異世界カフェ食堂で皿洗いをしますと思ったら日本料理を創造する力が与えられていた！（もふもふ聖獣猫のモフにゃーと楽しく日本料理を創造します）

孤独だったわたし達が今は幸せ

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「神様お願いがあるんです」

　わたしは神様のまるで宝石のように美しい目を見て言った。

「お願いじゃと？」

　神様は首を横に傾げわたしを見る。
　
「はい、それは簡単に言うとこれを運んでほしいの」

　わたしは目の前にずらりと並んでいるにんじんがたーっぷりの炊き込みご飯と具沢山のお味噌汁を指差す。

「おっ、なんとこれは美味しそうではないか。どれ一つ頂こうではないか」

「か、神様……」
「なんじゃね？」
「神様の分はありません」
「は？　わたしの炊き込みご飯とお味噌汁はないのか」
「その通りです」
「アリナちゃん……」
「何でしょう？」
「わたしに運ばすだけなのかな……」
「ピンポン！　正解～」
「信じられんな」
「ごめんなさい、あ、わたしのにんじん炊き込みご飯とお味噌汁をどうぞ」

　わたしはにんじんたっぷりな炊き込みご飯を一つ手に取り神様に差し出した。

　神様は、それをじっと見ているかと思うと、「それはアリナちゃんの炊き込みご飯じゃ。みんなと一緒に食べるのじゃろう？」

　神様はにんじんがたっぷりな炊き込みご飯から視線をわたしに移し柔らかい笑みを浮かべた。

「うん、それはそうだけど……」
「だったらアリナちゃんが食べなさい」
「いいの？」
「構わないぞ」

　神様はそう言ったかと思うとわたしの頭に手を置いた。お父さんとはまた違った温もりを感じた。

「ありがとう神様。じゃあ、半分こにしよう」
「アリナちゃんはよい子じゃな。では、分けてもらおう」

　神様はクフフと口元に手を当てて妖しげに微笑みを浮かべ、どこから持ってきたのか小皿と味噌汁椀にお箸を手にしていた。

「あはは、神様ってばちゃっかりしてる」
「神様に何を言うか」
「えへへ、ごめんなさい。では、分けてあげますね」

　わたしはにっこりと笑い神様の小皿と味噌汁椀ににんじんがたっぷりの炊き込みご飯と味噌汁を半分ずつ盛り付けた。

「さあ、どうぞ召し上がれ～」

「こ、これは美味しいではないか」

　神様はそれはもう幸せそうに顔をゆるゆると緩めにんじんがたっぷりの炊き込みご飯と具沢山の味噌汁を食べている。

　そんな神様の幸せいっぱいの表情を見ていると、わたしは嬉しくて堪らない。

「神様、半分っ子は嬉しいね」

　わたしの顔に笑顔の花が咲いた。

「ああ、わたしも嬉しいぞよ」
「あ、神様、お口の周りにごはん粒がくっついているよ～」
「わっ、なんてことだ」

　慌てて口の周りを手の甲で拭う神様が可笑しくてわたしは思いっきり笑った。