元Sランクパーティーのサポーターは引退後に英雄学園の講師に就職した。〜教え子達は見た目は美少女だが、能力は残念な子達だった。〜

アノマロカリス

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第二章 本章スタート

第十話 戦闘開始!

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 「私とリーゼさんでは、正直言って相手にはならないと思うので遠慮したいのですが…」

 「ウチをカーリスやベルリーニと同じだと思ってませんかん?」

 「実戦をあまり知らなければ、どの子も大して変わりませんよ。それでも挑むのですか?」

 「あまりウチを舐めないで欲しいわん!」

 ダメだ…リーゼは応じる気はないみたいだ。

 どうしてアブノーマルクラスの子達はこんなに勇ましいのでしょうか?

 天才だと言われているのなら、実力差くらい気付いて欲しいものだけど。

 私とリーゼが話している間、アブノーマルクラスの4人とフードを被った男が1人…観客席に入っていた。

 リーゼは詠唱も唱えずに蒼炎の炎を出現させると、いきなり放って来た。

 「まずは挨拶代わりなのよん♪」

 「無詠唱が使えるのですね、さすが天才ですね。ですが…」

 私は手を差し出すと、蒼炎の炎を灼熱の炎で消した。

 「さっすがせんせぇ~これじゃあダメなのねん!」

 リーゼは指を鳴らすと同時にバーニングウォールを展開した。

 ラスが作りだしたフレイムウォールより高い炎の壁で高密度の炎がうねりを上げていた。

 「さすがに赤の称号の魔道士だけあって、炎の扱いは完璧ですか!」

 あれ?

 そういえばリーゼって、魔剣士じゃなかったっけ?

 でもこれだけ魔法を使いこなしている所を見ると、魔剣士というより魔法剣士ね。

 この方法はもしかして…アレをやる気?

 そう思った瞬間、炎の壁を突き破って巨大なブレイズエグゼキュショーナーが向かって来た。

 私の後ろの観客席には、アブノーマルクラスのカーリスとベルリーニがいた。

 これだけの巨大な複合統一魔法を放てるのも恐れ入ったけど、私が避ければ後ろの子達が…

 反射魔法も使えない事はないけど、これを反射するとリーゼが…

 「どうですかせんせぇ~?相殺は出来ませんよねん♪」

 「そうですね…」

 私は灼熱の炎と蒼炎の炎を出現させた。

 そしてそれを合わせて複合統一を………

 「複合を出来ても放てませんよねん?どうするんですかん?」

 「こうするのよ、水麒水月斬!」

 私はリーゼから放たれたブレイズエグゼキュショーナーを垂直斬りで真っ二つに斬った。

 斬られたブレイズエグゼキュショーナーは、別々の方向に飛んで行き…壁に激突した。

 「な…何でなのねん⁉イリューザー家の家宝の魔剣でも消滅する程の威力で切り裂く事なんて出来ないのにん‼」

 「魔剣で既に試していたのね…って、家宝の剣をそんな事したら駄目でしょう。」

 「せんせぇ~の剣は一体何なのねん⁉」

 私の手には白色に輝くグレートソードがあった。

 「リーゼさんのブレイズエグゼキュショーナーは、確かに私に反撃の隙を与えてはくれませんでした。なので、ブレイズエグゼキュショーナーを形状変化で大剣の形にして斬ったのです。同じ属性なら折れる事はありませんから…」

 「な…なんで、そ…そんな事出来る…の?」

 リーゼの放ったブレイズエグゼキュショーナーは、確かに巨大で凄まじい威力はあった。

 だけど、質量が大きすぎてこちらに向かって来た速度がそれ程早くなかった。

 でも幾ら速度が遅いと言っても相殺は無理だと判断して、今回の策を取ったのだけど…。

 「リーゼさんのブレイズエグゼキュショーナーは大変見事でした。ですが、あの大きさは人に向けて良い物ではありませんよ。私が避ければカーリスさんとベルリーニさんが危険な状態になると解って、私が避けれない威力の魔法を放ったのですか?」

