元Sランクパーティーのサポーターは引退後に英雄学園の講師に就職した。〜教え子達は見た目は美少女だが、能力は残念な子達だった。〜

アノマロカリス

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第一章

第十六話 死にたくない生徒達は必死に足掻く

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 「さて、君達には残りの日数をある2つの技法を取得して貰います。」

 「いえ先生!瞬詠唱を教えて下さい!」

 「そうです、無詠唱を取得出来たら教えてくれるという約束ですわ!」

 「君達…先生は嬉しいです!」

 自分は生徒達の熱意に涙が出た。

 「先生…如何なされたのですか?」

 「自分は君達のやる気に嬉しくて涙が出てしまって…」

 「当然ですよ!瞬詠唱という更なる高みを覚える事が出来るのでしたら…」
 
 「瞬詠唱は無詠唱みたいな生易しい修業ではなく、本当に何百回という回数の死に直結するという過酷な物なのに…それをやりたいなんて。」

 「「「ちょっとまった~~~~~!!!」」」

 「はい?どうしました?」

 「瞬詠唱取得は、無詠唱以上な修業内容なのですか?」

 「そうですよ、瞬詠唱は無詠唱取得の様な生温く優しい物ではありませんよ。それをやりたいなんて…」

 「あれが生温くて優しい物って…」

 「言ったじゃないですか、何度も死が直結する様な修業内容だと。まぁ、死にはしませんよ…多分。」

 「多分って言いました?」

 「すいません、ちょっと考えさせて下さい!」

 3人は輪になって相談し始めた。

 「無詠唱取得も十分地獄の様な修業内容だったぞ!」

 「あれが生温いって…私は今度こそ死ぬかも。」

 「そうね、ラスもクリアも無詠唱取得時に何度も死に掛けていたからね。」

 ラスの場合は燃え盛る炎の柱に放り込まれてから何度も大火傷を負った。

 最初は水を掛けていたが、あまりにも火傷が治り難くて…滅茶苦茶染みる薬液をぶっ掛けられて痛みのあまりのた打ち回っていた。

 クリアは全身の骨を何度も砕かれた経験をしてから回復を繰り返して、骨が強くなっていた。

 どちらも瀕死の一歩手前の様な状態だったのだ。

 「先生、やはり俺達には瞬詠唱の修業はまだ早い…って、その紙の束は何ですか?」

 「これですか?これは死亡同意書です。瞬詠唱の修業を開始したら、絶対に誰かが死にますからね。死んでも文句を言われない様にする為の同意書だったのですが…」

 「先生!先程先生がおっしゃっていた…2つの技法の方をお願いします!それなら瞬詠唱取得よりは遥かに楽ですよね?」

 「えぇ、こちらの方が瞬詠唱に比べたら遥かに楽ですよ。無詠唱と同等かそれ以上にきつい修業内容ですが…」

 「え?まさか…また炎の中に放り込まれたりするんですか?」

 「人聞きが悪いですね、そんな人でなしの様な事はしませんよ。」

 「いえ、先生は昨日に何度も俺を炎の中に放り込みましたよね?」

 「あれに比べたら遥かに楽ですよ。制御が上手く行かなければ大爆発を起こして死にそうな目に遭うだけです。」

 それを聞いた3人は頭を押さえて悩んでいた。
 
 「そ…そういえば、フレッドの奴の姿が見えませんね?」

 「フレッド君の修業は、君達が終わってから夜に行っていますからね。多分今頃は死んだ様に眠っていますよ。」

 「ちなみにフレッドの修業内容って、俺達の様な修業内容だったのですか?」

 「君達の方が遥かに楽ですよ。フレッド君は何度か死に掛けましたし、途中で息をしてなかった時は本当に焦りましたが…」

 「フレッドの修業は上手く行っているんですか?」

 「君達が覚える技法の2つをほぼ取得していますよ。君達より一歩先にいますね…途中で何度か逃亡しましたが。」

 「あの真面目なフレッドが逃亡って…」

 「フレッドは私達の修業が終わった後に会えるのかしら?」

 「今のフレッド君は死んだ様に眠っていますよ。逃げられない様に拘束していますけど。」

 「あいつも頑張っているんだな…って、拘束⁉」

 「さて、そんな事よりも君達です!では、行ってみようか!」

 「ちょ…ちょっと待って下さい!」

 「何ですか?またくだらない話をして時間を引き延ばすつもりですか?」

 3人は図星を刺されたようで俯きながら黙っていた。

 「大丈夫ですよ、数をこなしていけば死にそうな目は回避されますので。この修業が終わる頃には、君達は学園でトップの力を身に付けていますよ。途中で死ななければの話ですが…」

 「いま、サラッと怖い事を言いませんでした?」

 「では、始めますね!君達が覚える技法の2つは、性質変化と形状変化です。集中しないと本当に死にますので、集中力を切らさない様に努力をして下さいね。」

 もはや3人の表情に生気が宿った顔をしていなかった。

 そして修業が開始され…死にそうな目を2桁…いや、3桁に届きそうなくらいの回数を経験した。

 その修業が終わり、彼等は本当に学園トップの実力になっていた。

 だが、4人が揃って表情を見ると…もう恐れる物は無いという様な顔付になっていたのだった。

 「さて、ダンジョンに入る前に…先生と模擬試合をしましょうか!」

 4人の表情は、絶望的な表情を浮かべているのだった。

 次回、模擬試合をお楽しみに。
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