元Sランクパーティーのサポーターは引退後に英雄学園の講師に就職した。〜教え子達は見た目は美少女だが、能力は残念な子達だった。〜

アノマロカリス

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第二章 本章スタート

第二十話 地獄の…はじめのい〜っぽ!

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 翌日より、アイーシャの鍛錬が始まった。

 アイーシャは他の4人に比べて遥かに基礎体力が低い。

 ジョブが魔導師というのもあるだろうが…それを抜いたとしても圧倒的に基礎体力が無かった。

 「ほら休むな!さっさと走りなさい。」

 「お願いですから休ませて下さい!」

 「休みたいのなら休んでも良いですよ。」

 「本当に⁉︎」

 「アイーシャさんは強くなって皆を見返すという話でしたが…この調子では一生無理でしょうし、休んで怠けて鍛錬が終わったら虐められる生活に逆戻りしたいのなら止めませんよ。強くなりたいという希望なら叶えますが、楽して怠けたいというのならお好きにどうぞ。」

 私は離れた場所で椅子に座って本を読み始めた。

 アイーシャは、少しだけ休憩するとすぐに再開したのだった。

 それを見ていた4人は…?

 「先生は相変わらず人をやる気にさせるのが上手いな。」

 「あぁ言われたら休む訳には行かないでしょうからね。」

 「何だか少しぬるい気がしますけど?」

 「あれでもかん?」

 「歩くなと言ったでしょう!水炎複合魔法・熱湯地獄!」

 「ギャァァァァァァ‼︎」

 アイーシャは頭上から熱湯をぶっ掛けられて、のたうち回っていた。

 「全然ぬるくないね…私達の時は少し熱いお湯程度だったけど、熱湯では無かったからね。」

 「アイーシャの場合は魔導師のジョブ以外に、魔法耐性があるから…それの対策用なのだろうな。」

 「それにしたって、あんなに難しい複合統一魔法をこうもあっさりと…」

 「リーゼも使った事があるじゃないか?」

 「複合統一魔法って比率や計算が桁違いに必要なのよねん。ウチの場合は以前にお兄様からある程度聞いていたから可能だったけど、初見ではまず無理なのねん。」

 「本当におねえ…先生は凄いんだね。」

 「テトラ、別にいちいち訂正しなくても良いぞ。お前とテルパ先生が姉妹だって事は皆知っているからな。」

 「テトラ、先生とテトラって幾つ離れているん?」

 「お姉様は、私より2つ年上だったかな?」

 「…という事は、現在17歳か。たった5年でSランクの地位を手に入れるって、先生はどれだけ凄いんだ?」

 「どれだけって、あの時の演習場での力の発動を見たでしょ?わたくしは一生追い付けないと悟りましたわ。」

 アイーシャは立ち上がると真面目に走り出した。

 4人はそれを見届けると、ダンジョンに向かって行った。

 「リーゼの兄貴の情報だと、21階層から植物エリアだという話だな?」

 「うっかりツタを踏んだりすると、そのまま絡み取られてから捕食されると言っていたのねん。」

 「次は周囲だけじゃなく、下にも気を配って行かないとって事か!」

 カーリス達も順調にダンジョン攻略が出来ていた。

 「アイーシャさん、少し休憩にしましょう。」

 私がそういうと、アイーシャはそのまま地面に寝転んだ。

 先程の熱湯による軽い火傷を回復魔法で癒した。

 「アイーシャさんは、目標は出来ましたか?」

 「私は…強くなって皆を見返す事が出来たら、先生に復讐します‼︎」

 「それは立派な目標ですね!私には一生勝てないでしょうけど、頑張って下さいね。」

 「先生は余裕がありますね?」

 「余裕では無くて事実を申し上げただけです。王宮での私の身の上話を話した時に聞いていたかは分かりませんが…貴女と私では、境遇や生き方がまるで違います。私が4歳から12歳までは屋敷の地下牢で監禁されていましたが、貴女はその頃何をしていましたか?」

 「その頃は……」

 「12歳になってから追放されて、冒険者になって16歳まで毎日死ぬ様な目に遭っていた時に貴女は何をしていましたか?」
 
 「・・・・・・・・・・」

 「それが私と貴女との差です。温室育ちでこれと言って大した苦労もして来なかった者が…私に勝とうなんて生まれ変わらない限り追い付けませんよ。」

 アイーシャは会話を切り上げて再び走り始めた。

 アイーシャの鍛錬は、まだまだ序盤の基礎段階。

 これから先に地獄の様な鍛錬が待ち構えているのだった。
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