 「ウチはせんせぇ~が憎かったからなのねん。」

 「そこが解らないんですよね?私は貴女に殺される程憎まれる何かをしたのですか?」

 「でもそれも失敗したのねん。次は…もっと効率の良い方法で葬ってやるのねん!」

 「そうですか…理由を話してくれない上に、まだ私を狙おうというのですね?分かりました。」

 私は男の姿を解除すると、長い緑色の髪が現れた。

 そしてリーゼを見つめる瞳は、赤と青のオッドアイが捉えていた。

 「な…なんなのねん、その姿は…?」

 「まさか、あれは⁉」

 私の本来の姿を恐らくテトラに見られただろう。

 だけど、私はリーゼを許す訳にはいかずに…宙に炎・水・風・土・雷・氷・闇・光の属性を出現させた。

 「せ…せんせぇ~は何をする気なのねん⁉」

 「悪い子のリーゼさんにお仕置きをする為です。八種複合統一魔法………」

 「そ…そんな物を喰らったら死んでしまうのねん‼」

 「あら?人を殺そうとした癖に自分が死ぬのは嫌なのですか?人を殺そうとするのなら、自分も殺される覚悟をしないと駄目ですよ。終焉の殲滅魔法…ジハード‼」

 私の髪や瞳が光りだし、体全体から光が溢れ出ると…周囲にあった巨大な岩や石像を消滅させて行った。その光がリーゼに迫って行くと、リーゼは壁まで後退して行って必死に壁を登ろうとしていた。

 だが、壁は高すぎて上がる事は出来ず…徐々にリーゼに迫って行った。

 「先生、辞めてくれ‼」

 観客席にいたフードの男がフードを投げ捨てた。

 ラスが闘技場に降りてきて、リーゼの前で両手を広げて立ち塞がった。

 「何をしているのラス君!」

 「リーゼのした事は悪いと思っている!だが、リーゼを殺すのは辞めてくれ‼それでも先生がリーゼを…というのなら、俺が身代わりになるから‼」

 「兄様‼ダメ~~~~~!!!」

 リーゼは涙を流しながらラスを後ろから抱きしめた。

 私は魔法を解除した。

 ちょっとした脅しのつもりでジハードを放ったのだけど、そこまでマジになるとは思わなかった。

 「せ…先生、感謝します!」

 「ちょっとした脅しのつもりでやっただけだから、別に殺そうとなんて思ってなかったんだけど。」

 「あんな状況を見たら、先生は本気でやったと思いかねませんよ!」

 リーゼは泣きじゃくるばかりで、真面に話が出来ずにラスにしがみ付いていた。

 「それにしても先生って、本当は女性だったんですね。」

 「あ、うん…そうなの。この八種複合統一魔法のジハードは仮の男の姿では出来ない魔法だったから、本来の女性体にならないと発動出来なかったの。」

 「男の姿だと俺よりも年上に見えたけど、女性の姿は俺とあまり変わらない年齢にみえるな!」

 「そうね、私は17歳だからね。ラス君とそう変わらない年齢なのは確かかも。」

 私は既にバレているけど、また男の姿に戻った。

 「元に戻ったんですね、それの方が違和感はありませんが…女性の姿も綺麗でしたよ。」

 ラスがそういうと、リーゼが鋭い目つきで私を見ていた。

 それで私は察したのだった。

 「リーゼさん、もしかして…私に嫉妬していたの?」

 「え?そうなのか⁉」

 「兄様は授業を受けて帰ってくると、ここ最近はテルパせんせぇ~の話ばかりするんだもん。授業をしている時に兄様を見に行くと、せんせぇ~と兄様の距離が近いし…」 

 「たかだかそれだけの事で私は殺されそうになったの?リーゼさん安心して下さい。私は…弱い男には全くこれっぽっちも興味がありませんので!」

 「ぐはっ‼」

 ラスは何か精神的なダメージを受けて地面に手を付いた。

 「ではせんせぇ~は兄様の事は?」

 「生徒というだけでそれ以上の感情は全くありません!」

 ラスはよろよろと立ち上がってから、リーゼの頭に手を当てて無理矢理頭を下げた。

 「それよりも今回の事は妹の代わりに俺が謝罪します。」

 「もう良いですよ、リーゼさんは…これからどうしますか?」

 「約束は約束!せんせぇ~の授業に出ますよん。」

 「こんな妹ですが、これからよろしくお願いします!」

 リーゼも授業に出る事になった。

 これで3人目!

 後…残りは2人だけね。

 私は観客席にいるアイーシャとテトラを見た。

 するとテトラは私の方を見て不敵な笑みを浮かべていた。

 次はテトラと一悶着起こるのだった。
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