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孤独だったわたし達が今は幸せ
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しおりを挟むお寿司のネタは何にしようかな。サーモンでしょ。それから、穴子にウニ、イクラ、イカにタコ、サバにマグロ。他にも食べたい握り寿司はたくさんある。
うわーもう想像しただけで食いしん坊なわたしは、ヨダレを垂らしそうだ。
やっぱりわたしはお寿司のネタはサーモンが一番好きかな。脂がのっていて最高だよね。お口の中が幸せでいっぱいになる。
サーモンの握り寿司を創造するよ。決定だ。それと、穴子の握り寿司も創造しようかな。あの甘いタレがもう食欲をそそりどんどん食べれちゃう。
「あ、そうだ、イクラの握り寿司も創造しよう。あのぷちぷちとした食感と濃厚な旨みが口の中に広がりぷち~と弾けて堪らない~」
あ、気づくともうイクラの握り寿司を食べているような感覚に陥っていた。
今度こそは全部想像してから創造しようと思っていたのに……。
「うわぁ~イクラのお寿司だにゃん」
「うぉ~なんか美味しそうな食べ物が舞い降りて来たぞガォ~」
「わっ、これはなんだ! よし、召し上がるぞ~」
なんてとんでもない声が聞こえてきた。
ああ、またまたやってしまったよ。もう振り返りたくないけど、わたしはそろりともふもふ達を見た。やっぱり思った通りの光景がそこにあった。
三匹のもふもふが大きな口を開けイクラの握り寿司を頬張っていましたとさ。
「もう、モフにゃーにギャップちゃんに日焼けちゃん! 何回言ったらわかるの?」
わたしはぷんぷんぷんすかともふもふ三匹を睨む。けれど、モフにゃーもギャップも日焼けも大きな口を開け舞い降りて来たイクラの握り寿司をぱくぱく食べている。
そんな三匹のもふもふをじっと見ていたわたしの開けていた口にイクラの握り寿司が舞い降りて来てぱくっと食べてしまった。
「うわぁ~めちゃくちゃ美味しいよ~」
わたしのほっぺたが落っこちそうだよー。って、わたしってば創造したイクラ握り寿司を食べてしまったではないか!
ああ、だけど、美味しくて堪らなくて今度は舞い降りて来たイクラの握り寿司を自ら大きな口を開けてぱくっと食べてしまったよ。
だって、このぷちぷちした食感と濃厚なイクラの旨みがじわーっと口の中に広がるんだよ。食べてしまうのは仕方ないよね。
なんて言い訳をしてわたしはもぐもぐとイクラの握り寿司を頬張った。
「ああ、もうわたしってば何をやっているんだろう。もふもふ達と同類になってしまうよ~」
わたしはぽんすかぽんぽんと手をグーにして自分の頭を叩いた。
「アリナちゃんは何をやっているんだにゃん」
「頭の体操かな?」
「頭が凝っているのかもな。もみもみしてやろうか」
三匹のもふもふは勝手なことを言いながらわたしの顔を覗き込むように見た。なんかもふもふ達に見つめられていると、顔がにやにやしてくる。
わたしはもふもふに弱い。
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