もふもふさん達はおじさんのニホン料理を食べているんだね」
羊おじさんは自身ののり弁当を食べられてしまっているのにもかかわらず呑気に笑っている。
「はいにゃん。美味しく頂いているにゃん」
「やはり目の前にある美味しいものは食べるに限るな」
「有難く頂いているぞ」
もふもふ達三匹は元気よく返事をした。
「そうかい、そうかい。確かにそうだな。ただ、おじさんもお腹が空いているんだよ」
羊おじさんは優しく柔らかい口調で言った。
「うにゃん、そうだよね……おじさんもお腹がぺこぺこだからご飯を注文したんだにゃん。わたし食べちゃったにゃん」
モフにゃーは申し訳なさそうな表情になっている。
「……この俺の『目の前に美味しそうな食物がある=いただく』は間違っていたのかな……」
ギャップもそう言ってしゅんと俯く。
「そうか、おじさんも腹ぺこなんだよな……」
日焼けも反省したかのように俯いた。
「おじさんも腹ぺこだよ。でもね、おじさんは君達を責めているわけじゃないからね」
羊おじさんはモフにゃーの頭に手を伸ばし優しく撫でた。それからその手をギャップの頭に移し優しく撫でた。続いて日焼けの頭にも手を伸ばし優しく撫でた。
「このアリナちゃんのニホン料理は誰だって食べたくなるよな。ほんの少しおじさんにも残してくれたらそれでいいよ」
羊おじさんは目じりを下げてふんわりと笑った。
「おじさんありがとうにゃん」
「あ、ありがとうガォ~」
「あ、ありがとうよ。この真っ黒魔獣である俺にありがとうと言われて光栄と思えよ」
三匹のもふもふは口々に言った。
「あはは、ありがとうな」
羊おじさんはやっぱり目じりを下げて優しく笑った。なんて、心が広いんたろう。わたしも優しくならなくちゃね。
0
あなたにおすすめの小説
幼子は最強のテイマーだと気付いていません!
akechi
ファンタジー
彼女はユリア、三歳。
森の奥深くに佇む一軒の家で三人家族が住んでいました。ユリアの楽しみは森の動物達と遊ぶこと。
だが其がそもそも規格外だった。
この森は冒険者も決して入らない古(いにしえ)の森と呼ばれている。そしてユリアが可愛い動物と呼ぶのはSS級のとんでもない魔物達だった。
「みんなーあしょぼー!」
これは幼女が繰り広げるドタバタで規格外な日常生活である。
異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。
夢のテンプレ幼女転生、はじめました。 憧れののんびり冒険者生活を送ります
ういの
ファンタジー
旧題:テンプレ展開で幼女転生しました。憧れの冒険者になったので仲間たちとともにのんびり冒険したいとおもいます。
七瀬千那(ななせ ちな)28歳。トラックに轢かれ、気がついたら異世界の森の中でした。そこで出会った冒険者とともに森を抜け、最初の街で冒険者登録しました。新米冒険者(5歳)爆誕です!神様がくれた(と思われる)チート魔法を使ってお気楽冒険者生活のはじまりです!……ちょっと!神獣様!精霊王様!竜王様!私はのんびり冒険したいだけなので、目立つ行動はお控えください!!
初めての投稿で、完全に見切り発車です。自分が読みたい作品は読み切っちゃった!でももっと読みたい!じゃあ自分で書いちゃおう!っていうノリで書き始めました。
2024年5月 書籍一巻発売
2025年7月 書籍二巻発売
2025年10月 コミカライズ連載開始
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
異世界着ぐるみ転生
こまちゃも
ファンタジー
旧題:着ぐるみ転生
どこにでもいる、普通のOLだった。
会社と部屋を往復する毎日。趣味と言えば、十年以上続けているRPGオンラインゲーム。
ある日気が付くと、森の中だった。
誘拐?ちょっと待て、何この全身モフモフ!
自分の姿が、ゲームで使っていたアバター・・・二足歩行の巨大猫になっていた。
幸い、ゲームで培ったスキルや能力はそのまま。使っていたアイテムバッグも中身入り!
冒険者?そんな怖い事はしません!
目指せ、自給自足!
*小説家になろう様でも掲載中です
35年ローンと共に異世界転生! スキル『マイホーム』で快適5LDK引きこもり生活 ~数学教師、合気道と三節根で異世界を論破する~
月神世一
ファンタジー
紹介文
「結婚しよう。白い壁の素敵なお家が欲しいな♡」
そう言われて35年ローンで新築一戸建て(5LDK)を買った直後、俺、加藤真守(25歳)は婚約者に捨てられた。
失意の中、猫を助けてトラックに轢かれ、気づけばジャージ姿の女神ルチアナに異世界へと放り出されていた。
「あげるのは『言語理解』と『マイホーム』でーす」
手に入れたのは、ローン残高ごと召喚できる最強の現代住宅。
電気・ガス・水道完備。お風呂は全自動、リビングは床暖房。
さらには貯めたポイントで、地球の「赤マル」から「最新家電」までお取り寄せ!?
森で拾った純情な狩人の美少女に胃袋を掴まれ、
罠にかかったポンコツ天使(自称聖騎士)が居候し、
競馬好きの魔族公爵がビールを飲みにやってくる。
これは、借金まみれの数学教師が、三節根と計算能力を武器に、快適なマイホームを守り抜く物語。
……頼むから、家の壁で爪を研ぐのはやめてくれ!
異世界の片隅で引き篭りたい少女。
月芝
ファンタジー
玄関開けたら一分で異世界!
見知らぬオッサンに雑に扱われただけでも腹立たしいのに
初っ端から詰んでいる状況下に放り出されて、
さすがにこれは無理じゃないかな? という出オチ感漂う能力で過ごす新生活。
生態系の最下層から成り上がらずに、こっそりと世界の片隅で心穏やかに過ごしたい。
世界が私を見捨てるのならば、私も世界を見捨ててやろうと森の奥に引き篭った少女。
なのに世界が私を放っておいてくれない。
自分にかまうな、近寄るな、勝手に幻想を押しつけるな。
それから私を聖女と呼ぶんじゃねぇ!
己の平穏のために、ふざけた能力でわりと真面目に頑張る少女の物語。
※本作主人公は極端に他者との関わりを避けます。あとトキメキLOVEもハーレムもありません。
ですので濃厚なヒューマンドラマとか、心の葛藤とか、胸の成長なんかは期待しないで下さい。
転生したら幼女でした!? 神様~、聞いてないよ~!
饕餮
ファンタジー
書籍化決定!
2024/08/中旬ごろの出荷となります!
Web版と書籍版では一部の設定を追加しました!
今井 優希(いまい ゆき)、享年三十五歳。暴走車から母子をかばって轢かれ、あえなく死亡。
救った母親は数年後に人類にとってとても役立つ発明をし、その子がさらにそれを発展させる、人類にとって宝になる人物たちだった。彼らを助けた功績で生き返らせるか異世界に転生させてくれるという女神。
一旦このまま成仏したいと願うものの女神から誘いを受け、その女神が管理する異世界へ転生することに。
そして女神からその世界で生き残るための魔法をもらい、その世界に降り立つ。
だが。
「ようじらなんて、きいてにゃいでしゅよーーー!」
森の中に虚しく響く優希の声に、誰も答える者はいない。
ステラと名前を変え、女神から遣わされた魔物であるティーガー(虎)に気に入られて護られ、冒険者に気に入られ、辿り着いた村の人々に見守られながらもいろいろとやらかす話である。
★主人公は口が悪いです。
★不定期更新です。
★ツギクル、カクヨムでも投稿を始めました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる